FC2ブログ
内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
 金太郎とイノシシ
2008-10-22 Wed 16:25
 きのう、新潟県長岡市の川崎小学校でイノシシが校舎に飛び込んで大暴れし、臨時休校になったのだそうです。というわけで、現在、執筆中の<解説・戦後記念切手>シリーズ別冊『年賀切手』の中から、こんな切手をもってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 1983年用年賀

 これは、1982年12月1日に発行された1983年用の年賀切手で、仙台の郷土玩具・堤人形の“ししのり金太郎”が取り上げられています。

 「西の伏見 、東の堤」並び称されると堤人形のルーツは、その発生は江戸時代の1694年、当時の仙台藩主・伊達綱村が江戸の陶工・上村万右衛門を招き、杉山台に窯場と作業場を築いて製陶に従事させたことに求められます。最盛期の文化・文政年間(1804-30)には、堤町40戸のうち土人形屋が13軒を数えるほどでしたが、明治維新後の西欧化の波に押されて急速に衰退。大正末期には、堤焼の窯元は、わずかに芳賀家と宇津井家だけとなり、後、宇津井家も廃絶して芳賀家だけとなりました。

 こうした状況の中で、1928年、芳賀佐五郎が、父・佐四郎より唯一の「堤の御雛っ子屋」を伝承。旧来の土型を用いた荒く暗い形状色彩の土俗的人形を完全に廃し、石膏型を用いる精緻な造形と繊細かつ優美な彩色を施した新型の人形を創作考案するとともに、旧型の人形も刷新したうえで、これを“堤人形”(“つゝみ人形”、“つつみ人形”とも)の商標で全国に販売して好評を博すようになりました。

 切手に取り上げられた“ししのり金太郎”は、佐五郎の息子で芳賀家第13代・強の作品です。

 金太郎といえば“熊にまたがる”というイメージが強いのですが、物語の中ではイノシシも重要な役割を果たしています。

 まず、物語の舞台とされる神奈川県箱根の金時山は、イノシシが空へ鼻を突き出したような形をしているところから、かつては“猪鼻山”と呼ばれていました。また、金太郎がマサカリを担いで熊の背に乗って山中を歩いていた時、イノシシは供として金太郎にしたがっています。その際、イノシシは途中の谷に橋を架けるべく大木を倒そうと大木に突進しましたが、枝が揺れただけでした。これに対して、金太郎は大木を根元から引き抜いて橋を架けることに成功。このとき、たまたま居合わせた源頼光に怪力を見込まれ、その家臣として京に上ることになったとされています。
 
 ところで、最近、各地でイノシシの被害は各地で相次いでおり、市街地での被害も目立っています。以前の記事でも取り上げましたが、今回の事件と同じ長岡では、今月2日にイノシシがパトカーに突進して車が破損する事故があったばかりですし、ほかにも、今年4月には、大阪府柏原市で自転車に乗っていた女性に衝突し、右太ももにかみついたイノシシが近くの幼稚園にガラスを割って侵入する事件も発生。さらに、福岡でも、今年8月には福岡県警の男性巡査部長がイノシシに左太ももをかまれ重傷を負ったほか、今月に入ってからは横断歩道を自転車で渡っていた女性にイノシシが体当たりして頭に軽傷を負わせ、そのまま焼き肉店のガラスを割って突入したのだそうです。

 イノシシに乗って平然としていられる金太郎には、どうやったら、イノシシをうまく手なずけることができるのか、教えてもらいたいものですな。


 イベントのご案内

 11月1日(土)-3日(月・祝) 全国切手展<JAPEX>

 ことしも、東京・池袋のサンシャインシティ文化会館と目白の切手の博物館の2ヶ所で開催します。今年の目玉は、何といっても“満洲・東北切手展”ですが、トーク関係での僕の出番は、以下のとおりです。

 11月1日(土)
  13:00 “満洲・東北切手展”特別シンポジウム(池袋会場)
  16:00 特別対談「満洲における写真、絵葉書、郵趣」(池袋会場)
 11月2日(日)
  13:00 “戦後日本切手展”ギャラリー・トーク(目白会場)
  15:00 中公新書ラクレ presents 『大統領になりそこなった男たち』刊行記念トーク(池袋会場)
 11月3日(月・祝)
  11:00 “戦後日本切手展”ギャラリー・トーク(目白会場)

 トークそのものの参加費は無料ですが、<JAPEX>への入場料として、両会場共通・3日間有効のチケット(500円)が必要となります。あしからずご了承ください。皆様のお越しを心よりお待ち申しております。


 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★     

 アメリカ史に燦然と輝く偉大な「敗者たち」の物語    
 『大統領になりそこなった男たち』 中公新書ラクレ(本体定価760円+税)
 
 出馬しなかった「合衆国生みの親」、リンカーンに敗れた男、第二次世界大戦の英雄、兄と同じく銃弾に倒れた男……。ひとりのアメリカ大統領が誕生するまでには、落選者の累々たる屍が築かれる。そのなかから、切手に描かれて、アメリカ史の教科書に載るほどの功績をあげた8人を選び、彼らの生涯を追った「偉大な敗者たち」の物語。本書は、敗者の側からみることで、もう一つのアメリカの姿を明らかにした、異色の歴史ノンフィクション。好評発売中!

 もう一度切手を集めてみたくなったら 
 雑誌『郵趣』の2008年4月号は、大人になった元切手少年たちのための切手収集再入門の特集号です。発行元の日本郵趣協会にご請求いただければ、在庫がある限り、無料でサンプルをお送りしております。くわしくはこちらをクリックしてください。
スポンサーサイト

別窓 | 日本:年賀 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<< そう美麗ではない女性と亀 | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  広州陥落70年>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/