内藤陽介 Yosuke NAITO
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 北朝鮮、深夜のICBM 発射実験
2017-07-29 Sat 11:37
 北朝鮮が、昨夜(日本時間28日23時41分ごろ)、北部の慈江道舞坪里から、大陸間弾道ミサイル(ICBM)“火星14型”1発を日本海に向けて発射しました。ミサイルは45分程度飛行し、日本の排他的経済水域内に落下したと見られています。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      北朝鮮・反米闘争月間(2017・連邦議事堂)

 これは、今年(2017年)6月25日、北朝鮮が発行した“6.25-7.27 反米共同闘争月間”の切手の1枚で、引鉄に指をあてた拳銃と、米国の連邦議会議事堂に降り注ぐミサイルを描き、「言葉ではなく、ただ銃で(말로써가 아니라 오직 총대로!)」のスローガンが入っています。米国が“金王朝”を転覆させようとすれば、北朝鮮はICBMで抵抗するぞという、彼らのプロパガンダが明瞭に伝わってくる1枚です。

 “反米共同闘争月間”は、朝鮮戦争(北朝鮮側の呼称は祖国解放戦争)が開戦日である6月25日(1950年)と、休戦協定の調印された7月27日(1953年)がほぼ1ヵ月であることにちなみ、毎年、北朝鮮で展開されているキャンペーンです。かつては、“米軍撤退闘争月間”、“反米連帯闘争月間”などの名称が使われたこともありますが、いずれも、キャンペーンの趣旨としてはほぼ同じものです。いずれにせよ、今回のミサイル発射もほぼこのタイミングに合わせたものと言ってよいでしょう。

 北朝鮮によるミサイル開発が、わが国にとっての深刻な脅威と受け止められるようになったのは、1998年8月のテポドン(この名前は、実はアメリカがつけたコードネームで北朝鮮側の呼称ではありません)の発射実験以降のことです。当時、北朝鮮側は、ミサイル発射は人工衛星(光明星1号)の打ち上げであり、打ち上げには成功し、地球の周回軌道に乗った衛星は「金日成将軍の歌」を地上に向けて発信し続けていると主張していましたが、これは事実として確認されておらず、弾道ミサイルの試射をかねた人工衛星の打ち上げだったものの失敗したというのが真相と考えられています。

 ちなみに、“飛翔体”としての広義のミサイルには、いわゆるロケット(狭義には“飛翔体”の推進体を指す)も含まれますが、一般にはロケットの先端部に爆発物を搭載した軍事目的の“飛翔体”をミサイルと呼び、先端部に人工衛星などが搭載されていれば宇宙ロケットと呼ばれます。したがって、宇宙ロケットとミサイルは本質的に同一の技術なわけで、北朝鮮側の主張するように、人工衛星を打ち上げるための平和目的のロケットだから周辺諸国への脅威にはならないという説明はなんら説得力を持ちません。

 一部の報道などでは、北朝鮮に対する配慮からなのか、彼らのミサイルを“飛翔体”と表現するケースが散見されますが、少なくとも、今回の発射実験に関しては、北朝鮮の朝鮮中央通信が「大陸間弾道ミサイル“火星14”の2回目の試験発射に成功した」と伝えているほか、米政府も発射されたのはICBMと断定していることから、ストレートにミサイルないしは大陸間弾道弾(ICBM)と呼ぶのが適切だろうと思います。

 北朝鮮によるミサイル発射実験/人工衛星打ち上げは、テポドン以来、ながらく失敗が続いていましたが、2012年の光明星3-2に関しては、NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)によって、衛星の機体とそれに付随するスペースデブリの計4物体が衛星軌道に到達し、人工衛星となったことが確認されています。この結果、北朝鮮は人工衛星自力打ち上げ能力を有する10番目の国にして、人工衛星を保有する75番目の国・組織になりました。

 その後、彼らは着々とミサイル開発を進め、その性能は飛躍的に向上。米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト“38ノース”によれば、今回のICBM は、現時点で判明している発射データから計算して「通常軌道で飛行した場合の射程は90001万km に達する可能性」があり、そうだとすると、ロサンゼルスを含む米西海岸を射程に収めることになりました。また、同サイトによれば、“火星14”の信頼性を確立させるには、さらに複数回の実験が必要なため、「北朝鮮が今後、さらに何発もの(ICBMを)発射するのは確実」だそうです。

