内藤陽介 Yosuke NAITO
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World Wide Weblog
 世界漫郵記:ドバイ⑦
2014-03-12 Wed 11:21
 ご報告がすっかり遅くなりましたが、『キュリオマガジン』2014年3月号が出来上がりました。僕の連載「郵便学者の世界漫郵記」は今回が最終回ですが、前回に続きドバイ篇の第7回目として、ドバイの“遺産区域”とされているバスタキーヤ地区にフォーカスをあてました。その記事の中から、この切手をご紹介します。(以下、画像はクリックで拡大されます)  

       ドバイ・珊瑚とナツメヤシの家

 これは、2003年にアラブ首長国連邦(UAE)が発行した伝統家屋の切手のうち、珊瑚や石灰岩とナツメヤシで作られた“サフ”と呼ばれるスタイルの家です。

 ホルムズ海峡から内側のペルシァ湾岸は、古来、海賊の出没する地域として知られていました。このため、18世紀以降、英国のインド進出が本格化するようになると、英国はインドへのシーレーン確保のため、マスカト(現オマーン)の首長と結んで本格的な海賊討伐に乗り出します。

 その結果、1820年、英国とこの地域の首長たちの間に休戦条約が結ばれ、英国は、彼らを“独立国”として承認する代わりに(休戦協定=truceに基づいて独立を認められた国々であるため、休戦協定諸国=Trucial Statesと呼ばれました)、マスカトが所有していたザンジバル諸島などを支配下に置いたほか、この地域に監視所と燃料補給施設を設置。さらに、1891-92年にかけて、各首長国と排他的協定を結んで保護下に入れ、ペルシァ湾岸におけるプレゼンスを確立しました。

 そうした背景の下、マクトゥーム2世(在位:1894-1906)の時代、ドバイには大きな転機が訪れます。

 すなわち、1902年、対岸のペルシャが財政難からインドとの貿易に高率の関税をかけることを決定すると、高関税をきらったペルシャ商人たちは、ボンベイ(現ムンバイ)から直接ペルシャ領内に入るルートを避け、対岸の港にいったん荷揚げし、そこから、ペルシャ領内に入るルートを取るようになりました。

 マクトゥーム2世は、この機を逃さず、輸入関税を無税にするなどして、ペルシャ系商人を誘致。これに応えて、ペルシャ系のみならず、インド系の商人たちがドバイに集まるようになり、ドバイは湾岸地域の貨物の集散地として急速に発展し、ドバイの人口は一挙に数千人規模に膨らみました。

 こうして、イラン南部の港湾都市バスタクから移住してきた商人たちが集住するようになったのが、バスタキーヤ地区の始まりです。

 この地にやってきたバスタク商人の住宅は、かつては、今回ご紹介の切手にあるような、ナツメヤシとサンゴや石灰岩で組み立てられるのが一般的でした。ところが、現在のバスタキーヤ地区の建物は、自他の画像のように、1990年代以降、これとは別の伝統的な石造りの建築をコンクリートで再現したものが中心となっています。

       バスタキーヤ地区

 このように、再開発の結果、かつての猥雑で味のある雰囲気はバスタキーヤ地区からは失われ、すっかりきれいになりましたが、そうであればこそ、バスタキーヤ地区を“遺産区域”と呼ぶのが妥当かどうかは議論が分かれるかもしれません。

 さて、2008年11月からスタートした『キュリオマガジン』の連載「郵便学者の世界漫郵記」ですが、同誌の全面リニューアルに伴い、今回で最終回となりました。5年以上にわたりご愛読いただきました皆様には、この場を借りて、あらためてお礼申し上げます。
 

 ★★★ よみうりカルチャー荻窪の講座のご案内 ★★★   

 4月から、毎月1回(第1火曜日:4月1日、6月3日、7月1日、8月5日、9月2日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。(詳細はそれぞれ講座名をクリックしてください)

 ・朝鮮半島のことを学ぼう 時間は13:00-14:30です。

 ・イスラムを学ぶ 時間は15:50-17:00です。

 初回開催は4月1日で、講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


 ★★★ 講座「世界紀行~月一回の諸国漫郵」のご案内 ★★★ 

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 東京・江東区亀戸文化センターで、5月から毎月1回、世界旅行の気分で楽しく受講できる紀行講座がスタートします。美しい風景写真とともに、郵便資料や切手から歴史・政治背景を簡単に解説します。受講のお楽しみに、毎回、おすすめの写真からお好きなものを絵葉書にしてプレゼントします!

