内藤陽介 Yosuke NAITO
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 小さな世界のお菓子たち:ブルーンケーアの切手
2016-12-19 Mon 09:15
 大手製菓メーカー(株)ロッテの季刊広報誌『Shall we Lotte(シャル ウィ ロッテ)』の第34号(2016年冬号)ができあがりました。僕の連載「小さな世界のお菓子たち」では、今回は、こんな切手を取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)

      デンマーク・クリスマス(2015)

 これは、2015年にデンマークが発行したクリスマス切手のシートで、クリスマス向けにアイシングされたブルーンケーア3種が取り上げられています。主役のクッキーに加えて、上下に書かれた北欧雑貨風の文字が、何とも言えない味わいを醸し出しています。

 欧米のキリスト教文化圏でクリスマスの風物詩となっているジンジャー・クッキーは、14世紀頃、現在のベルギーとドイツの国境付近で作られるようになったレープクーヘンがルーツと考えられていますが、レープクーヘンはヨーロッパ全体へ広まっていく過程で、地域ごとにさまざまなヴァリエーションが生じました。

 その中でも、デンマークのブルーンケーアは、必ずしもショウガを使わず、他の欧米諸国にはない、独特の材料が使われているのが特徴です。

 まず、一般的なジンジャー・クッキーでは通常の砂糖が使われていますが、ブルーンケーアでは、砂糖の代わりにブルーン・ファリンを使います。ブルーン・ファリンは、粗糖と呼ばれる茶色い砂糖にシロップを混ぜた甘味料で、デンマークではクッキーやケーキだけでなく、肉料理や魚料理にも使われています。

 このブルーン・ファリンとバター、さらにシロップを加えて温めたものに、クローブ、オールスパイス、シナモンの3種のスパイス、小麦粉と“ポタスケ”の溶液、アーモンドとオレンジの皮を加えてザックリと混ぜて生地を作ります。この生地を棒状にまとめてしばらく寝かせた後で、薄くスライスし、オーブンで5-6分焼くというのが、ブルーンケーアの基本的なレシピです。

 ポタスケというのは食用に加工した炭酸カリウムの粉末です。日本では、炭酸カリウムは中華麺のかん水として使われるのが一般的です。ブルーンケーアでは、これを重曹やベーキングパウダーの代わりに使うことで、一般的なクッキーに比べてかなりの薄焼きであるにも関わらず、焼き上がりがパリパリとしすぎず、クリスピーでありながら、しっとりとした食感を保つことができるのです。

 今回ご紹介の切手では、クリスマス向けにアイシングされた男の子と女の子、そしてハート形のブルーンケーアを取り上げた3種セットで発行されました。なお、切手に記されている“BAGVÆRK”は、直訳すると“ペストリー”の意味です。

 3種の切手を収めたシートには4隅に割られたブルーンケーアが描かれています。シートの下部にある“HYGGESTUNDER”の語はデンマーク語で“居心地の良い時間”の意味ですが、クリスマス・ツリーを見ながら、ブルーンケーアを一口サイズに割って口に運ぶ瞬間の気持ちを言い表す表現としてピッタリといえましょう。


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 * 8月6日付『東京新聞』「この人」欄で、内藤が『リオデジャネイロ歴史紀行』の著者として取り上げられました!

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 バドミントン女子複で金
2016-08-19 Fri 09:37
 リオデジャネイロ五輪14日目(現地時間18日)は、バドミントン女子ダブルスの高橋礼華・松友美佐紀ペア、女子レスリング・フリースタイル女子63kg級の川井梨紗子が金、レスリング・フリースタイル女子53kg級の吉田沙保里が銀のメダルを獲得しました。女子レスリングについては、きのうの記事でも取り上げましたので、 きょうはバドミントン切手の中から1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      デンマーク・バドミントン世界選手権(1983)

 これは、1983年のバドミントン世界選手権に際して、開催国のデンマークが発行した記念切手で、デンマークを代表するバドミントン選手だったリーネ・コペンが取り上げられています。今回のバドミントン女子ダブルスの決勝は、日本とデンマークとの対戦でしたので、デンマーク切手の中からバドミントンの女子選手を描いたものということで取り上げてみました。

