内藤陽介 Yosuke NAITO
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World Wide Weblog
 <PHILATAIPEI 2014>受賞結果速報
2016-10-24 Mon 18:06
      臺灣・乾杯(2009)

 21日から台湾・台北の台北世界貿易中心・展覽1館(台北ワールドトレードセンター展示ホール1)で開催中の世界切手展<PHILATAIPEI 2016>ですが、すべての作品の審査が終了し、本日(24日)午後、受賞結果が下記の通り発表されましたので、速報としてお伝えいたします。以下、リストのうち、出品者名は日本語表記、文献を除く作品名は英文でリスト記載のとおり、カッコ内は点数です。ただし、速報値ゆえ、誤りなどがありましたら、後日訂正いたしますので、ご容赦ください。

 ワールド・スタンプ・チャンピオンクラス 
 ・井上和幸 Japanese Post and Foreign Postal Activities in Korea 1876-1909
 一般競争出品
 ・和田輝洋 Japan Showa Issue 1937-1947 V(83)
 ・石澤司 Ryukyus Air Mail Stamps 1950-60 V(83)
 ・村山廣佑 Japanese Chrysanthemum Series 1899-1910 V(80)
 ・幡中民道 Chrysanthemum Issue of Japan LV(88)
 ・岩崎善太 Siam Classic LV(86)
 ・河野良一 Japan Old Koban Series 1876-1879 G(90)
 ・太田克己 Hand Engraved Stamps of Japan 1871-1876 G(91)
 ・多田由一 Nova Scotia Pence & Cents Issues 1851-1867 G(90)
 ・山崎文雄 Hawaii LG(95)
 ・大場光博 The Opening of China 1745-1897 G(90)
 ・小林彰 A Franco-Japanese Postal History 1860-1899, from opening ports to treaty revision V(81)
 ・山崎好是 The Japanese Couriers 1601-1873 LV(88)
 ・池田健三郎 Prompt Delivery in Japan as National Services LV(85)
 ・玉木淳一 Postal History of the Japanese Military Mail 1928-1945 LS(78)
 ・志水正明 Japanese Military Post from Sino-Japanese War to Russo Japanese War V(83)
 ・安藤源成 The U.S. Forces and Postal Censorship by General Headquarters in Japan LS(75)
 ・伊藤文久 German Inflation 1922-1923 LV(87)
 ・杉原正樹 Stamped Envelopes of Japan 1873-1908 G(91)
 ・福井和雄 Postal Cards of China 1897-1912 G(90)
 ・勝井明憲 A History of the Telephone - Telegraph to Digitalization G(91)
 ・長谷川純 The Hand Etched Documentary Revenue Stamps of Japan 1873-1874 G(90)
 ・須谷伸宏 japan Definitives: 1980-1988 V(83)
 (以下、文献)
 ・正田幸弘 『国際展物語 1965-2004』 S(71)
 ・切手文化博物館 『金井宏之コレクション 日本手彫切手』 G(94)+SP
 ・(株)鳴美 『てつゆう~梶原ノート』 LS(78)
 ・山崎好是 『飛脚と郵便』 LV(85)
 ・(株)鳴美 『昭和切手専門カタログ(改訂第3版)』 V(83)
 ・(公財)日本郵趣協会 『ビジュアル日本切手カタログVol.1-4』 V(81)
 ・(公財)日本郵趣協会 『<JAPEX2015>紀念出版 年賀郵便』 LS(78)
 ・(株)鳴美 『日本印紙カタログ 第6版』 V(82)

 あらためて、受賞された皆様には、心よりお祝いを申し上げます。

 なお、冒頭に掲げた画像は、2009年に台湾で発行されたグリーティング切手のうち、乾杯のグラスを描いた「おめでとう(congratulations)」の切手です。昨年の香港展の先例に倣い、今回の受賞者の皆様への祝杯の気持ちを込めて、類似の切手を持ってきてみました。


★★★ イヴェントのご案内 ★★★

 10月29日(土) 13:45-15:15 ヴィジュアルメディアから歴史を読み解く

 本とアートの産直市@高円寺フェス2016内・会場イヴェントスペースにて、長谷川怜・広中一成両氏と3人で、トークイヴェントをやります。入場無料ですので、よろしかったら、ぜひ遊びに来てください。(本とアートの産直市@高円寺については、主催者HPをご覧ください)


