内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ドバイの椰子の木
2005-09-08 Thu 11:18
 現在、アラブ首長国連邦(UAE)を構成している首長国は、連邦の結成以前は、休戦協定諸国(Trucial States)と呼ばれていました。これは、イギリスと休戦協定を結んで、イギリスの保護国化されていたことによる名称です。

 さて、その休戦協定諸国には、当初、ドバイにしか郵便局がありませんでしたが、第二次大戦後の石油開発に伴い、イギリスはこの地に郵便網を設けることを計画します。そして、休戦協定諸国で共通に使うための切手として、1961年1月、下の画像のような切手を発行しました。

ドバイの椰子の木

 切手は、7つの首長国にちなみ、7本のナツメヤシを取り上げたもので、ドバイの郵便局で使われた後、順次、他の首長国で解説される郵便局でも使われる予定となっていました。

 ところが、長年にわたってドバイとライバル関係にあったアブダビが、「7本のナツメヤシの大きさに大小があるのは、休戦協定諸国間の平等という原則に反している」として切手のデザインにクレームをつけてきました。アブダビにしてみれば、切手のデザインでは一番大きな木がドバイで、自分たちは格下に描かれていると理解したのでしょう。そして、1960年末に解説された油田地帯のダス島の郵便局でこの切手を使うことを拒絶しました。(ちなみに、ダス島の郵便局はアブダビ内に設けられた最初の郵便局です)

 結局、こうした事情から、この切手はドバイでしか使われることがありませんでした。また、切手にクレームをつけたアブダビは、1964年3月、自分たち独自の切手を発行し始め、後にその他の首長国もこれに続いたことから、いわゆるアラブ土侯国の切手濫発が始まることになりました。

 今日は午前中、先日亡くなった佐々成美さんのお葬式に参列してきました。植物切手のコレクターとして知られていた佐々さんを偲び、何か植物切手にまつわる話題はないかと考えて、とっさに思い浮かんだことを書いてみたという次第です。
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