 現在のバドミントン競技は、英国の伝統的な羽根つき遊びである“バトルドー・アンド・シャトルコック”が、19世紀中頃、ボーフォート公爵家の邸宅、バドミントン・ハウスでの試合を通じてルールなどが整備されて生まれたもので、1893年に英国で協会が設立され、1899年には当時の事実上の世界選手権として全英オープンが始まりました。

 わが国のバドミントンは、1921年、横浜Y.M.C.A.の広田兼敏がバドミントンの道具の寄贈を受けて、横浜の欧米人が運営するスポーツクラブを訪ねて、手ほどきを受けたのが始まりとされています。終戦直後の1946年には日本バドミントン協会が創立され、国民体育大会では、1949年の第4回大会から正式競技となりました。また、1966年には日本の女子チームが国別世界選手権で初出場・初優勝を飾り、その後の発展の基礎を築いたとされています。

 一方、今回ご紹介の切手を発行したデンマークでは、英国に次いで、古くからバドミントンの愛好家が多く、1935年からは、デンマークバドミントン協会の主催による国際大会として“デンマーク・オープン”が原則毎年開催されています。

 オリンピックに関しては、1972年のミュンヘン大会と1988年のソウル大会で公開競技として採用され、1992年のバルセロナ大会から正式競技となりましたが、この間、1977年には世界選手権がスタートしました。バドミントンの世界選手権は、1977年に第1回大会がスウェーデンのマルメで、1980年の第2回大会がインドネシアのジャカルタで、1983年の第3回大会がコペンハーゲンで開催された後、2005年までは奇数年の開催、2006年以降はオリンピック開催年を除く毎年の開催です。

 切手に取り上げられたコペンは、1953年生まれ。1977年の第1回世界選手権で混合ダブルスと女子シングルスの金メダル、1979-80年の全英選手権で女子シングルスの連覇、1980年の第2回世界選手権で混合ダブルスと女子シングルスの銅メダルを獲得した名選手で、1982年に欧州チャンピオン(1978年に次いで2度目)となった後、現役チャンピオンのまま引退しました。

 * 昨晩、アクセスカウンターが169万PVを超えました。いつも閲覧していただいている皆様には、あらためてお礼申し上げます。

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 デンマーク国債の発行を凍結
2015-01-31 Sat 23:41
 デンマーク政府は、このう(30日)、国債の発行を当面凍結すると発表しました。投資家による国債購入を通じた外貨流入=自国通貨クローネの高騰阻止が目的です。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      デンマーク・1クローネ(1922)

 これは、1922年にデンマークが発行した1クローネ切手です。

 デンマークの通貨クローネは“王冠”の意味で、同種の通貨はノルウェーやドイツ諸侯国でも使用されていました。

 すなわち、1873年5月5日、スウェーデンとデンマークはスカンディナヴィア通貨同盟を締結。これに、スウェーデンとの同君連合を形成していたノルウェーが1875年に参加します。通貨同盟は、2.48クローネ(クローナ)/金1グラム、あるいは金0.403グラム/クローネの固定相場による金本位制で、3国の通貨単位は1クローネ(クローナ) = 1/2デンマークリクスダラー 1/4ノルウェーターラー = 1スウェーデンリクスダラーと等価とされていました。

 各国は、このレートに従って独自通貨を発行。1905年にノルウェーがスウェーデンとの同君連合を解消して独立した後も、通貨同盟じたいは存続しましたが、第一次世界大戦勃発直後の1914年8月2日、スウェーデンが金本位制から離脱して変動相場制に移行したことで通貨同盟は崩壊。ただし、その後も、各国は通貨名を変更せずにそのまま独自通貨を発行し続けました。これが、現在のデンマーク・クローネの直接のルーツです。なお、今回ご紹介の切手は、1クローネ額面の切手としては、このデンマーク・クローネの導入後に発行された最初の切手となります。

 さて、デンマークでは、過去、2000年、2004年、2008年にユーロ導入の是非をめぐる国民投票が行われましたが、いずれも、反対派が過半数を占めて導入は否決され、現在でも独自通貨のクローネが維持されています。

 このため、今月22日、欧州中央銀行(ECB)が量的金融緩和の導入を決定したことでユーロ安が進むと、相対的に有利な運用先を目指す投資家らが資金をクローネに振り向ける動きが活発化。このため、デンマーク政府としては、自国通貨の安定のため、今回の措置に踏み切ったというわけです。