★★★ 講座のご案内 ★★★

 11月17日(木) 10:30-12:00、東京・竹橋の毎日文化センターにてユダヤとアメリカと題する一日講座を行います。詳細は講座名をクリックしてご覧ください。ぜひ、よろしくお願いします。 
 

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 リオデジャネイロの複雑な歴史や街並みを、切手や葉書、写真等でわかりやすく解説。
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 * 8月6日付『東京新聞』「この人」欄で、内藤が『リオデジャネイロ歴史紀行』の著者として取り上げられました!

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 “臺灣郵票”の復活なるか
2016-01-16 Sat 12:20
 台湾では、きょう(16日)、総統および立法院(国会)選挙の投開票が行われています。というわけで、こんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      台湾・義民節(賽神豬)

 これは、2008年に台湾で発行された“義民節”の切手のうち、賽神豬を取り上げた1枚です。ちなみに、賽神豬は、義民節のメイン・イベントともいうべき行事で、太らせた豚の重さを競い、順位を付けた後に豚を屠って飾りつけをし、山車に載せて町を練り歩くというものです。

 1949年、台湾に逃げ込んだ中国国民政府(以下、国府)は“大陸反攻”を呼号し、みずからが中国を代表する正統政権であると主張していましたが、この“中国”政府は、福建省沿岸の小島を除くと、中央政府と地方政府である台湾省政府の管轄が同じという異常な構造になっていました。

 このため、台北への“遷都”早々、国府は台湾での“地方自治”を実施し、県・市長を公選として県議会を開設したものの、省主席は官選という体裁を取っていました。これは、中華民国総統(蒋介石)が住民によって直接選挙されないにも関わらず、台湾省主席が公選されるということになると、台湾の人々にとっては省主席が総統よりも権威をもつことになるためです。“中央”と“地方”がほぼ同じサイズである以上、蒋介石としては台湾における自己の権力基盤を維持するためにも、そうした事態は何としても避けなければならなりませんでした。

 こうした異常事態は、1996年3月23日に住民の直接投票による総統選挙(李登輝が当選)が実施されるとその根拠を失い、1997年の憲法改正では地方政府としての台湾省の機能が停止される(台湾の本土化)ことで、とりあえずは解消されます。

 こうした経緯を経て2000年の総統選挙で民主進歩党(民進党)の陳水扁が当選すると、2002年以降、中国ないしは中華の名称を台湾へと置き換え、台湾の存在を“中国の一部”から“中国(大陸)とは別個の地”に代えることを目標とする台湾正名運動が本格化することになります。

 その一環として、陳水扁政権2期目の2007年2月12日、台湾の郵政機関である中華郵政公司が台湾郵政公司に社名変更された。そして、これに伴い、同年2月28日に発行の“二・二八国家記念館”の記念切手から、切手上の国名表記も、それまでの“中華民國郵票/REPUBLIC OF CHINA”から“臺灣/TAIWAN”に変更されています。

 なお、“臺灣”表示の最初の切手の題材が、外省人による本省人抑圧の象徴ともいうべき二・二八事件を主題とする“二・二八国家記念館”であった背景には、野党・国民党の旧悪を指摘し、政権基盤を強化しようという政治的な思惑があったことは言うまでもありません。じっさい、同記念館の開館記念式典において、陳水扁は「政府はこれまで(二・二八事件の)被害者や家族に補償する一方、首謀者の責任は追及してこなかった。国民党は責任を台湾における共産党に押し付け、最近は役人の抑圧が民衆の反逆を引き起こしたと説明しているがこれも責任回避だ」と指摘し、国民党を批判しています。

 こうして発行されることになった“臺灣”表示の切手でしたが、“二・二八国家記念館”からおよそ1年後の2008年3月22日の総統選挙で、台湾独立を否定し、“中華民国”体制の現状維持を主張する国民党の馬英九が与党民進党の謝長廷・元行政院長を破って当選すると、再び見直しが検討されることになります。

 すでに、選挙期間中から馬は、切手上の国名表記を“臺灣”から“中華民國”に戻すことを公約の一つとして掲げていましたが、当選後は、5月20日の就任式にあわせて発行される予定だった“中華民國第十二代総統副総統就職紀念”の原画で、切手の国名表示が“臺灣”となっていたことに対して早速クレームをつけています。

