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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 きょうからスタンプショウ
2008-04-25 Fri 08:24
 きょう(25日)から、東京・浅草の都立産業貿易センター台東館スタンプショウ’08がスタートします。というわけで、今日はスタンプショウ開催地の浅草にちなんでこの1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 日本の歌・花

 これは、“日本の歌シリーズ”最後の第9集として1981年3月10日に発行された「花」です。
 
 「花」は、1900年11月に発行の歌曲集『四季』に収録されたもので、武島羽衣作詞、滝廉太郎作曲によるものです。原画作者の林静一といえば、僕なんかがすぐに連想するのは“小梅ちゃん”ですが、今回の切手は梅ではなく桜を題材としたものとなりました。

 武島羽衣は1872年東京生まれ。東京帝国大学を卒業後、東京音楽学校や日本女子大学などの教授を務めました。一方、滝廉太郎は1879年に東京で生まれ、父の郷里、大分県竹田市で少年時代を過ごしました。東京音楽学校卒業後、ドイツに留学しましたが、病気のため帰国し、少年時代を過ごした竹田市で23歳の若さで亡くなりました。

 日本の歌シリーズは、もともと、1979年、滝廉太郎の生誕100周年にあわせて企画されたもので、滝の誕生日である8月24日、滝の代表作である「荒城の月」の切手でスタートしましたが、最後を締めくくったのも滝の作品ということになります。

 日本の歌シリーズは、浅草出身の音楽家で切手収集家としても有名だった鈴木正康の努力によって実現したものです。(余談ですが、スタンプショウが浅草で行われるようになったのも、日本のフィラテリーにおける鈴木の事績の一つです)

 当初、鈴木は、チェコスロバキアで発行された音楽切手の名品が同国の国歌を取り上げていたことから着想を得て、「君が代」を題材とした切手の発行を目指していたようですが、これは賛同者が得られず、失敗に終わりました。

 その後、彼は1979年が、母校・東京芸術大学のルーツとなる音楽取調掛が文部省内に設置されて100周年にあたることから、その記念切手発行を目指して運動を開始しますが、当時の郵政省は特定の学校の周年記念切手を発行することに対して強い拒否感を持っていたため、この計画も頓挫してしまいます。

 そこで、鈴木は、やはり1979年が作曲家・滝廉太郎の生誕100周年でもあることに目をつけ、日本郵趣協会内に“事務局”を設けて、同協会の理事で衆議院議員の後藤茂、著名な収集家の三井高陽や、収集家で郵政審議会の専門委員でもあった三島良績、郵政OBの山下武夫らを巻き込んで、滝廉太郎生誕100周年の記念切手発行を求めて、音楽関係者に切手発行の賛同を求める運動を開始しました。特に、大分県竹田市が滝ゆかりの地とされており、この曲をイメージした風景印も使われていることから、鈴木らは大分県に重点を置いて、大分県知事以下、県下の音楽団体に協力を呼びかけ、彼らの賛同を得て、郵政省の切手室に「日本の歌シリーズ」発行の要望書を提出。こうした鈴木の尽力もあって、昭和54年度から発行が開始されるシリーズ切手のテーマの一つが「日本の歌」に決定されたというわけです。

 このあたりの事情については、新刊の拙著『近代美術・特殊鳥類の時代』で詳しくご説明しておりますので、よろしかったら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。

 さて、スタンプショウ会期中の明日26日(土)13:00からは、会場内特設スペースにて、拙著『近代美術・特殊鳥類の時代』の刊行を記念してトークイベントを行います。当日、会場にて拙著をお買い求めいただきました方には、企画展示の“ネコ”にちなんで、昨日ご紹介の「黒き猫図」「黒船屋」の2枚の切手をあしらった特製ポストカードをプレゼントする予定です。ポストカードに取り上げられている切手はいずれも額面が50円ですから、これを貼って、会場内の臨時出張所でネコをデザインした日替わり小型印を押して楽しんでいただくのも一興かと存じます。(数に限りがありますので、万一、品切れの際はご容赦ください。) 

 なお、『近代美術・特殊鳥類の時代』では、今回の「花」のほか、切手趣味週間の「待乳山の雪見」や伝統工芸品シリーズの「江戸木目込人形」(浅草橋の人形製造販売会社・吉徳大光の所蔵品です)など、浅草がらみの切手についても解説しております。ぜひ、会場で拙著をご覧いただき、その足で浅草めぐりをお楽しみください。

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