内藤陽介 Yosuke NAITO
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World Wide Weblog
 世界の切手:ルーマニア
2017-11-08 Wed 09:26
 ご報告がすっかり遅くなりましたが、アシェット・コレクションズ・ジャパンの週刊『世界の切手コレクション』2017年10月25日号が発行されました。僕が担当したメイン特集「世界の国々」のコーナーは、今回はルーマニア(3回目)の特集です。その記事の中から、この1点をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      ルーマニア・モルドヴィツァ「コンスタンティノープルの攻防戦」

 これは、1969年に発行されたモルドヴィツァ修道院の壁画「コンスタンティノープルの攻防戦」を取り上げた1枚です。

 現在のモルドヴィツァ修道院の場所には、もともと、アレクサンドル善公が1410年に物見の塔のある要塞を兼ねた石造りの教会を建てたといわれています。これをもとに、1532年、モルダヴィア公のペトゥル・ラレシュが要塞としての防御機能を強化して建てたのが現在の修道院の原型です。

 ペトゥル・ラレシュの時代、モルダヴィア公国はオスマン帝国に膝を屈し、その宗主権を認めて貢納を行う属国となりました。その一方で、オスマン帝国はモルダヴィアに対して一定の自治権を与えていたため、ルーマニア人貴族の勢力は温存され、結果的に、公国は平和と繁栄を享受しています。

 “奴隷の平和”を受け入れざるを得なかった時代環境の中で、“トルコ人”に対する複雑で鬱屈した心理状態が反映されているのが「(626年の)コンスタンティノープル攻防戦」という画題でした。すなわち、この画題は、626年、ホスロー2世率いるペルシャ軍がコンスタンティノープルを包囲した際、彼の地のキリスト教徒は団結して敵を撃退したという史実を表現したものですが、この時代のブコヴィナ地方のフレスコ画では、ペルシャ軍をオスマン帝国風の服装や装備で描くというかたちで表現しています。特に、モルドヴィツァ修道院は、「コンスタンティノープル攻防戦」の戦闘場面が念入りに描かれていることでも有名です。

 さて、『世界の切手コレクション』10月25日号の「世界の国々」では、ブコヴィナの5つの修道院(フモール、ヴォロネツモルドヴィツァスチェヴィツァアルボーレ)についてまとめた長文コラムのほか、ブランクーシの「大地の知恵」、カルパティア山脈、スチャヴァの大城塞、ブラック・セラミックの切手などもご紹介しております。機会がありましたら、ぜひ、書店などで実物を手に取ってご覧いただけると幸いです。

 なお、「世界の国々」の僕の担当回ですが、今回のルーマニアの次は、本日(8日)発売の11月15日号でのサウジアラビアの特集になります。こちらについては、発行日の15日以降、このブログでもご紹介する予定です。


★★ NHKラジオ第1放送 “切手でひも解く世界の歴史”  次回は9日!★★

 11月9日(木)16:05~  NHKラジオ第1放送で、内藤が出演する「切手でひも解く世界の歴史」の第11回が放送予定です。今回は、11月7日に100周年を迎えたロシア革命についてお話する予定です。なお、番組の詳細はこちらをご覧ください。


★★★ 世界切手展<WSC Israel 2018>作品募集中! ★★★

 明年(2018年)5月27日から31日まで、エルサレムの国際会議場でFIP(国際郵趣連盟)認定の世界切手展<WSC Israel 2018>が開催される予定です。同展の日本コミッショナーは、不詳・内藤がお引き受けすることになりました。

 現在、出品作品を11月10日(必着)で募集しておりますので、ご興味がおありの方は、ぜひ、こちらをご覧ください。ふるってのご応募を、待ちしております。


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