 すなわち、就任式に先立つ4月8日、切手の原画を見せられた次期総統の馬と次期副総統の蕭萬長は、2007年の中華郵政公司から台湾郵政公司への社名変更に際しては、同公司設置の根拠法である「中華郵政公司条例」が改正されておらず、“台湾(郵政)”の名称で郵便事業を行うには疑義があると指摘。これを受けて、台湾郵政は就任式にあわせての切手発行を見合わせるとともに、馬・蕭とも相談の上、後日、“中華民國”表示の切手を発行することで両者の了解を得ました。

 一方、行政院発言人の謝志偉は「関係法令によれば、切手の発行には、台湾郵政が行政院に図案を送り査定を受ける必要がある。現時点では図案はまだ行政院に届けられておらず、図案が届けられてから行政院長の張俊雄が台湾郵政の文書や状況などから判断して最終的に決裁することになる」との趣旨のコメントを発表しましたが、同時に「彼らは選挙前には絶えず“台湾”と言っていたのに、選挙が終わった途端に“台湾”を用済みと捨てている。馬英九のこのようなやり方は、与野党両方の支持層をいたく悲しませるものだ」として馬・蕭に対する不快感をあらわにしています。

 結局、切手上の国名表記問題に関しては、新政権発足後の5月28日、交通部は、すでに“臺灣/TAIWAN”表示での印刷を終えていた切手はそのまま発行するものの、8月1日に台湾郵政公司の取締役会を開いたうえで、中華郵政公司への社名の再変更を決議し、8月20日に発行の“義民節”の切手(今回ご紹介の切手です)から“中華民國郵票”表示を復活させると発表。問題となっていた“中華民國第十二代総統副総統就職紀念”の切手も、9月12日、“中華民国郵票”との国名表示を入れて発行するということで決着しました。ただし、復活した“中華民國郵票”表示の切手も、ローマ字での国名表示に関してはかつての“REPUBLIC OF CHINA”がそのまま復活したわけではなく、“REPUBLIC OF CHINA (TAIWAN)”として台湾の本土化という現実を反映したものとなっています。

 ところで、“中華民國郵票”表示が復活した最初の切手の題材が“義民節”であるという点は注目しておきたいところです。

 清朝の時代、臺灣では、大陸から派遣された官吏に抵抗する民衆蜂起が何度か発生。その際、身長との戦いで命を落とした人々は“義民”として、各地の義民廟に祀られました。そうした義民の祭祀は、もともと、客家系の人々の間では旧暦11月9日に行われていましたが、後に、中元節の“中元普渡(衆生を済度する行事)”に合わせて旧暦7月20日に行われるようになり、これが、改められ、現在の義民節となっています。したがって、大陸の支配に対する先住民の抵抗をたたえるお祭りとしての義民節の切手をあえて選んで“中華民國”表示の切手を復活させた背景には、“台湾”の独立傾向は何が何でも封じ込めようという、強固な意志が感じられます。

 さて、今回の選挙では、総統選挙は台湾独立志向の最大野党・民進党、蔡英文候補の当選が確実視されています。台湾の将来は台湾の人々の意思によって決められるべきですが、歴史的に見ると、台湾が“中国”の一部というという主張には全く根拠がなく、台湾では、歴史上、中国大陸と同一の切手が使われたことさえなかったことは、このブログでも繰り返しご説明している通りで、その意味では、ぜひ、新総統には“臺灣”切手を復活させていただきたいものです。
 

 ★★★ 展示イベントのご案内 ★★★

 第7回テーマティク出品者の会切手展 1月17-20日(日ー水。ただし、18日は休館)
 於・切手の博物館(東京・目白)

 テーマティク出品者の会は、テーマティクならびにオープン・クラスでの競争展への出品を目指す収集家の集まりで、毎年、全国規模の切手展が開催される際には作品の合評会を行うほか、年に1度、切手展出品のリハーサルないしは活動成果の報告を兼ねて会としての切手展を開催しています。僕も、昨年の香港展に出品した香港の歴史のコレクションを展示します。入場は無料ですので、ぜひ、遊びに来てください。(詳細はこちらをご覧ください)

