内藤陽介 Yosuke NAITO
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 小さな世界のお菓子たち:綿あめ・リンゴあめの切手
2018-04-05 Thu 01:18
 大手製菓メーカー(株)ロッテの季刊広報誌『Shall we Lotte(シャル ウィ ロッテ)』の第39号(2018年春号)ができあがりました。僕の連載「小さな世界のお菓子たち」では、今回は、こんな切手を取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)

      フランス・移動遊園地切手帳

 これは、2017年にフランスが発行した“移動遊園地”の切手帖です。

 中世のヨーロッパで収穫祭などの祝祭にあわせて市が開かれると、その傍らに移動式の遊具施設などを並べた“キルメス”が設けられることがありました。これが、現在の遊園地のルーツとされています。

 1843年にコペンハーゲンで開園したチボリ公園を皮切りに、ある特定の土地に固定した常設の遊園地が各地に作られますが、その後も、期間限定の移動遊園地はなくなりませんでした。

 フランスでは、現在でも“行商のお祭り”を意味する“La fête foraine”の名で、各地を巡回する移動遊園地が残っています。なかでも、毎年、6月から8月にかけて、ルーヴルシャンゼリゼの間に広がるテュイルリー公園の移動遊園地は有名で、広大な敷地に、観覧車をはじめ、約60ものアトラクションがずらりと並ぶさまは、パリの夏の風物詩にもなっています。

 今回ご紹介の切手帖は、そうした移動遊園地のさまざまな光景を取り上げた12種の切手で構成されていますが、その中には、遊園地には欠かせないお菓子の中から、綿菓子とリンゴ飴が取り上げられています。

      フランス・綿あめ

 砂糖を糸状に溶かして作る綿菓子は、1893年、米国シカゴで開催された万国博覧会で、カナダのトートジー・ロール社が“コットン・キャンディ”として売り出したのが最初とされており、その後、全世界に拡大しました。フランスでは“お父さんのヒゲ”を意味する“Barbe à papa(バルブ・ア・パパ)”と呼ばれています。

 ちなみに、1970年代、パリのリュクサンブール公園を散歩していた米国の絵本作家、タラス・テイラーは、通りすがりの子供が両親に“Barbe à papa”をせがんでいるのを耳にしましたが、その意味が分かりませんでした。このため、一緒にいたフランスの絵本作家アネット・チゾンに言葉の意味を教えてもらったところ、そこからインスピレーションを得て、近くのカフェで綿アメのような姿をしたお化けのイラストを作りました。これが、世界的な人気キャラクターのバーバパパ(Barbapapa)です。

      フランス・リンゴあめ

 一方、リンゴ飴は、シロップや飴などでリンゴの実をコーティングし、手で持つための棒を取り付けたフルーツ菓子で、もともと、欧米の収穫祭のお菓子でした。フランス語では“愛のリンゴ”を意味する“pomme d'amour”と呼ばれており、作り物の小さな若葉が付けられていることが多いのですが、切手のリンゴ飴にはついていません。

 ところで、切手帖の切手には、いずれも額面の数字の代わりに“緑の手紙”を意味する“Lettre Verte”の文字が入っています。これは、“環境に配慮して飛行機を極力使わない代わりに、時間がかかってもかまわない(その代り、通常よりも料金が安い)郵便物”用の切手という意味です。もっとも、通常より料金が安いので、リンゴ飴の切手も“緑”の文字だけで、若葉を描くのを省略したというわけではないのでしょうが…。


★★★ トークイベントのご案内 ★★★

<ヒロシマ トークセッション連続講座 アウシュヴィッツの手紙・戦争と切手>

      アウシュヴィッツの手紙・表紙

 4月7日(土)13:00-16:00  
 於・ (公財) 愛恵福祉支援財団(東京都北区中里 2-6-1愛恵ビル3F)
 資料代 1,000 円 (当日会場で集めます)
 会場と資料準備の関係で必ず、下記宛に事前の申し込みをお願いします。
 申込先 竹内 良男(qq2g2vdd★vanilla.ocn.ne.jp スパム防止のため、送信の際は★を@にしてください)


 ★★★ ツイキャス出演のお知らせ ★★★

 4月8日(日)22:00~ 拉致被害者全員奪還ツイキャスのゲストで内藤が出演しますので、よろしかったら、ぜひ、こちらをクリックしてお聴きください。

 
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      パレスチナ現代史・表紙 本体2500円+税

 【出版元より】
 中東100 年の混迷を読み解く! 
 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史!

