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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ロシア、ハバロフスクなどで国境閉鎖
2020-01-29 Wed 02:33
 中国で新型コロナウイルスの感染が拡大し、多数の死者が出ている問題で、モンゴルに続き、ロシア極東ハバロフスク地方のフルガル知事も、昨日(28日)、同地方などにある対中国境の検問所3カ所を2月7日まで閉鎖することを発表しました。(下は、ハバロフスクからアムール川をはさんで対岸の中国・撫遠へ渡る船が出るターミナルの入口。以下、画像はクリックで拡大されます)

      ハバロフスク=撫遠ターミナル

 というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。

      アムール川船舶局

 これは、ハバロフスク周辺で事実上の国境管理を行っていたアムール船舶局(現アムール川船舶会社)の建物が描かれたソ連の切手付き封筒(1982年発行)です。

 アムール船舶局は、本来は、アムール川を航行する船舶を管理・運営するため、ソ連時代に設立された組織でした。しかし、アムール川が中ソの国境河川だったことから、同社の業務は実質的に国境管理にも携わっていました。たとえば、満洲国建国後の1934年9月、アムール川の航行をめぐるソ連と満洲国の交渉は、アムール船舶局と満洲国の哈爾濱航政局との間で進められ、両国間の協定も調印されている。

 もっとも、ソ連と満洲国との国境問題から両国の国境守備隊の小競り合いが起こるようになると、ソ連政府は、アムール船舶局と哈爾濱航政局との協定は、あくまでも民間の汽船会社による取り決めにすぎず、国際的な効力はないと抗弁するなど、ソ連政府は、アムール船舶局の位置づけを、適宜、自国の有利になるように読み換えていました。

 今回ご紹介の切手付き封筒に描かれている船舶局のオフィスは、ハバロフスクのメイン・ストリート、ムラヴィヨフ・アムールスキー通りを挟んで大聖堂広場と反対側(通りの南側)にあり、円筒形のタワーと入口の錨のオブジェが印象的な外観となっています。(実際の建物の写真を下に貼っておきます)

      アムール川船舶会社

 なお、アムール船舶局は、ソ連崩壊後の1994年、公開型株式会社の“アムール川船舶会社”になりましたが、同社の初代支配人にはアムール船舶局長のアナトリー・スホフが横滑りしました。なお、スホフは、“ロシア=中国の国境地帯の川の船舶航行に関する委員会”のロシア側の議長やロシア=中国友好協会会長を務めており、同社の本質は“民営化”の前後でもほとんど変わりませんでした。

 ちなみに、アムール川とハバロフスク、およびその歴史については、拙著『ハバロフスク』でも詳しくご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。


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 1月31日(金)05:00~  文化放送の「おはよう寺ちゃん 活動中」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時のスタートですが、僕の出番は6時台になります。皆様、よろしくお願いします。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。


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 モンゴル、中国との国境閉鎖
2020-01-28 Tue 02:50
 中国で新型コロナウイルスの感染が拡大し、多数の死者が出ている問題で、モンゴル政府は、昨日(27日)、同国に隣接する中国内モンゴル自治区で感染が確認されたことを受け、中国との国境を閉鎖して車や人の往来を禁止すると発表しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      モンゴル・国境警備隊50年

 これは、1983年7月14日にモンゴルが発行した“国境警備隊50年”の記念切手です。

 モンゴル民族の居住地域は、かつては帝政ロシアと清朝に分割されて支配され、ゴビ砂漠をはさんで、南側が内蒙古、北側が外蒙古と呼ばれていました。遊牧民の常として、モンゴル人は家畜を連れて自由に移動したため、1924年11月26日、ソ連の衛星国としてのモンゴル人民共和国が発足した後も、彼らは無意識のうちに国境侵犯を繰り返し、周辺諸国との国境管理も曖昧な状態が続いていました。

 これに対して、1932年3月、満洲国が建国されると、満洲国とモンゴルとの“国境”画定が問題となります。すなわち、満洲国の建国以前、ソ連とモンゴルがハルハ河流域の国境を河より30kmほど東側に設定していたのに対して、中華民国側は(建前としてはモンゴルの独立を認めていなかったものの)ハルハ河の中心線を境界とし、満洲国も中国側の主張を踏襲していました。

