内藤陽介 Yosuke NAITO
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 デング熱に気をつけよう
2014-08-28 Thu 17:38
 昨日(27日)、埼玉県内に住む10代後半の女性が、東南アジアや中南米で流行しているデング熱に感染し手いたことが明らかになりました。女性は海外への渡航歴がなく、国内で感染したとみられています。海外渡航者の感染は毎年200人程度確認されていますが、渡航歴がない人の国内での感染確認は約70年ぶりなのだとか。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ワリス・フテュナ デング熱

 これは、2004年に南太平洋のフランスの海外準県、ワリス・フテュナで発行されたデング熱予防キャンペーンの切手が4種収められた小型シートです。原画はいずれも地元の子供たちが書いた児童画ですが、なかなかインパクトがありますな。

 切手を発行したワリス・フテュナは、南太平洋のハワイからニュージーランドまでの中間よりややハワイ寄りの地点にある環礁で、 その名の通り、ウォリス諸島とフツナ諸島に分かれます。このうち、ウォリス諸島はウォリス・フツナの中核をなすウベア島(ウォリス島)と周囲の小さなサンゴ礁からなり、フテュナ諸島はフテュナ島とアロフィ島から構成されています。主要3島はいずれも火山性の島です。

 もともと、この地域には、ウベア島のウベア、フテュナ島のシガベ、アロフィ島のアロの3つの首長国が存在していましたが、1616年、オランダのJ・ル・メールがヨーロッパ人として初めてフテュナ島に到来。ついで、1767年には英国のサミュエル・ウォリスがウベア島(ウォリス島)に到来しました。

 その後、1837年にフランス人の宣教師が上陸し、島民のカトリックへの布教を進めましたが、1842年、先住民たちの間で内戦が発生。これを機に、一部の先住民がフランス人に保護を求めたことから、フランスの影響が強まり、1887年、ウベア島の女王が公式にフランス保護領となる条約に調印。これに続いて、シガベとアロの王も1888年にフランスの保護領となる条約に調印し、3王国はフランスのニューカレドニア植民地の管理下に置かれることになりました。これを受けて、1905年、ニューカレドニア切手に地名を加刷した最初の切手が発行されています。

 第一次大戦中の1917年、3王国はフランスに併合され、ニューカレドニア管轄下の仏領ワリス・フテュナに再編成されます。第二次世界大戦後の1958年、フランス第5共和政が発足すると、翌1959年、ワリス・フテュナでも住民投票が行われ、その結果、1961年にフランスの海外領土に昇格。さらに、2003年には海外準県に移行しました。

 さて、70年ぶりに国内での感染者が見つかったというデング熱は、熱帯や亜熱帯に生息するヒトスジシマカなどがデングウイルスを媒介して感染する病気で、蚊に刺されて1週間前後、人によっては2週間ほどの潜伏期間を経て発熱。頭痛、関節痛、腹痛などが続くものの、通常は1週間で回復します。ただし、重症の“デング出血熱”になった場合には、稀に死亡することもあるそうです。予防ワクチンが存在しないので未然に感染を防ぐことが重要で、今回ご紹介の切手も、病気予防のための注意を喚起するような内容となっています。

 もっとも、厚生労働省によれば、「デング熱は人から人への直接の感染はなく、発症しても重症化することはまれ」だそうですから、同省が呼び掛けている通り、70年ぶりという言葉に過剰反応せず、冷静に対応すればそれで十分ということなのでしょう。まぁ、12月に開催の世界切手展<MALAYSIA 2014>でクアラルンプールに行く際には、念のため、虫よけスプレーと蚊取り線香をスーツケースの中に入れておくのを忘れないようにはしますが。
  
     
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