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 ジバンシィの切手
2018-03-13 Tue 00:22
 フランスのブランド、ジバンシィ(Givenchy)の創業者でデザイナーのユベール・ド・ジバンシィ氏(以下、敬称略)が、今月10日に亡くなっていたことが、きのう(12日)、明らかになりました。享年91歳。謹んでご冥福をお祈りしつつ、きょうはこの切手をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      フランス・ジバンシー

 これは、2007年のヴァレンタイン用にフランスが発行した切手で、ジバンシィがデザインを担当しています。フランスでは1999年からハート形のバレンタイン切手を発行していますが、翌2000年にイヴ・サンローランを原画作者として起用したのを皮切りに、毎年、有名デザイナーが原画制作を担当しています。ジバンシィは、その8番目、2007年の切手を担当したというわけです。

 さて、ユベール・ド・ジバンシィは、1927年2月21日、ボーヴェ生まれ。父親は公爵の称号を持つ貴族の家系の出身でしたが、
2歳の時に死別し、以後、タペストリー工場を経営する祖父に育てられました。

 17 歳の時にパリに出て、見習いとしてクチュールメゾンに入社。ジャック・ファトで働きながら、エコール・デ・ボザール(国立高等美術学校)でデザインを学び、1946年にはロベール・ピゲ、1947年にはリュシアン・ルロンでの勤務を経て、同年後半にエルザ・スキャパレリに入社しました。その後まもなく、ヴァンドーム広場にあるスキャパレリ ブティックのアーティスティック・ディレクターに就任します。

 1951年、24歳での初コレクションでは資金の制約もあり、コットン素材のシンプルなドレスやブラウスを発表して注目を集め、翌1952年2月、パリ8区のアルフレッド・ド・ヴィニ通りに自らの名を冠したメゾン“ジバンシィ”を設立しました。

 1953年夏、女優オードリー・ヘップバーンと知り合い、翌1954年、彼女の主演映画『麗しのサブリナ』の衣装を担当したことで世界的な知名度を獲得し、1955年、“自由なライン”として発表したウエストもヒップもないシュミーズドレスは“革命的な衣装”として反響を呼びました。

 1995年にデザイナーを引退するまでの間に発表された作品のうち、歴史の教科書などにも登場するものとしては、1961年の映画「ティファニーで朝食を」でヘプバーンが着ている黒いドレスのほか、1963年のケネディ米大統領の葬儀の際にケネディ家の女性たちが着ていた喪服などがあります。
 

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 インドネシアに行ってきます!
2017-08-01 Tue 00:10
 私事で恐縮ですが、インドネシア・バンドンで開催される世界切手展<Bandung 2017>に出品者および第2コミッショナーとして参加するため、きょう(1日)午前中の飛行機で成田を発ち、まずは経由地のジャカルタに向かいます。インドネシア行きは2012年の世界切手展<INDONESIA 2012>以来5年ぶりです。というわけで、インドネシア・ジャワ島がらみの切手の中から、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      フランス・ボロブドゥール(1979)

 これは、1979年2月24日にフランスが発行したボロブドゥール寺院の切手で、ストゥーパと与願印の釈迦如来像が描かれています。

 インドネシア・ジャワ島中部にあるボロブドゥール寺院は、仏教を奉じるシャイレーンドラ朝が8世紀から9世紀にかけて建造した大寺院ですが、その構造は密教の曼荼羅を立体的に再現したものと言われています。

 曼荼羅とは、大日如来の説く真理や悟りの境地を視覚的に表現したもので、一般的には絵画など平面に表わされますが、ボロブドゥール遺跡のように諸尊の彫像を立体的に配置する羯麿曼荼羅(立体曼陀羅)と呼ばれるものも存在しています。

 ボロブドゥール寺院は、全体が基壇、方壇、円壇の3段の構成となっていますが、これは、それぞれ欲界、色界、無色界の三界を表現しており、人々はボロブドゥールに登る事で、三界を体験することができる構成になっています。そして、72基のストゥーパは三重円を描くように並び、頂上には釈迦の遺骨を納めたとされる巨大なストゥーパがあり、天上をめざしています。この中心塔は空洞になっていますが、これは大乗仏教の真髄である“空”の思想を強調していると考えられています。

 切手に取り上げられている釈迦如来像は、左手が掌を前側に向けて下げる“与願印”となっていますが、これは、人々の願いを聞き入れ望むものを与えようとする深い慈悲を表わす身振りとされています。副コミッショナーとして、日本からお預かりしたコレクションがご出品者のご期待に適う結果になりますように…との思いを込めて、選んでみました。なお、ボロブドゥール寺院と関連のマテリアルについては、拙著『蘭印戦跡紀行』でもまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです

 さて、今回は、メイン・コレクションのA History of Hong Kong を出品するほか、日本からの出品作品が多数あるため、第1コミッショナーの山崎好是さんをサポートするための第2コミッショナーとして、作品の搬入・撤去のほか、現地での各種会議・会合にも参加してくる予定です。

