郵便学者・内藤陽介のブログ
 切手というモノを、ちょっと違った角度から眺めてみると、あなたの知的好奇心をくすぐる新たな発見がイロイロあるのです。そんな切手の面白さを綴っていこうと思っています。
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 沖縄・奄美で梅雨入り
 気象庁によると、沖縄と奄美地方が昨日(22日)、梅雨入りしたそうです。全国で最も早い梅雨入りですが、沖縄は平年より14日、奄美は12日遅いのだとか。というわけで、今日はこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 宇検カバー

 これは、1950年3月、奄美大島の宇検村役場から“臨時北部南西諸島“の知事宛に差し出されたカバーで、琉球の1円切手が2枚貼られています。

 占領下の1946年1月29日、GHQは「外郭地域分離覚書」を発し、北緯30度以南の南西諸島の行政権は日本から分離されました。この北緯30度以南の枠の中には、沖縄だけでなく、戦前の行政区域では鹿児島県に属していた奄美諸島なども含まれていました。

 「外郭地域分離覚書」に伴い、2月2日、郵政事業を含めたすべての行政権はアメリカにうつり、3月13日、アメリカ海軍軍政チームが名瀬に到着。翌14日から奄美諸島全域に対する軍政布告や命令が交付され、本格的な軍政がスタートしました。

 切手に関しては、当初は日本切手がそのまま使用されていました。その後、1947年12月1日に日本切手に“検”の字の印を押した暫定切手(丸検院切手)が発行されると、無加刷の日本切手は使用停止となりましたが、1948年7月1日に正刷の琉球切手が発行されると、奄美でも琉球切手が使われることになり、丸検印切手は使用停止となりました。

 今回ご紹介のカバーは、そうした奄美での琉球切手の使用例で、消印の局名表示は、戦前のまま“鹿児島・宇検”(右書)ですが、アメリカの統治下ということで、年号表示は西暦になっています。宇検は奄美大島の西南部、焼内湾に面した地域ですが、行政区域としての宇検村は90%以上が山地です。1908年4月1日に発足した焼内村がその前身で、宇検村に改称されたのは1917年11月でした。

 なお、奄美における琉球切手の使用は、1953年12月25日に奄美大島が日本に返還されるまで続けられました。

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この記事に対するコメント

いいカバーですねえ。切手は初版ですか?
【2008/05/23 23:35】 URL | jJH4WBY #mQop/nM. [ 編集]

 コメントありがとうございます
 jJH4WBY様
 このカバーを見るたび、貼られている切手が初版だったらなぁ…といつも思っています。(もちろん、貼られているのは再版です)
【2008/05/24 09:06】 URL | 内藤陽介 #- [ 編集]


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プロフィール

内藤陽介 (ないとう・ようすけ)

Author:内藤陽介 (ないとう・ようすけ)
 1967年、東京都生。東京大学文学部卒業。郵便学者。日本文芸家協会会員。切手の博物館・副館長。切手などの郵便資料から、国家や地域のあり方を読み解く「郵便学」を提唱し、研究・著作活動を続けている。
 主著:<解説・戦後記念切手>シリーズ(日本郵趣出版、現在、第6巻まで刊行)、『北朝鮮事典』、(竹内書店新社)、『外国切手に描かれた日本』(光文社新書)、『切手と戦争』(新潮新書)、『反米の世界史』(講談社現代新書)、『皇室切手』(平凡社)、『これが戦争だ!』(ちくま新書)、『満洲切手』(角川選書)、『香港歴史漫郵記』(大修館書店)、『タイ三都周郵記』(彩流社)ほか著書多数。最新作は『韓国現代史:切手でたどる60年』(福村出版)

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