 このため、モンゴルも本格的な国境管理に乗り出す必要に迫られ、1933年、国軍とは別に、家畜(と遊牧民)が越境したときの隣接国とのトラブルに対応することを主たる任務として、国境警備隊が組織されます。今回ご紹介の切手は、ここから起算して50周年になるのを記念して発行されたものです。ちなみに、1939年の“ハルヒンゴル戦争(ノモンハン事件のモンゴル側の呼称)”は、関東軍の第23師団がハルハ河流域で「モンゴル兵の“越境”を認めた」という理由で、モンゴル軍の撃退に向かったことから始まりました。

 1949年10月に中華人民共和国の成立が宣言された後も、中国はモンゴルの独立を承認したものの、両国間では正式な国境線は画定されておらず、1956年1月、北京とウランバートルを結ぶ国際列車が正式に開通した際、中国側の内モンゴル自治区シリンゴル盟エレンホト市とモンゴル国ザミンウードの境界に位置するエレンホトに出入国検査を行う口岸が設けられました。これを機に、1962年までに両国間の正式な国境線が画定されました。

 さて、現時点では、モンゴル国内でウイルスの感染者は確認されていませんが、両国間の国境は陸路で4630㎞にも及んでおり、ウイルスの侵入を完全に防ぐことはかなり難しいのではないかと思われます。このため、モンゴル政府は、今回の国境閉鎖とあわせて、3月2日まで、すべての大学と教育機関を閉鎖するとともに、すべての集会も中止するよう呼び掛けています。なお、中国・武漢には、27日の時点で約30人のモンゴル人留学生がいたそうですが、モンゴル政府は彼らを空路で帰国させる方針だそうです。


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 アウシュヴィッツ解放75周年
2020-01-27 Mon 02:50
 1945年1月27日にアウシュヴィッツ・ビルケナウ収容所が解放されてから、75周年になりました。というわけで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      アウシュヴィッツ・アイントラハトヒュッテでの使用例

 これは、アウシュヴィッツの収容者に支給された葉書のうち、タイプ2と呼ばれるフォーマットのもので、アイントラハトヒュッテ収容所での使用されているのがミソです。

 アウシュヴィッツの第1(基幹収容所)第2(ビルケナウ)第3(モノヴィッツ)の各収容所の下には、計44のサブ・キャンプ(下位収容所)が設置され、アウシュヴィッツから選別された収容者たちが、農場や炭鉱、石切場、漁場、軍需産業での強制労働に動員されていました。

 そのうちの一つ、アイントラハトヒュッテ(ポーランド語名ズゴダ)収容所では、アウシュヴィッツで使用されていたタイプ2の葉書(図 )が使用されていました。

 アイントラハトヒュッテ収容所は、1943年5月26日、アウシュヴィッツの基幹収容所の北西約40キロの地点(現在の行政区分では、ポーランド南部、シロンスク県シフィエントフウォヴィツェ郡ズゴダ地区)に開設されました。収容所長は、1944年7月17日まではヨゼフ・レンメレ、1944年7月18日から1945年1月23日に収容所が解放されるまではヴィルヘルム・ゲーリングで、いずれも階級は親衛隊上級曹長です。

 収容所の建物は管理棟のみレンガ造りで、他は木造。高圧電流の流れる二重の塀に囲まれ、四隅には監視塔がありました。収容者はドイツの勢力圏内の全域から集められ、ピーク時には1347人(一室あたりの人数は60-80人)が、近隣の兵器廠や民間の機械工場、自動車工場での労働を課せられています。労働環境は過酷で、週に10-15人が命を落とし、収容所の開設期間中の死者は数百人に上りました。

 今回ご紹介の葉書は1943年9月7日に差し出され、翌8日にはアウシュヴィッツ2局に持ち込まれています。なお、検閲印の表示は“Postzensurestelle/ A.L. Eintrachthütte/ geprüft…(郵便検閲/アイントラハトヒュッテ労働収容所/・・・によって検閲された)”となっており、労働キャンプとしてのアイントラハトヒュッテ収容所の性格が明示されています。

 宛先のリブニクは、ポーランド南部、クラクフから西に約100キロの位置にある炭田地帯で、現在の行政区分ではシロンスク県に属しています。第一次大戦以前はドイツ帝国の領土だったこともあって、第二次大戦が勃発するとドイツが再占領し、ドイツ領に編入されたうえで、住民は民族別に分けられ、“再ドイツ化”されるか、公民権を剥奪されるか、ポーランド総督府の地域に追放されました。