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ 

       ペニーブラック表紙 2350円+税

 【出版元より】
 若く美しい女王の横顔に恋しよう!
 世界最初の切手
 欲しくないですか/知りたくないですか

 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。

 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。

 ★★★ 内藤陽介の新刊  『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ 

       アウシュヴィッツの手紙・表紙 2000円+税

 【出版元より】
 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。

 出版元のサイトはこちら。各書店へのリンクもあります。

 インターネット放送「チャンネルくらら」にて、本書の内容をご紹介しております。よろしかったら、こちらをクリックしたご覧ください。

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 明日から台北國立故宮博物院展
2014-06-23 Mon 14:13
 あす(24日)から、東京国立博物館で特別展「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」 がスタートします。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      故宮名品・グリーティング

 これは、2013年11月22日、台湾が発行した“故宮古物”の普通切手(グリーティング)で、台北の國立故宮博物院を代表する名品4点が田型で取り上げられています。

 切手に取り上げられている“古物”は以下の通りです。

 ・翠玉白菜(左上):半分が白、半分が緑のヒスイ輝石を原石とし、空洞などの欠陥箇所を活かして、バッタとキリギリス(多産の象徴とされる)がとまった白菜の形に彫刻したもので、高さ19センチ。もともとは、清朝・光緒帝(在位1875-1908年)の妃であった瑾妃の持参品と考えられています。

・蓮花式温碗(右上):國立故宮博物院が所蔵する21点の汝窯の製品のうち、最高傑作とされる1点で、高さ10.3センチ、足径センチ。汝窯は、北宋(960-1127年)の時代に官窯(朝廷の直轄窯)に指定された窯で、特有の青釉薬を使用し、淡い青色の表面に細かな貫入が入った青磁として有名です。

・肉形石(左下):瑪瑙の持つ赤と白の縞目で豚バラの角煮の赤身と脂身の層を再現した宝飾品。翠玉白菜と並ぶ清代工芸の傑作とされています。

・毛公鼎(右下):1843年、陝西省岐山県で出土した青銅の礼器で、胴内には、名分としては世界最長の32行、500文字が刻まれています。

 さて、台北の國立故宮博物院は、国共内戦の末期、蒋介石の国民党政権が台湾へと撤退する際に北京の故宮博物院から精選して運び出された美術品が主に展示されており、その数が合計60万8985 件冊にも及ぶことから世界4大博物館のひとつに数えられています。

 中華人民共和国(以下、中共)は、台湾が自国の領土であるという根拠のない妄想を現在なお放棄しておらず、台湾が事実上の独立国であるという現実を示す表現には倦むことなくクレームをつけています。わが国の主要メディアにおいて、そうした侵略者の意向を過度に忖度するあまり、“台湾政府”、“中華民国”、“台湾の国民”といった表現を使わないという自主規制が設けられています。

 そうした中共のことですから、國立故宮博物院の文物は国民党によって海外に不正に持ち出された国家財産であるという主張を撤回しておらず(共匪という言葉もある通り、現実には、連中こそが中国大陸を暴力によって不法に占拠し、人民を抑圧し続けている強盗集団でしかないと思うのですが…)、これまで、國立故宮博物院の文物が海外に出展される場合には、展示開催国に対して“返還”を請求する恐れがありました。そこで、2011年、わが国では海外美術品等公開促進法を施行し、中国側からの請求に基づく差し押さえを防ぐための法的根拠を整えたことで、今回の展覧会が開かれることになったというわけです。

 そうした経緯を考えるのなら、今回の展覧会については、何が何でも“台北國立故宮博物院”との正式名称を使い続けることで、アジア最悪のファシスト国家の理不尽な圧力には絶対に屈しないぞという姿勢を国民こぞって示すべきだと思うのですが、あろうことか、メディア各社の制作した展覧会ポスターなどからは肝心の“國立”の文字が削除されていたことが発覚。台湾側から抗議を受け、一時は展覧会の開催も危ぶまれるという事件がありました。ちなみに、開催場所の博物館が制作したポスターには、当初から、しっかり“國立”の文字が入っていたそうです。