 展覧会の会期は3日から7日までなのですが、作品を搬入しなければなりませんので、本日夕方、ジャカルタ入りした後、陸路でバンドン入りし、あす(2日)、作品の展示作業を行う予定です。なお、展覧会終了翌日の8日に現地を発ち、9日朝、帰国の予定です。

 この間、ノートパソコンも持っていきますので、このブログも可能な限り更新していく予定です。ただし、なにぶんにも海外のことですので、無事、メール・ネット環境に接続できるかどうか、不安がないわけではありません。諸般の事情で、記事の更新が遅れたり、記事が書けなかったりする可能性もありますが、ご容赦ください。


 ★★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史”  ★★★ 

 7月27日(木)に放送の「切手でひも解く世界の歴史」の第6回は無事に終了しました。お聞きいただいた皆様、ありがとうございました。次回の放送は、高校野球があるため、少し間が開いて8月24日(木)16:05~の予定です。引き続き、よろしくお願いいたします。 

 なお、27日放送分につきましては、8月3日(木)19:00まで、こちらの“聴き逃し”サービスでお聴きいただけますので、ぜひご利用ください。

 ★★★ 内藤陽介 『朝鮮戦争』(えにし書房) 重版出来! ★★★ 

      朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

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 開催御礼
2017-07-18 Tue 07:59
      フランス・メルシー(2003)

  おかげ様で、<全日本切手展2017>(以下、全日展)および併催の<オーストラリア切手展>昨日(17日)16:00、盛況のうちに無事終了いたしました。

  今回の展覧会は、中川幸洋さんの菊切手、永井正保さんのグランプリコレクション、長島裕信さんのカンガルーと地図切手、児玉博昭さんの乃木2銭切手という、それぞれの分野での最高水準のコレクションをお招きして特別展示できたほか、競争出品もハイレベルな内容で、ご参観者の皆様にもご満足いただけたのではないかと思います。

 これもひとえに、ご後援を賜りましたオーストラリア大使館、日本郵便株式会社、公益財団法人・日本郵趣協会、一般財団法人・切手文化博物館、日本郵便切手商協同組合、特定非営利活動法人・日本郵便文化振興機構、御協賛を賜りました無料世界切手カタログ・スタンペディア株式会社、貴重なコレクションを展示したいただきましたご出品者の皆様、ブースをご出店いただきましたディーラーの方々、そして、寄附金を拠出していただきました皆様ほか、大勢の方々のご支援・ご協力のおかげです。

 実行委員長として、この場を借りて厚くお礼申し上げます。

 なお、来年(2018年)の全日本切手展は、7月20-22日、今年と同じく、東京・錦糸町のすみだ産業会館で開催の予定で、すでに準備を始めております。開催資金の調達をはじめ、クリアしなければならない課題は山積しており、今後とも、皆様方にはいろいろとご支援・ご協力をお願いすることになるかと思われますが、なにとぞよろしくお願いいたします。

 * 冒頭の画像は、2003年、フランスが発行した“ありがとう”のグリーティング切手です。皆様への感謝の気持ちを込めて、取り上げてみました。


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 Baccarat が巴卡拉に
2017-06-03 Sat 10:33
 中国の投資会社、フォーチュン・ファウンテン・キャピタル(沣沅資本)は、きのう(2日)、フランスのクリスタルメーカー、バカラ(漢字表記は巴卡拉)の保有会社から株式88.8%を約1億6400万ユーロ(約205億円)で買収し、経営権を手に入れたと発表しました。というわけで、きょうはこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      フランス・バカラ(2014)

 これは、2014年にフランスが発行した“バカラ”の切手で、同社のグラスが取り上げられています。

 1764年、フランス東部、ロレーヌ地方統主のモンモランシー・ラバルはガラス業界への参入を希望し、国王ルイ15世にガラス工場の設立を認めるよう請願。これが認められ、ナンシーの南東50 kmのムルト川岸のバカラ村にガラス工場が作られました。これが、現在のバカラ社のルーツとなりました。ちなみには、バカラ村の地名は、酒神バッカスに由来するBacchi-araが語源とされています。

 当初、バカラ村の工房では窓ガラスや鏡、ビン類などの生産が中心でしたが、ナポレオン戦争後の1816年頃から、30%の酸化鉛を含むクリスタルガラスの生産を開始。1823年のパリ国民博覧会では金賞を受賞し、復古王政のルイ18世がバカラのグラスセットを注文したことでう有名になりました。その後、1825年にはアルクール公爵家の注文を受けて、現在まで続く“アルクール”シリーズが登場。1896年にはロシア皇帝ニコライ2世から特別注文を受けて、ウォッカ用グラスを含む豪華なグラスセットを納入したほか、1921年には訪欧中の皇太子・裕仁親王(後の昭和天皇)がパリのバカラ・ショップを訪れるなど、各国王室の御用達となり、名実ともに、クリスタル・ガラスの頂点として君臨し続けてきました。

