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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 グアドループの切手
2018-10-13 Sat 01:54
 2018年のノーベル文学賞発表見送りを受け、今年限りの市民文学賞を創設したスウェーデンの文学関係者らによる“ニュー・アカデミー”は、きのう(12日)、同賞にカリブ海のフランス海外県グアドループ出身の女性作家、マリーズ・コンデ氏を選出したことを発表しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      グアデループ(1884)

 これは、1884年にフランス植民地共通切手に“G.P.E.”の文字と額面を加刷して発行されたグアドループ最初の切手です。

 グアドループは、西インド諸島のリーワード諸島の一角をなす島嶼群で、バス・テール島とグランド・テール島(この2島で“グアドループ島”を構成)を中心に、マリー・ガラント島、ラ・デジラード島、プティト・テール諸島、レ・サント諸島などの島々から構成されています。かつては、サン・マルタン島とサン・バルテルミー島もグアドループに属していましたが、2003年、両島はそれぞれ分離して独自のフランス海外準県となり、現在に至っています。

 グアドループは、1635年以降、一時的な例外を除いて、フランスが支配しており、第二次大戦以前は、行政上は仏領植民地と位置付けられていました。

 第二次世界大戦中、グアドループは親独ヴィシー政権に属し、島にはヴィシー政権の水兵が上陸していました。しかし、1943年7月14日、フランス革命の記念日にあわせて、反独レジスタンスが蜂起し、自由フランス側に転向。これに伴い、グアドループ出身の黒人兵たちがアルザスの戦いなどに動員され、連合国の兵士として戦います。しかし、フランス軍がライン川を渡ってドイツ領内に入る段になると、自由フランス軍の兵士は全て白人に“漂白”され、非白人兵はトゥーロンに送られるという屈辱を味わいました。

 第二次大戦後、グアドループも仏領植民地から海外県に昇格。これに伴い、1947年以降はフランス本国の切手が使用されています。
 
 なお、仏領植民地の自治拡大が進められていく中でも、ド・ゴールの認識では、グアドループは“海の上の小さな埃”でしかなかったため、住民の自治は拡大されませんでした。かつての奴隷商人の子孫やフランス本土から来た白人植民者の子孫、“ベケ”が政治・経済を牛耳る体制もそのまま維持され、水やコメ、ガソリンなどの生活物資の輸入はベケが独占。このため、物価はフランス本土の1.5-2倍で、一般労働者は貧困状態に置かれ続けていました。こうしたことから、1952年2月14日にはサトウキビ労働者が大規模な待遇改善のデモを起こし、多くの死傷者が発生したほか、1950-60年代には大規模な騒乱が何度か発生。1980年代には独立運動が盛んになり、1984年には急進派のカリブ革命同盟 がフランス本土で爆弾テロの事件を起こしており、フランス政府は戦闘的な自治運動組織であるカリブ革命同盟を非合法化しています。


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