 今回ご紹介の切手は、このように、急速なミサイル技術の向上を背景に軍事強国を演出し、米国を威嚇しようとする意図をもって発行されたものであることは間違いありません。

 さて、あす(30日)22:00から放送の拉致被害者全員奪還ツイキャスでは、内藤がゲスト出演し、今回ご紹介の切手を含め、拙著『朝鮮戦争』『韓国現代史』などの内容もご紹介しつつ、切手や郵便物から見える朝鮮半島の歴史と現在について、いろいろお話しする予定です。よろしかったら、ぜひ、こちらをクリックしてお聴きください。
 

 ★★★ ツイキャス出演のお知らせ ★★★

 7月30日(日)22:00~ 拉致被害者全員奪還ツイキャスのゲストで内藤が出演しますので、よろしかったら、ぜひ、こちらをクリックしてお聴きください。なお、告知のツイートはこちらをご覧ください。

 ★★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史”  ★★★ 

 7月27日(木)に放送の「切手でひも解く世界の歴史」の第6回は無事に終了しました。お聞きいただいた皆様、ありがとうございました。次回の放送は、高校野球があるため、少し間が開いて8月24日(木)16:05~の予定です。引き続き、よろしくお願いいたします。 

 なお、27日放送分につきましては、8月3日(木)19:00まで、こちらの“聴き逃し”サービスでお聴きいただけますので、ぜひご利用ください。

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 毎日新聞:謎の「虎の切手」
2017-05-25 Thu 18:19
 きのう(24日)付の毎日新聞夕刊2面で、今年3月1日に北朝鮮で発行された「槿域江山猛虎気像図(以下、猛虎気象図)」についての特集記事が掲載され、内藤もコメントを寄せました。(以下、画像はクリックで拡大されます)

      毎日新聞夕刊(20170524)

 記事では、「猛虎気像図」の目打小型シートからトリミングされた切手が取り上げられていましたので、このブログでは、切手と同時に発行された絵入りはがきの画像をご紹介しつつ、「猛虎気象図」の切手・葉書について、新聞のコメントでは言い尽くせなかったことも含めて、僕なりに細かく解説してみようと思います。なお、葉書の印面部分は切手と同じデザインで目打状の印刷があり、絵面は「猛虎気像図」を大きく取り上げています。

      北朝鮮・虎地図葉書(2017・裏面)  北朝鮮・虎地図葉書(2017)

 さて、今回の切手・葉書に際しての北朝鮮の国営メディアである朝鮮中央通信は、以下のように説明しています。

 「槿域江山猛虎気像図」は朝鮮を占領して朝鮮人の姓名、言葉や文字までなくそうと狂奔する日帝に抵抗し、1920年代に朝鮮の地形学的特徴を勇猛なチョウセントラで象徴化して創作された。日帝は朝鮮地図をウサギに比喩して朝鮮民族をウサギのように軟弱、従順で飲み込むことのできる対象と解釈し、朝鮮人民の反日意識をくじこうと悪らつに企てた。しかし朝鮮人民は、地図の形を一つの地脈でつながった一つの国土、どんな猛獣が襲いかかっても戦って勝利する勇猛なトラで表現した。

 朝鮮中央通信の記事にある“朝鮮を占領して朝鮮人の姓名、言葉や文字までなくそうと狂奔する日帝”という一文は、明らかに歴史的事実と異なるのですが、そこのところは媒体が媒体なので、まぁご愛嬌ということで…。ちなみに、「猛虎気像図」は、1920年代に金台熙が制作した作品です。

 朝鮮半島をトラになぞらえるのは、崔南善が、大韓帝国時代の1908年に創刊した雑誌『少年』に、朝鮮半島を虎に見立てた絵を掲載したのが最初のこととされています。崔南善は、朝鮮の歴史家・詩人で、三一独立運動の際に独立宣言文を起草した人物ですので、トラの姿をした朝鮮半島という図には、朝鮮半島をウサギになぞらえる日本への反発が込められているという説明は、それなりに説得力のあるものではあります。
 
