内藤陽介 Yosuke NAITO
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 五輪開幕
2008-08-08 Fri 10:59
 2008年8月8日の午後8時という8の4並びということで、今夜、北京オリンピックの開会式が行われます。お騒がせの聖火が紆余曲折を経ていよいよオリンピック会場にともされるわけですが、それにちなんで、今日はこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 ソウル五輪成功

 これは、1988年のソウル五輪(そういえば、ソウル大会も88オリンピックと言われてましたな)終了後の同年12月20日、“ソウルオリンピック成功”と題して韓国が発行した小型シートで、オリンピック開会式の模様が取り上げられています。

 ソウル五輪の開会式は、1988年9月17日、ソウルの松浪区にあるソウル蚕室総合運動場(通称・ソウル・オリンピック・スタジアム)でおこなわれました。開会式ではソウル芸術団による民俗舞踊をはじめさまざまなパフォーマンスが行われましたが、客席が一番沸いたのは、聖火リレーのランナーとして孫基禎が満員のスタジアムに入ってきた瞬間でした。

 孫は、南昇龍とともに日本統治下の1936年にベルリン・オリンピックのマラソン代表として出場。孫が金メダル、南が銅メダルという好成績を残しましたが、当時の朝鮮は日本の植民地であり、孫と南は“日本代表”としての出場であったため、表彰台では彼らの望む太極旗ではなく、日章旗を見上げることになりました。このため、孫は悲劇の英雄として、ベルリンでの金メダル獲得から約半世紀後の1988年、祖国で開催されたオリンピックの聖火ランナーとしてトラックを半周した後(当時の孫は76歳という高齢ですからね。ハードな走りは無理です)、聖火を若い選手に渡して退場します。

 ところが、その選手が聖火台に聖火を点火した瞬間、聖火台の縁にとまって羽を休めていた鳩の群が一瞬にして炎に巻き込まれて一部が焼け死ぬというハプニングが発生。平和のシンボルが聖火で丸焼けになるとは何事かという韓国国民のクレームが相次ぎ、孫による“ウィニング・ラン”の感動もいささか水をさされた格好となりました。ちなみに、今回ご紹介の切手では、当然のことながら、聖火に焼かれている鳩の姿は分からないよう、トリミング処理が施されています。

 まぁ、韓国の場合は、開会式が生放送でそのまま中継されていたため、全世界の人々が“鳩の丸焼き”の瞬間を目撃することになったわけですが、今回の北京の場合は、実際よりも10秒間送らせて映像を配信するそうですから、こうしたハプニングを見ることはまず不可能でしょうな。もっとも、“鳩の丸焼き”なら単なる笑い話ですみますが、五輪開催の陰で、民主活動家や、チベットやウイグルの独立運動家たちが“丸焼き”にされたり、焼きごてをあてられるなどの拷問を受けたりしているとなると、笑いごとではありません。

 なお、いまから20年前の“88オリンピック”については、拙著『韓国現代史:切手でたどる60年』でもいろいろとご紹介しています。20年前、“先進国”の入口に立ったばかりの韓国でも、オリンピックの開催をめぐっては、西側諸国では考えられないような事件がいろいろと起こっていますが、当時の韓国と似たような立場にあるとされる中国でも、きっと、トンでも事件がいろいろと起こるんじゃないかと思います。比較のためにも、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。

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