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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 アレクサンドロフ・アンサンブル
2016-12-26 Mon 10:03
 昨日(25日)、ロシア南部のソチからシリアのラタキア近郊のロシア空軍基地に向かっていたロシア軍所属のTu154型旅客機が、黒海に墜落。ロシア軍所属の合唱団、アレクサンドロフ・アンサンブルのメンバー60人、報道関係者9人を含む乗客84人と乗員8人の計92人全員の生存は絶望視されています。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ソ連・アレクサンドロフ生誕100年

 これは、1983年3月22日、ソ連が発行した“アレクサンドル・ワシーリエヴィチ・アレクサンドロフ生誕100周年”の記念切手で、彼の作曲したソ連国歌の楽譜を背景に、アレクサンドロフの肖像が描かれています。

 アレクサンドロフは、1883年4月13日、モスクワ近郊のプラヒノで生まれました。幼少期から抜群の歌唱力で知られ、サンクトぺテルブルク・カザン聖堂の合唱団に入り、サンクトぺテルブルクとモスクワで作曲を学んだ後、1918年に音楽教授となりました。

 1928年、労農赤軍に属する合唱団・演奏団(アンサンブル)を創設し、同団の指揮者に就任。1936年に彼が作曲した「ボリシェヴィキ党歌』は、1944年以降、歌詞を変更してソ連国歌となり、そのメロディは2001年に制定された現在のロシア国家にも継承されています。

 アレクサンドロフ自身は、1946年、巡業先のベルリンで亡くなりましたが、その死後、彼の創設したアンサンブルは、その功績をたたえて“赤旗勲章二重受章 А.V.アレクサンドロフ記念アカデミー ロシア軍歌と踊りのアンサンブル(通称・アレクサンドロフ・アンサンブル)”と改称され、息子のボリス・アレクサンドロヴィチ・アレクサンドロフが後任の指揮者となりました。

 アレクサンドロフ・アンサンブルは、1928年の創立以来、現在にいたるまで、ソ連・ロシア時代を通じて、名実ともに、いわゆる赤軍合唱団(旧赤軍・旧ソビエト連邦軍・現ロシア連邦軍・ロシア内務省国内軍など、ソ連・ロシアの軍隊・準軍事組織等に属する合唱団の総称)の最高峰として君臨し続け、世界的にも高い評価を受けてきました。

 今回、アレクサンドロフ・アンサンブルは、ラタキア近郊のロシア軍基地での新年コンサートに参加するための移動中、搭乗機が墜落したとのことで、一部報道によると、シリア政権軍が制圧を宣言したばかりのアレッポで記念演奏会を行う予定もあったとか。今回の墜落ではアンサンブルのメンバーの大半が失われたとみられており、単なる墜落事故の枠を超えて、ロシア国内に与えた衝撃の大きさは想像に余りあるものがあります。プーチン大統領も事態を重視し、事故調査のための特別委員会を設置するようメドベージェフ首相に指示したほか、きょう(26日)を“服喪の日”とする考えを示したそうです。

 謹んで、亡くなられた皆様の御冥福を心よりお祈りいたします。


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