 ただし、朝鮮の伝統文化においてはトラは常に重要視されており、民画の題材にも盛んに取り上げられていますので、「猛虎気象図」も単純にそうした民画の伝統に従っただけという可能性も十分にあり、そこに明確な反日の意図が込められていたかどうかは、かなり微妙だと思います。

 なお、「猛虎気象図」では、虎の背骨を白塔大幹(白頭大山脈)に、胴体の縞を枝山脈になぞらえており、トラの姿全体で“統一朝鮮”のイメージにもなっていますから、三一運動の記念日に発行する題材としては、違和感はありません。

 一方、2017年は三一独立運動からは98周年という半端な年回りですので、切手発行のタイミングとしては、三一運動の周年記念という文脈で考えるよりも、かつて“長白山(朝鮮名:白頭山)の虎”と恐れられていた金日成の生誕105周年(4月15日)および金正日生誕75周年(2月16日)の文脈で考えた方がすっきりするのではないかと思います。

 すなわち、朝鮮儒学の文脈では、虎は孝と恩を知る動物として、父親の墓参に行く孝行息子を背に載せて運んだり、待墓(父母の喪中に墓の傍らに小屋を建て、そこで質素な生活をする風習)を行う者を守ったりするとされています。したがって、父祖に対する孝養のシンボルとしてのトラは、金日成・金正日への尊崇を忘れぬ最高指導者、金正恩というイメージ戦略の一環として、切手に取り上げられたという面もあるかもしれません。

 さらに、朝鮮王朝時代以来、虎は軍旗にも描かれてきたほか、韓国には猛虎部隊、白虎部隊等の部隊もありますので、金正恩政権がこうしたデザインの切手を発行することは、ミサイル実験を繰り返すのと同様、軍事強国を演出する意図を込めてのことであるのは間違いないでしょう。

 なお、少し気になったのですが、朝鮮の諺?には、「虎に噛まれても気をしっかり持ってさえいれば生きられる」というのがあり、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」とセットで用いられるそうです。このあたりは、国際社会の懸念をよそに、核武装を進める北朝鮮の精神状態を、虎に仮託して表現したものといえるのかもしれません。


 ★★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史” 次回 は1日! ★★★ 

 6月1日(木)16:05~  NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第3回目が放送予定です。今回は、5月26-27日にG7サミットが行われるシチリアにスポットを当ててお話をする予定です。みなさま、よろしくお願いします。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。

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 竹島の日
2017-02-22 Wed 12:22
 きょう(22日)は、“竹島の日”です。というわけで、昨年同様、竹島関連の切手の中から、この1点です。(画像はクリックで拡大されます)

      北朝鮮・竹島(2014)

 これは、2014年に北朝鮮が発行した竹島(彼らの呼称では独島)の地図切手で、女島(同・東島)、男島(同・西島)の2つの島を中心に、周辺の岩礁をふくめて、きっちり描かれています。

 竹島問題に関する北朝鮮側の基本的な姿勢は、韓国を朝鮮半島の正統政府と認めるか否かはともかくとして、“独島”が朝鮮民族の領土であり、日本の領有権を認めるわけにはいかないという点では、韓国と共同歩調を取っています。したがって、北朝鮮としては、“日帝三十六年間”同様、“独島”をキーワードに、韓国の親北派の歴史学者との討論会を開いたり、韓国での対日抗議行動を好意的に報道しています。切手の題材としては、2004年4月20日と2005年5月5日には、ストレートに竹島を取り上げた切手が発行されているほか、彼らの取り上げた朝鮮半島の地図には、“統一朝鮮”の領土として竹島もしっかり書き込まれています。

 さて、竹島問題の経緯を改めて整理してみると、以下の通りになります。

 朝鮮戦争の勃発後、連合諸国の対日講和条約が具体的に議論されるようになると、韓国政府は大韓民国臨時政府による対日宣戦布告を根拠として、“戦勝国”として講和条約に調印することを主張しましたが、国際社会からは全く相手にされませんでした。1945年以前の朝鮮半島は大日本帝国の正規の領土であり、大韓民国臨時政府は連合諸国から承認された存在ではなく、したがって、朝鮮人による抗日闘争はあったにせよ、韓国が国家として日本と戦った事実はないというのが国際社会の共通認識だったからです。当然のことながら、1951年9月、サンフランシスコで開催された講和会議にも、韓国が参加を許される余地は全くありませんでした。

