郵便学者・内藤陽介のブログ
 切手というモノを、ちょっと違った角度から眺めてみると、あなたの知的好奇心をくすぐる新たな発見がイロイロあるのです。そんな切手の面白さを綴っていこうと思っています。
06 | 2008/07 | 08
S M T W T F S
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

 農水省30年
 1978年7月5日に農林省が農林水産省と改称されてから、今日でちょうど30年です。というわけで、今日はこの1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 農林水産振興100年

 これは、1981年4月7日に発行された「農林水産振興100年」の記念切手です。切手のデザインは、農業、林業、水産業のイメージをそれぞれ穀物、木、さかなとして表現し、デザイン化した“100”をバックに描いたものです。なお、記念切手の名称はちょっと生硬な表現ですが、これは、1881年4月7日、当時の殖産興業政策の一環として、内務省駅逓局、山林局、勧農局、博物局と大蔵省商務局を統合して農商務省が設置され、統一的な農林水産行政が始まってから100周年という意味です。

 1881年に発足した農商務省は、1885年12月に内閣制度が始まった後も維持されます。ただし、このときの官制改革で、工部省が廃止されて逓信省が設置されたことにより、旧工部省の鉱山事務・工作事務は農商務省に統合され、農商務省の駅逓事務・管船事務は逓信省に移管されました。

 大正時代に入ると米価が高騰し、安価な外国産米が輸入されるようになりましたが、これに反発する農業関係者は、農商務省を廃止して農務省を設置するよう再三に渡って建議。このため、1925年4月1日、 農商務省は分割され、農林省と商工省になります。

 しかし、戦時下の1943年、軍需産業強化のため、商工省の大半と企画院を統合して軍需省が設置されると、旧商工省が所管していた繊維産業や日常生活物資についての統制事務は農林省に移管され、農林省はふたたび農商省となりました。

 1945年の敗戦により軍需省が廃止されると、農商省は農林省に戻り、組織・所管は戦前に復します。そして、1949年6月1日、農林省官制等に基づく農林省が廃止され、農林省設置法に基づく(新)農林省が発足しました。

 この(新)農林省が、1978年7月5日には農林水産省となったわけですが、現在の農林水産省は、2001年の省庁再編により、現在の(新)農林水産省設置法(平成十一年法律第九十八号)に基づくものとして、厳密には、1978年の農林水産省とは別の組織ということになっています。

 ここのところ連日、ウナギや飛騨牛などの食品偽装の問題がマスコミをにぎわせていますが、食品偽装を監視するのも農水省の仕事で、同省では現在、“食品特別表示Gメン”20人が警察とも連携して、全国での広域調査体制を敷いています。

 もっとも、現在の日本農林規格(JAS)法では、業者に是正指示・命令はできるものの、実際には警察が捜査に乗り出さない限り、悪質な業者にペナルティーを課すことはできません。それゆえ、食品偽装に対する規制の強化が求められるわけですが、とはいえ、規制が強くなりすぎると良心的な業者の経営まで圧迫することになってしまうわけで、そのあたりのさじ加減はなかなか難しいのでしょうね。

 なお、今回ご紹介の切手と同時期の日本の記念・特殊切手に関しては、拙著『近代美術・特殊鳥類の時代』で詳しくまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひ、ご一読いただけると幸いです。

 おしらせ 
 きょう(7月5日)、東京・池袋で開催の切手市場にて、午前中・11:30ごろまで、拙著『韓国現代史:切手でたどる60年』の刊行を記念して即売・サイン会を行います。入場は無料ですので、よろしかったら、ぜひ、遊びに来てください。

 もう一度切手を集めてみたくなったら 
 雑誌『郵趣』の2008年4月号は、大人になった元切手少年たちのための切手収集再入門の特集号です。発行元の日本郵趣協会にご請求いただければ、在庫がある限り、無料でサンプルをお送りしております。くわしくはこちらをクリックしてください。 


アクセス数 (2005年6月1日〜)

プロフィール

内藤陽介 (ないとう・ようすけ)

Author:内藤陽介 (ないとう・ようすけ)
 1967年、東京都生。東京大学文学部卒業。郵便学者。日本文芸家協会会員。切手の博物館・副館長。切手などの郵便資料から、国家や地域のあり方を読み解く「郵便学」を提唱し、研究・著作活動を続けている。
 主著:<解説・戦後記念切手>シリーズ(日本郵趣出版、現在、第6巻まで刊行)、『北朝鮮事典』、(竹内書店新社)、『外国切手に描かれた日本』(光文社新書)、『切手と戦争』(新潮新書)、『反米の世界史』(講談社現代新書)、『皇室切手』(平凡社)、『これが戦争だ!』(ちくま新書)、『満洲切手』(角川選書)、『香港歴史漫郵記』(大修館書店)、『タイ三都周郵記』(彩流社)ほか著書多数。最新作は『韓国現代史:切手でたどる60年』(福村出版)

月別アーカイブ

最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索

RSSフィード

Powered By FC2ブログ

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