 詳細は、こちらをご覧ください。


 ★★★ 文京生涯カレッジ(第13期)のご案内 ★★★

 文京学院大学が一般向け(=どなたでも受講できます)にさまざまな講師を招いて行う通年の教養講座「文京生涯カレッジ」の第13期が4月15日から始まります。僕も、7月15・22日に「バスコ・ダ・ガマのインドを歩く」、9月9日に「ドバイ歴史紀行」のお題で登場します。詳細はこちらですので、よろしかったら、ぜひご覧ください。


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 出版元特設ページはこちらです。また、10月17日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿南店で行われた『蘭印戦跡紀行』の刊行記念トークの模様が、YouTubeにアップされました。よろしかったら、こちらをクリックしてご覧ください。


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 世界漫郵記:ドバイ⑥
2014-02-10 Mon 10:18
 ご報告がすっかり遅くなりましたが、『キュリオマガジン』2014年2月号が出来上がりました。僕の連載「郵便学者の世界漫郵記」は、前回に続きドバイ篇の第6回目。今回は、ドバイのさまざまなモスクにフォーカスをあてました。その記事の中から、この切手をご紹介します。(以下、画像はクリックで拡大されます)

       ジュメイラモスク(絵葉書)

 これは、1984年12月22日、ドバイからフランス宛に差し出された絵葉書で、ジュメイラ・モスクの空撮写真が取り上げられています。

 ドバイで最大の規模を誇るジュメイラ・モスクは、前回の本連載でもご紹介したブルジュ・ハリーファからほぼ真西、海岸線にも近いジュメイラ・ロードに面して建っています。モスクが建立されたのは、アラブ首長国連邦(UAE)発足後の1978年のことで、現在、周囲にはさまざまな建物が立ち並んでいますが、今回ご紹介の絵葉書を見ると、もともと何もなかった場所に突如として、石造りの巨大なモスクがつくられたことがわかります。ちなみに、ジュメイラ・ロードを挟んで海側から現在のモスクを見ると、こんな感じになります。

       ジュメイラモスク(実物・外観)

 さて、ドバイでは、原則として異教徒はモスクの堂内に立ち入れないことになっていますが、ジュメイラ・モスクだけは例外で、ムスリムが集団礼拝に訪れる金曜日以外は、毎朝10時から内部の見学ツアーをやっていて、当日、10ディルハムのチケットを買えば、だれでも参加できます。(下の画像のうち、左側はそのチケットで、右側は堂内の写真です)

       ジュメイラモスク・チケット     ジュメイラモスク・堂内

 今回の記事では、ジュメイラ・モスクのほか、UAE発足以前のドバイ切手にも何度か取り上げられたグランド・モスク(たとえば、クリークから市街地を臨む風景を描いた航空切手には、グランド・モスクの尖塔もしっかりと描かれています)や、タイル装飾の美しいシーア派のモスクなどもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


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 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。次回開催は3月4日13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。(4月以降の講座については、近々、ご案内いたします)


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 世界漫郵記:ドバイ⑤
2014-01-03 Fri 11:34
 『キュリオマガジン』2014年1月号が出来上がりました。僕の連載「郵便学者の世界漫郵記」は、前回に続きドバイ篇の第5回目。今回は、新年号ということで、おとといの元日、新年を祝う花火を約50万発打ち上げて“世界最大の花火”としてギネス世界記録を更新した会場のひとつで、世界一高いビル、ブルジュ・ハリーファにフォーカスをあてました。その記事の中から、この切手をご紹介します。(以下、画像はクリックで拡大されます)

       UAE・世界エネルギーフォーラムFDC     UAE・世界エネルギーフォーラムSS

 これは、2012年10月にアラブ首長国連邦(UAE)で発行された“世界エネルギー・フォーラム”の記念切手の公式FDC(左)と小型シートです。どちらも、下部には、世界各国の高層建築のシルエットを並べたフォーラムのシンボルマークが印刷されていますが、公式FDCではブルジュ・ハリーファのシルエットも入っているのに、小型シートでは、肝心のブルジュ・ハリーファの部分に切手がレイアウトされて見えなくなっているのがミソです。ちなみに、ブルジュ・ハリーファそのものの写真としては、僕自身が2012年に現地で撮影したものを下に貼っておきます。

       ブルジュ・ハリーファ(実物)

 さて、ブルジュ・ハリーファの建設が始まったのは、いまからちょうど10年前の2004年1月のことでした。

 もともと、脱石油依存を進めてきたドバイは、20世紀末になると、より一層の外資を呼び込むため、不動産市場を自由化し、UAE国籍を持たなくとも自由に土地や不動産を所有できるように法改正を行いました。この結果、ドバイでは建設ブームが過熱し、パーム・アイランドなどの人工島をはじめ、数々の大規模土木プロジェクトが次々と進められていくことになります。

 この流れは、2003年以降、いっそうの拍車がかかり、2004年後半に始まる原油高の追い風を受けて、2005年度のドバイ経済は16%もの高い成長率を記録しました。

 こうした状況の中で、当時、皇太子だったムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム(現首長)は、“何か凄くセンセーショナルなもの”でドバイに対する世界の注目を集め、投資を呼び込もうと考えました。その一環として浮上してきたのが、シャイフ・ザーイド・ロードの第1インターチェンジの付近の2平方キロの土地に、世界一高い超高層ビル“ブルジュ・ドバイ”を建設し、その周囲に市街地を造成する“ダウンタウン・ブルジュ・ドバイ”開発計画です。