 このため、講和条約調印後の1951年10月、あらためて日本と韓国との国交樹立に向けた予備会談がスタートしましたが、日本を反共の防波堤として育成することを企図していた米国は、韓国側の対日賠償請求を押さえ込もうとしていました。このため、新たな交渉材料を作り出す必要に迫られた李承晩政権は、1952年2月に国交正常化交渉(第1次会談)が開始される直前の1月18日、突如「大韓民国隣接海洋の主権に対する大統領の宣言」を発します。

 講和条約調印時、日本漁船の活動可能領域は、SCAPIN第1033号「日本の漁業及び捕鯨業に認可された区域に関する覚書」によって、北緯24度東経123度、赤道の東経135度、赤道の東経180度、北緯24度東経180度を結ぶ線内、すなわち“マッカーサー・ライン”の内側とされていました。これに対して、李の宣言は、国防と漁業資源の保全を理由として、韓国沖合の部分について、マッカーサー・ラインよりも日本寄りに“平和線”(日本側では“李承晩ライン”と呼ばれていました)を設定。これを領海として、水域内のすべての天然資源、水産物の利用権を主張したものでした。

 日本敗戦後の1946年1月29日、GHQは「若干の外郭地域の日本からの統治上及び行政上の分離に関する総司令部覚書」(以下「外郭地域分離覚書」)を発し、“日本”の範囲を「日本の四主要島(北海道、本州、九州及び四国)と約1000の隣接諸小島を含むものと定義される」と規定しました。

 この“隣接諸小島”には対馬も含まれていましたが、1949年1月7日、韓国政府は一方的に対馬の領有を宣言し、占領下で主権が制限されている日本に対して対馬の返還を要求。しかし、この要求は連合諸国から一蹴されています。

 ついで、講和会議直前の1951年7月19日、韓国政府は講和条約草案を起草中の米国政府に対して、①日本の在朝鮮半島資産の韓国政府および米軍政庁への移管、②竹島、波浪島を韓国領とすること、③マッカーサー・ラインの継続を要求する要望書を提出。ここで②の要求の根拠となったのが、「欝陵島、竹島及び済州島」は日本の“隣接諸小島”から除外するという「外郭地域分離覚書」の規定です。

 これに対して、8月10日、米国は、国務次官補ディーン・ラスク名義で、①の日本資産の移管についてのみ認め、それ以外の韓国政府の要求を明確に拒否する旨の文書(「ラスク書簡」)で回答。9月に講和条約が調印され、翌1952年4月28日の条約発効をもってマッカーサー・ラインも廃止されることになっていました。

 さて、李承晩ラインでは、「外郭地域分離覚書」の規定を根拠に、その内側に竹島(韓国名“独島”)を含めて領有権を主張しており、これが、いわゆる竹島問題の発端となります。

 当然のことながら、1905年の「内務大臣訓令」によって竹島を島根県隠岐島庁へ編入して以来、第二次大戦の終結まで一貫して竹島を領有していた日本側は、李承晩ラインの設定に猛反発。米国も韓国政府を非難しました。

 こうしたなかで、1952年2月、日韓国交正常化交渉(第1次会談)が始まりましたが、会談では、“戦勝国”として日本に対して賠償を要求する韓国と、植民地支配は国際法上合法として、逆に、韓国内で接収された旧日本資産の補償を主張する日本との間で議論が平行線をたどり、同年4月には早くも無期延期となります。

 その間にも、李承晩ラインを侵犯したとして韓国側に拿捕される日本漁船が続出。さらに、戦後、朝鮮戦争や済州島四・三事件の混乱を逃れて日本に密入国した韓国人の送還問題もあって、韓国との交渉再開は日本側にとって緊急の課題となっていました。

 このため、1953年4月、日韓交渉(第2次会談)が再開されたものの、同年6月、韓国側が朝鮮戦争の休戦成立に備える必要から中断。さらに、同年10月の第3次会談では、日本側代表の久保田貫一郎(外務省参与)が「日本としても朝鮮の鉄道や港を造ったり、農地を造成したりした」、「当時、日本が朝鮮に行かなかったら中国かロシアが入っていたかもしれない」などと発言したことから、日韓双方による非難の応酬となり、会談は決裂し、国交正常化交渉は1958年4月まで中断されてしまいます。

