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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 おかげさまで3周年
2008-06-01 Sun 18:23
 おかげさまで、本日6月1日をもって、ブログの開設から3周年を迎えることができました。日頃、このブログを応援していただいている皆様には、あらためて、この場をお借りしてお礼申し上げます。

 というわけで、“3周年”がらみのマテリアルとして、こんなモノを引っ張り出してきました。(画像はクリックで拡大されます)

 マライ・大東亜戦争3周年

 これは、1944年12月8日、日本占領下の昭南(シンガポール)市内便で、“大東亜戦争3周年”の特印が押されています。貼られている切手は、1943年4月29日の天長節に発行された8セント切手で、昭南忠霊塔が描かれています。

 切手に描かれた昭南忠霊塔はシンガポールの戦闘での日本軍の戦死者を祀る塔で、日本軍の命令により、連合軍の捕虜によって建てられました。高さは12メートルで木造ですが、先端は円錐状の銅で覆われていましたが、日本の敗戦後、連合軍がシンガポールに上陸する前に日本軍によって取り壊されました。また、忠霊塔の後ろには、連合軍の戦死者を弔うための高さ3メートルの木造の十字架も建てられていました。

 さて、このカバーに押されている特印には、当時の“大東亜共栄圏”の中の親日派政権の国旗が一堂に集められています。その内訳は、左側から、フィリピン、ビルマ満洲国日本、タイ、自由インド仮政府中華民国(汪兆銘政権)という順番で、ちょうど1年前の1943年11月に開催された大東亜会議のメンバーと同じです。

 大東亜会議に関しては、日本の勢力圏内の親日派政権が集まっただけの茶番にすぎないという見方もありますが、ともかくも有色人種のみが一堂に会して国際会議が開かれたのはこのときが最初で下から、まったく無意味なものと切り捨てることはできないでしょう。

 もっとも、今回の特印が使用されたマライは、1943年の「大東亜政略指導大綱」によってが“(大日本)帝国領土”と位置づけられていたため、いかなる民族代表も大東亜会議への参加を許されていなかったのは、何とも皮肉な話です。このあたりに、日本による“アジアの解放”の本音と建前のずれを感じるのは僕だけではないでしょう。

 いわゆる大東亜戦争に関して、僕はそれが単なる侵略戦争にすぎず、日本のみがひたすら悪役だったという考え方には決して与しませんが、戦後アジア諸国の独立は“日本のおかげ”であるとする論調にも非常に強い嫌悪感を覚えます。

 たしかに、日本が東南アジアを占領し、一時的にせよ、欧米勢力を駆逐したことは、東南アジア諸国の民族運動に大きな影響を与えたことは事実でしょう。しかし、戦後の東南アジア諸国の独立は何よりもまず、彼ら自身が血を流し、多大な犠牲を払った上で達せられたものであるという基本的な事実を忘れてはいけません。彼らが日本を感謝してくれることがあるとすれば、それはそれで光栄なことではありますが、基本的に異民族に占領・支配されて嬉しいということはあり得ないのですから、彼らの社交辞令を真に受けていい気になってしまうのは、見苦しいだけだと僕は思います。だからといって、頼まれもしないのに、海外で日本の“過去”を断罪し、土下座まがいのことをして歩くのは論外ですが…。

 「日本が占領したから東南アジアが独立できた」と言うのは“保守派”とされる人たちに多いようですが、そういう人たちはアメリカ人から「戦後日本の繁栄はアメリカが占領してやったおかげだ」と言われたらどういう気分になるんでしょうかねぇ。その一方で、「何が何でもアメリカから押しつけられた頂戴した憲法9条を守らねばならない」とする人たちには、「あなたたちがアメリカの占領に感謝している以上に、日本による占領体験を糧として、日本に“感謝”している人もいるんですよ」と言ってやりたい気もします。まぁ、できれば、どちらの立場の人たちともあまりお付き合いしたくはありませんがね。

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