内藤陽介 Yosuke NAITO
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 エジプト陸軍記念日
2017-10-06 Fri 19:11
 きょう(6日)は、1973年10月6日にエジプト軍がスエズ運河を渡り、“10月戦争(一般に第四次中東戦争と呼ばれている戦争です)が始まったことにちなみ、エジプトでは“陸軍記念日”になっています。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      エジプト・第4次中東戦争(2016)

 これは、昨年(2016年)、エジプトが発行した“10月の勝利43周年”の記念切手で、カイロの無名戦士の墓を背景にスエズ運河を渡する兵士が描かれています。

 第三次中東戦争(1967年)の敗戦後、エジプトにとっての最重要課題はイスラエルからシナイ半島を奪還することにありました。

 1970年にナセルの死を受けて政権を継承したサダトは、それぞれの思惑から中東に関与しているだけの米ソ両国に任せていてもシナイ半島の奪還は無理であると喝破し、武力による自力奪還以外に、エジプトの採るべき現実的な選択はないという結論に到達。こうした判断にもとづき、シリア大統領ハフィズ・アサドとも連携をとりながら、対イスラエル戦争のプランを練り始めます。

 戦争計画の策定にあたっては、戦争の長期化は絶対に避けるとの前提の下、イスラエルに軍事的な大打撃を与えることで、大国による和平の仲介を引き出すという基本方針が確認されました。このため、戦争計画は、緒戦の電撃的な侵攻作戦に重点が置かれ、スエズ運河の潮流や月齢などを考慮した結果、ユダヤ教の贖罪日(ヨム・キップール)でイスラエル軍の態勢が手薄になる1973年10月6日が開戦予定日として設定されます。

 かくして、1973年10月6日、エジプト・シリア連合軍によるイスラエルの奇襲攻撃によって、第4次中東戦争の火ぶたが切って落とされました。

 開戦当初の3日間、エジプト軍はイスラエルに対する大規模攻撃を展開し、スエズ運河を渡河して、イスラエルの航空機50機と戦車550両を撃破するという華々しい戦果を挙げました。このうち、スエズ運河渡河作戦の成功は、イスラエルに対するアラブ最初の勝利として大々的に喧伝され、サダトは「渡河作戦の最高指揮官=イスラエル軍不敗神話を破ったアラブの英雄」として、その権威は絶大なものとなります。

 一方、イスラエル=シリア国境のゴラン高原では、シリア軍が快進撃を続け、アラブに対するイスラエルの不敗神話は崩壊しました。

 もっとも、エジプト・シリア両軍の優勢は長続きしませんでした。はやくも10月11日にはイスラエルはゴラン高原での大反攻を開始し、シリア領内に突入。さらに、シナイ半島方面でも、同16日にはスエズ運河の逆渡河に成功してエジプト領内に進攻し、形勢は逆転しました。

 戦況が次第にイスラエル有利に傾いていくと、ソ連はエジプトとシリアが第三次中東戦争に続いて大敗することを懸念し、米国と協議を開始。ソ連がエジプトとシリアに対して、米国がイスラエルに対して、それぞれ、早期の停戦を受け入れるよう、強く説得します。

 一方、イスラエル敗北の既成事実を作った上で停戦協定を結び、シナイ半島を奪還することを目的としていたサダトも、緒戦の優位が失われていたことから、停戦の受け入れに前向きな姿勢を示しました。これに対して、戦況が好転しつつある中での停戦受諾はイスラエルにとっては不満の残るものではあったが、米国はなんとかイスラエルを説得します。

 こうして、10月22日の国連安保理において関係諸国に対する停戦決議(決議第338号)が採択され、第4次中東戦争の終結から、エジプト・イスラエル和平へと向かいます。しかし、その結果、エジプトはアラブ世界で孤立し、1981年、サダトは8年前のスエズ渡河の記念日にあたる10月6日、陸軍記念日の閲兵式で暗殺されるという悲劇的な最期を迎えることになるのです。

 なお、第四次中東戦争と関連の切手・郵便物については、拙著『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』でもいろいろご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひお手にとってご覧いただけると幸いです。


★★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史”  ★★★

 10月5日(木)に放送の「切手でひも解く世界の歴史」の第9回は無事に終了しました。お聞きいただいた皆様、ありがとうございました。次回の放送は、10月19日(木)16:05~の予定です。引き続き、よろしくお願いいたします。 

 なお、5日放送分につきましては、10月12日(木)19:00まで、こちらの“聴き逃し”サービスでお聴きいただけますので、ぜひご利用ください。


★★★ 世界切手展<WSC Israel 2018>作品募集中! ★★★

  明年(2018年)5月27日から31日まで、エルサレムの国際会議場でFIP(国際郵趣連盟)認定の世界切手展<WSC Israel 2018>が開催される予定です。同展の日本コミッショナーは、不詳・内藤がお引き受けすることになりました。