 さて、バカラ社は、ながらく、1734年に創業した老舗シャンパーニュメゾンのオーナーであるテタンジェ家が経営してきましたが、2005年、不動産業を専門とした米投資ファンドのスターウッド・キャピタル・グループが買収。2012年には仏高級品ブランドLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン傘下の米投資会社Lカタートンがバカラに出資し、スターウッドが株式の66.62%を、残りはカッタートンが保有していました。

 現在、バカラの従業員は約500人で、2016年の売上高は1億4800万ユーロ(約185億2300万円)。2015年に赤字だった損益は、2016年には黒字に転じて220万ユーロ(約2億7500万円)となりました。今回の買収では、フォーチュンはスターウッドとLカタートンが保有するバカラ株1株につき222.70ユーロを支払うことで合意し、2013年からCEOを務めているダニエアラ・リカルディ氏は買収後も留任の予定だそうです。

 まぁ、資本の論理で仕方がないとはいえ、中国資本がバカラまで買収してしまうとは驚きました。我が家にも、少しばかりバカラのグラスはあるのですが、この機会に、紹興酒を注いで飲んでみる気には…ちょっとならないですね。

 
 ★★★ 内藤陽介 『朝鮮戦争』(えにし書房) 重版出来! ★★★ 

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 きょう、フランス大統領選決選投票
2017-05-07 Sun 23:49
 フランスでは、きょう(7日)、保守派のマリーヌ・ル・ペン候補とリベラルのエマニュエル・マクロン候補の間で、大統領選挙の決選投票が行われます。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       フランス・マリアンヌ(2013)

 これは、2013年に発行されたフランスの現行普通切手で、フランスを象徴する女性“マリアンヌ”がデザインされています。

 フランスでは、政権交代のたびに“マリアンヌ”を題材にした新デザインの普通切手が発行されていますが、オランド政権下で発行されたこの切手に関しては、モデル(の1人)をめぐって、切手発行当時、かなりの物議を醸したことは記憶に新しいところです。

 事の発端は、今回ご紹介の切手の報道発表にあわせて、デザイナーのオリビエ・シアパが「マリアンヌのモデルのひとりはインナ・シェフチェンコだ」との趣旨のツイートを投稿したことにあります。

 シェフチェンコはウクライナからフランスに政治亡命したフェミニスト過激派“FEMEN”フランス支部の活動家で、(彼女たちの理解による)女性の性的搾取や性差別、宗教団体に対するトップレス姿での抗議活動を行い、しばしばメディアを賑わせている人物です。まぁ、言論の自由が認められている以上、抗議活動そのものは、他人に危害を及ぼしたり、明らかに法令に反したりしない限り、それなりに認められるべきだとは思いますが、トップレス姿になることが、なぜ、抗議の意を示すことになるのか、僕にはさっぱりわかりませんがね。いずれにしても、彼女の主義主張の是非は別として、フランスでは“お騒がせ”の常習犯であることは間違いなさそうです。

 シアパのツイートを受けて、保守系の団体の間に新たな切手のボイコットを呼びかける動きが広まったため、シアパも報道機関のインタビューに対して「新しい切手のモデルは複数の人物を組み合わせたもので、そのなかには、シェフチェンコのほか、女優のマリオン・コティヤールや法相のクリスティアーヌ・トビラも含まれる」と説明し、事態の鎮静化に躍起となりました。

 ところが、当のシェフチェンコは、そうした関係者の苦労をよそに、「これからホモフォビア(同性愛嫌悪)や過激派、ファシストは、手紙を送るときに私の尻をなめなくちゃならないわね」と挑発。さらなるに炎上を煽り、騒動はしばらく続きました。

 さて、一般的なイメージでは、同性愛に寛容なリベラルと否定的な保守派と語られがちですが、少なくともフランスに関しては事態はそう簡単ではありません。たとえば、中東・北アフリカからの移民2世・3世でフランス国籍を持つ人たちの間には、ムスリムが少なからず含まれていますが、彼らは自らの信仰ゆえに同性愛には否定的です。このため、保守派の中には、ムスリムが同性愛を否定していることを理由(の一つ)として、移民の制限を主張している人も少なくありません。たとえば、今回の大統領選挙に出馬しているル・ペン候補もその一人です。

