内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
 世界の国々:ヴェトナム
2015-02-04 Wed 11:17
 アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2015年2月4日号が、先週刊行されました。僕が担当しているメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はヴェトナムを取り上げました。その記事の中から、この切手をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      ヴェトナム・アオザイ

 これは、1997年にヴェトナムで発行されたアオザイの切手です。

 ヴェトナム人が正装として着用する民族衣装アオザイは、もともとは“長上着”の意味で、かつては官服として男性も着用していましたが、現在の日常生活で着用するのはほぼ女性に限られています。18世紀に清朝から移入された旗袍(チャイナドレスの原型)が起源で、上衣は前合わせの立襟で、足首にかかるほど丈は長く、深いスリットが入っています。これに合わせる下衣は、白い長ズボン(クワン)です。

 切手に取り上げられたような女性用の白いアオザイは伝統的に未婚女性用のもので、現在でも多くの高等学校では女子生徒の制服として採用されています。

 さて、『世界の切手コレクション』2月4日号の「世界の国々」では、第二次大戦後の独立宣言から第1次インドシナ戦争ヴェトナム戦争を経て統一ヴェトナムが誕生するまでの概要をまとめた長文コラムのほか、竹の繊維を使ったホーチミンの切手や“猫年”の年賀切手、民族的英雄のチュン姉妹や羅漢寺の切手などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧いただけると幸いです。

 なお、本日発売の2月11日号では、「世界の国々」はベラルーシを特集していますが、こちらについては、来週、このブログでもご紹介する予定です。 


 ★★★ イベント「みんなで絵手紙」(2月8日)のご案内 ★★★

      狛江絵手紙チラシ・表     狛江絵手紙チラシ・裏

 2月8日(日) 10:00-17:00に東京・狛江のエコルマホールにて開催のイベント「みんなで絵手紙 見て、知って、書いて、楽しもう」のトークイベントに内藤陽介が登場します。内藤の出番は13:30-14:15。「切手と絵・手紙」と題してお話しする予定です。是非、遊びに来てください。主宰者サイトはこちら。画像をクリックしていただくと、チラシの拡大画像がごらんになれます。


 ★★★ 講座「切手と郵便物に刻まれた“終戦”」(2月20日)のご案内 ★★★ 

       ミズーリの消印

 2月20日13:00~14:30、愛知県名古屋市の栄中日文化センターで、「切手と郵便物に刻まれた“終戦”」と題する講座を行います。

 2015年は第二次世界大戦の終戦から70周年にあたります。終戦の年の1945年はあらゆる意味で社会が激変した年ですが、その影響は切手や郵便物にもさまざまな痕跡を残しています。今回の講座では、当時の切手や郵便物を読み解いていくことで、一般の歴史書では見落とされがちな終戦の諸相を、具体的なモノの手触りとともに明らかにしてみたいと思っています。

 詳細は、こちらをご覧ください。(画像は、日本の降伏文書調印が行われた米軍艦ミズーリ号から降伏文書調印日に差し出された郵便物の一部分です) 

 
 ★★★ よみうりカルチャー荻窪の講座のご案内 ★★★

 毎月1回(原則第1火曜日:2月3日、3月3日、3月31日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。

 ・イスラム世界を知る 時間は15:30-17:00です。

 次回開催は2月3日で、途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊  『朝鮮戦争』好評発売中! ★★★ 

        朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各電子書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

 *8月24日付『讀賣新聞』、韓国メディア『週刊京郷』8月26日号、8月31日付『夕刊フジ』、『郵趣』10月号、『サンデー毎日』10月5日号で拙著『朝鮮戦争』が紹介されました!


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 在日ヴェトナム人、都内でデモ
2014-05-12 Mon 15:23
 南シナ海・パラセル諸島(中国名:西沙諸島)のヴェトナムの排他的経済水域で中国が勝手に石油掘削を行い、ヴェトナム艦船に体当たり攻撃をするなど乱暴狼藉の限りを尽くしている問題で、きのう(11日)、都内でも在日ヴェトナム人ら300人以上による抗議デモが行われました。というわけで、久しぶりのヴェトナム応援企画として、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       バクダンの戦い

