2012-12-06 Thu 17:12
ル・コルビュジエの弟子で、1940年代に米ニューヨークの国連本部ビル設計に参加したほか、1960年にブラジルの新首都ブラジリアの主要建築群を手掛け、“20世紀最後の巨匠”と呼ばれた建築家、オスカー・ニーマイヤーがきのう(5日)、リオデジャネイロ市内の病院で亡くなりました。享年104。謹んでご冥福をお祈りします、というわけで、彼の代表作の一つである国連本部ビルに関するマテリアルをご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)
左は、1963年12月に韓国で発行された「国連、韓国承認15周年」の記念切手の原画で、太極旗と国連ビルが描かれています。参考までに、実際に発行された切手の画像を右側に貼っておきました。 大韓民国の成立に先立つ1948年5月10日、米軍政下の南朝鮮で単独選挙が行われると、選挙監視のために派遣されていた国連の臨時朝鮮委員会は、選挙が成功裏に終了したと宣言。同年6月25日、選挙により成立した南朝鮮国会を正統議会として認定しました。 これを受けて、南北両政府成立後の1948年9月24日(北朝鮮での朝鮮民主主義人民共和国政府成立は9月9日です)に開催された国連総会本会議では、朝鮮問題の審議は第一委員会(軍縮・安全保障)に付託されることになりました。 第一委員会では、①臨時朝鮮委員会の報告を承認する、②新しい朝鮮委員会を設置する、③総会では大韓民国を朝鮮の正統政府とする、④新たに設置される朝鮮委員会は朝鮮の統一を援助する、ことを、アメリカ、オーストラリア、中国(中華人民共和国ではなく、台湾の国民党政府)の3ヶ国が共同決議案として提出。これに対して、ソ連は、臨時朝鮮委員会の監視下で行われた南朝鮮の単独選挙は、政治的拘束と抑圧の中で実施された不当なものであるとしたうえで、①そもそも朝鮮問題はモスクワ協定で処理すべきものであり、国連総会は朝鮮に関して行動を起こす権利はない、②大韓民国は元対日協力者と米軍により構成された傀儡政権である、③(彼らの主張では)南北双方の代表からなる朝鮮民主主義人民共和国こそが朝鮮人民の意思を代表している、④朝鮮人民の代表こそが国連に招請されるべきである、などとする決議案を提出して対抗しました。 結局、1948年12月8日、国連総会はソ連決議案を否決して共同決議案を採択。これを受けて、12月12日、①臨時朝鮮委員会の報告を承認する、②大韓民国政府は、臨時朝鮮委員会が観察した選挙で樹立された、朝鮮にある唯一の合法的な政府である、③臨時朝鮮委員会の任務を継承する組織として朝鮮委員会を設置する、ことを骨子とする総会決議195(Ⅲ)が採択され、国連の場では韓国が朝鮮半島の正統政府として認知され、1949年2月12日、新たな朝鮮委員会がソウルで活動を開始しました。今回ご紹介の切手(とその原画)は、総会決議195(Ⅲ)の採択から起算して15年になるのを記念して発行されたものです。 さて、来年(2013年)は、朝鮮戦争の休戦(1953年)から60年という節目の年になります。今年は11月の<JAPEX>に「冷戦と朝鮮」と題して出品して金賞をいただいたことでもありますし、メモリアル・イヤーに合わせて、なにか残る仕事をしたいですな。鬼にはしっかり笑われそうですが。 ★★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★★ 『喜望峰:ケープタウンから見る南アフリカ』 いままでなかった喜望峰とケープタウンの物語 美しい風景とウンチク満載の歴史紀行!! アマゾン、セブンネット、版元ドットコム、楽天ブックス、e-hon、hmv、honto、JBOOK、livedoor BOOKSなどで好評発売中! なお、本書をご自身の関係するメディアで取り上げたい、または、取り上げることを検討したい、という方は、是非、ご連絡ください。資料を急送いたします。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 スポンサーサイト
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