内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ジブチ、イランと断交
2016-01-07 Thu 11:36
 紅海に面した東アフリカの国、ジブチは、きのう(6日)、イランと断交した“サウジとの連帯を示す”ためとして、イランとの外交関係断絶を宣言しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ジブチ・海底ケーブル

 これは、1984年にジブチが発行した西欧=中東=東南アジア海底ケーブル建設の小型シートで、切手部分にはケーブル敷設船が、シートの余白にはケーブルの敷設ルートを示す地図が描かれています。この地図を見ていただくと、中継点として、ジブチ(DJIBOUTI)のみならず、サウジアラビアのジェッダ(JEDDAH)の場所も示されていますので、サウジとジブチの地理的な位置関係がよくわかると思います。

 さて、今回、“サウジとの連帯を示す”と主張しているジブチですが、じつは、今回の一件があるまで、サウジおよびアラブ首長国連邦(UAE)との関係は最悪の状態にあったことはあまり知られていません。

 ことの発端は、昨年(2015年)4月、UAEの軍用機が管制の許可を得ずに着陸したことにありました。その際、軍用機を出迎えにUAEの副領事が空港を訪ねたところ、居合わせたジブチ空軍の司令官と口論になり、司令官が副領事の顔を殴打するという暴力事件が発生。この件に激怒したUAEは在ジブチの領事館を閉鎖しただけでなく、開発支援のためにジブチに派遣していた湾岸協力会議のメンバーを引き揚げさせました。

 慌てたジブチ政府は、5月6日、たまたま東アフリカ歴訪中にジブチに立ち寄った米国のケリー国務長官に、事前に何らの根回しもなく、UAEとの関係改善のための仲介を依頼しましたが、当然のことながら、ケリー長官はこれを拒否。そこで、米国に代わる後ろ盾を必要としたジブチは、ケリー国務長官の出国後、「中国軍基地を新たにジブチ国内に設置すべく協議中だ」という発表して揺さぶりをかけました。

 問題がこじれる中で、域内大国のサウジアラビアは、ジブチ副大統領のサウジ入国ヴィザの申請を却下し、UAEを支持する立場を明らかにします。さらに、ジブチとサウジの関係が悪化したことを受けて、隣国のエリトリアがジブチに代わるアフリカ側の港湾拠点としての地位を獲得すべく、サウジに急接近。孤立したジブチは焦りを募らせていました。

 今回、ジブチが“サウジとの連帯を示すため”として、イランとの断交に踏み切った背景には、この一件を通じて、サウジならびにUAE(こちらもサウジに追随して、駐イラン大使の召還など“外交関係の格下げ”を行っています)との関係修復につなげたいという思惑があったことは明らかで、まさに、“敵の敵は味方”を地で行くような出来事といえそうです。

 ちなみに、ジブチには、ソマリア沖の海賊対策で派遣されている自衛隊の拠点(基地)がありますが、上述の中国軍基地の設置問題については、12月4日、中国海軍初の軍事拠点を建設することが正式に発表されています。この点についてのジブチ側の説明は、「日本の自衛隊は海賊から自国の利益や安全を守りたいと言っている。そして今、中国も自国の利益を守りたいと言っている。中国を歓迎する。」というものでした。

 まぁ、資源も産業もほとんどなく、諸外国からの援助と軍港や基地の使用料が国家財政を支えているという国ですからねぇ。これぐらいのしたたかな外交巧者でないと、やっていけないということなんでしょうな。


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 安倍首相、ジブチで海自視察
2013-08-28 Wed 12:20
 安倍首相は、きのう(27日)、わが国の歴代総理として初めてアフリカのジブチを訪れ、ソマリア沖の海賊対策で派遣されている自衛隊の拠点(基地)を視察しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       ジブチ・2フラン(1894)