 現在、出品作品を11月10日(必着)で募集しておりますので、ご興味がおありの方は、ぜひ、こちらをご覧ください。ふるってのご応募を、待ちしております。


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 コプトの大聖堂で爆弾テロ
2016-12-12 Mon 11:21
 カイロ中心部、アッバセイヤにあるコプトの総本山、聖マルコ大聖堂に隣接する教会で、きのう(11日)、爆弾テロが発生し、国営テレビによると、25人が死亡、49人が負傷しました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      エジプト・コプト(1967)

 これは、1967年にエジプトが発行した“文化遺産”の切手のうち、コプト博物館所蔵のコプト教会の後陣壁画が取り上げられています。

 コプトは、もともとはアラブ化される以前の古代エジプト王国の流れを汲むエジプト先住民のことですが、次第に、キリスト教の一派と結びついた概念となりました。

 すなわち、伝承によれば、西暦42年頃、マルコがアレクサンドリアにキリスト教会(アレクサンドリア教会)を建立したのがエジプトにおけるキリスト教の始まりとされています。

 451年のカルケドン公会議の後、キリスト教会は、「キリストは神性と人性という二つの本性を持つ」とするカルケドン派(両性説。現在のキリスト教多数派)を正統とし、「受肉によってキリストの人性は神性に融合されて一つの性=神性となった」とする単性論派を異端として排除しました。この時点では、エジプト先住民という意味でのコプトは双方の教会に属していましたが、もともと、エジプトでは単性論派が有力だったことに加え、641-42年にムスリムがエジプトを征服すると、東方正教会系のコプトはエジプトから逃れていきました。この結果、コプトは、エジプトの単性論派キリスト教会(ただし、彼ら自身は単性論派と呼ばれることを忌避しています)の信徒を指す言葉として使われるようになり、現在に至っています。

 現在、エジプトにおけるコプトの割合は人口(約8000万人)の5%程度というのが公式の数字ですが、実際には、1割程度いると推定されており、その中には、国連の事務総長を務めたブトロス・ブトロス=ガーリ―を始め、有力者も少なくありません。また、現行のエジプト憲法は“信教の自由”を保障しており、制度上、ムスリムとコプトの間で差別は無いことになっており、2007年には「ムスリムは自由に改宗することができる」とするファトワー(宗教令)も出されています。

 ただし、実際には、コプトはエジプト国内においては圧倒的な少数派であり、ムスリムからコプトへの改宗は現実の問題としてほぼ不可能です。また、迫害や差別の対象となることも多く、2011年1月1日にはアレクサンドリアのコプト教会前でイスラム過激派によるテロ事件が発生したほか、最近では、イスラム過激派組織、イスラム国ことダーイシュに忠誠を誓う過激派組織、シナイ州が、エジプト政府に協力しているとして、これまでにもキリスト教徒などを標的にしており、各地で宗派間抗争の犠牲になる例が増えています。

 今回のテロ事件に関して、この記事を書いている時点では、犯行声明の類は出されていませんが、エジプトでは9日にもカイロ近郊ギーザの検問所近くでテロとみられる爆発があり、警察官6人が殉職。このため、シシ大統領は事件後すぐに声明を出し、「この憎むべきテロに関わった者が誰であれ、法の裁きにかける」として、テロ事件だと断定したうえで徹底した捜査を行うことを強調しています。

 いずれにせよ、今回の事件で犠牲になった方々の御冥福と負傷された方々の一日も早い御快癒をお祈りするとともに、一日も早い犯人の逮捕を願うばかりです。
 

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 国連緊急軍60年
2016-11-15 Tue 11:11
 1956年11月15日、(第一次)国際連合緊急軍(UNEF I :UNITED NATIONS EMERGENCY FORCES I)の展開が開始されてから、今日でちょうど60年です。というわけで、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      国連緊急軍(スエズ・ブラジル)

 これは、1964年3月28日、スエズ地域に展開していたUNEF I のブラジル部隊からブラジル本国宛に差し出された軍事郵便で、国連マークとUNEF表示の機械印が押されています。

 1956年7月26日、エジプト大統領のガマール・アブドゥンナーセル(ナセル)は、年間1億ドルのスエズ運河の収益をアスワン・ハイダム建設の資金に充てるべく、運河の国有化を宣言し、管理会社である国際スエズ運河株式会社を接収して全資産を凍結しました。いわゆるスエズ運河国有化です。