 また、フランス国民の7割はカトリックの信徒ですが、それゆえ、(あからさまに差別的な言動こそとらないものの)同性愛に対して否定的な傾向の人も少なくありません。じっさい、2013年にフランスで同性婚が合法化された際には、カトリックなどの宗教勢力を中心に、数十万人が同性婚反対のデモを展開しました。ちなみに、ル・ペン本人はカトリックの信徒ですが、離婚歴があり、同性愛と妊娠中絶は容認するという立場ですから、宗教保守派などから見ると(この問題に関しては)“リベラル”に近いとみられかねません。このため、彼女は苦肉の策として、大統領に当選すれば、同性婚の合法化を取り消すことを公約としています。

 このように、同性婚の是非という問題は、“保守”の分裂要因になりかねない一方で、社会の多様性を主張し、移民(特にイスラム系の移民)の権利擁護を訴えるリベラルに対して、当の移民たち(の多く)は決して賛同しないというねじれを生み出すもとになっており、なかなか一筋縄では行かないのが実情です。

 いずれにせよ、新大統領が決まれば、フランスの普通切手のデザインも一新されることになるでしょうが、今度こそは、妙な炎上騒ぎを起こさないでほしいというのが担当者の本音でしょうな。


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 ダリのマリアンヌ
2016-09-14 Wed 11:29
 きょう(14日)から、東京・六本木の新国立美術館でダリ展が開催されます。というわけで、ダリの切手といえば、やはりこの1枚でしょうか。(画像はクリックで拡大されます)

      フランス・ダリ(マリアンヌ)

 これは、1979年、フランスが発行した毎年恒例の美術切手の1枚で、サルヴァドール・ダリが切手のために描きおろした“マリアンヌ”が取り上げられています。切手の下部には、ダリのサインも入っています。ダリというと、本人が“偏執狂的批判的方法 (Paranoiac Critic)”と称したように、写実的描法を用いながら、多重イメージなどを駆使して夢のような風景画を描いた作風のイメージが強いのですが、今回ご紹介の切手は、ちょっと雰囲気が違いますね。

 シュル・レアリスムの巨匠、サルヴァドール・ダリは、1904年5月11日、スペインのカタルーニャ地方フィゲーラスで、ユダヤ系とされる公証人の父と商家出身の母の間に生まれました。

 少年時代から絵画に興味を持ち、1922年、マドリードのサンフェルナンド美術学校に入学。1925年にはマドリードで初の個展を開きました。

 1927年、パリに出てパブロ・ピカソらと親交を結び、1929年、正式にシュル・レアリスト・グループに参加します。同年夏、シュル・レアリスムの詩人、ポール・エリュアールの妻でカザン出身のユダヤ人、ガラ(本名:レナ・イヴァノヴナ・ディアコノワ)と知り合います。その後、ダリはガラと恋愛関係に陥り、1932年、ガラはエリュアールと離婚し、1934年、ダリと結婚しました。

 シュル・レアリスムの運動に参加した当初のダリは共産主義・社会主義にシンパシーを持っていたようですが、次第に幻滅。1936年7月、スペイン内戦が勃発すると、シュル・レアリストの多くは反フランコの立場を取りましたが、ダリは戦火を逃れ、政治闘争に巻き込まれることを拒み、フランスへ逃亡。フランコに親和的な立場を表明します。これが、シュル・レアリスムの指導者でトロツキストの詩人、アンドレ・ブルトンの逆鱗に触れ、“ファシスト的思想”を理由に、1938年、シュル・レアリスト・グループから追放されました。

 さらに、1940年、ドイツ軍がフランスに侵攻すると、ダリは米国へ逃れたため、ジョージ・オーウェルは「戦争前にはスペイン内戦からフランスに亡命し、またフランスで大変な恩恵を受けていたのに、フランスに危険が迫るやいなやネズミのように逃げる」とダリを批判しています。

 第二次世界大戦後、カタルーニャに戻ったダリはフランコ独裁政権に接近。フランコを支持する姿勢を鮮明にし、フランコと面会して彼の孫娘のポートレイトも制作したほか、カトリックに回帰し、ガラを聖母に見立てた宗教画を連作しました。

 ダリにとって、妻のガラはミューズであり、支配者であり、またマネージャーとして、彼の創作活動の源泉となっていました。今回ご紹介の切手の“マリアンヌ”の顔だちも、ガラをイメージして作られているのは明らかです。こうしたこともあって、1982年にガラが亡くなると、彼は「自分の人生の舵を失った」と激しく落ち込み、1983年5月には絵画制作も止めてしまいます。さらに、1984年、寝室でおきた火事で重症の火傷を負ったのちはフィゲラスに移り、1989年、同地で亡くなりました。

