内藤陽介 Yosuke NAITO
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 AA会議博物館に行ってきました!
2017-08-05 Sat 07:32
 切手展も無事に開幕し、きのう(4日)はちょっとした空き時間ができましたので、バンドンの名所、アジア・アフリカ会議博物館に行ってきました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      中国・バンドン会議10周年(会議場)

 これは、1965年に中国が発行した“バンドン会議10周年”の記念切手のうち、会議の行われた建物(Gedung Merdeka:独立ビル)を取り上げた1枚です。ちなみに、画面手前のファサードの現状はこんな感じでした。

      バンドン・独立ビル

 独立ビルは、もともとは、バンドンの上流階級を対象とした“ソシエタイト・コンコルディア(Sociëteit Concordia、コンコルディア協会)”という社交クラブとして利用されていました。コンコルディア協会の最初の建物は1895年に建てられましたが、1926年、バンドン工科大学教授のウォルフ・シューマッハーの設計により、上の画像のファサードに見られるようなアールデコ様式に改築されました。さらに、1940年には、アルベルト・アルベルの設計により、国際様式の部分が付け加えられ(下の画像。上の画像のファサードは画面の左奥にあります)、建物全体がほぼ現在の姿となりました。

      バンドン・独立ビル(増築部分)

 現在の建物の面積は7500平米で、 床材はイタリア産大理石が基本ですが、一部の部屋は板張りで、天上からはクリスタルのランプが吊るされています。

 第二次大戦中の日本占領下では、建物は“大東亜会館”と改称されて文化センターとして用いられていましたが、1945年8月17日の独立宣言後は、独立派の司令部が置かれました。

 1949年12月、インドネシアの独立が最終的に達せられると、建物は“コンコルディア・ビル”として各種催事の会場として利用されるようになりました。

 1954年、インドネシア政府がバンドンで第1回アジア・アフリカ会議の開催を決定すると、コンコルディア・ビルはその会場に指定されます。これは、コンコルディア・ビルが当時のバンドンで最も大きな建物であったことに加え、会議参加者の宿泊先であるサヴォイ・ホテルおよびプレアンガー・ホテルから至近の距離にあったためです。その後、1955年初の改修を経て、建物の名称も現在の“独立ビル”に改称されました。

 アジア・アフリカ会議の終了後、独立ビルはインドネシアの国会に相当する国民協議会の議事堂として用いられていましたが、1971年、国民協議会はジャカルタでの開催が固定されるようになります。そして、1980年、アジア・アフリカ会議25周年を機に、独立ビルは“アジア・アフリカ会議博物館”とすることが決定され、現在に至っています。

 館内に入ると、まずはアジア・アフリカ会議の様子を再現した人形(画像下左)があり、ついで、スカルノと各国首脳の会談の際に用いられた籐椅子(画像下右)や、各種の写真パネルなどの展示がありました。

      アジア・アフリカ博物館・人形  アジア・アフリカ博物館・椅子

 インドネシアが発行した会議関連の切手の展示もありましたが、残念ながら、原画や試刷など、いわゆるアーカイブ・マテリアルはなく、普通の未使用切手と初日カバーだけでした。

      アジア・アフリカ博物館・切手展示

 俺らの展示と併せて、館内では、アジア・アフリカ会議当時の映像なども上映していましたが、個人的には、その上映スペースの前に置かれていた、アンディ・ウォーホール風(?)のスカルノのパネルのインパクトが強烈すぎて、肝心の映像の中身は印象が薄くなってしま居ました。(笑

      アジア・アフリカ博物館・スカルノのパネル

 なお、インドネシアの近現代史に関しては、以前、『蘭印戦跡紀行』と題する拙著を上梓したことがあるのですが、同書では、紙幅の制約もあって、ごく限られた地域しか取り上げることができませんでした。いずれ、今回のバンドン滞在中に見聞したことなども加えた増補改訂版を作れたら・・・と思っています。


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 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

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