内藤陽介 Yosuke NAITO
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 本日、トークやります。
2017-11-04 Sat 06:17
 本日(4日)12:30より、東京・浅草で開催中の全国切手展<JAPEX>会場内で、拙著『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』刊行記念のトークイベントを行います。というわけで、その予告編として、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      オスマン帝国・メフメト6世即位紀念

 これは、1919年、オスマン帝国が発行した“メフメト6世即位”の記念切手です。

 第一次大戦末期の1918年7月4日、オスマン帝国のスルターン、メフメト5世が崩御し、弟のメフメト6世が後継スルターンとして即位しました。しかし、新スルターンの即位後まもない10月30日には、オスマン帝国はムドロス休戦協定を結んで連合国に降伏してしまいます。

 同協定では、

 ①オスマン帝国は、アナトリア半島の外にある要塞を明け渡し、ダーダネルス海峡とボスポラス海峡を管理する要塞を占領する権利を連合国に認める
 ②無秩序状態が起こり、連合国の安全に対する脅威となる場合は、オスマン帝国の領土のいかなる部分も占領できる権利を連合国に認める
 ③オスマン帝国軍は、自ら武装解除されることを認める
 ④オスマン帝国は、港湾・鉄道・その他戦略的要地に対する使用権を連合国に認める
 ⑤カフカース(コーカサス)地方では、オスマン帝国軍は大戦前の国境まで撤退する

 ことが定められ、11月13日に首都イスタンブールが英仏伊軍によって占領されたのを皮切りに、連合国による国土占領が進められていきました。

 この時点で、オスマン帝国は事実上の滅亡に等しい状況に陥ったのですが、それでも、形式的にはオスマン帝国政府は残存しており、それゆえ、オスマン帝国の郵政機関は従前どおり、住民に対して郵便サービスを提供していました。

 こうした中で、ともかくも、オスマン帝国郵政としては、メフメト6世即位の記念切手を発行することになったが、彼らには、新たなデザインの切手を発行する余裕はすでになかったため、とりあえず既存の切手に即位の年号である“1334(イスラム暦)-1919(西暦)”の文字や、敗戦後の混乱の中で進行しつつあったインフレに対応するための新額面を加刷したものが、即位の記念切手として発行されました。

 加刷に使われた台切手の中には、大戦中、オスマン帝国軍のエジプト進攻を想定して、占領地で使うために準備していたものの、敗戦により不発行のままに終わっていたものも何種類か含まれていましたが、そのうちの一種が、岩のドームを描く10ピアストル切手でした。今回ご紹介の切手は、これに加刷を施したメフメト6世即位の記念切手で、これこそが、岩のドームを取り上げた最初の切手となりました。

 さて、<JAPEX>のトークイベントでは、今回ご紹介の切手以降、岩のドームがどのように切手に取り上げられてきたのか、その歴史的な変遷を背景事情とともにたどってみたいと考えます。ぜひ、1人でも多くの方にご参加いただけると幸いです。


★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史”  次回は9日!★★

 11月9日(木)16:05~  NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第11回が放送予定です。今回は、11月7日に100周年を迎えたロシア革命についてお話する予定です。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。


★★★ 世界切手展<WSC Israel 2018>作品募集中! ★★★

  明年(2018年)5月27日から31日まで、エルサレムの国際会議場でFIP(国際郵趣連盟)認定の世界切手展<WSC Israel 2018>が開催される予定です。同展の日本コミッショナーは、不詳・内藤がお引き受けすることになりました。

 現在、出品作品を11月10日(必着)で募集しておりますので、ご興味がおありの方は、ぜひ、こちらをご覧ください。ふるってのご応募を、待ちしております。


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 【出版元より】
 中東100 年の混迷を読み解く! 
 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史!

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