 これに対して、スエズ運河株式会社の株主であった英仏は激怒し、エジプトの宿敵、イスラエルと同調して、運河国有化の阻止を計画。10月29日、イスラエル軍がシナイ半島侵攻作戦を開始し、第2次中東戦争(スエズ動乱)が勃発しました。

 英仏はエジプト・イスラエルがともにスエズ運河地帯から撤退することを要求し、エジプトがこれを拒否すると、英落下傘部隊がポートサイド(スエズ運河の地中海川の出口)を急襲したものの、米ソを含む国際社会の厳しい非難を浴び、11月2日、関係国への停戦とスエズ運河通航の再開を求める国連総会決議997が採択されました。その後、11月4日から7日にかけて採択された総会決議998、1000、1001により、停戦の監視と英仏イスラエルのエジプト領内からの撤退確認のためにUNEF I が設立されます。そして、11月8日の停戦を経て、11月14日にはエジプトの合意が得られたことから、11月15日からUNEF I の展開が開始されました。

 UNEF I の人員の一部は、国際連合休戦監視機構(UNTSO)から引き抜かれたほか、中東地域に直接の利害を有しなかったブラジル・カナダなどから提供された人員で構成されていました。UNEFの最大人員規模は約6,000名で、1956年12月に英仏が、1957年3月にはイスラエルが1949年の休戦ラインまで撤退した後も、エジプト=イスラエル国境のエジプト側に展開。1967年にエジプトの要求で撤兵するまで、停戦監視を続けました。

 ちなみに、リオデジャネイロのフラメンゴ公園内にある戦没者慰霊塔の地下には、下の画像のように、UNEF I に参加したブラジル軍部隊を称えるプレートも置かれています。

      フラメンゴ公園・UNEFブラジル部隊を称えるプレート

 なお、このプレートがあるフラメンゴ公園内の戦没者慰霊施設については、拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』でも詳しくご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


★★★ 講座のご案内 ★★★

 11月17日(木) 10:30-12:00 
 毎日文化センターにて、1日講座、ユダヤとアメリカをやりますので、よろしくお願いします。(詳細は講座名をクリックしてご覧ください) 
  

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 35年前の送電ケーブル
2016-10-13 Thu 17:24
 きのう(12日)、埼玉県新座市の東京電力施設内で、都内の変電所に送電するケーブルが入った地下トンネルの火災が発生し、東京都内の約58万6000戸に影響が出る大規模停電が発生しました。詳しい原因は現在調査中とのことですが、施設内のケーブルが設置から約35年間、一度も交換されておらず、漏電を起こしたのが原因と見られているようです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      エジプト・地方電力化公社

 これは、1981年にエジプトで発行された“地方電化公社(REA:Rulal Electrification Authority)10周年”の記念切手で、当時の送電鉄塔と農村電化の恩恵が象徴的に描かれています。今回、火災があった東電施設内のケーブルが35年前の1981年から好感されていなかったということにちなみ、1981年当時の送電線を描く切手ということで取り上げてみました。

 エジプトの電力事業は、1890年代に民間の電力事業者がカイロやアレキサンドリア、ポートサイド。スエズなどの都市部でディーゼル発電による地域限定の電力供給を行ったのが最初とされています。

 その後、1952年の革命を経て、1965年、エジプト国内のすべての電気事業者は電力公社(GEEC)に統合されましたが、1970年にアスワンハイダムが完成すると、ダムから約800km北方のカイロまでの長距離送電と併せて、農村地帯の電化計画が立案され、そのための実務組織として、1971年、農業電化公社が発足しました。

 1976年、エジプトが石油の輸出国になると、エネルギー政策の効率化を目指して、それまでの電気省は電気・エネルギー省に、電力公社はエジプト電力公社(EEA)に、農業電力公社は地方電力公社に改組され、あわせて、原子力公社、原子力発電公社、カッターラ低地エネルギー公社(後に水力開発公社)が発足しました。さらに、1978年には各地に点在していた配電会社が、地域ごとの配電公社に統合されます。ちなみに、現在の配電公社は、カイロ地域、アレキサンドリア地域、運河地域、北デルタ地域、南デルタ地域、ベヘイラ地域、北・上エジプト地域、南・上エジプト地域の8社体制です。

 今回ご紹介の切手に取り上げられたREAは、電力省の下部組織としてスタートし、地方電化のための66kV以下の送変電設備の建設・修理を担当しています。REAによる建設ならびに修理が完了した施設は、EEAもしくは地域の配電公社に引き渡され、その後の日常的な保守・運営はEEAもしくは各配電公社が担当することになっています。
 
