内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界の国々:ドミニカ国
2015-05-07 Thu 10:28
 アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2015年5月6日号が、先週刊行されました。僕が担当しているメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はドミニカ国の特集です。その記事の中から、この1枚をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      ドミニカ国・ハリケーン救援募金

 これは、1979年のハリケーン・デイヴィッドに際して、被災者の救援・復興資金を集めるために発行された加刷切手です。

 1978年11月3日、英領ドミニカは英連邦の1国、ドミニカ国として独立し、初代首相には、独立以前の自治政府の首相でドミニカ労働党のパトリック・ジョンが横滑りで就任しましたが、1979年6月、首都ロゾーでの暴動発生を機に、ジョン政権は退陣に追い込まれました。

 これを受けて、ジョン政権の有力閣僚だったオリヴァー・セラフィンが暫定首相となりましたが、就任早々の1979年8月、ドミニカ国をハリケーン・デイヴィッドが襲います。

 ハリケーン・デイヴィッドは、1979年8月25日、大西洋のカーボ・ヴェルデ沖で発生。西進してカリブ海から北米大陸東岸を北上して、9月10日、北大西洋上で消滅しましたが、この間、各地に大きな被害をもたらし、死者総数は2068名にも及びました。このうちドミニカ国の人的被害は56名・負傷者180名でしたが、首都ロゾーは壊滅的な打撃を受け、人口の80%が住居を失い、電力と水道機能は完全に麻痺。主要産品であるバナナ農場も全滅するなど、経済被害は算出不能とされるほど甚大でした。今回ご紹介の切手は、こうした状況に対応すべく、ハリケーン後の10月29日、復興支援を得るため、独立以前の切手にハリケーン救済の文字を加刷して発行されたものです。

 発足間もないセラフィー政権はハリケーン被害への対応が不十分だったため、労働党政権に対する国民の支持は急落。翌1980年の総選挙では、ユージェニア・チャールズ率いるドミニカ自由党が勝利し、チャールズはカリブ海初の女性首相に就任しました。

 これに対して、1981年には、元首相のジョンによる2度のクーデター未遂事件も発生しましたが、チャールズ政権はこれを乗りきっただけでなく、1983年、米軍によるグレナダ侵攻が起こると、これを積極的に支持することで西側諸国からの援助を獲得し、チャールズは1995年まで15年間の長期政権を維持することに成功しました。

  さて、 『世界の切手コレクション』5月6日号の「世界の国々」では、ドミニカ国近現代史の概論のほか、主要産業のバナナ、国鳥のミカドボウシインコ、民族舞踊や沸騰湖で知られるモルヌ・トロワ・ピトン国立公園の切手などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧いただけると幸いです。

 なお、本日発売の5月13日号(通常は水曜日発売ですが、今週はGWの連休のため、木曜日の発売となりました)では、「世界の国々」はグレナダを特集していますが、こちらについては、来週、このブログでもご紹介する予定です。

 * 昨日、カウンターが151万PVを超えました。いつも閲覧していただいている皆様には、この場をお借りして、お礼申し上げます。

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 オウムとインコの日
2014-06-15 Sun 21:19
 今日(15日)は、“オウム(06)インコ(15)”の語呂合せで、“オウムとインコの日”です。というわけで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ドミニカ国・国章

 これは、1961年、英領ドミニカ(現ドミニカ国)で発行された国章の切手で、国鳥のミカドボウシインコが描かれています。

 英領ドミニカ(および独立後のドミニカ国)の国章は、独立以前の1961年に制定されました。国鳥のミカドボウシインコが両脇で盾を支えるデザインとなっており、盾には、左上に肥沃な土壌に支えられた椰子の木、右下にドミニカ国の基幹産業でもあるバナナの木、また右上にカエル、左下にカリブ海を行き交うカヌーがそれぞれ描かれています。

 ドミニカ国の国鳥、ミカドボウシインコはドミニカ国の固有種で、標高600-1300mの森林に生息し、果実、種子、花、芽などを食べます。開発による生息地の破壊、食用やペット用の乱獲などに加え、ハリケーンの被害もあって生息数は激減しており、ドミニカ国内では法的に保護の対象とされていますが、密猟はなくなりません。なお、わが国でも、ワシントン条約に基く「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令」で保護の対象とされ、取引が厳しく規制されています。

 さて、ことし(2014年)は、わが国とカリブ共同体(旧英領を中心にカリブの14か国1地域が加盟。ドミニカ国も加盟国です)の事務レベル協議開始後20年が経過した年であるとともに、ジャマイカならびにトリニダード・トバゴとの国交樹立50周年にもあたることから、“日・カリブ交流年”とされています。

 8月1-3日、東京・墨田区で開催が予定されている<全日本切手展2014>でも、これにちなみ、外務省の認定を受けた“日・カリブ交流年”の行事として“カリブ切手展”を併催の予定です。今後も、同展の事前プロモーションを兼ね、機会を見つけてカリブ共同体加盟諸国・地域の切手をご紹介していきたいと考えておりますので、よろしくお付き合いください。


 ★★ 講座「切手を通して学ぶ世界史:第一次世界大戦から100年 」のご案内 ★★ 

       中日・講座チラシ    中日・講座記事

 7月18日・8月29日・9月19日の3回、愛知県名古屋市の栄中日文化センターで、第一次大戦100年の企画として、「切手を通して学ぶ世界史」と題する講座を行います。

 講座では、ヨーロッパ、中東、日本とアジアの3つの地域に分けて、切手や絵葉書という具体的なモノの手触りを感じながら、フツーとはちょっと違った視点で第一次世界大戦の歴史とその現代における意味を読み解きます。