 まぁ、この件に関しては、本日未明までに東京都内の駅などに掲示されている「国立」の文言のないポスターに紙を貼るなどして修正作業をして対応することで決着したということですが、こうしたことが、友好国である台湾の国民を失望させているか、もっと真剣に考えなければなりますまい。


 ★★ 講座「切手を通して学ぶ世界史:第一次世界大戦から100年 」のご案内 ★★ 

       中日・講座チラシ    中日・講座記事

 7月18日・8月29日・9月19日の3回、愛知県名古屋市の栄中日文化センターで、第一次大戦100年の企画として、「切手を通して学ぶ世界史」と題する講座を行います。

 講座では、ヨーロッパ、中東、日本とアジアの3つの地域に分けて、切手や絵葉書という具体的なモノの手触りを感じながら、フツーとはちょっと違った視点で第一次世界大戦の歴史とその現代における意味を読み解きます。

 詳細は、こちらをご覧ください。

 * 左の画像は講座のポスター、右は講座の内容を紹介した5月20日付『中日新聞』夕刊の記事です。どちらもクリックで拡大されますので、よろしかったらご覧ください。
 

 ★★★ 『外国切手に描かれた日本』 電子書籍で復活! ★★★

      1枚の切手には 思いがけない 真実とドラマがある

    外国切手に描かれた日本(表紙)     外国切手に描かれた日本(ポップ) 

    光文社新書 本体720円~

 アマゾン紀伊国屋書店ウェブストアなどで、6月20日から配信が開始されました。よろしくお願いします。(右側の画像は「WEB本の雑誌」で作っていただいた本書のポップです)


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 台湾で感謝の植樹
2012-04-14 Sat 17:10
 きょう(14日)、台南市政府などの主催により、烏山頭ダム整備に尽力した日本人技師・八田與一を記念して昨年オープンした八田與一記念公園で、東日本大震災に対する台湾の支援に謝意を伝えるために訪台した日本人ら約380人も参加して、桜の植樹式典が行われました。というわけで、きょうは、桜を描いた台湾切手のご紹介です。(画像はクリックで拡大されます)

        阿里山森林鉄道

 これは、2011年12月25日に発行された「阿里山森林鉄路100年」の小型シートで、シート上方の25NTドル切手には、桜の花の下を走るSLが描かれています。阿里山は台湾では桜の名所として知られており、3-4月の桜の季節には、森林鉄路は阿里山=神木間の(神木線)で臨時列車を増発します。25NTドル切手はそのイメージを表現したものと思われます。なお、切手に描かれているSLは、観光列車として現在なお現役で運行されています。ちなみに、シート下部の5NTドル切手は、第一号トンネルと機関車・阿里山号の列車を描いています。

 阿里山森林鉄路は、日本統治時代に阿里山のタイワンベニヒノキなどの森林資源輸送を目的として1906年から建設が開始された鉄道で、1908年にまず平地部分の嘉義=竹頭崎(現・竹崎)間が完成しました。その後、1912年に二萬平まで延伸され、1914年に沼の平(現・沼平)まで延伸されたことで、現在の本線部分が全線開通しています。

 インドのヒマラヤ鉄道、チリからアルゼンチンまでのアンデス鉄道とともに世界三大登山鉄道のひとつと称され、渓谷を見下ろす雄大な風景や走行中の標高の違いによる森林の変化などが楽しめるため、多くの観光客を魅了しています。ただし、登山鉄道の宿命として倒木や土砂崩れなどによる事故が発生することもしばしばで、2011年4月には倒木による脱線事故が圧制したため、線路の点検や危険な樹木の伐採、防護柵の設置などの安全対策のため、一時、全線が運休していました。また、嘉義線の嘉義=奮起湖間は2008年の台風13号により施設が被災した影響で現在なお運行が再開されていないほか、奮起湖=神木間は大規模な土砂崩れが2ヵ所で起こった影響で、迂回のためのトンネル工事が行われていることもあり、運行再開は早くて2014年の予定だそうです。

 さて、今回の台湾での桜の植樹には、八田與一が石川県河北郡花園村(現金沢市)の出身ということで、石川県選出の森喜朗(元首相)が「台湾の人々の真心のこもった震災支援に心から感謝する。桜が日台の絆をますます強くしてくれるよう願っている。」とあいさつしたそうですが、まさに多くの日本国民の思いを代弁したものといえましょう。

