内藤陽介 Yosuke NAITO
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 12月30日がない国
2011-12-30 Fri 16:29
 南太平洋の島国サモアは、今夜、時間帯を日付変更線の東側から西側の時間帯に移行します。これに伴い、現地時間の29日から翌日になる際に30日をスキップして31日とすることになり、同国は世界で最も早く新年を迎える国となるのだとか。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        サモア・エクスプレス

 これは、1877年に発行された“サモア・エクスプレス”の切手です。

  サモア諸島は1722年にオランダ人の探検家ヤーコプ・ロッヘフェーンが“発見”した後、19世紀半ばには捕鯨基地として繁栄。太平洋における米英独の権益争いの場となっていました。

 そうした状況の中で、1877年、フィジーで『フィジー・タイムズ』紙を発行していたグリフィスは、ビジネスの拡大を狙ってサモアで『サモア・タイムズ』紙を創刊するとともに、私設郵便の取り扱いを開始しました。

 グリフィスは、1870年10月15日、当時、南太平洋諸島の中心だったフィジーと島外との郵便を取り扱う私設郵便サービスとしてフィジー・タイムズ・エクスプレスをスタートさせました。この郵便サービスは、その名の通り、本来はグリフィスの新聞の配達に他の手紙なども便乗させるというものでしたが、通信ビジネスとして大きな利益を上げることに成功しました。このため、グリフィスはサモアでも同様のサービスを開始したというわけです。

 ところが、フィジーでは先住民が80人に対して西洋系の商人や宣教師等が2000人ほど滞在していたのに対して、サモアでは、グリフィスの私設郵便が始まった時点で西洋系は130人しかおらず、人口の大半はアピアに住む先住民でした。このため、サモアでのグリフィスの郵便は利用者が極端に少なく、1881年9月、わずか4年間の営業で幕を閉じました。今回ご紹介の切手は、そうしたグリフィスの私設郵便の料金を徴収するために発行されたモノの1種で、画像の3ペンスのほか、1ペニー、6ペンス、9ペンス、1シリング、2シリング、5シリングの計7種が発行されています。

 さて、今回の時間帯の変更により、サモア政府はオーストラリアやニュージーランド、中国、シンガポールなど環太平洋地域とのビジネスが容易になるほか、世界で最も早く日の出を迎える国として観光客の誘致も期待しているのだそうです。うまくいくといいですね。


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 サモアのバス
2009-09-09 Wed 20:49
 南太平洋の島国サモアで、きのう(日本時間8日未明)から、道路の通行車線が右側から左側に一斉に変更されました。車線変更を全国一律で実施したのは、1977年の南イエメン(当時)以来32年ぶりのこと。というわけで、きょうはこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

 サモア・バス

 これは、2003年1月にサモアで発行されたバス切手の1枚で、ライフォニ社の赤いバスが取り上げられています。裏ノリはシール式で、切手本体はバスの形に型抜きされています。

 サモア諸島は1722年にオランダ人の探検家ヤーコプ・ロッヘフェーンが“発見”した後、19世紀半ばには捕鯨基地として繁栄。1899年にドイツが西サモアを、アメリカが東サモアを領有しました。第一次大戦でドイツが敗れた後、西サモアはニュージーランドの委任統治領となり、1962年に立憲君主国(4つの大首長家から国家元首の大首長を選挙で選ぶ選挙王制)として独立しました。当初の国名は“西サモア”でしたが、1997年、現在の“サモア独立国”に改称されています。

 さて、今回の車線変更は、地理的に近く、左側通行のオーストラリアとニュージーランド両国からの右ハンドル車(主として日本車)の輸入が、左ハンドルの米国車に比べて約3分の1の輸入コストで済むことが大きな理由とされています。おそらく、ドイツ時代の名残なのでしょうが、長年、ニュージーランドの委任統治下にあったにもかかわらず、右側通行となっていたのは、ちょっと驚きです。

 人口約18万人のサモアの自動車数は約1万6000台だそうで、政府は7~8日(現地時間)を休日としたうえで、9日までは酒類販売を禁止するなどして、混乱防止策を講じているそうですが、長年の習慣というのはそうそう簡単に変えられるものではないですからねぇ。しばらくは交通事故が多発するんじゃないでしょうか。なお、今回の車線変更に伴い、バス会社ではドアの位置を変えなければならなくなりましたので、何年か後には、今回ご紹介の切手とは逆向きの切手が発行されることになるかもしれませんね。


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