 これは、1988年にヴェトナムで発行された“バクダン(白藤江)の戦い800年”の記念切手です。

 1258年以来、2度にわたるヴェトナム(陳朝)侵攻に失敗していた元朝は、1287年、トゴン(脱驩)を総司令官として9万の兵力と数百隻の船団(張文虎ひきいる数十万石の糧食を運ぶ船団を含む)を送り込み、3度目の出兵を行いました。
 
 元軍は、1287年12月末、国境を越えて諒山、北江に侵攻し、萬劫(ハイズオン省チーリン)を占領しました。これに対して、陳国峻ひきいるヴェトナム軍は焦土作戦を展開するとともに、海から白藤江を遡って元軍の補給に向かう船団を攻撃し、糧船の多くを沈没または強奪することで抵抗しました。

 このため、1288年1月末、トゴンは王都・昇龍(ハノイ)を占領したものの、すでに焦土作戦により都城はもぬけの殻になっていました。そこで、元軍は萬劫に兵を引き、そこから水路と陸路の二手に分かれて本国へ退却しようとしましたが、同年4月、陳国峻は白藤江の川底に杭を打ちこんで伏兵を配し、川の水が引いて船が杭に引っ掛かる時間を見計らって元軍の船団に総攻撃をかけ、元の水軍を全滅させました。

 今回ご紹介の切手は、陳朝の旗を掲げて戦う陳国峻の船団が、元の水軍を撃退している場面が描かれています。
 
 さて、かつて、1960年代後半から1970年代初頭にかけて、“大国の横暴に屈せず戦うヴェトナム”を支持・支援してきたエセ左翼の方々は、どういうわけか、中国の覇権主義に抵抗する現在のヴェトナムについては、見て見ぬふりをすることが多いようです。そうであればこそ、僕のブログでは、今後も機会を見つけて、ヴェトナム応援企画として、ヴェトナムの反中切手を取り上げていこうかと思っています。


 ★★★ 切手が語る台湾の歴史 ★★★

 5月15日13:00から、よみうりカルチャー北千住にて、よみうりカルチャーと台湾文化部の共催による“台湾文化を学ぶ講座”の一コマとして、「切手が語る台湾の歴史」という講演をやります。

 切手と郵便はその地域の実効支配者を示すシンボルでした。この点において、台湾は非常に興味深い対象です。それは、最初に近代郵便制度が導入された清末から現在に至るまで、台湾では一貫して、中国本土とは別の切手が用いられてきたからです。今回の講演では、こうした視点から、“中国”の外に置かれてきた台湾(史)の視点について、切手や郵便物を題材にお話しする予定です。

 参加費は無料ですが、事前に、北千住センター(03-3870-2061)まで、電話でのご予約が必要となります。よろしかったら、ぜひ、1人でも多くの方にご来駕いただけると幸いです。


 ★★★ 講座「世界紀行~月一回の諸国漫郵」のご案内 ★★★ 

亀戸講座(2014前期)・広告

 東京・江東区亀戸文化センターで、5月から毎月1回、世界旅行の気分で楽しく受講できる紀行講座がスタートします。美しい風景写真とともに、郵便資料や切手から歴史・政治背景を簡単に解説します。受講のお楽しみに、毎回、おすすめの写真からお好きなものを絵葉書にしてプレゼントします!

 詳細は、こちらをご覧ください。


 ★★★ 内藤陽介の最新作 『蘭印戦跡紀行』 好評発売中! ★★★

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 日本の兵隊さん、本当にいい仕事をしてくれたよ。
 彼女はしわくちゃの手で、給水塔の脚をペチャペチャ叩きながら、そんな風に説明してくれた。(本文より)

 南方占領時代の郵便資料から、蘭印の戦跡が残る都市をめぐる異色の紀行。
 日本との深いつながりを紹介しながら、意外な「日本」を見つける旅。

 出版元特設ページはこちらです。また、10月17日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿南店で行われた『蘭印戦跡紀行』の刊行記念トークの模様が、YouTubeにアップされました。よろしかったら、こちらをクリックしてご覧ください。


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 西村昌也さんを悼む
2013-06-10 Mon 10:25
 ヴェトナム・ハノイ市内で、きのう(9日)、同市在住の考古学者、西村昌也さんがバイクを運転中にトラックに衝突し、亡くなりました。西村さんは僕の個人的な友人で、豪快なキャラクターの、愛すべき好漢でした。昨晩、このニュースを聞いて非常にショックを受けています。というわけで、きょうは、故人をしのび、西村さんにちなむ切手はないかと思って、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