 シャイフ・ザーイド・ロードは、1980年に開通した高速道路で、正式名称はE11。片側6車線(両側12車線)で、制限速度は時速140kmです。

 連邦統合のシンボルとして、連邦結成の1971年に着工し、アブダビからドバイやシャルジャなどを通ってラス・アル・ハイマまで、UAEの海岸部をペルシャ湾に平行して貫くルートを取っています。なお、“シャイフ・ザーイド・ロード”との通称は、アブダビの首長でUAEの初代大統領(在任1971-2004)を務めたザーイド・ビン・スルターン・アール・ナヒヤーンにちなむものです。

 現在のドバイのシンボルともいうべき林立する高層ビル群は、基本的に、このシャイフ・ザーイド・ロードに沿って建設されており、ドバイ・メトロのレッド・ラインがその間をすり抜けていくという構図になっています。

 ダウンタウン・ブルジュ・ドバイの核となるタワーは、世界中の超高層ビルを手がけたエイドリアン・スミスが設計を担当した。建設は、韓国のサムスン物産、ベルギーのベシックス アラブテックが、設備はUAEの ETA、インドのVoltas、そして、わが国の日立プラントテクノロジーが担当しました。

 “何か凄くセンセーショナルなもの”という首長のリクエストに応えるかのように、当初、オーストラリア・メルボルンのグロロ・タワー(560m)程度と計画されていた塔の高さは、徐々に高くなり、最終的に、828mの高さに変更されました。また、実際の建設工事は2004年9月21日に始まりましたが、デザインや設備などの“アップグレード”による変更が相次ぎ、総工費は15億米ドルにまで膨張。その結果として、事務所スペースは1平米あたり4万3000ドル、アルマーニが販売する住居スペースは1平米あたり3万7500ドルという超高額の価格設定となりました。

 ところが、この間の2008年9月、米国の名門投資銀行リーマン・ブラザーズが64兆円の負債を抱えて倒産した“リーマン・ショック”から世界的な金融危機が発生。その影響はドバイを直撃し、外国企業からの投資引き上げや地元企業の資金繰り悪化、それらに伴う多数の建築工事や計画の中止、外国人労働者の失業、さらには外国人観光客の減少なども追い打ちをかけるかたちで、景気は急速に減速しました。

 そして、“ブルジュ・ドバイ”の開業まで1ヵ月半に迫った2009年11月25日、ドバイ政府は、政府系持株会社ドバイ・ワールドと不動産子会社ナヒールの債務590億ドル(当時のレートで約5兆円)について6ヵ月以上の支払い猶予を債権者に求めます。これを機に、欧米系銀行の債務焦げ付きの懸念からユーロが一挙に売られて円高が急激に進行するとともに、株価が大きく下落しました。

 いわゆる“ドバイ・ショック”です。

 結局、ドバイ域内で不動産の空室や差し押さえ物件が溢れかえる中で、ドバイ政府はアブダビから数十億ドルを借り入れて急場をしのがざるを得なくなりました。

 こうした経緯から、2010年1月4日のオープニング・セレモニーでは、突如、それまで“ブルジュ・ドバイ”とされていた建物の名称が、アブダビのハリーファ首長にちなんで、“ブルジュ・ハリーファ”に変更されることが発表され、人々を大いに驚かせています。たしかに、それはそれで“凄くセンセーショナル”な出来事には違いないのでしょうが…。

 さて、世界的な観光名所であるブルジュ・ハリーファを取り上げた絵葉書はさまざまな種類があって、現地の土産物屋では、それこそ、山のように売られているのですが、UAEの切手にはこれまで取り上げられたことがありません。今回ご紹介の例のように、初日カバー用の公式封筒には、何度か、そのシルエットが登場しているのですが…。

 まぁ、UAE最大の首長国として、郵政を含む連邦行政に絶大なる影響力を持っているアブダビとしては、ブルジュ・ハリーファの件ではドバイの尻拭いをさせられたという思いが強く、国家のメディアとしての切手に正式に取り上げるのは差し控えたいという気持ちがあるのでしょうか。

 そういえば、ニューヨークのエンパイア・ステイト・ビルディングは、米国が世界恐慌真只中にあった1931年に完成していますし、“バブルの塔”と揶揄された現在の東京都庁舎もバブルが崩壊した1991年の4月1日から都庁としての業務を開始していますな。天にもとどくような高さの“バベルの塔”を築こうとした人間の奢りに怒った神が塔を破壊したという『旧約聖書』の物語は、かたちを変えて実際の歴史の中でも繰り返されてきたということなのかもしれません。


 ★★★ 展示イベントのご案内 ★★★

 第5回テーマティク出品者の会 1月17-19日(金ー日)
 於・切手の博物館(東京・目白)

 テーマティク出品者の会は、テーマティクならびにオープン・クラスでの競争展への出品を目指す収集家の集まりで、毎年、全国規模の切手展が開催される際には作品の合評会を行うほか、年に1度、切手展出品のリハーサルないしは活動成果の報告を兼ねて会としての切手展を開催しています。僕も、昨年のバンコク展に出品した朝鮮戦争のコレクションを展示します。入場は無料ですので、ぜひ、遊びに来てください。(詳細はこちらをご覧ください)


