内藤陽介 Yosuke NAITO
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 試験問題の解説(2008年7月)-5
2008-08-05 Tue 09:35
 きょうから3日間は、都内の某大学でやっている「中東郵便学」の試験問題の解説です。今日は、「この切手(画像はクリックで拡大されます)について説明せよ」という問題を取り上げてみましょう。

 エルサレム・ロシア局

 これは、1909年、エルサレムのロシア局で使用するために発行された切手です。

  オスマン帝国の領内における帝政ロシアの郵便活動は、1721年にサンクトペテルスブルグ=イスタンブール間で外交文書を運んだのが最初といわれています。その後、1774年になるとイスタンブールの領事館で郵便物の定期的な取り扱いが始まり、ロシア側は“カピチュレーション”を援用するかたちで郵便網を拡充していきます。

 郵便印が用いられるようになったのは1830年ごろのことで、1856年にはロシア通商航海会社(ROPiT)による郵便サービスが始まり、翌1857年以降、オデッサ経由でオスマン帝国内の同社のオフィスからロシア全土への郵便物の配達が可能となりました。

 オスマン帝国内のロシア局では、1909年までは各局共通の切手が用いられていましたが、1909年以降、使用局を限定した加刷切手が発行されるようになりました。今回ご紹介の切手もその一例で、ロシア通商航海会社による郵便50年(1857年から起算されています)の記念切手として用意されたものに“Ierusalem”(エルサレム)の文字と5パラとの額面表示が加刷されています。

 試験の解答としては、①この切手がエルサレムのロシア局で使用するためのものであること、②ロシアをはじめとする列強諸国は、カピチュレーションを援用する形で、オスマン帝国内に郵便局を設けたこと、の2点がきちんと説明できているかどうかがポイントになります。

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