 
★★★ トークイヴェントのご案内 ★★★

 拙著『リオデジャネイロ歴史紀行』の刊行を記念して、東京・青山の駐日ブラジル大使館で下記の通り、トークイヴェントを開催いたします。ぜひ、ご参加ください。

 ・日時 2016年9月23日(金)18:00~20:00(17:30受付開始)
 ・会場 駐日ブラジル大使館 セミナー・ルーム
  〒107-8633 東京都港区北青山2丁目11-12 (地図はこちらをご覧ください)
 ・参加費 無料
 ・定員 30名(申込多数の場合は先着順)

  * 9月16日(金)までに、お名前・ご連絡先・ご所属を明記の上、電子メール、ファックス等で下記宛にお申し込みください。(お送りいただいた個人情報は、大使館へ提出する以外の目的には使用しません)
  申込先 えにし書房(担当・塚田)
  〒102-0074 千代田区九段南2-2-7-北の丸ビル3F
  Tel. 03-6261-4369 Fax. 03-6261-4379
  電子メール info★enishishobo.co.jp (スパム防止のため、★の部分を半角@に変えてご送信ください)

 なお、トークヴェベント終了後、20:30より近隣のブラジルレストラン「イグアス」にて懇親会を予定しております。(イグアスの地図はhttp://tabelog.com/tokyo/A1306/A130603/13048055/ をご覧ください) 
 会費は、『リオデジャネイロ歴史紀行』1冊の代金込みで6500円(書籍不要の場合は5000円)の予定です。参加ご希望の方は、トークイベントお申し込みの際に、その旨、お書き添えください。なお、懇親会のみの御参加も歓迎いたします。


★★★ ブラジル大使館推薦! 内藤陽介の『リオデジャネイロ歴史紀行』  ★★★ 

       リオデジャネイロ歴史紀行(書影) 2700円+税

 【出版元より】
 オリンピック開催地の意外な深さをじっくり紹介
 リオデジャネイロの複雑な歴史や街並みを、切手や葉書、写真等でわかりやすく解説。
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 * 8月6日付『東京新聞』「この人」欄で、内藤が『リオデジャネイロ歴史紀行』の著者として取り上げられました!

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 柔道の原沢が銀、山部が銅
2016-08-13 Sat 10:34
 リオデジャネイロ五輪8日目(現地時間12日)は、柔道男子100kg超級の原沢久喜が銀、同女子78kg超級の山部佳苗が銅のメダルを獲得しました。金メダルはどちらもフランスのテディ・リネール(男子)とエミリ・アンデオル(女子)ということで、 きょうはこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      フランス・柔道世界選手権(2011)

 これは、2011年8月23-28日にフランス・パリで開催された2011年世界柔道選手権大会(第29回世界柔道選手権大会)に際して、開催国のフランスが発行した記念切手で、男女それぞれの試合風景が取り上げられているのがミソです。ちなみに、今回、金メダルを獲得したリネールは、2010年の世界選手権無差別決勝で日本の上川大樹に敗れて以来(ただし、同大会でも100kg超級では優勝)、現在まで連勝記録を続けており、この切手の題材となった大会でも優勝しています。

 フランスに柔道が紹介されたのは、1895年、雑誌『両世界評論』に柔術に関する記事が掲載されたのが最初とされており、1905年にはエドモン・デボネがフランス最初の道場を開設しました。

 フランス柔道の歴史に決定的な影響を与えたのは、1935年、パリで日仏柔道倶楽部を創立した川石酒造之助です。

 川石は、フランスでの指導に際して、技の名前を日本語ではなく、技毎に番号をつけ記号化したものとして外国人にも理解しやすいようにしたほか、指導内容の中にピストルやナイフなどで攻撃を受けた時の反撃方法や護身術も含めることで、外国人が柔道を学びやすくする“川石メソッド”を開発。その後の、柔道の国際化の基礎を築きました。

 第二次大戦がはじまると、1940年6月にフランスは降伏し、パリを含む北部はドイツの占領下に置かれますが、日独の同盟関係の影響もあったためか、フランスの柔道は発展し、1942年にはフランス格闘技連盟の1部門としてフランス柔道柔術連盟が設立され、翌1943年5月30日にはドイツ占領下のパリで第1回フランス柔道選手権も開催されました。
  
 第二次大戦後の1946年、フランス柔道連盟は格闘技連盟から独立。その後もフランスの柔道人口は順調に増加し、1936年に50人程度であった練習生の数は1956年に2万人を超え、2011年までに約56万人が連盟から免許を受けています。

 ちなみに、柔道が五輪の正式種目となったのは1964年の東京大会ですが、フランス選手が初めてメダルを獲得したのは1972年のミュンヘン大会(結果は銅3)でした。以来、今回のリオ大会までに、フランスが獲得した柔道の五輪メダルは、男女合わせて金14、銀10、銅25の計49で、これは、日本の計82(内訳は、37、銀19、26)に次ぐ第2位の記録です。