 ちなみに、この切手が発行された1981年はエジプトではサダト大統領の暗殺事件があった年で、2011年の1月25日革命で倒れたムバーラク政権が発足した年にあたります。ムバーラク政権が崩壊した時、30年間という独裁政権の長さに驚いた人も少なくなかったと思いますが、同政権が倒れてからさらに現在までに5年の月日が過ぎていることを考えると、いくら日本製ケーブルの品質が優れているからと言って、そりゃ、漏電のトラブルだって起きるよなぁ…と思わずにはいられませんな。

* けさ、アクセスカウンターが171万PVを超えました。いつも閲覧していただいている皆様には、あらためてお礼申し上げます。


★★★ イヴェントのご案内 ★★★

 10月29日(土) 13:45-15:15 ヴィジュアルメディアから歴史を読み解く

 本とアートの産直市@高円寺フェス2016内・会場イヴェントスペースにて、長谷川怜・広中一成両氏と3人で、トークイヴェントをやります。入場無料ですので、よろしかったら、ぜひ遊びに来てください。(本とアートの産直市@高円寺については、主催者HPをご覧ください)


★★★ 講座のご案内 ★★★

 11月17日(木) 10:30-12:00、東京・竹橋の毎日文化センターにてユダヤとアメリカと題する一日講座を行います。詳細は講座名をクリックしてご覧ください。ぜひ、よろしくお願いします。 
 

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 カイロ大学をつくった女性
2016-08-01 Mon 09:37
 舛添要一前知事の辞職に伴う東京都知事選が、きのう(31日)、投開票され、無所属で新人の小池百合子元防衛相が初当選を果たしました。小池新知事といえば、カイロ大学卒業という日本では異色の経歴の持ち主ですので、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      エジプト・カイロ大学80年

 これは、1998年にエジプトで発行された“カイロ大学90年”の記念切手で、大学の建物と大学の設立に尽力したファトゥマ・イスマーイールの肖像が描かれています。カイロ大学に関する切手は何度か発行されていますが、今回は、初の女性知事誕生という話題に合わせて、女性の肖像を大きく描いたこの切手を持ってきました。

 カイロ大学の前身は、1908年、スンナ派イスラムの最高学府とされるアズハル学院に対する世俗教育の総合大学として設立された私立エジプト大学です。その後、同大学は1925年に文・理・法・医学部から構成される国立大学となり、後に工・農・商学部が加わりました。1940年にフアード1世大学に改称され、共和革命後の1954年に現在のカイロ大学と改称されています。

 切手に取り上げられているファトゥマ・イスマーイールは、1853年、イスマーイール・パシャの娘として生まれました。父親のイスマーイールは、ムハンマド・アリー朝エジプトのエジプト総督(在位:1863-67年)、ついで副王(在位:1867-79年)だった人物で、スエズ運河の建設など、エジプトの近代化に尽力したものの、そのための巨額の出費によって対外債務が増大、1876年にはエジプト財政の破綻を招いて列強の管理下に置かれ、1879年には退位を余儀なくされました。

 こうした状況でしたから、1907年にエジプト大学創設の計画が持ち上がった時も、エジプト政府には十分な財源がなく、計画の実現は困難と見られていました。

 こうした状況を見かねたファトゥマは、自分の宝石と邸宅に隣接する土地(その場所には、現在、エジプト農業省の庁舎が建っています)を処分して大学設立の資金を拠出したほか、その後も、1920年に亡くなるまで、大学の運営委資金に多額の寄付を行鵜など、大学の運営をサポートし続けました。切手に描かれた彼女の肖像が、宝飾品を身に着けた姿になっているのは、その宝石が大学の原資(の一部)になったことを表現したもので、彼女の肖像の上下には「プリンス・ファトゥマ・イスマーイールは大学の創立に貢献した」とのアラビア語の文言も入っています。


 ★★★ 新作 『リオデジャネイロ歴史紀行』 初売りのご案内 ★★★ 

 ・8月6日(土) 09:00- 切手市場
 於 東京・日本橋富沢町8番地 綿商会館
 詳細は主催者HPをご覧ください。

 新作『リオデジャネイロ歴史紀行』の奥付上の刊行日は8月9日ですが、8月3日頃には現物ができあがってくるとの連絡がありました。そこで、さっそく、同書を中心に拙著を担いで行商に行きます。実物の販売は、この日が初売りとなる予定です。ぜひ遊びに来てください。


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 スエズ運河国有化60年
2016-07-26 Tue 11:03
 1956年7月26日にエジプト大統領ガマール・アブドゥン=ナーセル(以下、ナセル)スエズ運河の国有化を宣言してから、きょうでちょうど60年です。というわけで、今日はこの1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      エジプト・スエズ運河国有化5周年