 ★★★ トーク・イベントのご案内 ★★★

 2014年1月2日より、東京・両国の江戸東京博物館で大浮世絵展がスタートしますが、会期中の1月24日13:30より、博物館内にて「切手と浮世絵」と題するトーク・イベントをやります。

 参加費用は展覧会の入場料込で2100円で、お申し込みは、よみうりカルチャー荻窪(電話03-3392-8891)までお願いいたします。展覧会では、切手になった浮世絵の実物も多数展示されていますので、ぜひ遊びに来てください。

 なお、下の画像は、展覧会と僕のトーク・イベントについての2013年12月24日付『讀賣新聞』の記事です。

大浮世絵展・紹介記事


 ★★★  絵葉書と切手でたどる世界遺産歴史散歩  ★★★

 2014年1月11日・18日・2月8日のそれぞれ13:00-15:00、文京学院大学生涯学習センター(東京都文京区)で、「絵葉書と切手でたどる世界遺産歴史散歩」と題する講座をやります。(1月18日は、切手の博物館で開催のミニペックスの解説)

 新たに富士山が登録されて注目を集めるユネスコの世界遺産。 いずれも一度は訪れたい魅力的な場所ばかりですが、実際に旅するのは容易ではありません。そこで、「小さな外交官」とも呼ばれる切手や絵葉書に取り上げられた風景や文化遺産の100年前、50年前の姿と、講師自身が撮影した最近の様子を見比べながら、ちょっと変わった歴史散歩を楽しんでみませんか? 講座を受けるだけで、世界旅行の気分を満喫できることをお約束します。

 詳細はこちら。皆様の御参加を、心よりお待ちしております。


 ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★   

 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。次回開催は1月7日(原則第1火曜日)で、以後、2月4日と3月4日に開催の予定です。時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


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 出版元特設ページはこちらです。また、10月17日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿南店で行われた『蘭印戦跡紀行』の刊行記念トークの模様が、YouTubeにアップされました。よろしかったら、こちらをクリックしてご覧ください。


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 中継地・ドバイにいます
2013-11-17 Sun 04:38
 きのう(16日)のブログでも書きましたが、現在、ブラジルに向かうべく、中継地ドバイの空港近くのホテルにいます。というわけで、空港ホテルの無料サービスを提供してくれたエミレイツ航空に感謝の意を表して、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

       エミレイツ航空1周年
 
 これは、1986年にアラブ首長国連邦(UAE)で発行されたエミレイツ航空1周年の記念切手です。

 1971年にUAEが発足した時点では、UAEとしての自前のエアラインはまだ就航しておらず、ようやく、1985年になって、エミレーツ航空が、ドバイを拠点に2機の飛行機(ボーイング737とエアバスA300)での運航を開始しました。

 今回ご紹介の切手には、砂漠を進むラクダの頭上を飛んでいく飛行機が描かれています。さすがに、切手が発行された1980年代も半ばになると、実際の砂漠の移動にはラクダよりも四輪駆動車を使うことの方が多くなったと思うのですが、僕たち外国人のイメージとしてはこちらの方がしっくりきますな。

 じつは、きょうはせっかくドバイにいるからということで、四輪駆動車で砂漠を駆けめぐる“デザート・サファリ”のツアーに参加してきました。切手のラクダを現代の四輪駆動車に置き換えて、灌木がぽつぽつ生えた砂丘の合間を進んでいく様子というのは、こんな感じでした。

       デザート・サファリ

 また、砂漠の中でラクダが飼育されている場所にも立ち寄ったのですが(下の画像)、そこには、切手と同じような木が生えていました。

       砂漠のラクダ(ドバイ)

 今回の体験については、いずれ、雑誌『キュリオマガジン』での“漫郵記”の連載などでもご報告することになるかと思いますので、ご期待ください。

 さて、リオデジャネイロ行きのフライトは、こちらの時間で午前7時過ぎ(日本時間だと正午過ぎ)なので、この記事を書いたら、きょうはそろそろ休もうかとと思います。まだまだ長旅は続きますので、明日に備えて体力を温存しないとね。


 ★★★  絵葉書と切手でたどる世界遺産歴史散歩  ★★★

 2014年1月11日・18日・2月8日のそれぞれ13:00-15:00、文京学院大学生涯学習センター(東京都文京区)で、「絵葉書と切手でたどる世界遺産歴史散歩」と題する講座をやります。(1月18日は、切手の博物館で開催のミニペックスの解説)

 新たに富士山が登録されて注目を集めるユネスコの世界遺産。 いずれも一度は訪れたい魅力的な場所ばかりですが、実際に旅するのは容易ではありません。そこで、「小さな外交官」とも呼ばれる切手や絵葉書に取り上げられた風景や文化遺産の100年前、50年前の姿と、講師自身が撮影した最近の様子を見比べながら、ちょっと変わった歴史散歩を楽しんでみませんか? 講座を受けるだけで、世界旅行の気分を満喫できることをお約束します。

