内藤陽介 Yosuke NAITO
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 バルバドス最初の英雄
2014-04-28 Mon 15:41
 今日(28日)は、カリブ海の島国・バルバドスでは“国家英雄の日”の祝日です。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       ブッサ像

 これは、2007年、バルバドスが発行した奴隷制廃止200年の記念切手のうち、ブッサ像を取り上げた1枚です。

 1998年、バルバドス議会は、英領西インド連邦の初代首相にして独立以前の英自治領バルバドス政府の首相でもあったグラントレー・アダムスの生誕100周年を記念して、同国の歴史にとって重要な10人を“国家英雄”に指定し、アダムスの誕生日の4月28日を“国家英雄の日”に指定しました。今回ご紹介のブッサは、その10人の1人で、1816年の反乱の指導者として知られています。

 バルバドスでは、1650年代から、英国人によるサトウキビのプランテーション栽培が行われていました。当初、その労働力はアイルランド系の白人労働者が主でしたが、後に、アフリカからの黒人奴隷が労働力の中心を担うようになりました。

 今回ご紹介の切手に取り上げられているブッサもその一人で、18世紀末に西アフリカからバルバドスに連れてこられたということはわかっていますが、それ以上の詳細は分かっていません。 

 1807年、英本国では奴隷廃止法案が提出され、翌1808年、奴隷貿易は廃止されました。しかし、その後も植民地における奴隷の“密輸”はなくならなかったため、1815年、英領カリブ海地域の黒人奴隷を全員登録する(=登録されていない奴隷は“密輸”されたものとして所有を認めない)奴隷登録法案が提出されたものの、植民者側の反対でこの法案は廃案となりました。

 奴隷登録法案は、直ちに全奴隷の解放を保証するというものではなかったのですが、同法によって自分たちは解放されると誤解したバルバドスの奴隷たち約400名は、ブッサを指導者として、1816年4月14日のイースターを期して蜂起。島の南東部セント・フィリップ教区で放火と略奪が行われ、経済的な損失は17万5000ポンドにも及んだといわれています。

 叛乱は4月16日には鎮圧され、ブッサ本人も戦死。また、戒厳令が施行され、9月21日までに144名が処刑されましたが、事件が英当局に与えたインパクトは強烈で、以後、奴隷解放へ向けた動きが加速され、1834年には奴隷制の完全廃止が達せられました。

 ブッサの叛乱は、バルバドス史上最初にして最大の叛乱となったことから、ブッサは“バルバドス史上最初の英雄”として位置づけられました。今回ご紹介の切手に取り上げられている像は、1985年、島の南西部セント・マイケル教区のハガット・ヒルに建てられたものです。

 さて、ことしは、わが国とカリブ共同体(旧英領を中心にカリブの14か国1地域が加盟。バルバドスも加盟国です)の事務レベル協議開始後20年が経過した年であるとともに、ジャマイカならびにトリニダード・トバゴとの国交樹立50周年にもあたることから、“日・カリブ交流年”とされています。8月1-3日、東京・墨田区で開催が予定されている<全日本切手展2014>でも、これにちなみ、特別企画としてカリブ切手展を併催の予定です。今後も、同展の事前プロモーションを兼ね、機会を見つけて関連の切手をご紹介していきたいと考えておりますので、よろしくお付き合いください。
 

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 春節愉快 万事如意
2014-01-31 Fri 16:31
きょう(31日)は春節です。というわけで、午年の正式なスタートですから、馬の切手の中から、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

       バルバドス(1892)

 これは、1892年、英領バルバドスで発行された1ペニー切手で、英領バルバドスの紋章(シーホースの馬車に乗るヴィクトリア女王)が描かれています。

 バルバドスは、カリブ海の西インド諸島にある島国で、1536年に島を訪れたポルトガルのペドロ・カンポス一行が、この島に生える木の根(苔やつる草という説もあります)をヒゲに見立てて、ポルトガル語で“ヒゲの生えたもの”を意味する“Os Barbados”と命名したのが地名の由来です。

 バルバドスに最初にやってきた西洋人は、1500年に渡来したスペイン人でしたが、スペイン、ポルトガルによる植民地化は成功せず、1627年にセントキッツ島から来た英国人ジョン・パウエルの開拓団により、本格的な植民地化がスタートしました。

 英国がバルバドスを正式な領土とするのは、クロムウェル時代の1652年のことです。その後、1660年に王政が復活すると、国王チャールズ2世は、英国による海の覇権を象徴するものとして、シーホースの馬車に乗る国王の像をバルバドスの紋章としました。この紋章で馬車に乗る国王の姿は、時代に応じてさまざまに変更されましたが、ヴィクトリア女王が登場するのは1880年頃のことでした。
 
 さて、ことしは、わが国とカリブ共同体(旧英領を中心にカリブの14か国1地域が加盟)の事務レベル協議開始後20年が経過した年であるとともに、ジャマイカならびにトリニダード・トバゴとの国交樹立50周年にもあたることから、“日・カリブ交流年”とされています。8月1-3日、東京・墨田区で開催が予定されている<全日本切手展2014>でも、これにちなみ、特別企画としてカリブ切手展を併催の予定です。今後も、同展の事前プロモーションを兼ね、機会を見つけてカリブ諸国の切手をご紹介していきたいと考えておりますので、よろしくお付き合いください。
 
 
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