 これは、運河の国有化を記念して、国有化宣言から2ヵ月後の1956年9月26日にエジプトが発行した記念切手です。 

 1952年のエジプト革命で発足したナセルの民族主義政権は、王制時代に事実上の宗主国であった英国の影響力を排除するため、1954年10月、スエズ運河地帯から英軍を撤退させる協定を成立させ、1956年6月20日までに全英軍を撤兵させました。

 もっとも、この段階では、ナセル政権は自立した近代国家を建設するという意味で英国の影響力を排除しようとしていたものの、西側諸国と敵対することを望んでいたわけではありません。エジプトの経済的自立のための国家プロジェクト、アスワン・ハイ・ダムの建設計画(ナイル川上流に巨大なダムと発電所を建設し、それを利用した灌漑により大規模な農地を開拓する計画)を遂行していくためには、米英両国と世界銀行の資金援助が不可欠だったからです。

 このため、英軍の運河地帯からの撤退に際しては、運河の所有権は英仏両国を大株主とする国際スエズ運河株式会社が保有することとされ、運河の自由な航行を保障する国際協定(1888年10月締結)も引き続き有効であることも確認されていました。

 しかし、英軍の運河地帯から撤兵すれば、エジプト軍がシナイ半島を北上するのではないかと恐れたイスラエルは、英軍の撤兵を妨害すべくさまざまな破壊工作を展開。1955年2月には、イスラエル軍の攻撃によりエジプト軍兵士38名が犠牲になるという事件も発生します。そこで、イスラエルの脅威に対抗する必要から、軍の近代化を計ろうとしたエジプトは、米国をはじめとする西側諸国から最新兵器を購入しようとしたのですが、米英仏の3ヶ国は、中東への武器供与を制限する三国宣言を理由にこれを拒絶。このため、ナセルはソ連に接近し、1955年10月、チェコスロバキア経由での通商協定という名目で、綿花(エジプトの主力輸出品)とのバーター取引を成功させ、大量のソ連製兵器の獲得しました。

 しかし、アラブの盟主を自認するエジプトがソ連に接近することで、他のアラブ諸国もこれに追随するのではないかとの懸念を抱いたた米国は、これに強く反発。エジプトの封じ込めに乗り出します。その一環として、1956年7月19日、国務長官のジョン・フォレスター・ダレスがアスワン・ハイダム建設への資金援助の約束を突如撤回。英国と世界銀行も同様の声明をエジプトに対して発し、ナセルの悲願であったアスワン・ハイダムは、資金不足から中止の瀬戸際に追い込まれてしまいました。

 追い詰められたナセルは、7月26日(革命記念日)、年間一億ドルのスエズ運河の収益をアスワン・ハイダム建設の資金に充てるべく、運河の国有化を宣言。管理会社である国際スエズ運河株式会社を接収して全資産を凍結してしまいました。これが、スエズ運河国有化のあらましです。

 その後、スエズ運河の国有化に激怒した英仏は、エジプトによるチラン海峡の封鎖で経済的なダメージを受けていたイスラエルと同調し、武力による運河国有化を阻止しようとして、切手発行の翌月にあたる1956年10月、第二次中東戦争(スエズ戦争)を引き起こすことになります。


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 世界の国々:エジプト
2016-06-15 Wed 09:19
 アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2016年6月15日号が、先週、発行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はエジプトの特集です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      エジプト・綿花と女性

 これは、1957年に発行された綿花と女性を描く1ミリームの普通切手です。

 エジプト綿はエジプトの代表的な輸出品の一つで、切手にもしばしば取り上げられていますが、その中心をなすギーザ種の綿は、1本の繊維がきわめて長い超長綿で、糸を細く丈夫に作れるため、軽くしなやかな生地に仕上がることで有名です。なかでも、最高級品のギーザ45は、年間約650トン(世界綿花生産量の0.001%)しか生産されない希少な原綿で、手触りの良さから、ヨーロッパでは新生児用の贈答品によく使われるています。原綿はすべて手作業で摘み取られ、女性が不純物を手で取り除き、男性によって何度も空中に高々と放り投げられる“ファラファラ”という伝統の手作業で紡がれるそうです。

 さて、『世界の切手コレクション』6月15日号の「世界の国々」では、第二次中東戦争(スエズ動乱)から第三次中東戦争までのナセルとアラブ民族主義の時代についての長文コラムのほか、スンナ派イスラム世界の最高権威とされるアズハル大学、ナイル川、ギーザの大スフィンクス、ツタンカーメン、スカラベの切手などもご紹介しています。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧ください。