 ★★★ イベント「みんなで絵手紙」(2月8日)のご案内 ★★★

      狛江絵手紙チラシ・表     狛江絵手紙チラシ・裏

 2月8日(日) 10:00-17:00に東京・狛江のエコルマホールにて開催のイベント「みんなで絵手紙 見て、知って、書いて、楽しもう」のトークイベントに内藤陽介が登場します。内藤の出番は13:30-14:15。「切手と絵・手紙」と題してお話しする予定です。是非、遊びに来てください。主宰者サイトはこちら。画像をクリックしていただくと、チラシの拡大画像がごらんになれます。


 ★★★ 講座「切手と郵便物に刻まれた“終戦”」(2月20日)のご案内 ★★★ 

       ミズーリの消印

 2月20日13:00~14:30、愛知県名古屋市の栄中日文化センターで、「切手と郵便物に刻まれた“終戦”」と題する講座を行います。

 2015年は第二次世界大戦の終戦から70周年にあたります。終戦の年の1945年はあらゆる意味で社会が激変した年ですが、その影響は切手や郵便物にもさまざまな痕跡を残しています。今回の講座では、当時の切手や郵便物を読み解いていくことで、一般の歴史書では見落とされがちな終戦の諸相を、具体的なモノの手触りとともに明らかにしてみたいと思っています。

 詳細は、こちらをご覧ください。(画像は、日本の降伏文書調印が行われた米軍艦ミズーリ号から降伏文書調印日に差し出された郵便物の一部分です) 

 
 ★★★ よみうりカルチャー荻窪の講座のご案内 ★★★

 毎月1回(原則第1火曜日:2月3日、3月3日、3月31日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。

 ・イスラム世界を知る 時間は15:30-17:00です。

 次回開催は2月3日で、途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊  『朝鮮戦争』好評発売中! ★★★ 

        朝鮮戦争表紙(実物からスキャン) 本体2000円+税

 【出版元より】
 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各電子書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。

 *8月24日付『讀賣新聞』、韓国メディア『週刊京郷』8月26日号、8月31日付『夕刊フジ』、『郵趣』10月号、『サンデー毎日』10月5日号で拙著『朝鮮戦争』が紹介されました!


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 国際赤十字150年
2014-08-22 Fri 12:49
 1864年8月22日、戦時国際法としての傷病者及び捕虜の待遇改善のための国際条約として、ジュネーヴ条約が締結され、国際赤十字社が発足してから、今日(22日)でちょうど150年です。というわけで、今日は赤十字関連のマテリアルの中から、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      デンマーク・病院船

 これは、朝鮮戦争に際してデンマークが派遣した病院船“ジョットランディア”を描くデンマークの寄附金つき切手とその初日印で、切手には赤十字のマークがしっかり入っています。

 19世紀初頭のナポレオン戦争以来、デンマークは、近隣の列強諸国を刺激せず、中立を維持することを安全保障政策の基本としていました。しかし、第二次大戦中、ナチス・ドイツに国土を蹂躙・占領された経験から、小国として単独で中立を維持することは不可能であると悟り、1949年には北大西洋条約機構(NATO)に加盟しました。

 しかし、その後も、外交・安全保障政策の基本としてあくまでも中立を志向していたため、朝鮮戦争に関しては、国連軍の活動を支援するものの、共産側を過度に刺激しないようにとの配慮から、病院船の派遣と医療支援を行うという結論に到達します。

 こうして、1951年1月23日、デンマーク国旗と赤十字旗、国連旗を掲げた病院船“ジョットランディア”が朝鮮に到着ジョットランディアには4つの手術室と365床のベッド、X線設備などを備えており、4000人余りの志願者から選ばれた42人の医療スタッフが乗船し、仁川や釜山などを移動して医療活動を行いました。

 今回ご紹介の切手は、1951年9月、ジョットランディアがあくまでも非武装の病院船であることを示すとともに、その活動資金を集めるために寄附金つきで発行した切手で、赤十字マークと航行する船の姿が描かれています。

 なお、朝鮮戦争にはさまざまな国がいろいろな形でかかわっていますが、ともすると、韓国・北朝鮮・米国・中国以外の国々については、ともすると忘れられがちです。拙著『朝鮮戦争』では、今回ご紹介のデンマークをはじめ、朝鮮戦争中の上記4カ国以外の活動についてもまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。

