内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ギュンター・グラス死去
2015-04-14 Tue 12:24
 ノーベル賞を受賞したドイツの作家で『ブリキの太鼓』などで知られるギュンター・グラスが、きのう(13日)、ドイツ北部のリューベックの病院で亡くなりました。享年87歳。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        ポーランド・ダンツィヒ加刷

 これは、自由都市ダンツィヒ(現ポーランド領グダニスク)のポーランド局で使用するため、1925年、ポーランド本国切手に加刷して発行された切手です。

 ダンチヒグダニスク湾に臨む港湾都市で、第一次大戦以前はドイツ帝国の支配下に置かれていました。大戦後のヴェルサイユ条約により、ダンツィヒは国際連盟の保護下で独自憲法を制定すること、ポーランド関税領域に組み込むことなどが定められ、1920年11月15日、“自由都市ダンツィヒ”の成立が宣言されました。

 この時、自由都市の範囲とされたのは、ポーランド回廊と東プロイセンに挟まれた地域で、ダンツィヒ(グダニスク)の都市部分とツォポット、ティーゲンホーフ、ノイタイヒ等の252の村と63の村落が含まれています。人口の90%はドイツ系で、残りはカシューブ系(ポーランドの西スラブ系少数民族)、ポーランド系でした。

 その後、1939年9月1日、ドイツのポーランド侵攻によりダンツィヒはドイツに編入されますが、第二次大戦後はポーランド領グダニスクとなり、現在に至っています。ちなみに、グラスは1927年、自由都市時代のダンツィヒでドイツ人の父とカシューブ人の母の間に生まれ、代表作の『ブリキの太鼓』を含め、その作品の舞台にはしばしばダンツィヒが用いられています。

 自由都市としてのダンツィヒは、1921年からドイツに占領される1939年まで、独自の切手を発行していましたが、その自由都市の郵政とは別に、上記のような事情から、ダンツィヒ港(グダニスク港)にはポーランドの郵便局が設けられており、独自の切手が発行されていました。ポーランド局の切手は、1925年1月5日、本国切手に“PORT GDANSK(グダニスク港)”の加刷を施して発行されたモノ(今回ご紹介の切手はその1枚です)が最初で、以後、同様の加刷切手が中心でした。

 なお、ダンツィヒにおけるポーランド郵便局の局舎は、各地を転々とした後、1930年、旧市街のヘフェリウス通りに局舎が完成。郵便業務だけではなく、この地におけるポーランドの情報活動の拠点としても用いられていました。こうしたこともあって、1939年9月1日のドイツ軍侵攻時には激戦の舞台となり、現在は史跡として保存されています。

 ちなみに、『ブリキの太鼓』には、主人公オスカル・マツェラーとの母、アグネスの従兄でオスカルの実父ではないかとされるヤン・ブロンスキーは、ダンツィヒのポーランド局に勤めていたという設定になっています。この点について、日本語の文献では、“ポーランド人専用郵便局に勤める”と説明されていることがしばしばありますが、他の地域の外国局が国籍のいかんにかかわらず、誰でも自由に利用できたのと同様、ダンツィヒのポーランド局も“ポーランド人専用”ではありませんでした。


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