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 破門されても平気
2016-02-19 Fri 15:26
 ローマ教皇フランシスコは、きのう(18日)、キューバ、メキシコ歴訪の帰路の特別機中で記者団の質問に答え、メキシコとの国境沿いに2500キロの壁を建設し、1100万人の不法移民を国外追放したいと表明した米国のドナルド・トランプ氏について、「どこにであれ、壁を作ることだけを考え、橋を作ろうとしない人物はキリスト教徒ではない」「そのようなことを言ったのであれば、その男性はキリスト教徒ではない」と応じました。世が世なら破門、ということでしょうな。というわけで、きょうはこんな切手を持ってきました、(画像はクリックで拡大されます)

      フランス・フィリップ4世

 これは、1968年にフランスが発行した歴史シリーズの1枚で、国王フィリップ4世による三部会召集が取り上げられています。

 1285年、病没した父フィリップ3世の後を継いで即位したフィリップ4世は、1294-99年のギュイエンヌ(アキテーヌ)の戦いでイングランド王エドワード1世と戦ったほか、1297年以降はフランドルにも勢力を伸ばそうとし、1302年の金拍車の戦い、1305年以降のモン=アン=ペヴェルの戦いなど、数多くの戦争を行いました。このため、膨大な戦費を調達すべく、フィリップ4世はフランスで初めて全国的課税を実施し、キリスト教会にも課税しましたが、この結果、教皇至上主義を掲げるローマ教皇ボニファティウス8世との激しく対立しました。

 その過程で、1302年、ボニファティウス8世が教皇回勅を発し、教皇の権威は他のあらゆる地上の権力に優越するとしてフィリップ4世に対し教皇の命に従うよう促したのに対して、フィリップ4世は国内の支持を得るために、聖職者・貴族・市民の3身分からなる議会の“三部会”をパリのノートルダム大聖堂に設け、国内の世論を背景として教皇に抵抗します。今回ご紹介の切手は、この場面を取り上げたものです。

 これに対して、ボニファティウス8世がフィリップ4世を破門すると、フィリップ4世も悪徳教皇弾劾の公会議を開くよう求めて、両者は決裂。1303年、フィリップ4世は、腹心のギヨーム・ド・ノガレに命じて、教皇を捕縛すべく、ローマ市南東方の教皇離宮所在地のアナーニを襲撃させます。ノガレらは教皇御座所に侵入し、ボニファティウス8世を“異端者”と面罵して暴行を加え、退位を迫りました。その後、ボニファティウス8世はナポリ王とシチリア王によって湧出され、捕縛こそのがれたものの、ローマで憤死。これを受けて、1305年、フィリップ4世は次の教皇にフランス出身のクレメンス5世を擁立し、1309年、ローマ教皇庁はフランス南東部のアヴィニョンに遷され、フランスの影響下に置かれることになりました。結果的に、、フィリップ4世は教皇から破門されてもなんともなかったどころか、フィリップ4世を破門した教皇ボニファティウス8世の方こそ返り討ちに遭って散々な思いをしたというわけですな。

 まぁ、何かとお騒がせのトランプ氏の場合、宗教的にはプロテスタントの長老派だそうですから、そもそも、教皇としても破門のしようがないと言ってしまえばそれまでですが、今回の一件に関しても、「宗教指導者が個人の信仰を疑問視するのはみっともない」、「(バチカンが過激派組織イスラム国ことダーイシュに攻撃されるようなことがあれば)トランプが大統領だったらこんなことは起こらなかったのにと、教皇が願い、祈ることになると断言できる」などと言いたい放題のトランプ氏を見ていると、いい加減、誰でも良いから、彼にお灸をすえてくれる人物が出てきてくれないものかと、切に願うのは僕だけではないでしょうな。


 ★★★ 講座のご案内 ★★★

 3月8日(火)から、毎月第2火曜の19時より、東京・竹橋の毎日文化センターで新講座「宗教で読む国際ニュース」がスタートします。都心で平日夜のコースですので、ぜひ、お勤め帰りに遊びに来てください。詳細は、こちらをご覧いただけると幸いです。


 ★★★ 内藤陽介の新刊  『ペニー・ブラック物語』 のご案内 ★★★ 

       ペニーブラック表紙 2350円+税

 【出版元より】
 若く美しい女王の横顔に恋しよう!
 世界最初の切手
 欲しくないですか/知りたくないですか

 世界最初の切手“ペニー・ブラック”…名前は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという収集家も多いはず。本書はペニー・ブラックとその背景にある歴史物語を豊富なビジュアル図版でわかりやすく解説。これからペニー・ブラックを手に入れたい人向けに、入手のポイントなどを説明した収集ガイドもついた充実の内容です。