 *韓国メディア『週刊京郷』8月26日号で拙著『朝鮮戦争』が紹介されました!(画像は著者インタビューの写真です)

      週間京郷

 記事はこちらです。韓国語ですが、よろしかったら、ぜひご覧ください。


 ★★★ 講演会のご案内 ★★★ 

 ~韓国文化院 講演会シリーズ2014 『韓日交流史』~
 第9回は内藤陽介「韓国の切手でひも解く韓国近現代史」 です!

 ◇日時:2014年9月5日(金) 開場 18:30 開演 19:00
 ◇会場:韓国文化院 ハンマダンホール
 ◇募集人員:300名様(お申し込みはお一人様2名まで)
 ◇入場無料(事前のお申込みが必要です)
 ◇主催・お問い合わせ先:駐日韓国大使館韓国文化院 03-3357-5970

 ■ 韓国文化院のホームページ・トップの 「イベント応募コーナー」欄(こちらをクリックしてください)からお申し込みいただけます。たくさんの皆様のお申し込みを心よりお待ち申しております。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊  『朝鮮戦争』好評発売中! ★★★ 

 お待たせしました。約1年ぶりの新作です!

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 100歳になった人魚姫
2013-08-23 Fri 15:59
 1913年8月23日にデンマーク・コペンハーゲンで人魚姫の像が公開されてから、きょうでちょうど100年です。というわけで、きょうはストレートにこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

       デンマーク・人魚姫

 これは、1989年にデンマークが発行した観光宣伝の切手で、コペンハーゲンの人魚姫の像が取り上げられています。

 コペンハーゲンの人魚姫の像は、彫刻家エドヴァルド・エリクセンが、アンデルセンの童話『人魚姫』のバレエの主役を演じていたエレン・プリースの頭部と、妻エリーネの肢体をモデルに制作したもので、1913年8月23日に公開されました。ただし、エリクセンの像は、腰から下が魚になっているわけではなく、足首あたりからヒレになっています。

 ちなみに、スカンジナビア政府観光局は、人魚姫の像100周年の記念日にあたるきょう、世界12カ国14都市で一斉に、モデルが扮する“コスプレ人魚姫”撮影会イベントを同時開催しましたが、その報道写真(下の画像です)をみると、モデルの女性は一般にイメージされる人魚の姿というより、銅像をリアルに再現して脚がしっかりわかるスタイルで、身体の色も銅像っぽくペイントされています。

        すみだ水族館・人魚姫

 人魚姫の像は高さ1メートル25センチと小ぶりなうえ、港湾地域にあり周辺の景色も風光明媚とは言い難いため、実際に訪れた日本人観光客の中には「期待外れ」と感じる人も少なくないようで、シンガポールのマーライオン、ブリュッセルの小便小僧と並んで、“世界三大がっかり”の一つに数えられることもあります。切手で見る限りは良い感じなんですけどねぇ…。


 ★★★ 内藤陽介の最新作 『蘭印戦跡紀行』 好評発売中! ★★★

 『蘭印戦跡紀行』広告

 日本の兵隊さん、本当にいい仕事をしてくれたよ。
 彼女はしわくちゃの手で、給水塔の脚をペチャペチャ叩きながら、そんな風に説明してくれた。(本文より)

 南方占領時代の郵便資料から、蘭印の戦跡が残る都市をめぐる異色の紀行。
 日本との深いつながりを紹介しながら、意外な「日本」を見つける旅。

 * 出版元特設ページはこちらをご覧ください。

 ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★   

 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。次回開催は9月3日(原則第1火曜日)で、時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。


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 デンマーク初の女性首相誕生へ
2011-09-17 Sat 16:50
 おととい(15日)行われたデンマークの総選挙で、最大野党・社会民主党のヘレ・トニングスミット党首率いる中道左派連合が勝利。これにより、昨日(16日)、ラスムセン内閣が総辞職し、トニングスミットがデンマーク初の女性首相となる見通しです。というわけで、デンマークの女性といえば、やはりこの切手でしょうか(画像はクリックで拡大されます)