 桜を通じた友好親善といえば、ワシントンの桜が今年で100年ということがメディアでも大々的に取り上げられたばかりですが、それと比べて、今回の台湾での植樹があまりクローズアップされていないように見えるのは残念なことです。まさか、「桜は日本による侵略戦争のシンボルだ」などという妄言をまき散らす連中の国に配慮した結果ではないのでしょうが、もしもそうだとしたら、実に暗澹たる気分になりますな。


 ★★★ 内藤陽介、カルチャーセンターに登場 ★★★
   
 下記の通り、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)で一般向けの教養講座を担当します。

・よみうりカルチャー柏
 4月24日、5月22日、6月26日、7月24日、8月28日、9月25日
 (毎月第4火曜日)13:30~15:30

 切手でたどる昭和史

 詳細につきましては、各講座名(青色)をクリックしてご覧いただけると幸いです。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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 台湾の独自性⑧
2009-11-18 Wed 10:13
 ご報告が遅くなりましたが、雑誌『東亜』の2009年11月号ができあがりました。3ヶ月に1回のペースで僕が担当している連載「郵便切手の歴史に見る台湾の独自性」は今回が最終回。というわけで、こんなマテリアルを取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)

 馬総統

 これは、昨年(2008年)9月に発行された“中華民国第十二代総統副総統就職紀念”の切手です。

 1949年、台湾に逃げ込んだ国府は“大陸反攻”を呼号し、みずからが中国を代表する正統政権であると主張します。もっとも、この“中国”政府は、福建省沿岸の小島を除くと、中央政府と地方政府である台湾省政府の管轄が同じという異常な構造になっていました。

 このため、台北への“遷都”早々、国府は台湾での“地方自治”を実施し、県・市長を公選として県議会を開設したものの、省主席は官選という体裁を取っていました。これは、中華民国総統(蒋介石)が住民によって直接選挙されないにも関わらず、台湾省主席が公選されるということになると、台湾の人々にとっては省主席が総統よりも権威をもつことになるためす。“中央”と“地方”がほぼ同じサイズである以上、蒋介石としては台湾における自己の権力基盤を維持するためにも、そうした事態は何としても避けなければならなりませんでした。

 こうした異常事態は、1996年3月23日に住民の直接投票による総統選挙(李登輝が当選した)が実施されるとその根拠を失い、1997年の憲法改正では地方政府としての台湾省の機能が停止される(台湾の本土化)ことで、とりあえずは解消されます。

 こうした経緯を経て2000年の総統選挙で民主進歩党(民進党)の陳水扁が当選すると、2002年以降、中国ないしは中華の名称を台湾へと置き換え、台湾の存在を“中国の一部”から“中国(大陸)とは別個の地”に代えることを目標とする台湾正名運動が本格化することになります。

 その一環として、陳水扁政権2期目の2007年2月12日、台湾の郵政機関である中華郵政公司が台湾郵政公司に社名変更された。そして、これに伴い、同年2月28日に発行の“二・二八国家記念館”の記念切手から、切手上の国名表記も“中華民国郵票/REPUBLIC OF CHINA”(図1)から“台湾/TAIWAN”に変更されています。

 なお、“台湾郵政”表示の最初の切手の題材が、外省人による本省人抑圧の象徴ともいうべき二・二八事件を主題とする“二・二八国家記念館”であった背景には、野党・国民党の旧悪を指摘し、政権基盤を強化しようという政治的な思惑があったことは言うまでもありません。じっさい、同記念館の開館記念式典において、陳水扁は「政府はこれまで(二・二八事件の)被害者や家族に補償する一方、首謀者の責任は追及してこなかった。国民党は責任を台湾における共産党に押し付け、最近は役人の抑圧が民衆の反逆を引き起こしたと説明しているがこれも責任回避だ」と指摘し、国民党を批判しています。

 こうして発行されることになった“台湾”表示の切手でしたが、“二・二八国家記念館”からおよそ1年後の2008年3月22日の総統選挙で、台湾独立を否定し、“中華民国”体制の現状維持を主張する国民党の馬英九が与党民進党の謝長廷・元行政院長を破って当選すると、再び見直しが検討されることになります。