 発売元の特設サイトはこちら。ページのサンプルもご覧いただけます。


 ★★★ 内藤陽介の新刊  『アウシュヴィッツの手紙』 のご案内 ★★★ 

       アウシュヴィッツの手紙・表紙 2000円+税

 【出版元より】
 アウシュヴィッツ強制収容所の実態を、主に収容者の手紙の解析を通して明らかにする郵便学の成果! 手紙以外にも様々なポスタルメディア(郵便資料)から、意外に知られていない収容所の歴史をわかりやすく解説。

 出版元のサイトはこちら。各書店へのリンクもあります。

 インターネット放送「チャンネルくらら」にて、本書の内容をご紹介しております。よろしかったら、こちらをクリックしたご覧ください。


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 芸術橋の南京錠を撤去
2015-06-02 Tue 12:22
 フランスのパリ市当局は、きのう(1日)、セーヌ川にかかるポンデザール(芸術橋)の欄干に鈴なりに取り付けられていた“愛の南京錠”が、その重さで橋に悪影響を与えていることに加え、世界遺産の一角をなす景観を損なうとして、撤去を始めました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      フランス・ポンデザール

 これは、1978年に発行されたフランス美術切手のうち、ベルナール・ビュッフェの「フランス学士院とポンデザール」を取り上げた1枚です。

 ポンデザールはセーヌ川左岸のフランス学士院と右岸のルーヴル宮殿のクール・カレ(方形宮)を結ぶ橋で、第1統領(当時)だったナポレオン・ボナパルトの命により、1804年、パリで初めての金属製の橋として架けられました。その後、拡幅工事や、両大戦中の爆撃、船の衝突などによる崩壊と修復などを経て、現在の橋は、1984年6月27日に完成しました。

 当時のパリ市長は、後に大統領となるジャック・シラクでしたが、1996年、大統領として来日したシラクは、当時の京都市長・桝本頼兼との会談で、1998年の“日本におけるフランス年”および京都市=パリ市友情盟約締結40周年にあわせて、ポンデザールを模した橋を鴨川に架けることを提案しています。しかし、これには、新たな観光名所の創設を歓迎する賛成派と、新たな橋は景観を損ねるとの反対派の市民が対立。フランス紙『ル・モンド』も計画への批判記事を掲載するなどの騒動となり、結局、京都市は計画を撤回し、鴨川の“芸術橋”は幻に終わったということもありました。

 さて、ポンデザールの欄干に、カップルが永遠の愛を誓うとして南京錠をつけるようになったのは、2008年頃からの現象とされていますが、同様の風習は、古くは、第二次大戦以前からセルビアのヴラニスカ・バニャにあるモスト・リュバヴィで行われてきたという事例があるそうです。ヨーロッパ各地では、同様の風習が21世紀以降に急速に広がり、僕も、ロシア極東・ハバロフスクのディナモ公園内の池に架かる橋に南京錠を付けて記念写真を撮る新婚カップルに出くわしたことがあります。(下の画像)

       ハバロフスク・ディナモ公園

 ハバロフスクのディナモ公園は、現在、市民の憩いの場となっていますが、そのすぐ近くには、かつて、日本人抑留者たちが収容されていたハバロフスク地方第16収容所の分所(支部)があり、公園の正門と門前に立つライオン像
は日本人抑留者によってつくられたという過去があります。それだけに、この場所と南京錠との組み合わせを見て、僕などは鳥肌が立つ思いをしたのですが、まぁ、新婚さんにとっては余計なお世話ですな。ちなみに、このあたりの事情については、拙著『ハバロフスク』でも書きましたので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。
 

 ★★★ 内藤陽介の最新刊  『日の本切手 美女かるた』  好評発売中! ★★★ 

        税込2160円

 4月8日付の『夕刊フジ』に書評が掲載されました!

 【出版元より】
 “日の本”の切手は美女揃い!
  ページをめくれば日本切手48人の美女たちがお目見え!
 <解説・戦後記念切手>全8巻の完成から5年。その著者・内藤陽介が、こんどは記念切手の枠にとらわれず、日本切手と“美女”の関係を縦横無尽に読み解くコラム集です。切手を“かるた”になぞらえ、いろは48文字のそれぞれで始まる48本を収録。様々なジャンルの美女切手を取り上げています。

 出版元のサイトはこちら、内容のサンプルはこちらでご覧になれます。ネット書店でのご購入は、アマゾンboox storee-honhontoYASASIA紀伊國屋書店セブンネットブックサービス丸善&ジュンク堂ヨドバシcom.楽天ブックスをご利用ください。


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