 なお、1945年1月にアイントラハトヒュッテ収容所を“解放”したソ連軍は、ここを“ズゴダ労働収容所”と改称し、内務人民委員部(MKVD。スターリン政権下で、刑事警察、秘密警察、国境警察、諜報機関を統括していた組織)管理下に置いたうえ、同年3月、ソ連の傀儡政権であるポーランド共和国臨時政府内務省保安部に引き渡しています。そして、3月15日、ユダヤ系ポーランド人でスターリニストのサロモン・モレルが所長として着任すると、彼の下、ドイツ人や反共主義者とみなされたポーランド人等の収容者6000人が飢餓とチフスが蔓延する中で過酷な労働を強制され、1945年11月までの9ヵ月間に1855人が亡くなりました。これは、約1年半に及んだドイツ占領下のアイントラハトヒュッテ収容所での死者総数をはるかに上回る犠牲者数です。

 1989年、ポーランドで共産主義体制が崩壊し、共産主義政権下での国家犯罪に対する追及が始まると、モレルも捜査対象となりましたが、1992年、彼はイスラエルに逃亡。ポーランド政府の身柄引き渡し要求は“反ユダヤ主義の謀略”としてイスラエルに居座り続け、2007年、テルアヴィヴで死亡しました。

 ちなみに、アウシュヴィッツとその関連の郵便物については、拙著『アウシュヴィッツの手紙 改訂増補版』でも詳しくご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。 


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 中国、海外旅行を事実上禁止
2020-01-26 Sun 02:23
 中国政府は、きのう(25日)、新型肺炎の拡散を防止するための移動制限措置の一環として、27日以降、国民の海外旅行を事実上禁止することを決定しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ロシア・ソチ観光(2011・スキー場・中国語)

 これは、2011年、2012年のソチ五輪を前にロシアが発行したソチ周辺の観光宣伝切手のうち、五輪会場にもなったクラースナヤ・ポリャーナのスキー・リゾートを取り上げた1点で、右側には、中国語の説明文が印刷されたタブが付けられています。

 2011年のロシアの観光宣伝切手は、五輪開催地のソチとその周辺の観光地4ヶ所を取り上げ、それぞれ、英仏独西露中の各国語での説明文を記したタブとの連刷形式で発行されました。このうち、中国語に関しては、香港・マカオ・台湾や東南アジアなどで使用されている繁体字ではなく、大陸で使用されている簡体字表記になっており、ロシア当局が中国人観光客の誘致に力を入れていたことがうかがえます。

 1949年の中華人民共和国建国後、中国人の海外渡航はながらくビジネス、留学、親戚訪問の身に制限されていましたが、1997年、団体旅行が解禁されました。ちなみに、個人の海外旅行に関しては、中国政府と相手国政府とが承認した国への渡航が可能で、日本への個人旅行に関しては、2000年に北京市、上海市、広東省の住民を対象に観光ビザの発給が始まり、2005年以降、中国全土の住民が対象となりました。

 一時期、日本でも話題になった“爆買い”など、旺盛な消費意欲で知られる中国人観光客ですが、それは一定以上富裕層の話で、貧富の差が激しい中、無制限な海外旅行を許可すると、低所得層が大挙して出国し、帰国せずに現地で不法就労する可能性が高いとされています。このため、一般の中国国民にとっては、団体ビザ以外の観光ビザの取得は必ずしも容易ではなく、その結果、旅行の形態としては、団体パック旅行もしくは旅行会社が航空券とホテルだけを手配する個人旅行(=団体旅行のばら売り)が中心となっており、旅行業者は多額の保証金を預け、旅行者が失踪した場合には保証金が没収され、その旅行会社主催のツアーへのビザ発給も禁止されることになっています。

 さて、人民日報の日本時間26日午前0時時点の集計によると、中国本土の感染者は1367人、死者は41人、重症者は200人以上となっており、24日以降、フランスやオーストラリア、マレーシアでそれぞれ初の感染者が確認されたことで、中国本土以外で感染者が出た国・地域は13になりました。このため、中国政府としては、国民を出国させないことで、新型肺炎のこれ以上の拡散を防ぐため、24日から国内の団体旅行業務を停止していましたが、27日以降は海外旅行も、旅行会社が関与しない個人旅行を除き、停止に踏み切ったというわけです。

