内藤陽介 Yosuke NAITO
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 113歳のアウシュヴィッツ生還者亡くなる
2017-08-12 Sat 10:46
 1903年生まれで、アウシュヴィッツを生き延びた世界最高齢のイスラエル人男性、イスラエル・クリスタルさんが、きのう(11日)亡くなりました。享年113歳。謹んでご冥福をお祈りします。というわけで、きょうはアウシュヴィッツ関連のマテリアルの中から、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      アウシュヴィッツ・レターシート(1945年)

 これは、1945年1月5日、アウシュヴィッツの収容者がポーランド南部のベンジン(ドイツ語名ベンズブルク)宛に差し出した郵便物で、収容者専用のレターシートが使用されています。

 1939年9月、ポーランドに侵攻したナチス・ドイツは、1940年5月、ポーランド南部のオシフイエンチム(ドイツ語名アウシュヴィッツ)郊外の旧ポーランド軍兵営をアウシュヴィッツ第1強制収容所として、犯罪常習者とポーランド人政治犯の収容を始めました。その後、ブジェジンカ(ドイツ語名ビルケナウ)に第2、モノヴィツェ(ドイツ語名モノヴィッツ)に第3収容所が設置され、1945年1月にソ連軍が解放するまでの間に、100万人のユダヤ人と、25万人以上の非ユダヤ人が計3ヶ所の“アウシュヴィッツ強制収容所”で犠牲になりました。

 収容者の通信には専用の封筒・便箋・葉書が使用されていましたが、外部から差し入れられるなどして、通常の葉書等が用いられることもありました。その後、戦況の悪化に伴い、封筒と便箋が一体となったレターシートが使われるようになります。その後、1944年夏頃から、さらなる戦況の悪化に伴い、今回ご紹介の画像のような、さらに簡便化された2つ折り形式のレターシートが導入・使用されています。

 その後、1944年11月に入ると、ソ連軍の接近に伴い、アウシュヴィッツ・ビルケナウ収容所からの撤収が開始されます。その際、病気などで移動が不可能と判断されたものを除き、6万以上の収容者が西方のヴォディスワフまで徒歩で行進させられ、そこからグロスローゼン、ブーヘンヴァルト、ダッハウ、マウトハウゼン等の各収容所に移送され、その過程で1万数千人が命を落としました。このため、1944年11月以降、アウシュヴィッツ発の郵便物は激減。特に、1945年1月27日にはソ連軍が進駐して収容所を“解放”するため、今回ご紹介の郵便物のように、1945年の発信は現存数は1桁レベルではないかと思います。

 ちなみに、1945年1月の収容所解放の時点で、アウシュヴィッツに残されていた収容者は7000人ですが、今回亡くなったイスラエル・クリスタルさんもそのうちの1人で、体重がわずか37キロと危機的な状態で救出されたそうです。 

 なお、アウシュヴィッツの収容者が差し出した郵便物と、そこからみえてくる収容所内の生活については、拙著『アウシュヴィッツの手紙』でもいろいろご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。


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 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

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