        人魚姫

 これは、1935年デンマークが発行した“アンデルセン童話集100年”の記念切手のうち、人魚姫を取り上げた10オーレ切手です。

 アンデルセンは1835年にデビュー作の『即興詩人』を発表し、ついで、同年、『童話集』を発表しましたが、『人魚姫』はこの『童話集』には収録されておらず、翌1836年に発表されました。ちなみに、1935年に発行された“アンデルセン童話集100年”には、このほかに『みにくいアヒルの子』も取り上げられていますが、こちらも1843年に発表された作品ですから、『童話集』には収録されていません。まぁ、どちらもアンデルセンの代表作であることには変わりないのですが、どうせなら、1835年の『童話集』の中から題材を選べばよかったのに…と思ってしま宇野は、僕だけではないでしょう。

 ちなみに、コペンハーゲンの有名な人魚姫の像は、彫刻家エドヴァルド・エリクセンが、バレエの主役を演じていたエレン・プリースの頭部と、妻エリーネの肢体をモデルに制作したもので、1913年8月23日に公開されています。ただし、エリクセンの像は、腰から下が魚になっているわけではなく、足首あたりからヒレになっています。その意味では、切手の方が“人魚姫”のデザインとしては原作に忠実だといえそうです。

 コペンハーゲンの人魚姫の像といえば、これまでにも何度も破壊され、その度に修復されていることでも有名です。デンマークの新首相も、不死身の銅像のように困難を乗り越えて政権を維持していけるか、それとも、原作の人魚姫同様、思いを遂げずに泡と消えていくのか、まさにこれからが正念場というところでしょうな。


  ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★

    5月29日付『讀賣新聞』に書評掲載
  『週刊文春』 6月30日号「文春図書館」で
  酒井順子さんにご紹介いただきました !

        切手百撰・昭和戦後
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 「ヒトラーに共感」でカンヌ追放
2011-05-20 Fri 09:42
 きのう(19日)、カンヌ国際映画祭は、アドルフ・ヒトラーに共鳴する発言をしたとして、コンペティション部門に「メランコリア」を出品していたデンマークのラース・フォン・トリアー監督を“好ましからざる人物”として映画祭から追放すると発表しました。というわけで、きょうはこの“切手”です。(画像はクリックで拡大されます)

        デンマーク義勇軍

 これは、1944年に発行された、デンマーク義勇軍の義損証紙で、ユトレヒト半島南東部コリング城(ルネサンス時代のデンマーク王室の居城)が描かれています。

 第二次大戦中、デンマークはナチス・ドイツによって軍事占領されましたが、デンマーク人は“ゲルマン民族”とされたため、その占領政策は当初は比較的穏健で、国王クリスチャン10世とデンマーク政府は国外に亡命せず、コペンハーゲンにとどまっていました。

 こうした中で、1941年6月22日、独ソ戦が勃発すると、ドイツは占領下および同盟中のヨーロッパ諸国に対し、共産主義と戦う義勇兵部隊の創設を許可。これに応じて、デンマークでは“デンマーク義勇軍(Freikorps Danmark”が結成されます。

 デンマーク義勇軍は、各国の反共義勇軍とともに、1943年にSS装甲師団「ノルトラント」の装甲擲弾兵連隊「ダンマルク」となり、クロアチアやナルヴァ(エストニア)の戦い、オーデル川の攻防戦、ベルリン市街戦などでソ連軍と戦いました。

 義勇軍の発足に先立ち、1941年5月22日、デンマーク郵政は義勇軍ならびにドイツ軍の将兵を対象に、デンマーク国内宛の“軍事郵便”制度を発足させます。この制度では、250グラムまでの郵便物は料金が無料でしたが、250グラムから1キロまでの小包に関しては、デンマーク在住のドイツ人は20ペニヒ、デンマーク人は25オーレの料金を受け取り時に支払うこととされました。また、デンマーク人がドイツ軍の将兵に郵便を送る場合の料金は、当初、葉書が15オーレ、250グラムまでの封書が20オーレでしたが、1942年以降、封書基本料金は50グラムまでが20オーレとなり、50グラムから1キロまでの書状ないしは小包は30オーレとなりました。なお、これらの郵便物は、すべて、ドイツの占領当局によって検閲されています。

