内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界漫郵記:ゴア③
2013-01-07 Mon 10:12
 ご報告がすっかり遅くなりましたが、『キュリオマガジン』2013年1月号が出来上がりました。僕の連載「郵便学者の世界漫郵記 インド西海岸篇」は、前回に引き続き、ゴアの3回目。今回はボム・ジェズ教会にスポットを当てました。その記事で使ったモノの中から、この切手をご紹介します。(以下、画像はクリックで拡大されます)

     ボムジェズ教会(1931)     ボムジェズ教会(実物)

 左は、ボム・ジェズ教会を取り上げた1931年のポルトガル領インド切手です。右側には切手とほぼ同じ構図で撮影した実際の教会の外観の写真を貼っておきました。

 かつてモザンビークから長崎にいたるポルトガル海上帝国のアジア支配の首府として“黄金のゴア”と呼ばれたオールド・ゴアは、新市街のパナジ中心部からマンドヴィー川に沿って30分ほど車で走ったところにあります。その中核をなす教会が、フランシスコ・ザビエルの遺体が安置されているボム・ジェズ教会です。

 1506年頃、スペイン北部、バスクの中心都市パンプローナ近郊の地方貴族の家に生まれたザビエルは19歳でパリ大学に留学。聖バルバラ学院に入り、哲学を学んでいるときに、イグナチオ・デ・ロヨラらと知り合い、1534年8月、仲間とともにモンマルトルの聖堂で神に生涯を捧げるという誓いを立てました。これがイエズス会の始まりとされています。

 1537年6月、ザビエルはヴェネツィアの教会でイグナチオらと共に司祭に叙階され、エルサレム巡礼を試みましたが、国際情勢の悪化で果たせませんでした。このため、ポルトガル王ジョアン3世の依頼でインド西海岸のゴアに布教の旅に出ることになり、1541年4月にリスボンを出発。アフリカのモザンビークを経て、1542年5月、ゴアに到着します。

 ザビエルはゴアを拠点にインド各地で宣教。町の病院に住み込み、病人や貧しい人々、囚人などに熱心に布教したといわれています。

 その後、マラッカ等での布教経験を経て、1549年4月、日本を目指してゴアを出発。同年8月、現在の鹿児島市祇園之洲町にたどり着きました。日本では、平戸、山口で布教活動を行った後、京都に到着しましたが、天皇と足利将軍への拝謁はかなわず、失意のうちに京を去り、山口、豊後で布教活動を行った後、1551年11月、日本を去り、ゴアへ戻りました。

 ゴアへ戻ったザビエルは、日本全土での布教のためには日本文化に大きな影響を与えている中国での宣教が不可欠と考え、1552年9月、中国の上川島に渡りましたが、この地で病没。その遺体は、当初、彼が亡くなった地で埋葬されましたが、全く腐敗する兆しが見えなかったため、1553年3月、ポルトガル領マラッカの聖パウロ教会に移され、さらに、同年12月11日、ゴアへと運ばれました。

 ボム・ジェズ教会の建設が始まったのは、それから約40年後の1594年のことで、1605年に教会が完成すると、遺体もそこに移されました。ちなみに、ザビエルが“東方の使徒”として聖人に列せられたのは1622年のことです。

 さて、今回の記事では、教会内部の壮麗な主祭壇やザビエルの遺体が収められている聖櫃などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。

 ★★★★ 第1回ヨーロッパ切手展のご案内 ★★★★

 今月19・20日(土・日)の両日、東京・目白駅の切手の博物館にて「第一回ヨーロッパ切手展」が開催されます。今回のお題は“黒海”で、内藤も、北カフカース(コーカサス)を題材としたミニ・コレクションを展示します。競争展ではないので、テーマティクないしは郵便史の作品としてルールに沿ってきっちりまとめたものというよりも、北カフカースに関するマテリアルをいろいろとご紹介するという気楽な内容です。僕以外のコレクションはかなり見ごたえのある内容になっておりますので、よろしかったら、ぜひ遊びに来ていただけると幸いです。


