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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 科学者の捏造:北朝鮮の場合
2005-12-18 Sun 15:19
 一時はノーベル賞も受賞するのではといわれていた、ソウル大学の教授・黄禹錫の業績(ヒトのクローン胚から世界で初めて胚性幹細胞=ES細胞を作ることに成功したとの論文)が、実際には捏造だったことが分かり、韓国社会が大揺れに揺れているそうです。黄教授に関しては、その業績をたたえる切手まで発行されていたのですが、いやはや…。

 で、こういうとき、北朝鮮だったらどうなるか、ということのサンプルが↓の切手です。

金鳳漢

 これは、1966年に北朝鮮で発行された金鳳漢の業績をたたえる小型シートです。

 1961年8月、北朝鮮の医師であった金鳳漢が「経絡の実態に関する研究」と題する論文を発表。いわゆる“鳳漢学説”を展開し、東洋医学で言う“ツボ”を科学的に解明したと主張します。彼は経絡を撮影したとする映像まで公開し、その主張は一時世界的にも脚光を浴びましたが、後に、鳳漢学説はなんら科学的な根拠のない創作であることが判明。さらに、金が所長を務める研究所が囚人を用いた人体実験を繰り返していたことも発覚。このため、国際世論の批判を恐れた北朝鮮当局は、金とその関係者を粛清しました。もっとも、粛清の直接的な容疑は学説の創作・捏造ではなく、新年会で金の家に集まったメンバーの一人が体制に対する不満を漏らしたことをとらえ、彼らが国家転覆を企てたというものだったようです。

 今日ご紹介している小型シートは、金鳳漢と彼の経絡理論を図式化したものですが、発行後まもなく、金本人が粛清されたため、発行されたシートは回収されました。もちろん、あの国ですから、公式記録から切手発行の事実も抹消されています。というわけで、この小型シートは現在ではそれなりに貴重な1枚になっています。

 これに対して、韓国で発行された黄教授をたたえる切手は、もう大分流通していますし、韓国政府も回収することはしない(できない)でしょうから、話題の1枚ということにはなっても、今後、“お宝”になる確立は非常に低いでしょうね。

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