       バクニン・小型シート

 これは、2012年、西村さんゆかりの地、バクニンのクアンホを取り上げた切手です。

 バクニンは、ハノイの北東30キロ、ソンコイ川とその支流ソンカウ川とに挟まれた沃野のなかに位置する都市で、農産物の集散地として知られています。一方、クアンホは、男女が交互に歌い合うヴェトナム伝統民謡で、男女それぞれ4-6名のグループの中から、それぞれ1人または2人ずつ交互にメロディに乗せた詩を歌い合うもので、日本でいう歌垣に相当するものです。2010年には、ユネスコから“人類の無形文化遺産”に認定されています。

 さて、西村さんは、1965年、山口県下関市生まれ。専門は、旧石器時代から20世紀までの東南アジア考古学研究で、同じく考古学者の奥様、西野範子さんとともに、ヴェトナムの文化財や遺跡の保護活動を行ってきたことで知られています。ハノイ・タンロン遺跡の研究にも携わり、2004年8月には“NPO法人東南アジア埋蔵文化財基金”を立ち上げました。基金設立直後の2004年10月、当時の小泉首相がタンロン遺跡を訪れた際には、現地で案内役を務め、その姿が日本のメディアでも取り上げられています。また、市民を対象に歴史勉強会を開いたり、雑誌に連載記事を執筆するなど、ハノイでは有名な日本人だったそうです。

 西村さんが代表を務めていた東南アジア埋蔵文化財基金の実績として知られているのは、やはり、バクニン省で1000年前の窯址を移設展示したベトナム初の博物館を完成させたことでしょう。今回の事故も、ハノイからバクニン省方面に向けて走行中、前方のトラックに突っ込んだとみられています。

 なお、西村さんは、昨年、著書「ベトナムの考古・古代学」(同成社)で東南アジア史学会賞を受賞していますが、その年に、バクニンを題材とする切手が発行されているのも、何かの因縁かもしれません。

 謹んでご冥福をお祈りいたします。


 ★★★ 内藤陽介の最新作 ★★★

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 ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★   

 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。開催日は6月4日、7月2日、7月30日、9月3日(原則第一火曜日)で、時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


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 ヴェトナムのアインシュタイン切手
2011-11-24 Thu 23:25
 相対性理論で知られるアルバート・アインシュタインの脳が、米フィラデルフィアのムター博物館で世界で初めて公開され、話題を呼んでいるのだそうです。というわけで、世界のアインシュタイン切手の中から、ちょっと毛色の変わったものということで、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

   ヴェトナム・アインシュタイン   ベトナム・アインシュタイン(黒一色漏れ)   ヴェトナム・アインシュタイン(逆刷)

 これは、1979年3月14日にヴェトナムが発行したアインシュタイン生誕100年の記念切手のうち、彼の肖像を描いた12スー切手で、左の画像がノーマルなモノ、真中の画像は黒一色漏れ、右側の画像は黒逆刷で無目打となっています。ちなみに、切手はハノイのティエン・ボ印刷会社で製造され、原画作者はグエン・ティ・サムです。

 1979年はアインシュタインの生誕100周年にあたっており、世界各国で記念切手が発行されました。その中には、アインシュタインの世界的な人気を当て込んで、外国人コレクターに販売することで外貨を稼ごうという意図の下に作られたものも少なからずあります。

 1975年に南北を統一したヴェトナムは、戦後復興に取り組む暇もなく、隣国カンボジアのポルポト政権との国境紛争から本格的な戦争に突入し、1979年1月にはプノンペンを攻略。さらに、これに対してポルポト政権の後ろ盾となっていた中国が同年2月17日に“懲罰行為”と称して侵攻し、中越戦争が勃発するなど、この切手が発行された1979年3月当時は、激動のさなかにありました。

 こうした中で、いわゆるヴェトナム戦争中のヴェトナム民主共和国(北ヴェトナム)時代から切手を輸出して外貨を稼いでいたヴェトナム労働党政権は、海外のマーケットを見込んでアインシュタイン切手を発行したモノと思われます。もっとも、当時の混乱した状況下では、ハノイの印刷所できちんとした品質管理を行うということのほうが無理というもので、この切手に関しては、ここにご紹介するようなエラー(というよりも、ヤレといったほうがよさそうですな)が多数出現することになり、それらもまた、外国に輸出されたということのようです。