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 世界漫郵記:ドバイ③
2013-10-30 Wed 11:39
 『キュリオマガジン』2013年11月号が出来上がりました。僕の連載「郵便学者の世界漫郵記」は、前回に続きドバイ篇の第3回目。今回は、ドバイの首長を輩出するマクトゥーム家の旧宅を博物館としたシャイフ・サイイド・アール・マクトゥーム・ハウス(以下、マクトゥームハウス)を取り上げましたが、その記事の中から、この切手をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      マクトゥーム・ハウス     マクトゥーム・ハウス(実物)

 左は、アラブ首長国連邦(UAE)が発行したマクトゥーム・ハウス100周年の記念切手で、マクトゥーム・ハウスとサイード2世が描かれています。右側は、実際の建物の外観です。

 マクトゥーム家は、もともと、18世紀にアラビア半島南部からペルシャ湾岸、現在のアブダビに相当するに移住した部族連合、バニー・ヤースに属していましたが、1833年に当時の家長であったマクトゥーム・ビン・ブティ(マクトゥーム1世)がアブダビから分離・独立して起こしたのが、現在のドバイのルーツです。

 マクトゥーム・ハウスが建てられたのは、1894年のことでしたが、当初は必ずしも首長専用の住居ということではありませんでした。これに対して、1912年に首長となったサイード2世は、実際にマクトゥーム・ハウスに居住して政務を執りました。

 建物の中央には、塔が立っていますが、これは、アラブの伝統的なウィンド・タワーです。

 エアコンが発達し、どこへ行っても室内は寒いくらいに冷房が効いている現在のドバイでは、ウィンド・タワーは単なる装飾でしかないのですが、かつてのアラビア半島では、家屋に欠かすことのできない設備でした。

 タワーは、空気の流れを作り出し、室温を下げるためのもので、タワーの壁が空気の熱を奪い、涼しい風を家の中に取り込むとともに、風のない時は室内の暖かい空気を夜の間に外に放出する働きがあります。梁が飛び出ているように見えるのは、ここに濡れた布をかけ、気化熱を利用して冷却効果を高めるためです。

 今回の記事では、マクトゥーム・ハウスをご紹介しつつ、マクトゥーム家の歴史と現状についてもまとめていますので、機会がありましたら、ぜひご覧ください。

 
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 世界漫郵記:ドバイ②
2013-10-03 Thu 10:48
 ご報告が遅くなりましたが、『キュリオマガジン』2013年10月号が出来上がりました。僕の連載「郵便学者の世界漫郵記」は、前回に続きドバイ篇の第2回目。今回は、かつて真珠取りの町だった時代のドバイの面影をたどってみましたが、その記事の中から、この切手をご紹介します。(以下、画像はクリックで拡大されます)

      UAE・国民文化祭(1988)      ドバイ・メトロ構内(真珠取り)

 これは、1988年にアラブ首長国連邦(UAE)が発行した国民文化祭の記念切手で、ドバイを含む湾岸首長国の伝統文化の事例として真珠が取り上げられています。隣には、かつての真珠取りの写真パネルが貼られたドバイ・メトロ構内の写真を貼っておきます。

 石油によって巨万の富を築いたドバイが脱石油依存を進めていることは広く知られていますが、ドバイ域内のファテ油田で石油が発見されたのは1966年のことで、紀元前3000年にまで遡るというドバイの歴史において、石油産業はたかだか50年弱の歴史しかありません。

 それ以前のドバイは、むしろ、ペルシャ湾とインド洋を結ぶ中継貿易の拠点であり、漁業と真珠の採取を主たる産業とする港町でした。

 すなわち、ドバイを含めて、現在のUAEに相当する地域の群小首長国は、1971年の連邦結成以前、英国と休戦協定(Truce)を結んだ保護国という意味で、“休戦協定諸国”と総称されていましたが、1930年代までの休戦協定諸国では、真珠産業こそがGDPの大半を占める主要産業で、1200隻の船を使って8万人が真珠で生計を立てていたといわれています。

 ドバイに限らず、ペルシャ湾岸では、海底から大量の地下水が噴き出すため海水温が安定しており、マングローブやウミガメが生息します。このため、この海域の生態系は豊かで、天然真珠の母体となる貝の健康にとっては好条件となっており、粒の整った真円の良質な真珠ができるのです。

 じっさい、1917年のボンベイ(ムンバイ)市場での湾岸産天然真珠には、1グラムで金320グラムまたは銀7.7キロに相当する値段がつけられ、最終的に、世界各地の貴婦人たちの宝石箱に収まるという構図ができあがってました。
 
 ところが、繁栄を極めていたドバイの真珠産業は、1940年代にはほとんど壊滅してしまいます。1929年に始まる世界恐慌による需要の激減に加え、ミキモトの養殖真珠が世界市場を席捲したからです。