 詳細は、こちらをご覧ください。

 * 左の画像は講座のポスター、右は講座の内容を紹介した5月20日付『中日新聞』夕刊の記事です。どちらもクリックで拡大されますので、よろしかったらご覧ください。
 

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 バニラの切手
2013-12-21 Sat 11:06
 11月にエアアジア・ジャパンから社名変更したバニラ・エアが、きのう(20日)、成田空港と那覇、台北を結ぶ路線で運航を開始しました。社名のバニラは、何かの略語かと思っていたのですが、「世界で広く知られ、香りで人をリラックスさせるバニラのような存在になりたい」とのことで、香料のバニラが由来だそうです。というわけで、きょうはバニラを取り上げたこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       ドミニカ・バニラの乾燥

 これは、1954年、英領ドミニカで発行された8セント切手で、バニラ・ビーンズの乾燥風景が描かれています。香料としてのバニラは、収穫されたバニラ・ビーンズの種子鞘の発酵と乾燥を繰り返すことで作られますが、今回ご紹介の切手はその過程を取り上げたものです。ちなみに、バニラはメキシコから中米にかけての地域が原産地とされていますが、年間生産量の第1位はインドネシア、2位はマダガスカルで、ドミニカ国は上位5ヵ国には入っていません。なお、ドミニカ国で生産される農産物としては、バナナを中心に、ココナツ、柑橘類が主要品目とされており、ここにもバニラは入っていません。まぁ、ドミニカ国でバニラが生産されていることは事実にちがいないのでしょうが、“特産品”とまで言って良いのかどうかは、微妙なところなのでしょう。

 さて、ドミニカ国(ドミニカ共和国とは別の国です。念のため)の領土となっているドミニカ島が西洋社会に知られるようになったのは、1493年、コロンブスが来島してからのことで、地名は、コロンブス来島の日が日曜日(ドミンゴ)だったことによります。

 当初、島にやってきたのはスペイン人が中心でしたが、1635年、フランスが植民地化。その後、英仏による植民地争奪の舞台となっていましたが、1805年、正式に英領植民地となりました。

 郵便に関しては、1845年、首都のロゾーに郵便局が開設されたのが最初で、当初は、切手は使用されず、"Paid at Dominica"の印が使われました。その後、1858年頃から英本国の切手が持ち込まれ、A07の抹消印が使われるようになります。英領ドミニカとしての最初の切手は1874年5月4日に発行されました。

 カリブ地域の島嶼部には、もともと、島嶼カリブと呼ばれる先住民の人々が住んでいましたが、スペイン人との戦闘により衰退し、17世紀にはドミニカ島とセント・ヴィンセント島だけとなっていました。このうち、ドミニカ島では、1903年、植民地政府が島北東部の海岸3700エーカーの土地をカリブ族に与え、“カリブ居留地”を設立していましたが、1930年9月、植民地政府の警察が“密輸品”としてカリブ族のアルコールとタバコを押収した事がきっかけで、大規模な衝突が発生。英海軍が鎮圧に乗り出し、カリブ族の首長を含む2人が死亡、多数が負傷する惨事が起きています。

 その後、1967年に英領西インド連合州の1州として自治を獲得し、1978年にイギリス連邦の加盟国として独立。これに伴い、新生ドミニカ国家は、カリブ居留地法により、カリブ族が暮らす地域に内部自治政府を設立し、現在にいたっています。

 さて、まだまだ鬼に笑われそうですが、来年8月1-3日、東京・墨田区で開催が予定されている<全日本切手展2014>では、“日・カリブ交流年(2014年)”にちなみ、特別企画としてカリブ切手展の併催を予定しています。今後も、同展の事前プロモーションを兼ねて、機会を見つけてカリブ諸国の切手をご紹介していきたいと考えておりますので、よろしくお付き合いください。


 ★★★  絵葉書と切手でたどる世界遺産歴史散歩  ★★★

 2014年1月11日・18日・2月8日のそれぞれ13:00-15:00、文京学院大学生涯学習センター(東京都文京区)で、「絵葉書と切手でたどる世界遺産歴史散歩」と題する講座をやります。(1月18日は、切手の博物館で開催のミニペックスの解説)

 新たに富士山が登録されて注目を集めるユネスコの世界遺産。 いずれも一度は訪れたい魅力的な場所ばかりですが、実際に旅するのは容易ではありません。そこで、「小さな外交官」とも呼ばれる切手や絵葉書に取り上げられた風景や文化遺産の100年前、50年前の姿と、講師自身が撮影した最近の様子を見比べながら、ちょっと変わった歴史散歩を楽しんでみませんか? 講座を受けるだけで、世界旅行の気分を満喫できることをお約束します。

 詳細はこちら。皆様の御参加を、心よりお待ちしております。


 ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★   

 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。次回開催は1月7日(原則第1火曜日)で、以後、2月4日と3月4日に開催の予定です。時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


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 日本の兵隊さん、本当にいい仕事をしてくれたよ。
 彼女はしわくちゃの手で、給水塔の脚をペチャペチャ叩きながら、そんな風に説明してくれた。(本文より)

 南方占領時代の郵便資料から、蘭印の戦跡が残る都市をめぐる異色の紀行。
 日本との深いつながりを紹介しながら、意外な「日本」を見つける旅。

 出版元特設ページはこちらです。また、10月17日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿南店で行われた『蘭印戦跡紀行』の刊行記念トークの模様が、YouTubeにアップされました。よろしかったら、こちらをクリックしてご覧ください。


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