 なお、拙著『事情のある国の切手ほど面白い』では、主として、米国のユダヤ系エージェントによる切手ビジネスの話を取り上げたのですが、社会主義諸国による切手輸出政策については、紙幅の関係もあって、ほとんど触れることができませんでした。この問題についても、いずれ、機会があればまとめてみたいと思っています。


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   11月17日、TBSラジオのニュース番組、
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 ヴェトナムのジャワサイ絶滅
2011-10-26 Wed 22:44
 世界自然保護基金(WWF)は、きのう(25日)、ヴェトナムに生存していた最後のジャワサイが密猟で殺され、ベトナムに生息するジャワサイは絶滅したと発表しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        ジャワサイ(ヴェトナム)

 これは、1988年にヴェトナムで発行されたジャワサイを描く小型シートです。

 ジャワサイは、かつては、インド北東部、インドネシア、カンボジア、タイ、バングラデシュ、マレーシア(マレー半島)、ミャンマー、ラオス、ヴェトナムなどに広く分布していたサイで、体長300-320センチ、体重1500-2000キロほどの大きさです。主に低地の熱帯雨林に生息し、河川や沼を好み、餌は木の枝や樹皮、木の葉、芽、果実などです。

 古くから、角が装飾品とされたり、薬用になると信じられていたことから乱獲され、今回ご紹介の小型シートが発行された1988年にヴェトナム国内で個体群が発見されるまでは、ジャワ島西部のウジュン・クロン国立公園内を除いて絶滅したと考えられていました。

 ヴェトナム政府は、ジャワサイの絶滅を防ぐため、1992年に保護区を設定。さらにこの保護区をカティエン国立公園に併合するなどの対策を講じ、WWFもヴェトナム政府に協力して保護活動が進められてきましたが、密猟は後を絶たず、2004年の調査ではヴェトナムのジャワサイは2頭の生存が確認されただけになっていました。

 その後、今年4月にカティエン国立公園内でジャワサイ1頭の死体が見つかり、遺伝子調査の結果、2010年4月までに確認されていたジャワサイの糞22点すべてが、このジャワサイのものであることが判明。今回の絶滅の発表となりました。

 なお、ヴェトナムのジャワサイが絶滅したことにより、アジア大陸からジャワサイは姿を消すことになりましたが、インドネシア・ジャワ島の西部には、まだ50頭ほどのジャワサイが生き残っているのだそうです。こちらのジャワサイには、何としても、絶滅せずにいてほしいものですね。


 ★★★ トーク・イベントのご案内 ★★★

 11月5日(土)、東京・池袋で開催される全国切手展<JAPEX>会場内で、以下のトークを行います。

・11:00 ハバロフスク…日本人の足跡を訪ねて
 切手紀行シリーズ④『ハバロフスク』の刊行を記念してのトークです。同書の中から、シベリア抑留の痕跡を中心に、ハバロフスクに残る日本人の活動の跡をたどります。なお、1フレーム作品として出品の「シベリア抑留日本人用往復葉書」についても、あわせて、簡単な解説を行います。

・16:00 年賀状の戦後史
 角川 one テーマ21(新書)『年賀状の戦後史』の刊行を記念してのトークです。同書の内容をご紹介しつつ、10日の一般発売に先駆け、会場内でのみの先行発売(限定30部)も行います。

 今回は、2冊の刊行時期が接近しているため、トークイベントもダブル・ヘッダーとなりました。ぜひ、遊びに来てください。


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 ヴェトナムで4週続けて反中デモ
2011-06-27 Mon 23:59
 6月に入ってから、毎週日曜日、中国の領海侵略に対する抗議のデモが行われているヴェトナムですが、きのう(26日)も、ハノイですっかり恒例行事となったデモが行われました。ヴェトナムの反中デモはこれで5日12日19日に続けて4回目。というわけで、このブログでも、4週連続のヴェトナム反中切手のご紹介です。(画像はクリックで拡大されます)

        タン・ジョン伝説
 
 これは、1989年に発行されたタン・ジョン伝説の切手のうちの1枚です。

 ヴェトナム最古の王朝の時代、ベトナムの人々は平和に暮らしていました。しかし、国王、フン・ヴォン6世の時代、北から侵略者(名指しこそしていませんが、明らかに中国ですな)が現れ、国土を蹂躙。このため、王は使者を各地に派遣し、祖国防衛のために兵を募りました。