 すでに、選挙期間中から馬は、切手上の国名表記を“台湾”から“中華民国”に戻すことを公約の一つとして掲げていたが、5月20日の就任式にあわせて発行される予定だった“中華民国第十二代総統副総統就職紀念”の切手の国名表示が“台湾”となっていたことに対しては、早速クレームをつけています。

 すなわち、就任式に先立つ4月8日、切手の原画を見せられた次期総統の馬と次期副総統の蕭萬長は、2007年の中華郵政公司から台湾郵政公司への社名変更に際しては、同公司設置の根拠法である「中華郵政公司条例」が改正されておらず、“台湾(郵政)”の名称で郵便事業を行うには疑義があると指摘。これを受けて、台湾郵政は就任式にあわせての切手発行を見合わせるとともに、馬・蕭とも相談の上、後日、“中華民国”表示の切手を発行することで両者の了解を得ました。

 一方、行政院発言人の謝志偉は「関係法令によれば、切手の発行には、台湾郵政が行政院に図案を送り査定を受ける必要がある。現時点では図案はまだ行政院に届けられておらず、図案が届けられてから行政院長の張俊雄が台湾郵政の文書や状況などから判断して最終的に決裁することになる」との趣旨のコメントを発表しましたが、同時に「彼らは選挙前には絶えず“台湾”と言っていたのに、選挙が終わった途端に“台湾”を用済みと捨てている。馬英九のこのようなやり方は、与野党両方の支持層をいたく悲しませるものだ」として馬・蕭に対する不快感をあらわにしています。

 結局、切手上の国名表記問題に関しては、新政権発足後の5月28日、交通部は、すでに“台湾/TAIWAN”表示での印刷を終えていた切手はそのまま発行するものの、8月1日に台湾郵政公司の取締役会を開き、中華郵政公司への社名の再変更を決議し、8月20日に発行の“義民節”の切手から“中華民国郵票”表示を復活させると発表。かくして、9月12日、“中華民国郵票”との国名表示を入れた“中華民国第十二代総統副総統就職紀念”の切手がようやく発行されました。

 ただし、復活した“中華民国郵票”表示の切手も、ローマ字での国名表示に関してはかつての“REPUBLIC OF CHINA”がそのまま復活したわけではなく、“REPUBLIC OF CHINA (TAIWAN)”として台湾の本土化という現実を反映したものとなっています。

 さて、冒頭にでも申し上げましたが、『東亜』の連載「郵便切手の歴史に見る台湾の独自性」は今回が最終回となります。この連載を通じて、台湾が“中国”の一部同一という主張には全く根拠がなく、台湾では、歴史上、中国大陸と同一の切手が使われたことさえなかったことをご紹介してきました。台湾の将来については台湾の人々の意思によって決められるべきですが、彼らの意に沿わない形での“中国”への併呑という事態が生じることのないよう、われわれ日本人もサポートしていくべきではないかと思います。2年間お付き合いいただきありがとうございました。

 * さきほど、カウンターが61万PVを超えました。いつも、遊びに来ていただいている皆様には、この場をお借りして、改めてお礼申し上げます。

 ★★★ 出版記念パーティーのご案内 ★★★

 『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』の刊行を記念して、ルーマニア民主革命20周年の記念日にあたる12月22日、下記のとおり出版記念パーティーを開催いたします。ちょっと変わったオフ会あるいは忘年会としていかがでしょうか。当日は、僕のトークのほか、楽しいアトラクションを予定しております。

 ・日時 2009年12月22日 18:30~

 ・会場 レストラン・ルーマニア(本格的ルーマニア料理のレストランです)
     *東京都中野区本町1-32-24(東京メトロおよび都営地下鉄中野坂上駅1分)
      tel: 03-5334-5341 地図などはこちらをご覧ください。

 ・会費 7000円(『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』1冊つき)
     *当日会場にてお支払いをお願いいたします。

 ・参加ご希望の方は、12月18日までにキュリオマガジン編集部まで、電子メール(info@fujimint.com)にてお申し込みください。たくさんの方々のお越しを心よりお待ちしております。
 

 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★

 『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行:ルーマニアの古都を歩く』

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 全世界に衝撃を与えた1989年の民主革命と独裁者チャウシェスクの処刑から20年
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