 なお、僕が担当する「世界の国々」は、次回は本日発売の6月22号でのブラジルの特集になります。こちらについては、発行日以降、このブログでもご紹介する予定です。

 ★★★ 講座のご案内 ★★★

 下記の通り、各地のよみうりカルチャーで公開講座を行います。ぜひ、ご参加ください。

・イスラムを知る―ISはなぜテロに走るのか
 よみうりカルチャー荻窪 6/26(日) 14:00~15:30
 よみうりカルチャー横浜 7/2(土) 13:00~14:30

・切手でたどる東京五輪とその時代
 よみうりカルチャー荻窪 7/9(土) 13:00~14:30

 詳細につきましては、それぞれの会場・時間をクリックしてご覧いただけると幸いです。


 ★★★ 内藤陽介の新刊  『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ 

       ペニーブラック表紙 2350円+税

 【出版元より】
 若く美しい女王の横顔に恋しよう!
 世界最初の切手
 欲しくないですか/知りたくないですか

 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。

 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。


 ★★★ 内藤陽介の新刊  『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ 

       アウシュヴィッツの手紙・表紙 2000円+税

 【出版元より】
 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。

 出版元のサイトはこちら。各書店へのリンクもあります。

 インターネット放送「チャンネルくらら」にて、本書の内容をご紹介しております。よろしかったら、こちらをクリックしたご覧ください。


 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。

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 スエズ新運河竣工
2015-08-07 Fri 12:04
 地中海と紅海をつなぐスエズ運河の一部を拡幅・複線化する“新運河”の工事が完了し、エジプト北東部イスマイリアで、きのう(6日)、竣工式典が行われました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      スエズ運河会社切手

 これは、スエズ運河開通に先立つ1868年、国際スエズ運河株式会社(以下、スエズ運河会社)が発行し、ごく短期間のみ有効だった切手です。

 スエズ運河建設のプランは、1854年、フランスの元外交官、フェルディナン・マリ・ヴィコント・ド・レセップスがエジプト総督サイード・パシャに提案し、同意を取り付けたことで動き出しました。ただし、当時のエジプトはオスマン帝国の宗主権下にあり、宗主国のオスマン帝国は運河が“国境”になることを懸念し、当初は計画には反対でした。

 このため、レセップスは1854年にスエズ運河会社を設立し、その株式を売却することで運河建設に対する国際世論の注目を集め、オスマン帝国の反対を押し切ろうとします。こうして、翌1855年、試験掘削という名目で工事が始まります。その後も、運河建設に反対のオスマン帝国と英国は圧力をかけ続けましたが、フランス皇帝・ナポレオン3世が仲裁に入り、1869年、運河が完成しました。

 この間、1859年から、スエズ運河会社は運河の建設現場とアレクサンドリア、ポート・サイド、イスマイリヤ、スエズを結ぶ郵便サービスを開始。同社による郵便は、翌1860年、当時のエジプトでの開港地間の郵便事業を担っていたイタリア系の“ポスタ・ヨーロッパ”との提携も始まりました。

 ところが、1865年、エジプトの国家郵政が創業し、エジプト政府がポスタ・ヨーロッパを買収。エジプト郵政としては、郵政主権を確保するという観点から、スエズ運河会社との業務提携を解消してしまいます。このため、スエズ運河会社は、運河関係者を対象よして無料郵便を開始しましたが、その費用負担は少なくなかったため、1867年11月、同社はエジプト駐在のフランス領事の承認を受け、翌1868年7月1日以降、郵便を有料化することを決定します。

 これを受けて、スエズ運河会社はパリのシェゾー社に蒸気船を描く1c(サンチーム)、5c、20c、40c の切手(平版印刷)の製造を発注。パリで製造された切手は、1868年6月、エジプトに向けて発送されました。ただし、イスマイリヤへの切手の到着は1週間ほど遅れ、当初予定されていた7月1日には間に合いませんでした。

 しかし、郵便の有料化に対しては利用者である運河関係者の反発も強かったほか、エジプト政府も彼らの郵便活動を郵便主権の侵害として難色を示したことから、1ヵ月半後の8月16日、スエズ運河会社発行の切手は使用停止となりました。このため、現在残されている切手の大半は未使用で、実逓カバーはごく少数が知られるのみとなっています。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊  『日の本切手 美女かるた』  好評発売中! ★★★ 

        税込2160円

 4月8日付の『夕刊フジ』に書評が掲載されました!