 1858年、幕末の志摩国鳥羽町に生まれた御木本幸吉が、幾多の試練を乗り越え、鳥羽の相島で半円真珠の養殖に世界で初めて成功したのは1893年のことでした。その後、御木本は、1899年に東京・銀座に日本で初めての御木本真珠店を開設。1905年には真円真珠の養殖に成功し、黒蝶真珠や白蝶真珠の養殖にも取り組むなど、順調にその事業を拡大していきます。

 御木本の真珠が海外に進出するのは、1893年、米国シカゴで開催されたコロンブス万国博覧会への出品が最初です。その後、御木本真珠店は1913年のロンドンを皮切りに、ニューヨーク、パリへも支店を開設しましたが、翌1914年に第一次大戦が勃発したことで支店は事実上の開店休業状態に追い込まれます。

 こうした経緯を経て、大戦後の1919年、御木本は満を持して五ヶ所養殖場でとれた養殖物の真円真珠をロンドン支店に送り、従来の天然真珠より25%安い値段での販売を開始。“ミキモト・パール”の名前で、本格的に世界市場に殴り込みをかけました。驚愕した欧州の宝石業界は、当初、“ミキモト・パール”は人造の偽造品であるとして、御木本真珠店を詐欺師呼ばわりし、1921年には訴訟にまで発展しました。

 このため、御木本側はオックスフォード大学のリスター・ジェームソン、ボルドー大学のH・L・ブータンなどの専門家を証人として、養殖真珠も真正の“真珠”としての品質を備えていることを証明。まずは、ロンドンの宝石商を説得して訴訟を取り下げさせ、1924年にはパリの裁判所でも天然モノと養殖の“ミキモト・パール”には全く違いがないとの判決を勝ち取りました。最終的に、御木本側がフランスの裁判所から天然と変わらぬものとの鑑定結果の通知を受け、世界の宝石史上でその地位を確立したのは、1927年のことでした。

 こうしてミキモト・パールが欧州市場を席捲していく中で、ついに、1924年7月、ドバイの真珠業者がボンベイ市場に養殖真珠(それが“ミキモト・パール”であったか否かは定かではないのですが、おそらく、その可能性が極めて高いと考えられています)を持ち込んで売却しようとして摘発されるという事件が発生します。ちなみに、養殖真珠を持ち込んだ業者が商品に付けた値段は80ルピー。同じコンディションの天然真珠(原理的には、養殖真珠と天然真珠の品質はほぼ同じであり、両者を識別するのはきわめて困難です)の値段は500ルピー(当時)でしたから、まともに勝負したら、とうてい、かないません。

 英国の駐在事務官から報告を受けたドバイの地方君主、マクトゥーム家のシャイフ・サイードはドバイの真珠業者に対して布告を発し、養殖真珠の売買(天然真珠と養殖真珠を混ぜて売買することを含む)を禁止したうえで、養殖真珠を扱っていることが判明した場合、関係者に対しては、罰金のみならず、国外追放、財産の没収などの処罰を下すことを宣言しました。

 しかし、実際にはペルシャ湾岸でも養殖真珠を商おうとする者は後を絶たなかったばかりか、現在のサウジアラビア東部州を拠点とする財閥、ゴゼイビー家などは、みずから真珠の養殖に乗り出そうとしています。

 すなわち、1930年代のゴゼイビー家の当主、アブドゥルアジーズはサウジアラビアのバハレーン大使を務めた人物だったが、息子のアブドゥッラフマーンは父の任地であるバハレーンで真珠の養殖を手掛けるべく、イタリア人スタッフを雇い入れていました。また、バハレーン王族の一部にも、ミキモト・パールの売買に手を出す者があったといわれています。

 当然のことながら、英国は彼らの活動を警戒し、1930年6月19日、バハレーンへの養殖真珠の流入を禁止する「養殖真珠流通法」を制定。この結果、バハレーンのみならずペルシャ湾岸に養殖真珠を持ち込むことは完全に非合法化され、ゴセイビー家による真珠養殖の試みも完全に閉ざされてしまいました。

 法律の目的は、ペルシャ湾岸の天然真珠を守るということにありましたが、こうした保護主義的な禁止措置は、結果として、ドバイをはじめとする湾岸地域の天然真珠の商品としての競争力を完全に失わせることになり、ドバイの真珠産業も1940年代には壊滅してしまいました。ただし、産業としては成り立たなくなった真珠採取ですが、現在でも“文化”として保存・継承されています。

 さて、今回の記事では、こうしたドバイの真珠産業の歴史を振り返りつつ、かつての真珠採りの村を再現した“ダイヴィング・ヴィレッジ”の様子などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。

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 UAE立体切手の実逓便
2012-12-07 Fri 09:25
 先日閉幕した<SHARJAH 2012>会場内のアラブ首長国連邦(UAE)郵政のブースで売られていたレンチキュラーの切手(いわゆる“立体切手”というヤツですな)を貼って差し出した書留便が到着しましたので、ご報告します。(画像はクリックで拡大されます)