 日韓両国の対立を懸念した米国大統領のアイゼンハワーは、1954年7月、韓国に対して李承晩ラインの撤回など日本への宥和を求めたのですが、これは逆効果となり、態度を硬化させた韓国側は米国との交渉をも決裂させ、翌8月には対日経済断交措置を発動してしまうといったありさまでした。

 その後も現在にいたるまで、日本政府は竹島の領有権を主張しつづけているものの、韓国による竹島の実効支配を黙認してきたのが現実です。

 竹島に限らず、領有権を巡って複数の国が争っている地域に関しては、あらゆる機会をとらえて、それが自国の領土であることを繰り返し訴え続けるというのが国際社会では常識です。その意味では、韓国が官民挙げて“独島”の領有権をアピールし、北朝鮮がそれに追従するのは、その主張の是非とは別の次元で、ある意味当然の行動でしかありません。

 むしろ、そうした彼らの主張に対して、多くの日本国民が竹島問題には無関心で(“竹島”が、今回ご紹介の切手に描かれているように、男島・女島を中心に、多くの岩礁で構成されていることをきちんと理解している日本人は、決して多くはないでしょう)、日本政府もほぼ無策のまま60年間を過ごしてきたということが、今日の事態を招いてしまったのだという現実を受け止め、真剣に反省することがまずは必要ではないでしょうか。

 なお、竹島問題と切手の関係については、拙著『朝鮮戦争』でもまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。
      

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 北朝鮮がミサイル発射
2016-02-07 Sun 12:18
 北朝鮮が、きょう(7日)午前9時31分頃、平安北道東倉里のミサイル発射場から、事実上の長距離弾道ミサイル(北朝鮮側の主張では宇宙ロケット)を沖縄県方向に向けて発射しました。北朝鮮がこの種の飛翔体を発射するのは、2012年12月以来のことです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      北朝鮮・銀河3号

 これは、前回、2012年12月のミサイル発射に際して北朝鮮が発行した記念切手で、“銀河3号”ロケットによる人工衛星光明星3-2打ち上げの光景が描かれています。切手の下には、北朝鮮当局の公式見解である「(衛星)運搬ロケット銀河3号は、主体101(2012)年12月12日9時49分46秒に打ち上げられ、発射から9分27秒後の9時59分13秒、光明星3-2を軌道に投入することに成功した」という趣旨の説明文が印刷されているほか、その右側には、“衛星の軌道投入”までの軌跡が地図とともに示されています。

 光明星3-2以前の北朝鮮による人工衛星打ち上げは、いずれも、軌道投入に失敗していますが、光明星3-2に関しては、NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)によって、衛星の機体とそれに付随するスペースデブリの計4物体が衛星軌道に到達し、人工衛星となったことが確認されています。この結果、北朝鮮は人工衛星自力打ち上げ能力を有する10番目の国にして、人工衛星を保有する75番目の国・組織になりました。

 ちなみに、“飛翔体”としての広義のミサイルには、いわゆるロケット(狭義には“飛翔体”の推進体を指す)も含まれますが、一般にはロケットの先端部に爆発物を搭載した軍事目的の“飛翔体”をミサイルと呼び、先端部に人工衛星などが搭載されていれば宇宙ロケットと呼ばれます。したがって、宇宙ロケットとミサイルは本質的に同一の技術なわけで、北朝鮮側の主張するように、人工衛星を打ち上げるための平和目的のロケットだから周辺諸国への脅威にはならないという説明はなんら説得力を持ちません。

 こうしたこともあって、北朝鮮が開発・製造する“ロケット”は、弾道ミサイル・核開発計画と表裏一体の存在であるというのが国際社会の一致した見方ですから、銀河3号に関しても、国際連合安全保障理事会決議1718と決議1874で発射の中止が強く要求されていました。こうした決議を無視しての発射だっただけに、日本、米国、韓国、国際連合安全保障理事会議長国のモロッコなどは、発射後すぐに、銀河3号ロケットの打ち上げは国連決議違反との立場を表明。2013年1月23日、北朝鮮に対する追加制裁を明記した決議2087が全会一致で採択されています。