 【出版元より】
 “日の本”の切手は美女揃い!
  ページをめくれば日本切手48人の美女たちがお目見え!
 <解説・戦後記念切手>全8巻の完成から5年。その著者・内藤陽介が、こんどは記念切手の枠にとらわれず、日本切手と“美女”の関係を縦横無尽に読み解くコラム集です。切手を“かるた”になぞらえ、いろは48文字のそれぞれで始まる48本を収録。様々なジャンルの美女切手を取り上げています。

 出版元のサイトはこちら、内容のサンプルはこちらでご覧になれます。ネット書店でのご購入は、アマゾンboox storee-honhontoYASASIA紀伊國屋書店セブンネットブックサービス丸善&ジュンク堂ヨドバシcom.楽天ブックスをご利用ください。


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 Isis は使わず
2015-04-18 Sat 23:08
 世界気象機関(WMO)は、きのう(17日)、テロリスト組織ダーイシュの英文略称と同じという理由で、今後、北東太平洋で発生する熱帯低気圧ハリケーンに今後は「イシス(Isis)」の名称を使わないことを決めたそうです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       エジプト・イシスとホルス

 これは、1979年にエジプトが発行した「母の日」の切手で、ホルスを抱くイシスの像が取り上げられています。

 イシスは、古代エジプトで豊かなナイルの土壌を表す豊饒の女神で、もともとは、外見はトビあるいは背中にトビの翼を持った女性として表されていましたが、頭部にハトホル女神から受け継いだという、牛の角に挟まれた太陽円盤の装飾(今回ご紹介の切手でも、それがハッキリと見えます)がある女性としても表現されていました。また、イシスにちなんで、そうした装飾の被り物をした女王の像もあります。

 古代エジプトの神話では、天空と太陽の神でハヤブサで象徴されるホルスの母親とされており、今回ご紹介の像でも、イシスの膝の上には幼いホルス(ハヤブサの髪飾りをつけています)が抱かれています。したがって、この像も、キリスト教世界で聖母マリアとイエスの像を「母の日」の切手に取り上げるのと同じような感覚で、切手に取り上げられたということなのかもしれません。

 さて、WMOでは、毎年、ハリケーンの命名に際して、あらかじめ決めたアルファベット順の命名リスト(6通りあります)から発生順に名前を選んでつけていますが、そのうち、来年使われる予定のリストに“イシス”が含まれていました。もちろん、古代エジプト神話のイシスには何ら罪はないのですが、偶然とはいえ、欧文表記のIsis は悪名高いダーイシュの英文略称と同じなので、さすがに使用が憚られたのでしょう。ちなみに、来年使用予定のリストでは、イシスではなく“イベッテ(Ivette)”が使われることになったそうですが、どうも、日本人にとってはなじみの薄い名前ですな。まぁ、ハリケーン・イベッテが深刻な被害をもたらすことなく、このまま知名度のないまま終わってくれれば、それに越したことはありませんがね。


 ★★★ イベントのご案内 ★★★

 ・4月25日(土) 11:00-12:00 スタンプショウ
 於 東京都立産業貿易センター台東館(浅草) 特設会場
 出版記念のトークを行います。入場は完全に無料ですので、ぜひ、遊びに来てください。スタンプショウについての詳細はこちらをご覧ください。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊  『日の本切手 美女かるた』 発売! ★★★ 

         日の本切手 美女かるた・表紙 税込2160円

 4月8日付の『夕刊フジ』書評が掲載されました!

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 “日の本”の切手は美女揃い!
  ページをめくれば日本切手48人の美女たちがお目見え!
 <解説・戦後記念切手>全8巻の完成から5年。その著者・内藤陽介が、こんどは記念切手の枠にとらわれず、日本切手と“美女”の関係を縦横無尽に読み解くコラム集です。切手を“かるた”になぞらえ、いろは48文字のそれぞれで始まる48本を収録。様々なジャンルの美女切手を取り上げています。

 出版元のサイトはこちら、内容のサンプルはこちらでご覧になれます。ネット書店でのご購入は、アマゾンboox storee-honhontoYASASIA紀伊國屋書店セブンネットブックサービス丸善&ジュンク堂ヨドバシcom.楽天ブックスをご利用ください。


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 コプトの切手
2015-02-16 Mon 23:34
 “イスラム国”を自称する過激派組織ダーイシュが、きのう(15日)、リビアで人質にしていたコプト(エジプトのキリスト教徒)の労働者21人を殺害したとする動画をネットに公開したことに対して、エジプト軍は、きょう(16日)、リビア国内のダーイシュ関連組織の拠点を空爆しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます。なお、ダーイシュの呼称については、こちらの配信動画で詳しくご説明いたしましたので、ぜひ、ご覧ください)