 こうした“軍事郵便”制度とあわせて、1944年、デンマーク義勇軍への義援金を募るために発行されたのが、今回ご紹介の義損証紙です。義損証紙は、今回ご紹介のモノのほか、ロスキレ大聖堂を描いた25オーレ、クロンベルク城を描いた1クローネの計3種があります。いずれも、郵便料金に相当する額面はゼロですが、郵便物に貼付することで、寄付金相当額が義援金になるという仕組みです。

 ちなみに、今回問題になったトリアー監督の発言は「彼(ヒトラー)はいわゆるまともなやつではないが、私は彼の多くを理解する。少し、彼に共鳴するところもある」、「オーケー、おれはナチだ」などというものだそうです。この前半部分ですでに怒り心頭という人もいるのでしょうが(ちなみに、僕はナチス・ドイツによる“侵略戦争”やユダヤ人迫害等を支持するつもりはありませんが、ナチス時代のドイツのすべてが悪だったという論調に与するつもりもありません)、現在なお自分がナチであるとした後半部分になると、欧米の言論空間では、まぁ弁護の余地はないということになるでしょうな。

 もっとも、監督の発言は、失言というよりも、ある種の確信犯的なものでしょうから、いっそ、今回の騒動を逆手にとって、次回作では“デンマーク義勇軍”をテーマとした作品をるくらいのことをやってほしいものです。


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 目打があってもなくても②
2010-05-29 Sat 17:24
 ご報告が遅くなりましたが、東京郵便切手類取引所(TOPHEX)による『スター☆オークション』(6月5日実施)のカタログ第10号ができあがりました。僕が担当しているオマケの読み物は、ジョルジュ・バルトーリの郵趣コラム集 Avec ou sans dents (邦題『目打があってもなくても』)に所収のコラムをご紹介する第2回目。今回は、下の切手にまつわるエピソードが取り上げらました。(画像はクリックで拡大されます)

      フェロー諸島・ヨーロッパ(有名人)      フェロー諸島・ヨーロッパ(有名人)-2

 1975年までは、フェロー諸島に関する収集家の関心は、この地域で使うためにデンマーク切手に加刷した高価な切手と、1940年に対独戦の戦略上の要衝としてイギリスが占領した際に発行した5種類の加刷切手にしか向いていませんでした。

 スコットランドの北方350キロ、ノルウェーとアイスランドの間にあるフェロー諸島はデンマーク領ですが、比較的自治が認められています。つまり、彼らは独自の通貨を持ち、独自の国旗を掲げ、サッカーのヨーロッパ杯に代表チームを送り、独自の切手を発行しています。

 さて、1980年のヨーロッパ切手のテーマは独創性に富んだ偉人と決まり、各国はそうした偉人の切手を発行しました。たとえば、フランスはアリスティド・ブリアンとヨーロッパの守護聖人・聖ベネディクトゥスを取り上げました。モナコは、作家コレットと戯曲家のマルセル・パニョールを取り上げ、西ドイツはキリスト教神学者のアルベルトゥス・マグヌスと哲学者のライプニッツを取り上げました。ベルギーも聖ベネディクトゥスとオーストリア女公マルガレーテを無名の画家の絵画を取り上げるという間接的な方法で取り上げました。スイスは政治家J.H.カーンと発明家ホスラーを、イタリアはマゼランの世界一周に同行したピガフェッタと地理学者のA.ロ・スルドを取り上げ、イギリスは文学者のシャルロッテ・ブロンテとジョージ・エリオットを取り上げました。いずれの国も、この機会を利用して、多くの偉人の中から二人を選んでいます。

 ところが、フェロー諸島は人口が非常に少ないので、人物の選定には大いに苦労し、最終的に、フィル・ヤコブ・ヤコブセン(1864-1918)とヴェンゼル・ウルリッヒ・ハンメルスハイムブ(1819-1909)の2人を切手に取り上げることにしました。いずれも、言語学者にして民間伝承の記録に努めた人物ですが、ヨーロッパ切手の題材として取り上げられるにはほとんど無名の存在でした。

 フェロー諸島の政府は2人の偉人の肖像切手の製造を発注し、発行予定日のかなり前に現物を受け取りました。ところが、黒色で刷られた切手は部内の評判が悪く、廃棄処分とすることとなり、すぐに、切手の作り直しが命じられます。こうして、青緑と赤茶色の単色の切手2種が製造された。この新たな2種は適切なものとされ、実際に発行されています。(画像は、その実際に発行された切手2種です)