         UAE レンチキュラーカバー

 問題の切手はカバーの右側に貼られている10ディルハム切手で、2008年12月2日、国立公文書館40周年を記念して発行された3種セットのうちの1枚(他の2種は通常の印刷方式の切手)です。角度をずらしながらデジカメで撮影してみると、下のような感じで肖像が変化します。

         UAE・レンチキュラー(1)       UAEレンチキュラー(2)

         UAE・レンチキュラー(3)     UAE・レンチキュラー(4)

 現在のUAEの切手発行政策はしごく健全ですが、連邦結成以前、後にUAEの構成国となる首長国の中には外貨獲得を主たる目的とした“いかがわしい切手”を濫発するケースも少なからずありました。現在なお、そうした“いかがわしい切手”を発行している国の中には、実際に郵便に使用できる切手と収集家向けの輸出用で郵便には使用できない“切手”を分けているケースもあります。そこで、切手展の会場で買った切手が実際に郵便に仕えるかどうか確認してみようと、11月25日に、シャルジャーの郵便局に行ってきました。

 シャルジャーの郵便局は、官庁街のど真ん中、政府庁舎広場に面した場所にあり、外観はこんな感じです。

         シャルジャー局外観

 郵便局の入口(下の画像左)はアラブ・イスラム建築をイメージしたデザインですが、局内(下の画像右)は特に凝った装飾があるわけではなく、シンプルで機能的な作りです。

         シャルジャー局入口     シャルジャー局内

 局内は貯金や送金などの窓口と郵便の窓口が分かれていて、郵便の窓口であらかじめ立体切手(額面10ディルハム)を貼っておいた封筒を渡し、日本までの書留を送りたいと頼んでみました。(下の画像)

         シャルジャー局窓口

 日本までの通常の航空便は基本料金で6ディルハム(当時のレートで、1ディルハムは22-23円程度)ですが、書留にすると11.5ディルハムということで、差額分については、適当に局側のストックの中から選んで貼ってもらいました。切手には目の前で消印を押してもらったのですが、いまいち印影がはっきりしなかったのが残念です。このため、余白に捨印を押してもらうように頼んだのですが、こちらも不鮮明ですので、メンテナンスが良くないということなのでしょう。

 こうして待つこと10日ほど、今月5日に、無事、カバーはわが家に到着しました。もっとも、配達時はあいにく留守にしておりましたので、ようやく、昨日、実物を受け取ったという次第です。

 まぁ、今回の“立体切手”の場合、切手発行の名目も、またデザイン的にも、(失礼ながらら)広く外国人収集家の購買意欲をそそるようなものではありませんので、真面目な記念切手と見るのが妥当でしょう。それでも、この切手の実逓使用例は決して多くはないでしょうから、まぁ、話のネタぐらいにはなったといえそうですな。


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 無事、帰国しました
2012-11-27 Tue 23:04
         コミッショナー・メダル授与(シャルジャー)

 本日(27日)夕方、無事、アラブ首長国連邦(UAE)から帰国いたしました。アジア国際切手展<SHARJAHA 2012>の会期中、現地では、日本人出品者の和田文明さんをはじめ、多くの方々にいろいろとお世話になりました。この場をお借りして、あらためてお礼申し上げます。(冒頭の写真は、関係者の慰労を兼ねたエクスカーションの際、FIAPコーディネーターのマイケル・ホー氏から、コミッショナーとしての参加証とメダルを頂戴している場面です。僭越ながら、“日本代表”のポロシャツを着ています。)

 さて、今回の切手展はUAEの郵政丸抱えによる開催ではなかったようで、切手展の記念切手は発行されませんでしたが、代わりに、現地で最新の記念切手として購入してきたのが下の切手です。

         UAEヘビ切手

 これは、今年11月1日に発行された“(UAEの)砂漠の蛇”の小型シート形式の切手で、UAE領内の砂漠地域に生息するヘビを取り上げた5種が取り上げられています。通常のシート切手では、それぞれの切手に額面が入っていますが(上段左から1UAEディルハム、150フィルス=1.5UAEディルハム、3UAEディルハム、下段左から4UAEディルハム、550フィルス=5.5ディルハム)、小型シートでは“切手”部分には額面は入っておらず、シート全体で25UAEディルハムという額面表示になっています。不覚にも、この点については現地では気が付かず、帰国途中の飛行機の中で切手を眺めていてようやく気が付きました。ちなみに、現地から日本宛の郵便料金は、航空便の基本料金が6UAEディルハム、書留が11.5UAEディルハムでした。

 さて、今回の<SHARJAH 2012>で2012年の主要な郵趣イベントは事実上終了したわけですが、その最後の切手展の会場で売られていた最新の切手が、来年の干支のヘビの切手というのも、偶然とはいえ、なかなか面白いですな。

 なお、来年は5月にメルボルン、8月にバンコク、11月にリオデジャネイロで、それぞれ、世界展が予定されています。僕自身は、5月のメルボルン展はお休みを頂戴し、次回は夏のバンコク展への参加を予定しております。今後とも、皆様にはいろいろとお世話になることがあるかと思われますが、よろしくお願いいたします。