 今回の発射に関しても、9時45分頃、日本の南約2000kmの太平洋に落下したことをふまえ、日本政府は10時15分ごろから首相官邸で国家安全保障会議(NSC)閣僚会合を開き、今後の対応を協議。安倍首相は「繰り返し自制を求めてきたにも関わらず、ミサイル発射を強行したことは断じて容認できない。明白な国連決議違反だ。国際社会と連携して毅然きぜんとして対応する。国民の安全と安心を確保することを万全を期していく」と述べています。また、米韓両国も北朝鮮を非難し、日本の国連代表部は、国連安全保障理事会で対応を協議する緊急会合の開催を要請。おそらく、前回同様、国連の場でも、北朝鮮に対する追加制裁が決議されることになるでしょう。

 その一方で、北朝鮮側も今回の発射の成果を大々的にアピールしていくのでしょうが、はたして、前回同様、記念切手が発行されるか否かは現時点では不明です。実際に記念切手が発行され、その実物を入手することができたら、いずれこのブログでもご紹介したいと考えております。


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 朝日新聞AJWフォーラム
2013-09-26 Thu 12:33
 ご報告が遅くなりましたが、9月12日、朝日新聞AJWフォーラムに「プロパガンダのメディアとしての北朝鮮の切手 」と題するコラムがアップされました。というわけで、きょうはその記事の中から、こんなモノをご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

       金正恩最初の切手

 これは、金正日が亡くなった直後の2011年12月30日に発行された「偉大なる領導者・金正日同志は永遠に我々と共におられる」(以下、「共におられる」)と題するシートで、金正恩の肖像を取り上げた切手としては最初のモノになります。

 この切手は、金正日を追悼する最初の切手として発行されましたが、12月17日の金正日死亡翌日から制作作業を開始したとしても発行日までは約2週間しかありません。デザイナーがゼロから切手の原画をつくり、郵政当局が承認し、裏糊と目打を備えた切手を、少なくとも数十万枚単位で製造し、全国の郵便局に配るまでには、多くの国では普通、1-2ヶ月はかかりますから、いくら朝鮮人民が“革命精神”を発揮しようとも、2週間は短すぎるといえましょう。

 切手をよくみると、額面は“70ウォン”です。ほぼ同時期の北朝鮮の切手の額面は10ウォン、30ウォン、50ウォンのモノが多いことを考えると、この切手の額面があえて70ウォンになっているのは、実際には、翌年2月に予定されていた総書記70歳の誕生日用に準備されていたデザインを、追悼切手として転用したと考えるのが自然なようにも思われるのですが、いかがでしょうか。

 金正恩が朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長となり、父の後継者としての立場を確立したのは2010年9月のことでした。以後、父は後継者としてのお披露目を兼ねて息子を重要行事に同伴させ、雰囲気を盛り上げて、権力の継承を円滑に進めようとします。

 「共におられる」の切手では、父子は同じコートを着ており、ズボンや靴の色やデザインもほぼ同じです。父がサングラスをかけていることもあって、鼻から口元にかけての2人の表情も、血のつながりを感じさせます。こうした演出の背後に、金正恩を金正日の“分身”として位置づけようとの意図があるのは明白でしょう。

 ところが、金正恩が後継者として党や軍の権力基盤を確立する前に、父は亡くなってしまいました。金正日抜きで為政者としての権威を獲得しなければならなくなった金正恩は、父親を飛び越え、北朝鮮においては“唯一絶対神”に等しい存在である金日成の孫であることを強調せざるを得なくなります。

 こうした変化を象徴しているのが、2012年4月11日に発行された「朝鮮労働党第4次代表者会」の小型シート(画像下)です。

       朝鮮労働党第4次大会

 この小型シートでは、父子の切手が1枚ずつ収められていますが、父がトレードマークともいうべきジャンパー姿であるのに対して、金正恩は背広にネクタイ姿です。父の写真にもネクタイ姿のものがないわけではありませんが、人民服もしくは、独特のジャンパー、半袖シャツなどカジュアルな姿が一般的です。むしろ、背広にネクタイをいう服装は祖父・金日成が好んだスタイルでした。なにせ、ソ連から帰国早々、占領ソ連軍の御膳立てで平壌市民の前に初めて姿を見せた時も、“抗日英雄”として軍服を着たらどうかと言うソ連側のアドバイスを無視して、通訳の姜ミハエル少佐からスーツとネクタイを借りてきたという逸話の持ち主ですから…。