 ただし、既に出発したツアーについては、旅行者の健康状況に注意しながら継続するとのことですから、おとといから始まったとされる春節休暇中の“民族大移動”により、今後も新型肺炎が日本を含む各国に拡散していく可能性は否定できません。

 一方、こうした中国側の動きを受けて、米政府も、26日にも230人乗りのチャーター便を運航し、米国総領事館に勤務する外交官を含む武漢市在住の米国民とその家族などを避難させるほか、ロシアも、武漢市から自国民を退避させるため中国側との調整を進めているとか。武漢市とその周辺では、昨年10月の時点で156社の日系企業が活動していることですし、日本政府にも、そうした在留邦人の保護・救出のため、一刻も早く行動を起こしていただきたいものです。

      
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 新年快樂 身体健康
2020-01-25 Sat 00:25
 きょう(25日)は旧正月・春節です。というわけで、子年の正式なスタートですから、拙著『日韓基本条約』の重版を祈願して、鼠を描いた韓国切手の中から、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      韓国・申師任堂『草蟲図』

 これは、1994年の切手趣味週間の切手で、朝鮮史上最高の女流画家とされる申師任堂の「草蟲図八曲屏風」のうち、烏瓜と鼠を描いた部分が取り上げられています。

 朝鮮では、古い時代には神話は文献に記録されず、巫女たちの口伝による巫歌によって伝承されてきたため、さまざまなヴァリエーションがありますが、咸鏡道に伝わる巫歌では、天地開闢のとき、弥勒が現れて文字通り天地を引き剥がして四隅に銅の柱を建て、日、月、星を創造したとされています。その際、弥勒は火と水の根源を知らなかったため、ハツカネズミに火と水の根源を尋ねたところ、ハツカネズミは「クムジョン山(釜山の金井山のことか?)に入って石と石を打てば火が出る。ソハに行けば泉が湧き出ているので水源を知るであろう」と応え、弥勒から「お前に世界のすべての米櫃を占有させる」との約束を得たとされています。

 また、別の巫歌によると、以下のような伝承が伝えられています。

 すなわち、世界を作った弥勒に対して、釈迦が世界を奪おうと勝負を挑み、花を咲かせた数を競った時、釈迦は自分の花を弥勒の花とすり替えて勝ったため、弥勒は「釈迦の世は混乱した末世になる」と予言して去ってしまいました。果たして、釈迦の下、地上には三千人の僧と一千人の居士が出現したものの、いまだ火はなく、彼らは生のものを食べていました。釈迦はハツカネズミから火の起こし方を習い、焼いた鹿の串肉を三千人の僧に食べさせましたが、僧たちは死んでしまいました…となっており、やはり、鼠が火を地上にもたらしたとされています。

 朱子学が浸透した朝鮮王朝の時代は、貪官汚吏をネズミ(農村の穀粒を収奪地方官を野ネズミ、宮廷で国庫を蕩尽する両班を家ネズミに)たとえて忌避する風潮が強く、ネズミを盗人と関連付けて、コソ泥を意味する“鼠窃”、“鼠賊”などの言葉も生まれました。

 その一方で、ネズミは多産の象徴であり、まめに食べ物を集めることから勤勉さの象徴として「子年生まれの者は裕福に暮らす」、「ネズミが塩を運ぶようだ(物が少しずつなくなっていくことのたとえ)」などの成句もあります。

 今回ご紹介の切手に取り上げられた『草蟲図』の作者、申師任堂は、朝鮮王朝中期の1504年、江原道江陵生まれ。本名は伝わっておらず、資料には、師任堂(古代中国周王朝の文王の母・太任を師として見習うと言う意味)や思任堂、師妊堂などの号(韓国語ではいずれも“サイムダン“の発音)と記録されています。

 幼いころから四書に親しみ、詩文と絵画に優れた才能を発揮。さまざまな漢詩や、山水・葡萄・草・虫などを画題とする作品を数多く残しました。

 また、19歳で李元秀に嫁ぎましたが、元秀の母(姑)と元秀は彼女の人格と才能を愛し、その才能を十分に発揮できるように支援したため、朝鮮時代の女性としては極めて珍しいことだが、自由闊達な環境でその才能を開花させました。ちなみに、元秀との間には7人の子供をなしています。

