内藤陽介 Yosuke NAITO
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 <SHARJAH 2012>受賞速報
2012-11-24 Sat 04:03
        シャルジャー展メダル

 今月20日(以下、現地時間)からアラブ首長国連邦(UAE)シャルジャーで開催中のアジア国際切手展<SHARJAH 2012>ですが、正式な受賞結果が発表となりました。日本からの出品に対する賞の結果は、以下の通りです。(以下、リストは出品者名は日本語表記、作品名は英文でリスト記載のとおりです。カッコ内は点数ですが、速報値ゆえ、誤りなどがありましたらご容赦ください)

・井上和幸 Japan Definitives: KOBAN 1883-1892:金(90)
・児玉博昭 Japan: General Nogi 2 Sen Issue 1937-1947:金銀(84)
・池田健三郎 Prompt Delivery in Japan as Nationwide Services:金銀(81)
・玉木淳一 Postal History of the Japanese Military Mail 1894-1921:大金銀(88)
・岡本哲 Japanese Postal History of Official Compulsory Delivery for Lawsuit Documents:大銀(75)
・和田文明 U.S. Post Office Department/ Official Business Airmail, 1911-1945:大銀(75)
・榎沢祐一 Urban Public Transit and its Background from the Industrial Revoulution to the Present Time:大金銀(85)

(以下、文献)
・井上和幸 Korean Postal History - Japanese Post in Korea and Foreign Postal Activities 1876-1910:金銀(83)
・井上和幸 Record of the Rarest Japanese Stamps from Tei-park Communications Museum collection:審査対象外
・(公財)日本郵趣協会 Japanese Classics 1871-1876:金銀(83)
・(公財)日本郵趣協会 Military Mail:大銀(78)
・正田幸弘 A Guide book to Philatelic Literatures:銀(71)
・(株)鳴美 Opening of the Japan Post :大銀(78)
・(株)鳴美 Japanese Postal History of Official Compulsory Delivery for Lawsuit Documents:金銀(80)
・吉田敬 Stampedia Philatelic Journal:金銀(81)
・(株)鳴美 Japanese Fiscal Stamp Catalogue:大銀(78)

 あらためて、受賞された皆様には、心よりお祝いを申し上げます。なお、審査対象外となった文献は、出品者は井上和幸さんですが、書誌データに記載されている主たる編著者の一人が審査員の内藤であるため、審査の対象外となりました。出品申し込みの時点では、内藤が今回の切手展の審査を担当することが正式に決まっていなかったため出品申し込みが受理されてしまったのが原因で、関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを、コミッショナーとして深くお詫び申し上げます。 

 さて、冒頭に掲げた画像は今回の切手展のメダルで、UAEの象徴としてナツメヤシの木がデザインされています。デザインのイメージとしては、なんとなく、下の切手に似ているように感じるのは僕だけでしょうか。

        休戦協定諸国(75NP)

 これは、1961年1月、UAEの前身にあたる“休戦協定諸国”7ヵ国共通の切手として発行された切手で、7つの首長国にちなみ、7本のナツメヤシを取り上げられています。

 現在のUAEに相当する地域では、当初、ドバイにしか郵便局がありませんでしたが、第二次大戦後の石油開発に伴い、イギリスはこの地に郵便網を拡大することを計画します。そうした背景の下、今回ご紹介の切手は休戦協定諸国で共通に使うための切手として発行されたもので、まず、ドバイの郵便局で使われた後、順次、他の首長国で解説される郵便局でも使われる予定となっていました。

 ところが、長年にわたってドバイとライバル関係にあったアブダビが、「7本のナツメヤシの大きさに大小があるのは、休戦協定諸国間の平等という原則に反している」として切手のデザインにクレームをつけてきました。アブダビにしてみれば、切手のデザインでは一番大きな木がドバイで、自分たちは格下に描かれていると理解したのでしょう。そして、1960年末に開設された油田地帯のダス島の郵便局でこの切手を使うことを拒絶しました。(ちなみに、ダス島の郵便局はアブダビ内に設けられた最初の郵便局です)

 結局、こうした事情から、この切手はドバイでしか使われずに終わり、シャルジャーを含む他の休戦諸国は、順次、独自の切手を発行し始めたというわけです。

 さて、切手展はあす(25日)が最終日で作品の撤去という大仕事が待っています。賞が決まったからと言って気を抜かず、最後まで気合を入れて乗り切っていかねば。

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 ドバイの椰子の木
2005-09-08 Thu 11:18
 現在、アラブ首長国連邦(UAE)を構成している首長国は、連邦の結成以前は、休戦協定諸国(Trucial States)と呼ばれていました。これは、イギリスと休戦協定を結んで、イギリスの保護国化されていたことによる名称です。

 さて、その休戦協定諸国には、当初、ドバイにしか郵便局がありませんでしたが、第二次大戦後の石油開発に伴い、イギリスはこの地に郵便網を設けることを計画します。そして、休戦協定諸国で共通に使うための切手として、1961年1月、下の画像のような切手を発行しました。

ドバイの椰子の木

 切手は、7つの首長国にちなみ、7本のナツメヤシを取り上げたもので、ドバイの郵便局で使われた後、順次、他の首長国で解説される郵便局でも使われる予定となっていました。

 ところが、長年にわたってドバイとライバル関係にあったアブダビが、「7本のナツメヤシの大きさに大小があるのは、休戦協定諸国間の平等という原則に反している」として切手のデザインにクレームをつけてきました。アブダビにしてみれば、切手のデザインでは一番大きな木がドバイで、自分たちは格下に描かれていると理解したのでしょう。そして、1960年末に解説された油田地帯のダス島の郵便局でこの切手を使うことを拒絶しました。(ちなみに、ダス島の郵便局はアブダビ内に設けられた最初の郵便局です)

 結局、こうした事情から、この切手はドバイでしか使われることがありませんでした。また、切手にクレームをつけたアブダビは、1964年3月、自分たち独自の切手を発行し始め、後にその他の首長国もこれに続いたことから、いわゆるアラブ土侯国の切手濫発が始まることになりました。

 今日は午前中、先日亡くなった佐々成美さんのお葬式に参列してきました。植物切手のコレクターとして知られていた佐々さんを偲び、何か植物切手にまつわる話題はないかと考えて、とっさに思い浮かんだことを書いてみたという次第です。
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