 さて、廃棄処分が決まった切手に対する炎による“ホロコースト”は、首都トースハウンの公共のゴミ処理施設で、当局者立ち会いの下に行われました。

 しかし、当局者による廃棄処分の途中で、フェロー諸島の住民が誰も知らないうちに、滝のような雷雨に見舞われて作業が中断されたものの、関係者はそれぞれ、自分の義務を果たしたと自覚したと推測することは可能かもしれません。あいにく、いや、収集家の視点からいえば幸運にもというべきかもしれませんが、雷雨(もし、本当に雷雨があったとすれば、ですが)は炎を消し、薪の山の上で火葬されるのを待っていた切手のいくつかを救い出したのです。

 たしかに、消却を免れた切手の状態は決して良くないが、一躍、珍品切手の仲間入りを果たし、そうした欠点は許容しうるものとみなされるようになりました。焼け焦げの跡とか、目打欠け、褪色などにもかかわらず、件の切手は、現在、1枚1500ユーロの値がついているのですから。

 しかし、廃棄されたはずの切手が再び郵趣界に姿をあらわすようになるまでの過程は、語るべき価値があります。それは、まるでおとぎ話のような実話なのです。

 いたずら小僧のグループは遊び場としてゴミ捨て場を選び、いつも宝探しをしていました。ある5月の土曜日のことだった。1人の子供が、問題の切手の半ば焼け焦げた紙片数点を手にします。その子の貯金箱は絶望的なまでに空っぽで、彼を助けてくれそうな父親は何日も漁に出たまま帰ってきませんでしたから、母の日の夕食時に、彼はごくごくささやかなプレゼントさえも母親にあげられないというみじめな思いをするところでした。

 「やった。ママのプレゼントを見つけたぞ!」彼は、何枚かの切手の汚れをどうにかこうにか落とし、小さなストックブックに入れ、翌日、暗唱したお祝いの言葉とともに母親に渡した。母親は、息子が自分の趣味に合ったプレゼントを選んでくれたことにとても喜び、感動は涙を流しました。

 その場では、彼女は息子のプレゼントと、彼女が郵便局で買ったばかりの切手との違いがわかりませんでした。その晩、もらった切手を整理しながら、彼女は仰天。なるほど、図案は同じだが色が違うのです。2枚の切手はただちに、彼女の収集家としての本能を呼び覚ましました。

 「これ、どこで買ったの?」彼女はあせらずに息子に訊きます。息子はすぐに白状しました。叱られると思っていたのに(母親へのプレゼントをゴミ捨て場から拾ってくるなんて!)、母親は有頂天になって抱きしめ、ランプを手に取り、彼を連れて、お宝が眠るゴミ捨て場へと走っていきました。

 ゴミの山を掘り返してみると、最終的に、今日認定されている、フェロー諸島の不発行御ヨーロッパ切手が出てきました。その後、この幸運な母子の物語は、フェロー諸島の人々の間で語り継がれていくことになるのです。


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 GM
2008-12-13 Sat 11:28
 経営難に陥っていたアメリカの自動車大手3社(いわゆるビッグ3)救済のための法案は、上院で民主・共和両党の調整がつかず、審議が終了。アメリカ議会が年内に救済法案を可決することは絶望的となりました。これに対して、アメリカ政府は、最大7000億ドルの公的資金を政府が活用できる緊急経済安定化法の適用を含む支援を行う考えを表明したことで、とりあえず、当面の危機は回避されたとみられていますが、危機的な状況はしばらく続きそうです。

 というわけで、今日はビッグ3がらみのネタの中から、こんなモノをもってきました。(画像はクリックで拡大されます) 

 GM切手帳ペーン

 これは、デンマーク1933年シリーズの10オーレ切手の切手帳ペーンで、ビッグ3の筆頭、GM(ゼネラル・モーターズ)インターナショナルの広告がタブに入っています。

 GMは、1908年9月16日にウイリアム・C・デュラントがミシガン州フリントで組織した持株会社がそのルーツです。デュラントは、ビュイック・モーターの社長として同社を全米有数のメーカーに育て上げた人物で、GMの創設後、キャディラック、エルモア、オークランド(後のポンティアック)などを次々に買収して事業を拡大。1920年にはフォードを抜いて世界最大のメーカーとなりました。