 これは、1894年に仏領時代のジブチで発行された2フラン切手で、現地兵を描く枠の中に、当時のジブチ港周辺の風景が取り上げられています。

 19世紀後半、スエズ運河の建設が始まると、フランスは紅海に連なるタジュラ湾のオボック港を租借。あわせて、周辺への勢力拡大を図ります。その過程で、1888年、ジブチ港の建設を開始。オボックが紅海を通過するフランス船の寄港地として重要視されていたのに対して、ジブチはエチオピア進出への拠点とみなされていました。

 ジブチで最初の切手が発行されたのは1894年のことで、当初は、オボック切手(1892年から発行開始)に加刷したものでしたが、次いで、今回ご紹介のモノを含む正刷切手の発行がスタートします。

 ジブチ初期の切手は無目打なのですが、周囲に目打状の印刷が施されているのが特徴で、素朴なデザインとあわせていい味を出しています。時間とお金に余裕があれば、個人の趣味として、単純素朴に集めてみたい切手ですな。

 なお、その後、ジブチとオボックを含むアデン湾奥の西岸地域はフランス領ソマリ・コーストとして統合され、1967年にフランス領アファル・イッサと改称されるまで、ソマリ・コースト名義の切手が発行・使用されていました。このフランス領アファル・イッサが1977年に独立して誕生したのが現在のジブチです。

 さて、今回、安倍首相が視察した自衛隊の拠点は、2011年7月、ジブチ市郊外のジブチ国際空港の北側に開設され、空港を挟んで東側にはフランス軍の第188空軍基地があります。米軍のキャンプ・レモニエ(アフリカの角共同統合任務部隊の司令部と陸海空軍航空部隊が駐留)は、空港の南側、ジブチ空軍の基地に隣接した場所にあり、かつては自衛隊もその一部を間借りしていました。

 ジブチ市内は、ソマリア湾の海賊対策として各国の部隊が駐留するようになってから、基地周辺の開発が急速に進み、西洋風のホテルも少なからず建てられているということで、今回ご紹介したような切手の風景はもはや見られなくなっているのかもしれませんが、印象的な切手の土地だけに、一度は自分の目で実際の風景を拝んでみたいものです。
 
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 ジブチ
2009-04-03 Fri 23:45
 きょう(3日)、外務省で、来日中のジブチのユスフ外相と日本の中曽根外相との間で、海賊対策としてソマリア沖に派遣した海上自衛隊員の法的地位を確保するための地位協定の署名が行われました。というわけで、こういう機会でもないとなかなかニュースに登場しない国ですので、今日はジブチがらみでこの1枚をもってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 ジブチ加刷

 これは、1894年、フランスが発行した“ジブチ“加刷の切手です。

 19世紀後半、スエズ運河の建設が始まると、フランスは紅海に連なるタジュラ湾のオボック港を租借。あわせて、周辺への勢力拡大を図ります。

 その過程で、1888年、ジブチ港の建設を開始。オボックが公開を通過するフランス船の寄港地として重要視されていたのに対して、ジブチはエチオピア進出への拠点とみなされていました。

 ジブチで最初の切手が発行されたのは1894年のことで、当初は、オボック切手(1892年から発行開始)に加刷したものでした。今回ご紹介のモノもその一種ですが、ジブチの頭文字にあたるDJの文字を大きく加刷したモノもあります。

 その後、この地域はフランス領ソマリ・コーストとして統合され、1967年にフランス領アファル・イッサと改称されるまで、ソマリ・コースト名義の切手が発行・使用されていました。このフランス領アファル・イッサが1977年に独立して誕生したのが現在のジブチです。

 その昔、NHKアラビア語会話のテキストで「アラブの都市の物語」という連載をやっていたのですが、ジブチに関しては取り上げられないままに終わってしまいました。まぁ、連載で取り上げられなかったのは残念ではあるのですが、フランス領ソマリ・コーストの初期の切手は、なかなか味わいのあるいい感じの切手なので、機会をみつけて、このブログでもご紹介してみたいと思っています。


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 1月15日付『夕刊フジ』の「ぴいぷる」欄に『年賀切手』の著者インタビュー(右上の画像:山内和彦さん撮影)が掲載されました。記事はこちらでお読みいただけます。
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