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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 日本画家の堀文子さん死去
2019-02-08 Fri 02:24
 日本画家の堀文子さんが、5日、心不全のため亡くなっていたことが、昨日(7日)、発表されました。享年100歳。謹んでご冥福をお祈りしつつ、きょうはこの切手をご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      つる女房:鶴

 これは、1974年2月に発行された“昔ばなしシリーズ”の第2集「つる女房」のうち、主人公の若者が、機を織っている場面を見てはいけないという約束を破り、妻の正体を見てしまったため、鶴は元の姿に戻り仲間とともに飛び去っていく場面を取り上げた“鶴”の切手です。

 昔ばなしシリーズは、ストーリーが発端・経過・結末のわかりやすい三部構成になっていることを条件に、井沢純 、臼田甚五郎 、関敬吾 、深川恒喜の4人の専門家の意見もふまえて題材を選び、それぞれ、日本画家が3枚の原画を制作しました。このうち、第2集の「つる女房」の3点の原画を制作したのが堀さんでした。

 堀さんは、1918年、東京市麹町区平河町(現:東京都千代田区麹町)生まれ。女子美術専門学校師範科日本画部(現・女子美術大学芸術学部美術学科日本画専攻)在学中の1938年に第2回新美術人協会展に入選し、1940年に同校を卒業後、新美術人協会会員となりました。

 昭和20年代には『キンダーブック』、『ふたば』など児童向け出版物に多くの作品を描き、1952年には、優れた女流日本画家に与えられる上村松園賞を受賞。1961-63年、世界放浪の旅を経験したことで日本画の持つ色彩や顔料の美しさに回帰し、自然をモチーフとして取り上げ、移りゆく自然の情景を繊細な描写と優美な色彩で描き出す画風を確立しました。

 今回ご紹介の切手が発行された1974年には、創画会の結成に参画したほか、多摩美術大学日本画科教授に就任。定年後も1999年まで同大客員教授として後進に日本画の指導を行いました。

 その画業と併せて、恒例になってからも精力的な活動を展開したことでも知られ、2000年、82歳の時には幻の高山植物ブルーポピーを求め、ヒマラヤ山脈の高地を踏破し、「幻の花 ブルーポピー」を制作。その後も、解離性動脈瘤を経て、ミジンコなどに生命の美しさを見いだした作品を発表し続け、2004年の画文集『生きて死ぬ智慧』が約55万部のベストセラーとなったほか、2017年には語録集『ひまわりは枯れてこそ実を結ぶ』が刊行されています。

 なお、切手に関しては、今回ご紹介の切手を含む「つる女房」のほか、日本の歌シリーズの「もみじ」や「おぼろ月夜」などの原画も手掛けており、切手収集家にとってもなじみのある画家でした。
 

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