内藤陽介 Yosuke NAITO
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 3000人のタヒチアンダンス
2016-02-01 Mon 12:16
 仏領ポリネシア・タヒチ島のパパラで、現地時間の30日、2980人が一斉にタヒチ伝統のダンス“オリタヒチ”を披露し、一度に踊った人数で世界記録に挑戦しました。ちなみに、現在の世界記録は、メキシコでの1539人です。というわけで、きょうはこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      仏領ポリネシア・タヒチダンス(1977)

 これは、1977年に仏領ポリネシアで発行されたオリタヒチの切手です。

 近代以前のポリネシアでは文字の文化がなかったため、人々はコミュニケーションや民族の歴史を記録(記憶)・伝承するための手段としてダンスが重要視されていました。古典的なタヒチの伝統舞踊としては、元々は戦士など、男たちの踊りだったと推測されているオテア、踊り手が手で歴史を語るアパリマ、男女が輪になって踊り、同じフレーズを合唱するヒヴィナウ、男女が輪の中で掛け声に合わせて踊るパオアなどがあります。ちなみに、アパリマのアパは「話」、リマは「手」を意味するタヒチ語で、直訳すると“手話”の意味になりますが、このことは、タヒチにおけるダンスの意味づけを端的に示しているといえましょう。

 しかし、1797年、 ロンドン伝道協会の宣教師がタヒチに上陸。以後、キリスト教が島内に次第に浸透していきます。さらに、1842年、タヒチがフランスの保護領となると、キリスト教宣教師の圧力によって、タヒチの伝統舞踊は官能的で反道徳的であるとの理由から公の場で踊ることを禁じられました。

 その後も、タヒチの人々は、フランス当局の目を盗んで密かに伝統文化を継承していましたが、1895年以降、“オリラア・タヒチ”の名の下、女性は肌を見せない長いドレスを、男性は長袖に長ズボンを履くなどの条件の下、タヒチのダンスはフランス革命の記念イベントの一部として認められるようになります。タパやモレなどの伝統衣裳を身につけての舞踊が全面的に解禁されたのは、20世紀以降のことです。

 その後、1950年代に入ると、女性舞踏家のモウアが伝統文化の継承を目的として、ダンス集団“ヘイヴァ”を結成。これ以降、伝統舞踊を公の場で披露する機会が飛躍的に増え、文化としての伝統舞踊は完全に復活。1984年以降、毎年7月には、“ヘイヴァ・イ・タヒチ”という大規模なダンスのお祭りが行われるようになりました。


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 ゴーギャンの絵画360億円に
2015-02-09 Mon 22:53
 ポール・ゴーギャンの絵画“Nafea Faa Ipoipo(ナファエ・ファア・イポイポ。以下、「いつ結婚するの?」”が、7日(現地時間。日本時間8日)、ニューヨークのオークションで、絵画史上最高額となる3億ドルで落札されました。落札者は非公開ですが、カタール王室関係者とみられています。なお、これまでの最高値は、同じくカタール王室関係者による、ポール・セザンヌの「カード遊びをする人々」(2億5000万ドル)でした。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      仏領オセアニア・ゴーギャン(いつ結婚するの?)

 これは、1953年に仏領オセアニア(現・仏領ポリネシア)に発行された航空切手で、今回、3億ドルで落札された「いつ結婚するの?」が取り上げられています。なお、切手の刷色は、実物とはかなり色が違っていますので、実物(を撮影した絵葉書)の写真も下に貼っておきましょう。

      ゴーギャン・いつ結婚するの?(原畫)

 「いつ結婚するの?」は、1891年4月から1893年6月までの、ゴーギャンの“第1次タヒチ滞在期”に制作された作品で、タイトルは、画面後ろの女性が、前面の前かがみの女性にかけた言葉だと言われています。なお、この作品は発表当初から評価が高く、1893年の帰国後、画商デュラン=リュエルのパリの画廊で開催されたゴーギャンの個展の出品作品中に、最高値の1500フランがついたそうです。

 なお、今回ご紹介の切手は、ネットのオークションだと、おおむね5000円前後の値段がついています。まぁ、安い切手とはいえないかもしれませんが、全く手の届かない稀品ということではなさそうです。その意味では、身近に美術を楽しむことができるのも、切手の魅力の一つといってもいいのかもしれません。


 ★★★ 講座「切手と郵便物に刻まれた“終戦”」(2月20日)のご案内 ★★★ 

       ミズーリの消印

 2月20日13:00~14:30、愛知県名古屋市の栄中日文化センターで、「切手と郵便物に刻まれた“終戦”」と題する講座を行います。

 2015年は第二次世界大戦の終戦から70周年にあたります。終戦の年の1945年はあらゆる意味で社会が激変した年ですが、その影響は切手や郵便物にもさまざまな痕跡を残しています。今回の講座では、当時の切手や郵便物を読み解いていくことで、一般の歴史書では見落とされがちな終戦の諸相を、具体的なモノの手触りとともに明らかにしてみたいと思っています。

 詳細は、こちらをご覧ください。(画像は、日本の降伏文書調印が行われた米軍艦ミズーリ号から降伏文書調印日に差し出された郵便物の一部分です) 

 
 ★★★ よみうりカルチャー荻窪の講座のご案内 ★★★

 毎月1回(原則第1火曜日:3月3日、3月31日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。

 ・イスラム世界を知る 時間は15:30-17:00です。

 次回開催は3月3日で、途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊  『朝鮮戦争』好評発売中! ★★★ 

        朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各電子書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

 *8月24日付『讀賣新聞』、韓国メディア『週刊京郷』8月26日号、8月31日付『夕刊フジ』、『郵趣』10月号、『サンデー毎日』10月5日号で拙著『朝鮮戦争』が紹介されました!


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