 また、夫の元秀に科挙合格のため10年間離れて学業に専念することを約束させ、ソウルへの出立を見送ったものの、元秀が数日で家に戻ってしまったため、師任堂は裁縫箱から鋏を取り出し、「この世に未練はありません。あなたが約束すら守れないなら、私は自決して人生を終わらせようと思います」と言って諭した逸話が伝えられています。

 2人の間に生まれた三男の李栗谷(李珥)は母親の薫陶を受けて13歳で科挙の進士に合格し、後に、朝鮮時代最高の儒学者として、5000ウォン紙幣にも肖像が描かれているほどですが、彼によると、「父が生計についての仔細には無頓着であったため生活が苦しく、母はいつも質素で勤勉、節約を旨としていた」そうです。

 こうしたことから、申師任堂は朝鮮における“良妻賢母”の理想像とされており、切手の『草蟲図』に描かれたネズミも勤勉と多産であった彼女自身を投影したものとみることも可能かもしれません。

 PS ここ数年、春節の日の記事タイトルは、“新年快樂 萬事如意”としていたのですが、今年に限っては、新型コロナウィルスのこともありますので、“新年快樂 身体健康”にしました。やはり、健康が大事ですので…。

      
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 エルサレムでホロコースト追悼式典
2020-01-24 Fri 02:08
 今月27日のアウシュヴィッツ解放75周年を前に、きのう(23日)、エルサレムの“ヤド・ヴァシェム(ホロコースト記念館)”で「ホロコーストを忘れず、反ユダヤ主義と闘う」と題された式典が行われ、ロシアのプーチン大統領やフランスのマクロン大統領、ペンス米副大統領、チャールズ英皇太子らが出席しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      イスラエル・ヤドヴァシェム50年(熊)

 これは、今回の式典の会場となったヤド・ヴァシェムの創立50年を記念して、2003年9月9日に発行された切手で、ホロコーストの証言記録用紙を背景に、ホロコーストの象徴としての黄色いダヴィデの星を付けたテディベアがデザインされています。

 ヤド・ヴァシェムは、ホロコーストの犠牲者らを追悼するためのイスラエルの国立記念館で、1953年、イスラエル国会の決議に基づき、エルサレムのヘルツルの丘に建設されました。ヤド・ヴァシェムとはヘブライ語で“名前と記憶”の意味で、犠牲者亡1人1人を記憶にとどめておこうという追悼の意味を込めて、旧約聖書『イザヤ書』第56章第5節の「 わが家のうちで、わが垣のうちで、むすこにも娘にもまさる記念のしるしと名を与え、絶えることのない、とこしえの名を与える。」にちなんで命名されたものです。

 施設の面積は18万平米の広大な敷地には、ホロコースト歴史博物館、公文書保存所、図書館、出版所、教育センター、ホロコースト研究国際学校、シナゴーグ、記念碑(「子供記念碑」、「記憶の広間」など)、ホロコースト関連の芸術作品(絵画や彫刻など)の博物館など様々な施設があります。

 そのハイライトとなるホロコースト歴史博物館は、イスラエル系カナダ人の建築家、モシェ・サフディの設計によるもので、建物からはエルサレムを一望できる一方、丘の景観を損ねることなく、さらに、ヤド・ヴァシェムの中心的な役割を担うよう設計してほしいとの要求に応えるため、建物を高さ 18m、長さ 175mの三角柱を横倒しにして丘を頂上付近で切るように配置したうえで、展示スぺースの大部分は頂上より下に配置しています。博物館の最後にある“名前のホール”は高さ10mの円形構造で、現在までに判明しているホロコーストの犠牲者の全記録が残されています。

 また、危険を冒してナチス・ドイツの迫害からユダヤ人を守った非ユダヤ人は、ヤド・ヴァシェムより“諸国民の中の正義の人”として顕彰されており、日本からは、リトアニア・カウナス日本領事館領事代理で、“命のヴィザ”で知られる杉原千畝が1985年にこの称号を授与されました。

 ちなみに、アウシュヴィッツ収容所とその郵便物に関しては、拙著『アウシュヴィッツの手紙 改訂増補版』でも詳しくご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。
 