 ところで、当時、フードン村には、立つことも話すこともできないジョンという子供がいました。ところが、ある日、王の使者が村にやってきて救国を訴えると、それを聞いたジョンは急に立ち上がり、話し始めます。そして、敵と戦うために鉄の馬と鎧甲と鉄棒が欲しいと王の使者に頼みます。

 報告を受けた王がジョンの望むものを用意している間に、ジョンは筋骨隆々たる若者へと急成長。王から下賜された武器を携え、村人を率いて敵と戦いました。戦闘の途中で鉄棒が折れまると、ジョンは竹を引きぬいて敵と戦い、侵略者を撃退してヴェトナムに平和をもたらすと、天へと上って行きました。このため、王をはじめとするヴェトナムの人々は、ジョンを救国のために遣わされた神“タン・ジョン”と考えるようになったということです。

 1989年の切手は、タン・ジョン伝説の主要な5つの場面を取り上げた5種セットですが、今回ご紹介のものは、そのうち、王の死者から侵略者の狼藉のことを聞いたジョンが覚醒する場面を取り上げた1枚です。いかにも悪辣な感じの“侵略者”の風貌がいかにも紙芝居風で、なんとも言えない雰囲気を醸し出していますな。

 かつて、1960年代後半から1970年代初頭にかけて、“大国の横暴に屈せず戦うヴェトナム”を支持・支援してきたエセ左翼の方々は、どういうわけか、中国の覇権主義に抵抗する現在のヴェトナムについては、見て見ぬふりをすることが多いようです。そうであればこそ、このブログでは、今後もできる限り、ヴェトナム応援企画として、ヴェトナムの反中切手を取り上げていくつもりです。
 

  ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★

    5月29日付『讀賣新聞』に書評掲載
  『週刊文春』 6月30日号「文春図書館」で
  酒井順子さんにご紹介いただきました !

        切手百撰・昭和戦後
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 ヴェトナムで2週続けて反中デモ
2011-06-12 Sun 23:37
 ヴェトナムの首都ハノイと南部のホーチミンで、きょう(12日)、市民らが同国では異例のデモ行進を行い、南シナ海の領有権問題で強硬姿勢を鮮明にしている中国に抗議しました。ヴェトナムでの大規模な反中デモは、先週5日に次いで、2週連続のことです。というわけで、先週に続き、ヴェトナムの反中切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

        ドンダーの戦い200年

 これは、1989年に発行された“ドンダーの戦い200年”の記念切手で、光中帝の軍が清朝侵略軍を打ち破る場面が描かれています。

 中世のヴェトナムを支配していた黎朝は16世紀になると急速に衰え、北部の鄭氏と南部の阮氏が抗争を展開する内乱の時代に突入します。こうした中で、1771年、中部ベトナムの西山郡で阮文岳、阮文恵、阮文侶の3兄弟(南部の阮氏とは無関係です)は周辺の農民を率いて反乱を起こし、1773年にはクィニヨンを制圧。次第に勢力を強めた反乱軍は、1778年に長男・文岳が王を称し中部ベトナムに西山朝を樹立しました。

 1785年、西山朝はシャム軍の支援を受けた南部の阮氏政権をメコン川の戦いで破ると、1787年、文岳が“中央皇帝”と称してクィニヨンを都とし、文恵がフエを拠点に“北平王”に、文侶がジャディンで“南平王”となりました。さらに北部の鄭氏政権も倒すと、1789年には、文恵が、黎朝の系統を復活させさせる口実で介入してきた清軍をハノイ近郊のドンダーで破り、ヴェトナムを統一するとともに独立を守りました。

 その後、文恵は、鄭氏の残党である嘉隆帝の軍を破るべく南進していた途中の1792年9月16日、脳卒中によりフエで亡くなり、光中帝との諡号を送られました。カリスマ的将軍であった光中帝の死後、西山朝は内紛が生じ、南部阮氏政権の残党でフランスの支援を受けた阮福映によって滅ぼされ、バオダイまで続く阮朝が成立します。

 現在のヴェトナムでは、西山朝は分裂と腐敗を終わらせ、統一を実現した功績が高く評価されていますが、なかでも光中帝はヴェトナム史上もっとも偉大な将軍ととして“ヴェトナムのナポレオン”とも称されています。