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 国旗デザインの靴
2011-12-02 Fri 23:11
 アラブ首長国連邦(UAE)が、きょう(2日)、建国40周年を迎えるのを記念して、ドイツのスポーツ用品メーカ、プーマが同国の国旗(連邦旗)をイメージしたシューズを限定販売したところ、連邦への侮辱に当たるなどの強い反発を地元住民から受けたそうです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      UAE国旗(1973)     UAEシューズ

 左は、連邦発足後間もない1973年に発行された10フィルス切手で、地図と国旗が描かれています。右側には、今回問題になったプーマの靴の報道写真を貼ってきます。靴のデザインは、一見、イタリアの国旗をイメージしたような雰囲気ですが、踵の部分に少し黒が入っているところがUAE国旗のイメージということなのでしょう。

 同国の国旗については「連邦を構成するアジュマン、アブダビ、ウンムルキワイン、シャルジャー、ドバイ、フジャイラ、ラサールハイマの7つの首長国の元々の国旗の色を全て含むデザイン」と説明されることがありますが、1971年12月の連邦発足当初、ラサールハイマは参加していません。したがって、「発足当初の6首長国の国旗の色を示すデザイン(ただし、結果的に後に連邦に参加したラサールハイマの色も含まれている)」というのが正確ではないかと思います。

 さて、今回の一件について、UAE国民の間からは「旗は連邦の神聖なシンボルであり、プーマは地元住民の敏感な文化的問題に配慮すべきだ。シューズに使うような軽視は許されるべきではない」、「一部の国では国旗の色をアクセサリーに使っているが、UAEでは認められるものではない。国旗を自分の足に飾ることは不敬の行為だ」との声が上がっているのだとか。そういえば、以前、バグダードでのブッシュ米大統領の記者会見中に、イラク人記者が抗議のために靴を投げつけた事件がありましたが、その時のニュース解説では「中東では、他人に靴を投げるのは最大の侮辱行為と受け止められる」と説明されていましたな。
 
 なお、UAE諸国のうち、かつてのドバイ・バブルとその破綻については、拙著『事情のある国の切手ほど面白い』でも1章を設けて解説しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


  ★★★ イベントのご案内 ★★★

 ・12月3日(土) 10:15- 切手市場
 於 東京・池袋 東京セミナー学院
 詳細は主催者HPをご覧ください。新作の『年賀状の戦後史』、『ハバロフスク』を中心に、拙著を担いで行商に行きます。 会場ならではの特典もご用意しておりますので、ぜひ、遊びに来てください。


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    日本人は「年賀状」に何を託してきたのか?
    「年賀状」から見える新しい戦後史!

 ★ TBSラジオ・ニュース番組森本毅郎・スタンバイ(11月17日放送)、11月27日付『東京新聞』読書欄、『週刊文春』12月1日号、『週刊東洋経済』12月3日号で紹介されました。

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   ★★★ 好評既刊より ★★★

        切手紀行シリーズ④『ハバロフスク』
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 ソフトバンクが交流戦優勝
2011-06-15 Wed 23:51
 プロ野球のセパ交流戦は、ソフトバンク・ホークスが2年ぶり3度目の優勝となりました。というわけで、きょうは鷹の切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        UAE:投資家保護の10年

 これは、2010年1月29日、アラブ首長国連邦(UAE)が発行した“証券・商品局:投資家保護の10周年”の記念切手で、同国の国章にも描かれている金の鷹が描かれています。アラブ諸国では、金の鷹は、イスラムの預言者であるムハンマドの出身部族であるクライシュ族のシンボルとされているほか、伝統的なスポーツとして鷹狩りがさかんです。そこから、アラブの富豪たちの間では、鷹狩りを嗜み、鷹にどれだけの贅沢をさせられるかがステイタス・シンボルにもなっているわけですが、いわゆるドバイ・ショックの前は、ドバイの金持ちたちも、さぞかし、鷹にお金をかけていたんでしょうな。

 今回ご紹介の切手の題材となったUAEの証券・市場局は、連邦内の主要経済圏であるドバイとアブダビの証券ならびに商品取引を監督するための機関ですが、記念切手発行の2ヵ月ほど前の2009年11月25日、UAEを構成する首長国のひとつ、ドバイでは、不動産バブルがはじけ、政府が政府系持株会社ドバイ・ワールドと不動産子会社ナヒールの債務590億ドルについて6ヵ月以上の支払い猶予を債権者に求めたことで、欧米系銀行の債務焦げ付きの懸念からユーロが一挙に売られて円高が急激に進行するとともに、株価が大きく下落しました。いわゆる“バイ・ショック”です。

 切手の発行はドバイ・ショック以前から計画されていましたが、ドバイ経済に対する信頼が大きく揺らいでいる時期だっただけに、“投資家保護”という切手の文字がなんとも皮肉に映ります。

 なお、このあたりの事情については、拙著『事情のある国の切手ほど面白い』でも1章を設けてご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。

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