       エジプト・カイロのコプト地区

 これは、2004年にエジプトがカイロのコプト地区を題材として発行した切手です。

 コプトは、もともとはアラブ化される以前の古代エジプト王国の流れを汲むエジプト先住民のことですが、次第に、キリスト教の一派と結びついた概念となりました。

 すなわち、伝承によれば、西暦42年頃、マルコがアレクサンドリアにキリスト教会(アレクサンドリア教会)を建立したのがエジプトにおけるキリスト教の始まりとされています。

 451年のカルケドン公会議の後、キリスト教会は、「キリストは神性と人性という二つの本性を持つ」とするカルケドン派(両性説。現在のキリスト教多数派)を正統とし、「受肉によってキリストの人性は神性に融合されて一つの性=神性となった」とする単性論派を異端として排除しました。この時点では、エジプト先住民という意味でのコプトは双方の教会に属していましたが、もともと、エジプトでは単性論派が有力だったことに加え、641-42年にムスリムがエジプトを征服すると、東方正教会系のコプトはエジプトから逃れていきました。この結果、コプトは、エジプトの単性論派キリスト教会(ただし、彼ら自身は単性論派と呼ばれることを忌避しています)の信徒を指す言葉として使われるようになり、現在に至っています。

 現在、エジプトにおけるコプトの割合は人口(約8000万人)の5%程度というのが公式の数字ですが、実際には、1割程度いると推定されており、その中には、国連の事務総長を務めたブトロス・ブトロス=ガーリ―を始め、有力者も少なくありません。また、現行のエジプト憲法は“信教の自由”を保障しており、制度上、ムスリムとコプトの間で差別は無いことになっており、2007年には「ムスリムは自由に改宗することができる」とするファトワー(宗教令)も出されています。

 ただし、実際には、コプトはエジプト国内においては圧倒的な少数派であり、ムスリムからコプトへの改宗は現実の問題としてほぼ不可能です。また、2011年1月1日にはアレクサンドリアのコプト教会前でイスラム過激派によるテロ事件も発生しました。このため、エジプトのメディアは、社会的な安定のためにも、コプト側が少数派として差別されていると訴えている現状につき、政府は改善を行うべきであると提言しています。

 今回の一件は、エジプト政府として、コプトもエジプト国民の一員であり、国民に害をなす犯罪者集団のダーイシュに対しては断固とした措置を取るという姿勢を示したもので、リビア政府軍との共同作戦です。

 エジプトは、これまで、米軍主体の有志連合によるシリア・イラクでの対ダーイシュ空爆に参加してきませんでした。このため、今回、ダーイシュの犯罪に対して直接の制裁に踏み切ったことについて、ダーイシュとの戦いがイラクとシリアだけでなく、リビアにまで拡大したものと見る論評もメディアの一部にはあるようです。

 しかし、報道によれば、すでにリビア東部にはダーイシュの訓練施設や武器庫が存在していたうえ、先月には、ダーイシュに忠誠を誓う過激派組織がホテルを襲撃したほか、今月に入ってもラジオ局を占拠するなど活動を活発化させていたわけで、その点からすると、むしろ、いままで野放しにされていたリビアのダーイシュ(ないしはダーイシュに共鳴する過激派組織)に対しても、ようやく、国際社会の包囲網がかけられるようになったと見るのが妥当ではないかと思われます。

 いずれにせよ、今後の事態の推移に注目したいところです。


 ★★★ 講座「切手と郵便物に刻まれた“終戦”」(2月20日)のご案内 ★★★ 

       ミズーリの消印

 2月20日13:00~14:30、愛知県名古屋市の栄中日文化センターで、「切手と郵便物に刻まれた“終戦”」と題する講座を行います。

 2015年は第二次世界大戦の終戦から70周年にあたります。終戦の年の1945年はあらゆる意味で社会が激変した年ですが、その影響は切手や郵便物にもさまざまな痕跡を残しています。今回の講座では、当時の切手や郵便物を読み解いていくことで、一般の歴史書では見落とされがちな終戦の諸相を、具体的なモノの手触りとともに明らかにしてみたいと思っています。

 詳細は、こちらをご覧ください。(画像は、日本の降伏文書調印が行われた米軍艦ミズーリ号から降伏文書調印日に差し出された郵便物の一部分です) 

 
 ★★★ よみうりカルチャー荻窪の講座のご案内 ★★★

 毎月1回(原則第1火曜日:3月3日、3月31日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。

 ・イスラム世界を知る 時間は15:30-17:00です。

 次回開催は3月3日で、途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊  『朝鮮戦争』好評発売中! ★★★ 

        朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各電子書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

 *8月24日付『讀賣新聞』、韓国メディア『週刊京郷』8月26日号、8月31日付『夕刊フジ』、『郵趣』10月号、『サンデー毎日』10月5日号で拙著『朝鮮戦争』が紹介されました!


 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

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