内藤陽介 Yosuke NAITO
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 東トルキスタン独立記念日
2013-11-12 Tue 10:11
 きょう(12日)は、1933年と1944年の11月12日に(第1次および第2次)東トルキスタン共和国が独立を宣言したことから、東トルキスタンの独立記念日になっています。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       新疆・解放区

 これは、1949年11月、中国共産党占領下の新疆地区で発行された加刷切手で、中華民国(国民政府)の発行した北京の頤和園を描く15分切手に“人民郵政”の文字が加刷されています。

 中華人民共和国の“新疆ウイグル自治区”に相当する東トルキスタンの地域は、かつては中華民国の新疆省が置かれていましたが、1944年、その北部、イリ渓谷のグルジャ(伊寧市)で、ソ連軍の支援を受けたウイグル人の武装蜂起が発生。同年11月12日に中華民国からの独立と(第2次)東トルキスタン共和国の建国を宣言しました。

 東トルキスタン共和国は12月までにイリ地区の全域を占拠し、翌1945年にはカザフ系のゲリラがアルタイ地区、タルバガタイ地区を占領し、東トルキスタン政権に合流。いわゆる三区政権が誕生します。

 ところが、東トルキスタン政府は対中関係を考慮するソ連の意を汲んで独立要求を撤回せざるを得なくなり、中華民国と和平協定を締結。これを受けて、1946年6月、中華民国と東トルキスタン政府が閣僚を出し合い新疆省連合政府が成立し、東トルキスタン共和国は解散しましたが、連合政府は1947年5月に分裂し、東トルキスタンの閣僚は国民党政府から離れて自治を宣言しました。

 その後、1949年、国共内戦での共産党の勝利が確実になると、東トルキスタン政府はソ連の斡旋で中国共産党と協議すべく、政府幹部が北京での中華人民共和国建国宣言に合わせてソ連の飛行機で出発しました。しかし、彼らはそのままソ連に連行・殺害され、東トルキスタン政府は完全に消滅。その支配地域は中華人民共和国に統合されてしまいました。今回ご紹介の切手は、そうした中共による東トルキスタン侵略直後の状況を生々しく示す1枚といえましょう。

 現在、東トルキスタンはチベットと並んで、中国にとって最も深刻な“民族問題”の一つとなっており、中国共産政府による人権侵害の象徴的な存在となっています。当然、中国政府の発行するプロパガンダ切手にも、“幸せなウイグル人”などがしばしば登場するわけですが、今後は機会をとらえて、それらについてもご紹介していきたいと思います。


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 新疆で大規模衝突
2009-07-06 Mon 15:06
 中国の新疆ウイグル族自治区で、きのう(5日)、約3000人のウイグル族住民と約1000人の警官との衝突事件が発生。日本ウイグル協会によると、「(中国側の)武力鎮圧で死亡した人は100人を超え、多数が負傷した。幼い子供や女性もいた。…逮捕された人は1500人を超える」とのことです。というわけで、きょうは新疆がらみのモノとして、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 限新省加刷

 これは、1915年、新疆省内に限って有効であることを示すため、中国切手に“限新省貼用“と加刷して発行された2角切手です。

 辛亥革命後の中国は、各地に軍閥が割拠し四分五裂状態になっており、通貨も各地の軍閥が独自に発行していました。このため、各地の通貨間には為替差が存在しましたが、なかでも、新疆や東北、雲南、四川などでは北京や上海、南京など都市部との為替差が大きかったため、為替差損・差益を防ぐため、使用地域を限定した加刷切手が発行されています。ちなみに、今回ご紹介の切手は新疆省でのみ有効という意味で“限新省貼用”との加刷がなされたものですが、1919年の時点での交換レートは北京や南京で流通していた中国元100元に対して、新疆元は260元と2.5倍もの開きがありました。

 なお、この切手の加刷文字は“限新省貼用”の“限”の文字が若干左側にずれているため、“歪頭”と呼ばれています。

 新疆の地が中国中央の支配下に入ったのは18世紀のことです。19世紀には各地で反清反乱が相継ぎ、ヤクブ・ベクの乱によって清朝の支配は一時的に崩壊しましたが、その後、身長はこの地を再征服し、1884年に新疆省が設置されました。

 1912年の中華民国発足後は、漢民族の省主席によって半独立的な領域支配が行われていましたが、これに対して1933年と1944年の二度にわたって土着のムスリム(イスラム教徒)によって東トルキスタン共和国の独立が宣言されています。しかし、国共内戦後の1949年に再び中国の侵略により支配下におかれ、1955年に現在の新疆ウイグル自治区が設置され、現在にいたっているのは周知のとおりです。

 現在、新疆はチベットと並んで、中国にとって最も深刻な民族問題の一つとなっており、中国共産政府による人権侵害の象徴的な存在となっています。当然、中国政府の発行するプロパガンダ切手にも、“幸せなウイグル人”がしばしば登場するわけですが、今後は機会をとらえて、それらについてもご紹介していきたいと思います。


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