 初期のフォードが1つの車種を世界中で生産して大量生産によるコスト削減を実現したのに対して、GMは「どんな予算でも、どんな目的でも」をスローガンとして掲げて複数のブランドを展開。世界各地のニーズに合わせて、多種多様な車種を供給することで事業を拡大しています。このため、南北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアなど世界中に生産拠点が設けられました。今回ご紹介の切手帳が発行されたデンマークでは、1923年からGMインターナショナルの名で事業が展開されています。

 現在のGMの苦境は、2000年頃からの世界的なエコ意識の高まりの中で、消費者が燃費の良いサブコンパクトカーやハイブリッドカーにシフトしていたにもかかわらず、小型車部門の整理・縮小を行ったことや、2001年の同時多発テロ事件後に販売量が落ち込んだ際も生産量を落とさなかったため在庫が増加したことなどに端を発しているとされています。また、在庫を処理するために販売店へのインセンティブの引き上げや値引き販売を激化させたことが傷口を広げたほか、過去の従業員の退職年金や医療費負担なども財務を圧迫し続けていました。そうしたところへ、ガソリン価格の高騰、サブプライムローン問題、さらにはリーマン・ショックが追い打ちとなり、売上が大きく落ち込み、2007年度決算で3兆円という途方もない額の赤字になったというわけです。

 ところで、ここまで事態が悪化した背景には、GMの社風も大きく影響しているように思われます。

 すなわち、GM北米乗用車・トラック部門担当副社長だったジョン・Z・デロリアンによれば、GMの経営陣には、外部や内部からの忠告・提言をたとえどんなものであっても拒絶する風潮が強いと述べています。また、ピーター・ドラッカーが、1946年に発表した『会社という概念』(この本は決してGM批判の書ではなく、どちらかというと、GMに対して好意的な内容とされています)の中で「(GMは)戦後期には組織・事業・目標を見直す必要がある」と書いただけで、GMの幹部が激怒したというエピソードもあります。その背後には、「GMは世界一なのだから、批判はもってのほか」という思い込みがあったとのことですが、彼らはそのツケをいま払わされているということなんでしょうか。

 なお、ビッグ3の残りの2社のうち、フォードに関しては以前の記事でも取り上げたことがあります。次にビッグ3のことを取り上げるときには、クライスラーについても何か書かないといかんでしょうな。


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 戦時下・占領下のクリスマス:イラク-1988年
2005-12-19 Mon 13:28
 結核撲滅のための複十字シール運動は1904年にデンマークで始まり、世界各国に広がりましたが、クリスマス柄のものも多いため、“クリスマス・シール”と呼ばれることもあります。で、そのクリスマス・シールを貼って差し出された郵便物の中には、当然、戦争がらみのものもいろいろとあるのですが、今日はその中からこんな1枚をご紹介してみましょう。純粋な意味での“戦時下”のモノではありませんが、まぁ、固いことは言わずにお付き合いください。

イラン・イラク停戦監視団

 このカバー(封筒)は、1988年11月、デンマークからイラン・イラク戦争の停戦監視のためにイラクに派遣されていたデンマーク人将校宛に差し出されたもので、切手の左側にこの年のクリスマス・シールが貼られています。切手の上には、差出地の消印とは別に、停戦監視団を示す“UNITED NATIONS IRAN-IRAQ MILITARY OBSERVER GROUP UNIIMOG”の朱印も押されています。

 1980年に始まったイラン・イラク戦争は1988年8月に停戦にこぎつけました。これに伴い、このカバーの名宛人もイラクに派遣され、戦争の傷跡が生々しく残る街中で、このカバーを受け取ったのです。中身が入っていないのが残念ですが、差出時期や、クリスマス・シールがわざわざ貼られているところから考えて、クリスマス・カードが同封されていたと見るのが自然なように思われます。

 なお、このカバーが届けられてから約2年後、イラク軍のクウェート空の撤退を求める湾岸戦争が発動され、イラクは再び戦争の時代に突入します。それゆえ、このカバーは、束の間の“平和”の時期の一断面を記録するものとなりました。

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