 また、「朝鮮労働党第4次代表者会」の金正恩を見ると、服装のみならず、髪型や表情まで、あらゆる面で祖父の金日成を意識していることがうかがえます。たとえば、この切手の金正恩と1962年4月14日に発行された「金日成元帥誕生50周年」の記念切手に取り上げられた金日成の姿と比べてみると、まさに“コピー”という言葉がふさわしいほどです。これは、「共におられる」の頃の路線を放棄し、金正恩は父とは別の人格で、むしろ父を凌駕する金日成の再来というイメージを演出しようとした結果と見て良いでしょう。

 今回の記事では、このほかにも、金正恩以降の北朝鮮の切手をご紹介しつつ、そのプロパガンダ戦略についてご説明しております。機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。 

     
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 入場無料でプレゼントもご用意しております。今年の11月は世界切手展<Brasiliana 2013>へ参加のため、ブラジルに行っており、恒例の<JAPEX>でのトークはできませんので、この機会に、ぜひ遊びに来てください。

 なお、出版元の告知ページもあわせてご覧いただけると幸いです。


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 北朝鮮が短距離ミサイル発射
2013-05-18 Sat 23:07
 北朝鮮が、きょう(18日)、午前に2発、午後に1発の計3発の短距離ミサイルを日本海側から発射しました。とりあえず、日本の領海内には落下していないそうです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       北朝鮮・命令だけ下さい

 これは、ことし(2013年)2月25日に北朝鮮で発行された“革命絵画”の切手のうち、「命令だけください」と題された作品を取り上げた10ウォン切手です。切手は、戦車やミサイル、航空機などを背景に、いままさに、銃剣を手に突撃しようとしている兵士を描くものです。

 5月2日に米国防総省が発表した年次報告書「北朝鮮の軍事力2012」によると、北朝鮮のミサイル発射装置(ランチャー)の台数は、射程1000キロ以下のスカッド系ミサイル(KN-02、スカッドB、スカッドC、スカッドER)用のモノが100基以下、射程1300キロ以下のノドン・ミサイル用のモノが50基以下、射程3200キロ以上のムスダン・ミサイル用のモノが50基以下、射程5500キロ以上のテポドン2ミサイル用のモノは未配備となっています。一般的に核弾頭ICBM(大陸間弾道ミサイル)はランチャー数=ミサイル本数で、通常弾頭SRBM(短距離弾道ミサイル)の場合はランチャー数×5~6=ミサイル本数とされていますので、今回発射されたような短距離ミサイルだと、5-600発が配備されていると推測されています。

 切手に取り上げられた絵画のミサイルは何本かをまとめたスタイルになっていますので、おそらく、スカッド系ミサイルではないかと思います。まぁ、「命令だけください」というタイトル通り、上からの命令があったからこそ、今日の発射ということになったのでしょうが…。

 ちなみに、「命令だけください」というのは、もともとは、1967年に作られた「수령이시여 명령만 내리시라(首領よ、命令だけください)」という革命歌(作詞:석광희、作曲:손창세)の題名です。元のタイトルからすると、命令を下せるのは、首領様=金日成のみで、息子の将軍様=金正日ではなく、ましてや孫の金正恩ではありえないのですが、金正恩体制下で発行されたこの切手では、冒頭の“首領様”が省略されているのがミソといえましょうか。あるいは、将来的に、金正恩=金日成というイメージ戦略の一環として、金正恩みずからが“(第2の)首領様”になってしまおうということなのかもしれません。

 また、もともとの歌詞にあった「我等の営みは日ごとに幸福へ近づけど、南の同胞を思わば、血に滲む心臓」というフレーズが、近年、「一つの地と民族を二つに切り裂く奴等は、今日また再び我等の地を侵そうとしている」と変更して歌われているなど、「幸福な生活を送っている北朝鮮の人民が、米帝の下で不遇をかこっている南の同胞を解放しよう」という原曲のニュアンスが変更されているとの報告もあります。まぁ、さすがに、「北の方が幸福」という強弁は、現実に照らして、彼らも言いにくくなったということなんでしょう。

