内藤陽介 Yosuke NAITO
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 台湾+沖縄
2008-09-26 Fri 14:49
 きのうまで、台湾の李登輝元総統が沖縄を訪問していました。というわけで、今日は台湾+沖縄ということで、こんな1枚をもってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 ガランピ・宮良

 これは、終戦直後、アメリカ軍政下の沖縄・八重山地区で発行されたもので、台湾最南端の鵞鑾鼻燈台を描く戦前の40銭切手に逓信部長・宮良賢副の印を押した暫定切手です。

 太平洋戦争終結後の1945年12月23日、アメリカ海兵隊は八重山諸島に上陸し、軍政を施行しました。翌1946年1月29日、東京のGHQにより「外郭地域分離覚書」の指令が発せられ、八重山諸島を含む北緯30度以南の沖縄・南西諸島は日本の行政権から分離され、同年4月22日には八重山にも民政府が置かれました。

 もっとも、沖縄本島とは異なり、八重山の場合は比較的戦争の被害が軽微であったこともあり、1947年5月までは、米軍の支配下で日本切手がそのまま使用されていました。日本切手の使用禁止後、八重山では一時、“料金別納郵便”の印が郵便物に押されていましたが、1948年1月になって、今回ご紹介しているような暫定切手が発行されました。ただし、この年の7月にはいわゆる“琉球切手”が発行されたため、宮良印の押された暫定切手も使用禁止となりました。

 さて、今回の沖縄訪問中、元総統は「台湾も沖縄の人も心配しているが、尖閣列島は日本の領土。戦前は沖縄の漁民が漁場として魚を捕り、台湾に荷揚げし売っていた」と強調し、日台間の領土問題は「農水省や台湾の農業委員会との話し合いで解決していた」と語ったほか、「台湾の国際的な地位がはっきりしない中、中国に傾斜することは、台湾の地位を勝手に決めることと同じ。絶対に許されない」として馬英九政権を批判しています。

 こうした主張は、いずれも、客観的な歴史事実に照らして至極まっとうなものですが、かの地では反発も多いのでしょうね。それだけに、日本としては、“真の友人”としての元総統に対して敬意を払い、厚遇すべきだと思うのですが、ネットのニュースを検索した限りでは、尖閣列島の話は引っ掛かるものの、中国への傾斜に対する批判については、紙版の『読売新聞』には出ていたものの、ネット上ではヒットしませんでした。ニュースバリューがないと判断されたからなのか、あるいは、“一つの中国”なる妄論を掲げる中国共産政府への配慮からなのかはわかりませんが、何とも情けない気分になるのは僕だけではないでしょう。


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