 【世界切手展BRASILIANA 2013のご案内】

 僕が日本コミッショナーを仰せつかっている世界切手展 <BRASILIANA 2013> の作品募集要項が発表になりました。国内での応募受付は2月1―14日(必着)です。詳細はこちらをご覧ください。


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 世界漫郵記:ゴア①
2012-11-03 Sat 20:53
 ご報告が遅くなりましたが、『キュリオマガジン』2012年11月号が出来上がりました。僕の連載「郵便学者の世界漫郵記 インド西海岸篇」は、今回から数回にわたってゴアを取り上げます。今回は、その記事の中から、この切手をご紹介します。(以下、画像はクリックで拡大されます)

         ポルトガル領インド

 これは、1871年に発行されたポルトガル領インド最初の切手です。

 15世紀末から16世紀初頭にかけてインド西海岸に来航したポルトガル人は、1510年2月、ポルトガルのインド総督、アフォンソ・デ・アルブケルケの下、現在のオールド・ゴアに相当する地域を占領しました。ゴアのインド総督府とリスボンを結ぶ公文書の通信はその直後から開始されましたが、当時の公文書は航海途中での遭難を考慮して、3通、同じ内容のものが作られていました。また、海路のみならず、ペルシャやオスマン帝国の領土を経由して陸路で文書が運ばれることもありました。

 いわゆる近代郵便としては、1822年7月1日、イギリス東インド会社との間で協定が結ばれ、ポルトガル領インドとインド各都市との郵便交換がスタートいsます。郵便物は、国境のマルヴァン(現マハーラーシュトラ州)とベラガーヴィ(現カルナータカ州)でポルトガル側からイギリス側に引き渡されることになっていました。当時の基本料金は、ゴアからベラガーヴィまでが3アンナ、ベラガーヴィからムンバイまでは11アンナです。

 これに伴い、1823年までに、ダマンにイギリス東インド会社の郵便局が開設されましたが、この時点では、ゴアには郵便局は設置されていませんでした。

 ポルトガル当局がパナジに“ゴア郵便局”を開設したのは1854年のことですが、この時点では、ポルトガル当局の発行した切手は使われず、郵便料金はすべて英領インド切手で納入されていました。

 今回ご紹介のポルトガル領インドとしての最初の切手は1871年10月1日の発行です。切手は楕円形の枠の中に額面数字を示したシンプルなデザインのもので、“SERVIÇO POSTAL”ならびに“INDIA PORT.”の表示が上下に入っています。現地製の素朴な切手で、版や紙などに様々なヴァラエティがあります。

 切手はポルトガル領インドの域内でのみ有効で、域外への通信には、別途、英領インド切手を貼りたす必要がありました。なお、ポルトガル領インド切手が域外宛の郵便物にも有効とされるようになったのは1877年のことです。

 さて、今回の記事では、パナジのクラシックな風情あふれる郵便局の局舎の写真もご紹介しながら、今後の連載のための予備知識として、まずはゴアとその歴史についての概説をまとめてみました。機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。

 * 本日の切手市場は無事終了いたしました。ご来場いただきました皆様、特に、拙著をお買い上げいただきました皆様には、この場をお借りして、あらためてお礼申し上げます。


 ★★★ イベントのご案内 ★★★

 ・11月10日(土) 11:00- 全国切手展<JAPEX>
 東京・池袋で開催される全国切手展<JAPEX>会場内で、拙著『喜望峰』刊行記念のトークイベントを予定しております。よろしかったら、ぜひ遊びに来てください。なお、詳細は主催者HPをご覧いただけると幸いです。


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 年賀状の切手
2012-01-04 Wed 10:03
 例年のことですが、“郵便学者”という看板を掲げて生活している関係から、僕は毎年、年賀状には干支にちなんだ切手を取り上げることにしています。もっとも、ただ単に干支の切手を持ってくるだけではつまらないので、①できるだけ他の人が使いそうにないモノ、②その年の仕事の予告編になりそうなモノ、というふたつの基準で選んでいます。きょう(4日)は仕事始めでオフィスで僕の年賀状をご覧になるという方もあると思いますので、年賀状の切手について簡単に解説いたします。(画像はクリックで拡大されます)

