内藤陽介 Yosuke NAITO
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 キナバル山
2015-06-05 Fri 17:28
 けさ(現地時間5日午前7時17分ごろ)、ボルネオ島北部、マレーシアサバ州ラナウの北西16キロを震源とするマグニチュード(M)5.9の地震が発生。その影響で、キナバル山の登山客ら少なくとも145人(日本人を含む)が足止めとなっています。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       北ボルネオ・3行加刷(キナバル山)

 これは、日本占領下の“北ボルネオ”で、1944年9月30日、キナバル山を描く英領ノース・ボルネオ時代の切手に、“大日本 帝國郵便 北ボルネオ”の文字を3行に分けて加刷して発行された切手です。日本占領下の北ボルネオ切手には、キナバル山を描く正刷切手もありますが、そちらについては、いずれ機会があればご紹介することにしましょう。

 第二次大戦中、日本軍はボルネオ島全域を占領しましたが、このうち、英領部分のサラワクノース・ボルネオ、ブルネイは、一括して“北ボルネオ”とされ、陸軍の管轄下に置かれました。ちなみに、現在はインドネシア領となっている旧蘭領部分(こちらはボルネオ島ではなくカリマンタン島と呼んでいますな)は、海軍の管轄下です。

 切手に取り上げられたキナバル山は、ボルネオ島北端にあるマレーシアの最高峰で、標高は4095.2m。名前は、“祖霊を祀る山”を意味する現地語の“アキ・ナバル”が訛ったものする説と、この地に残された中国人(=キナ)の未亡人(=バル)の伝説に由来するという説があるそうです。山麓には熱帯雨林が広がっていますが、山頂付近には氷河が存在するなど、自然条件は多様性に富んでおり、6000種以上の植物と100種以上の哺乳類が確認されています。このため、2000年には、周辺の山と共に“キナバル自然公園”として、ユネスコの世界遺産(自然遺産)にも登録されました。
 
 登山ツアーは、山麓の都市であるコタ・キナバルを出発し、3400m付近の山小屋に1泊し、翌日早朝に登頂してご来光を拝み、その日の内に下山する1泊2日のコースが一般的となっており、そのことが、早朝の地震によって多くの人が足止めを食らう一因となったのでしょう。

 なお、今回の地震で崖崩れが発生したほか、落石で5人が死亡したとの情報もありますが、現時点では、当局は未確認だそうです。現在、ヘリコプターによる救助作業が行われているとのことですが、まずは、皆様の無事の下山をお祈りしております。

 
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 大仏1円切手の昭和史
2009-04-29 Wed 17:30
 きょうは“昭和の日”です。というわけで、新刊の拙著『切手が伝える仏像:意匠と歴史』の中から、昭和史がらみのマテリアルということで、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 大仏1円(北ボルネオ)

 これは、第二次大戦中の1944年9月30日、日本軍占領下の“北ボルネオ”で発行された切手で、1939年7月1日に発行の鎌倉大仏の1円切手に“北ボルネオ”の文字が加刷されています。

 第二次大戦中、日本軍はボルネオ島全域を占領しましたが、このうち、英領部分のサラワク、ノース・ボルネオ(英領北ボルネオ)、ブルネイは、一括して“北ボルネオ”とされ、陸軍の管轄下に置かれました。ちなみに、現在はインドネシア領となっている旧蘭領部分は、海軍の管轄下です。

 日本占領下の“北ボルネオ”では、旧英領時代の切手に加刷したモノのほか、1943年4月29日の天長節には独自の正刷切手も発行されています。また、無加刷の昭和切手も持ち込まれて使用されています。正刷切手は2種類のみですが、旧英領時代の加刷切手や無加刷の昭和切手は種類が豊富にあり、1945年になっても使用されていますので、なぜ、1944年9月になって“北ボルネオ加刷”の切手が発行されることになったのか、その理由は必ずしも明らかになっていないようです。

 なお、鎌倉大仏の1円切手は、日本内地や植民地の朝鮮、台湾はもとより、今回ご紹介の“北ボルネオ”以外にも、香港、マラヤ、スマトラ、旧蘭印の海軍地区などで無加刷のものが持ち込まれて使用されています。また、戦後は米軍占領下の沖縄で加刷されて使用されているほか、南朝鮮でも暫定加刷切手の台切手として利用される計画があったものの実現に至らなかったこともあります。

 それらをずらっと並べて、それぞれに解説を加えていけば、そのまま「大仏1円切手の昭和史」という読み物ができあがりそうです。この企画に乗ってくれる奇特な版元さんがおられたら、ぜひ、ご一報くださいませ。

 
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