      
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 泰国郵便学(59)
2020-01-23 Thu 02:50
 ご報告がすっかり遅くなりましたが、公益財団法人・日本タイ協会発行の『タイ国情報』第53巻第6号ができあがりました。というわけで、僕の連載「泰国郵便学」の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      タイ・農業センサス(1978)

 これは、1978年3月1日、“農業センサス”の周知宣伝を兼ねて発行された記念切手です。

 タイの近代統計事業は、1914年4月、大蔵省内に経済予測局が設置されたことから始まり、1916年には最初の統計年鑑が刊行されました。その後、何度かの組織改編を経て、1963年5月、総理府に現在の国家統計局(NSO)が設立され、人口センサス、農業センサス、工業センサス、商業・サービス業センサスが実施されています。

 このうち、農業センサスは1950年に実施されたのが最初で、以後、1963年、1978年、1993年、2003年、2013年に本調査が、1983年、1988年、1998年、2008年に中間調査が実施されました。調査項目は、土地所有、土地利用、契約農業、作付面積、収穫面積、肥料、農薬、農機、農村世帯状況等です。

 農業センサスの結果によると、1960年にGDPの約30%を占めていた農業生産額は、1978年の調査では約20%に落ち込んでいます。また、同年の輸出額に占める農業の割合は30%強、製造業は60%弱でした。

 ただし、このことは農業生産そのものが落ち込んだことを意味しているのではなく、1960年代以降、タイの農業は年平均3%の成長を続けており、1961年に500万米ドルに達しなかった農業生産額は1978年には1000万ドルに到達し、1978年のコメの生産は1962年の約1.5倍、ゴムの生産は約2.5倍、砂糖は12倍に増大しました。

 ところで、農業センサスの切手に描かれている稲作に関していうと、1978年は、香り米(ジャスミン・ライス)の品種として“ゴーコー153(KKH15)”の栽培症例が開始された年でした。

 KKH15は、1959年以降、生産が推奨された香り米の“カーオ・ドーク・マリ105(KDML105)”の改良品種で、KDML105とともに、香り米の中でも特に香りと形状が良いとされています。このため、2001年タイ国商業省の輸出規則では、これら2品種のみが、政府の認定するタイ産高級香り米とされており、その認証マークも特別に作成されました。

 KDML105およびKKH15の産地としては、従来、塩分濃度が高くい砂地のような土壌で、乾季と雨季の差が激しく、米作に不向きとされてきた東北タイのローイエット県、 マハーサラカーム県、ヤソートーン県、シーサケート県、スリン県にまたがる “トゥン・クラー・ローンハイ(クラー族も涙する乾燥の平原)”が有名で、結果として、東北タイの農民の生活向上に寄与することになりました。

 また、同じく切手に描かれている耕耘機に関しても、1978年はタイの農業にとって画期的な年でした。

 1960年代以降、タイでは中古の耕耘機を輸入して使用していましたが、故障が多かったうえ、交換部品の入手も困難で、さらに、修理技術を持つ技術者も少なく、農業の機械化は遅々として進みませんでした。

 そこで、タイ政府投資委員会(BOI)は農業用エンジンの国産化を優先課題として取り組むことを決定。王室財産管理庁を筆頭株主とするサイアム・セメント社が、タイに対する耕運機の輸出とメンテナンス・サービスの提供実績のあった日本企業のクボタをパートナーに選び、1978年7月、合弁会社の“サイアム・クボタ・ディーゼル(SKDC)”を設立。同社は、1980年から耕耘機に搭載する横型水冷エンジンを中心に、農業用ディーゼルエンジンの製造販売を開始します。

 一方、クボタのライバル企業ともいうべきヤンマーも、同じく1978年7月、タイに現地法人としてヤンマーSP社を設立。国内生産部品を使って1981年から横型水冷エンジンの製造を開始しました。

 こうした日系企業からの技術移転により、現在、タイではディーゼルエンジン部品の80%で国産化に成功していますが、その原点は1978年にあったといえましょう。

 さらに、農業センサスの切手には水牛も描かれていますが、この時期は、JICAによるプロジェクト方式技術協力「タイ国家畜衛生改善計画」が進行仲でした。

 同計画は、センサス前年の1977年から開始されましたが、その拠点となったパクチョンの口蹄疫ワクチン製造センターとツンソンの南部地域診断センターのうち、口蹄疫ワクチン製造センターでは、JICAからの約20億円の無償資金協力によって、1978年2月、BHK細胞を用いた組織培養ワクチン製造施設が完成しています。