 最近、2011年に金正日が亡くなった後の切手をまとめて調べてみる機会があったのですが、かなり興味深い情報が少なからず拾えました。それらをまとめると、新書一冊分くらいの分量には軽くなりそうなのですが、どこかの版元さんで拾ってやってくれませんかねぇ。

 * 本日午後、カウンターが121万PVを越えました。いつもご覧いただいている皆様には、この場をお借りして、あらためてお礼申し上げます。


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 太陽像
2012-02-16 Thu 14:47
 きょう(16日)は、昨年(2011年)末に亡くなった北朝鮮の独裁者、金正日が1942年2月16日に生まれてから70周年ということで、息子で後継者の正恩をアピールするためにも、この機会を利用したプロパガンダ工作が活発に行われているそうです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        太陽像

 これは、金正日が亡くなった直後の昨年12月30日に北朝鮮で発行された(とされる)金正日の肖像切手です。このときは、今回ご紹介のモノとあわせて金正日・正恩が並んだ写真の切手を収めた小型シートも発行され、金正恩の肖像を描く最初の切手として話題になりました。いずれも、額面は70ウォンとなっていますので、当初の計画では、金正日生誕70年の記念切手として準備されたものの、本人の急死を受けて、急遽、“主体100年(2011年)”の年号と追悼の文言を入れて発行したのではないかと考えられます。

 さて、今回の切手の肖像ですが、北朝鮮当局は「太陽像」と名付けており、1月12日以降(この日付にはおそらく身意味はなく、準備が整った時点で、ということでしょう)、党政治局によって全国各地に掲げることが決定されました。今後は、おそらく、この「太陽像」が金正日の公式の肖像として使われることになるんでしょうな。

 北朝鮮当局者の説明によれば、「太陽像」はプロパガンダ絵画の制作を担当する万寿台創作社のスタッフに対して、正恩が細かな指示を出し、CGで共同制作したもので、かの国では“記念碑的名画”とされているそうです。北朝鮮のプロパガンダ絵画を(切手や写真を通じてですが)それなりに見てきた僕としては、純粋に絵画として見た場合、もっと良い絵があるように思うんですが、まぁ、そのあたりは、彼らに言わせると僕の審美眼がおかしいということなんでしょう。

 なお、金正日の出生地については、北朝鮮当局は相変わらず中朝国境の白頭山の朝鮮側の密営であると主張していますが、歴史的事実としては、金日成がソ連軍の下で軍事訓練を受けていた時に、ソ連領内で生まれたことが確認されています。その具体的な場所については諸説あるのですが、そのうちの最も有力な場所とされるヴャツコエについては、昨年刊行の拙著『ハバロフスク』でも雪に覆われた現地を訪ねたときのレポートを掲載しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


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 ★ TBSラジオ・ニュース番組森本毅郎・スタンバイ(2011年11月17日放送)、11月27日付『東京新聞』読書欄、『週刊文春』12月1日号、12月1日付『全国書店新聞』『週刊東洋経済』12月3日号、12月6日付『愛媛新聞』地軸、同『秋田魁新報』北斗星、TBSラジオ鈴木おさむ 考えるラジオ(12月10日放送)、12月11日付『京都新聞』読書欄、同『山梨日日新聞』みるじゃん、12月14日付『日本経済新聞』夕刊読書欄、同サイゾー、12月15日付『徳島新聞』鳴潮、エフエム京都・α-Morning Kyoto(12月15日放送)、12月16日付『岐阜新聞』分水嶺、同『京都新聞』凡語、12月18日付『宮崎日日新聞』読書欄、同『信濃毎日新聞』読書欄、12月19日付『山陽新聞』滴一滴、同『日本農業新聞』あぜ道書店、[書評]のメルマガ12月20日号、『サンデー毎日』12月25日号、12月29日付エキレピ!、『郵趣』2012年1月号、『全日本郵趣』1月号、CBCラジオ「朝PON」(1月26日放送)、『スタンプマガジン』2月号、『歴史読本』2月号、『本の雑誌』2月号で紹介されました。

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