 さて、ヴェトナムでは、あす(13日)、度重なる中国の侵略的行為に対抗すべく、海軍が南シナ海での実弾演習が予定されているそうです。

 かつて、いわゆるヴェトナム戦争に際して、大国の横暴に屈せず、果敢に抵抗したヴェトナムの人民を応援していた人たちは、当然のことながら、今回も覇権国家の中国に立ち向かうヴェトナムを応援してくれることでしょう。明日以降の朝日新聞や菅総理のコメントが楽しみですな。


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 ヴェトナム共産党大会閉幕
2011-01-19 Wed 14:51
 5年に1度のヴェトナム共産党大会は、きょう(19日)、退任するノン・ドゥック・マイン書記長の後任にグエン・フー・チョン国会議長が昇格することを核とした新しい指導部人事を発表して閉幕しました。というわけで、きょうはヴェトナムの切手の中から、こんなモノをもってきました。(画像はクリックで拡大されます)

        ヴェトナム共産党大会(1976)

 これは、1976年12月10日に発行された第4階ヴェトナム共産党大会の記念切手です。

 ヴェトナム人による共産党組織の成立は、1930年2月3日、コミンテルンから派遣されたホー・チ・ミンが香港でヴェトナム共産党を創設したのが最初とされています。同党は、同年10月、コミンテルンの指示を受けて第1回中央委員会でインドシナ共産党と改称し、1935年にマカオで第1回党大会を開催しました。

 1945年9月2日、ヴェトナム民主共和国の成立が宣言されると、同年11月、インドシナ共産党はヴェトミン(ヴェトナム独立同盟会)に合流し、名目的に解散しますが、その組織は温存され、1951年2月、ホー・チ・ミンを党主席とするヴェトナム労働党として再発足しました。現在のヴェトナム共産党との名称は、ヴェトナム戦争が北ベトナムの勝利に終わり、南北ヴェトナムが統一された後の1976年に開かれた党大会で改称されたものです。

 今回ご紹介の切手は、そのヴェトナム共産党の名前が初めて登場した党大会の記念切手で、党の名称は共産党になっています。このときの党大会に際しては、やはり、1ヶ月前の1976年11月12日にも記念切手が発行されているのですが、その時点ではとうの名前は労働党でしたので、切手の名称も労働党大会記念となっています。まぁ、労働党であれ、共産党であれ、一党独裁体制であることには変わりがないのですから、名称を変えなくてもよさそうなものですが、彼らには彼らなりのこだわりがあるということなのでしょう。

 ちなみに、今回、新書記長に就任したグエン・フー・チョンは、長らくベトナム共産党の理論・思想分野で活躍し、保守派に属している人物とのことですから、こういうところにはこだわりたいタイプなんでしょうな。きっと。

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 スリランカの涅槃仏
2010-01-28 Thu 14:53
 26日に投開票が行われた内戦終結後初のスリランカ大統領選挙で、同国選管は、きのう(27日)、現職のラジャパクサ大統領が再選を果たしたと発表しました。というわけで、きょうはスリランカ関連の1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      ガル・ヴィハーラの涅槃仏

 これは、1997年にベトナムが発行した文化遺産の切手の1枚で、スリランカのガル・ヴィハーラの涅槃仏が取り上げられています。

 ガル・ヴィハーラ寺院はスリランカ中部の古都・ポロンナルワの北にあり、かつては“北の僧院”を意味するウッタララーマと呼ばれていました。寺院を建立したのはシンハラ王朝のパラークマ・バーフ王(在位1153~86)で、岩盤に4体の巨大仏が刻まれています。

 今回ご紹介した切手に取り上げられた涅槃仏は約14メートル。ガル・ヴィハーラでは最大の像です。なお、奥に見える立像は、釈迦の死を悲しむ弟子のアーナンダではないかと考えられています。なお、切手の仏像は赤茶色になっていますが、実際の石仏はグレイっぽい色なので、ちょっとイメージが違います。まぁ、涅槃仏は、頭を北向き、顔を西向きとしていますから、夕日があたればこのような光景も見られるのかもしれません。

 なお、昨年刊行の拙著『切手が伝える仏像:意匠と歴史』では、今回ご紹介のモノ以外にもさまざまな涅槃仏の切手を御紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。


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