 同プロジェクトでは、①流行株の抗原性状を疫学的に監視する診断部門、②ワクチンの効力評価を行う検定部門、③ワクチンを安定的に大量生産する製造部門の3部門に高度な技術を導入することを目標としており、日本から延べ44名の専門家が派遣され、タイからは延べ30名の技術者が研修のために日本を訪れました。

 ワクチンの製造部門ではBHK細胞の回転培養による豚用ワクチンと2トンと3トン容量の培養タンクを用いたBHK細胞の浮遊培養によって牛および水牛用ワクチンが製造されましたが、9年間にもわたるこのプロジェクトの終了時には、ワクチン製造量は当初目標の約2倍、年間生産量延べ1000万頭分に達し、タイの家畜衛生の改善と畜産振興に大きく貢献しています。

 * 昨日(22日)、アクセスカウンターが214万PVを超えました。いつも閲覧していただいている皆様には、あらためてお礼申し上げます。
      
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 53歳になりました。
2020-01-22 Wed 04:48
 私事ながら、本日(22日)をもって53歳になりました。「だからどうした」といわれればそれまでなのですが、せっかく年に1度のことですから、“1月22日”関連のマテリアルのなかから、こんなモノをご紹介します。(画像はクリックで拡大されます) 

      ドイツ・アイルランド宛葉書(19400122)

 これは、第二次大戦中の1940年1月22日、ドイツ・ベルリンのシャルロッテンブルク2局からアイルランド・ダブリン宛の葉書で、途中、英国による検閲を受けています。

 第二次大戦の勃発に伴い、連合諸国からドイツ宛の郵便は途絶しましたが、今回ご紹介の葉書の宛先であるアイルランドは、中立国であったため、開戦後もドイツとの郵便交換が可能でした。

 アイルランドが中立を維持した背景には、「英国の苦境はアイルランドの好機」とする国民感情が根強く、英国と連携することへの国民の抵抗感が強かったうえ、国際社会がホロコーストを問題視するまで、国民の対独感情も必ずしも悪いものではなかったとの事情がありました。1941年12月、大戦に参戦した米国は、アイルランド系移民を多数抱えていることもあって、再三にわたってアイルランドに参戦を促したものの、アイルランドがこれに応じなかったのも、そうした事情があったためです。

 ただし、反英感情とは別に、ナチスの非道を看過できないとする人も多く、また、アイルランド国家としても米国との関係を維持する必要もあって、多くの“義勇兵”が連合軍(主として英軍)に参加したほか、“中立国”の立場を維持して連合国に各種の情報を流しており、ノルマンディ上陸作戦の際にもアイルランドからの気象情報が重要な役割を果たしました。

 一方、今回ご紹介の葉書の消印のシャルロッテンブルク2局は、アウシュヴィッツ・ビルケナウ収容所の存在を外部に秘匿するための“RSHA郵便工作”によって差し出された葉書を取り扱った郵便局ですが、この葉書が差し出された時点では、まだ、アウシュヴィッツ・ビルケナウ収容所は建設されていません。

 アウシュヴィッツの収容所では、収容者は外部との通信には収容所が支給した用紙を使用することになっており、そこには、こまごまとした注意書が印刷されていましたが、新たにアウシュヴィッツに到着した収容者の一部に対しては、注意事項が印刷されてない用紙を支給し、差出人の住所としては強制収容所の施設名として一般に使われる“Konzentlationslager”ではなく、労働者が集団生活を行っている場所を意味する“Arbeitslager”と書かせていました。

 これらの例外的な葉書では、収容者の健康状態が良好である、食事や居住環境などに不満はない、労働面でも厚遇されているといった類の内容を収容者に書かせ、収容所におけるユダヤ人迫害を否定し、ナチスの“人道的措置”を対外的にアピールする工作が行われていました。これが、RSHA郵便工作で、この種の葉書を受け取ったユダヤ人の中には、同胞からの手紙の内容を信じて、アウシュヴィッツに行けばゲットーの中にいるよりも生活状況が改善されると思わされ、自らアウシュヴィッツ行を希望してしまった者さえ少なからずあったと報告されています。