        ポルトガル領インド・龍の紋章

 これは、ポルトガル領インドが1958年に発行した切手、ポルトガル領インド総督を務めたロポ・ソレアス・デ・アルベリガリアの龍の紋章が取り上げられています。

 ロポ・ソアレスは、正確な生没年は不詳ですが、1460年頃に生まれたと考えられています。若い頃から船乗りとして活躍し、1495‐99年には大西洋奴隷貿易の拠点で、現在はガーナ領となっているエルミナの砦の指揮官に任じられています。その後、1504年に第6次インド遠征艦隊を率いてカリカットへ赴き、翌1505年、リスボンへに無事帰国。その功績もあって、1515‐18年には国王からポルトガル領インド総督に任じられました。

 さて、昨年は雑誌『キュリオマガジン』に「郵便学者の世界漫遊記:極東ロシア・ハバロフスク篇」を連載し、それをもとに<切手紀行シリーズ>の第4巻として『ハバロフスク』を上梓いたしましたが、今年も、このパターンを踏襲して、同誌にインド西海岸についての連載を執筆し、<切手紀行シリーズ>第5巻の書籍を刊行する予定です。
 
 『キュリオマガジン』の連載では、昨年2月に訪れたカリカット、コーチン、ゴアの3ヵ所を取り上げる予定ですが、いずれも、ポルトガルにゆかりの深い場所ということで、年賀状の題材として、ポルトガル領インドの切手を持ってきたという次第です。また、切手に描かれた紋章の主であるロポ・ソアレスは、無事にインド遠征の任務を果たしたことでその後の出世の糸口をつかんでいますので、僕も、無事に切手紀行シリーズの第5巻を出すという目標を達することで、その後のステップ・アップにつなげていければ…という思いもあります。

 なお、例によって、年賀状の投函は年末ぎりぎりになってしまいましたので、まだお手元に届いていない方もあるかと思います。早々に賀状をお送りいただきながら、僕の賀状がまだ届いていないという方々におかれましては、今しばらくお待ちいただきますよう、伏してお願い申し上げます。


 ★★★ ラジオ出演のご案内 ★★★

 ・1月9日(月・祝)10:00~ ラジオ・白熱教室
 文化放送(ラジオ)系で放送のくにまる ジャパン内の同コーナーに『年賀状の戦後史』の著者として、内藤が出演する予定です。なお、放送番組の常として、事情により、急遽、予定が変更になる可能性がございますが、その場合はあしからずご了承ください。


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         年賀状の戦後史
     角川oneテーマ21(税込760円)

    日本人は「年賀状」に何を託してきたのか?
    「年賀状」から見える新しい戦後史!

 ★ TBSラジオ・ニュース番組森本毅郎・スタンバイ(2011年11月17日放送)、11月27日付『東京新聞』読書欄、『週刊文春』12月1日号、12月1日付『全国書店新聞』『週刊東洋経済』12月3日号、12月6日付『愛媛新聞』地軸、同『秋田魁新報』北斗星、TBSラジオ鈴木おさむ 考えるラジオ(12月10日放送)、12月11日付『京都新聞』読書欄、同『山梨日日新聞』みるじゃん、12月14日付『日本経済新聞』夕刊読書欄、同サイゾー、12月15日付『徳島新聞』鳴潮、エフエム京都・α-Morning Kyoto(12月15日放送)、12月16日付『岐阜新聞』分水嶺、同『京都新聞』凡語、12月18日付『宮崎日日新聞』読書欄、同『信濃毎日新聞』読書欄、12月19日付『山陽新聞』滴一滴、同『日本農業新聞』あぜ道書店、[書評]のメルマガ12月20日号、『サンデー毎日』12月25日号、12月29日付エキレピ!、『郵趣』2012年1月号で紹介されました。

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