 この辺りの事情については、拙著『アウシュヴィッツの手紙 改訂増補版』でも詳しくご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。


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 カモノハシが“絶滅の危機”
2020-01-21 Tue 02:03
 ニューサウスウェールズ大学主導の研究チームは、きのう(20日)、オーストラリア固有の哺乳類カモノハシが、厳しい旱魃や生息地の破壊などによって絶滅の危機に直面しているとの調査結果を発表しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      オーストラリア・カモノハシ(2013)

 これは、2013年にオーストラリアが発行したカモノハシの切手です。

 カモノハシは、オーストラリア東部およびタスマニア島の川や湖の近くの植物が茂った低地から標高 2000mまでの森林に生息し、体長は 30-45cmで、黒褐色のビロードのような体毛が密に生えており、口の部分がカモの嘴に似ているのが和名の由来です。

 1798年に“発見”され、第2代ニューサウスウェールズ州総督のジョン・ハンターにより、英本国に毛皮やスケッチが送られましたが、当時の学者たちはこの標本がビーバーのような動物にカモのくちばしを縫い付けた模造品ではないかと疑い、この動物について最初に記載をおこなったジョージ・ショーは毛皮に切り込みを入れてチェックしたそうです。

 半水生で水辺の穴に住み、前足で水をかき、うしろ足(オスはかかとの部分に鋭い毒針があります)とビーバーのような尾で舵を取りながら泳ぎ、水の底から昆虫や幼虫、貝、ミミズなどをクチバシですくい上て口の中にため、水面に出てから砕いて食べる習性があります。また、 哺乳類でありながら卵生で、卵からかえった子は親の乳を飲んで育ちます。

 さて、研究チームは、ダムの建設や土地開発、気候変動、旱魃などがカモノハシの生息に与える影響を分析したうえで、ヨーロッパ人の豪州入植が始まって以来、カモノハシの生息数がほぼ半減したと推計。今後50年間、現在の気候条件が続けば生息数が最大66%減少し、気候変動を踏まえると最大73%落ち込む可能性があると予想しています。

 現在、国際自然保護連合(IUCN)は、カモノハシを“準絶滅危惧”種に指定しているものの、豪州国内では、一部の州を除き、カモノハシは絶滅の恐れがある生物リスト分類されていません。このため、研究チームは「カモノハシが河川から消えるのを防ぐには(国などによる)行動を起こさなければならない」と訴えています。


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 アタリの番号は67、37、16
2020-01-20 Mon 10:03
 “2020(令和2)年用年賀葉書及び寄附金付お年玉付年賀切手の抽せん会”が、きのう(19日)、東京・丸の内のJPタワーで行われ、お年玉切手シートの当選番号は67、37、16に決まりました。というわけで、例年どおり、この1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      年賀小型シート(2020)
 
 これは、きょう(20日)から引換が始まった今年(2020年)のお年玉切手シートです。かつて成人の日が1月15日に固定されていた時代には、年賀はがきの抽選が成人式と並ぶ1月15日の風物詩となっていたわけですが、いわゆるハッピーマンデーの導入により、成人の日が1月の第2月曜日となったことで、その前提が大きく変わってしまい、抽選日も近年は1月半ば以降の日曜日ということで毎年変わっています。

 また、かつての切手シートは、(原則として)干支の郷土玩具を描く年賀切手と同じものを収めていましたが、2017年から、通常のシート切手とは別に、“年間を通して利用できる”オリジナルデザインの切手(書状基本料金用と葉書料金用1枚ずつ)を収めた構成となりました。

 今回のシートに収められた切手は、“福”の字をモチーフにした63円切手と“寿”の字をモチーフにした84円切手の組み合わせで、福の字の“田”の部分に干支にちなんだネズミが描かれています。また、シートの余白には、“HAPPY”および“LUCKY”の文字と白ネズミ、星がデザインされ、星型の穿孔も施されています。

 なお、お年玉葉書の末等商品としての切手シートとその歴史については、拙著『年賀状の戦後史』でも詳しくまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取っていただけると幸いです。

 * 僕宛の今年の賀状の中では、重山優さん、藤井堂太さん、松本純一さん、劉裕仁さん、和田文明さん(50音順)から頂戴した5通がアタリでした。この場をお借りして、お礼申し上げます。


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