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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ブラジルのご夫妻
2005-10-05 Wed 13:35
 いよいよ『皇室切手 』の刊行日(奥付上は10月19日)まで、あと2週間になりました。早ければ、来週末には一部の書店の店頭に実物が並んでいると思います。見かけたら、是非、お手にとってご覧いただけると幸いです。

 また、『皇室切手 』の刊行後の10月28日~11月6日、東京・目白の<切手の博物館 >では、平凡社の後援で「皇室切手展」を開催します。会期中は、戦前の皇室のご婚儀に関連する切手の名品を多数、展示いたします。また、10月29日の午後(3:30頃から)には展示解説を、11月5日の17:15からは『皇室切手 』刊行記念のトークを行う予定です。池袋の<JAPEX >とあわせて、是非、遊びに来ていただけると幸いです。

 で、現在、その切手の博物館 では、皇室切手展の姉妹展として世界の女王様展を開催しているのですが、本日発売の『週刊文春』にその紹介記事が掲載されました。そこで、記事で取り上げられた切手の中から、今日は↓の1枚をご紹介します。

ブラジルの皇太子

 この切手は、1967年5月、当時の皇太子ご夫妻の訪伯(伯はブラジル)に際してブラジル側が発行したものです。

 さて、1945年の敗戦とともに、日本国内では天皇を現人神とする考え方は公式には否定されましたが、直接に大戦を経験しなかったブラジルの日系社会では、その後も祖先崇拝と結びついた天皇崇拝は続いていました。

 その後、日系人がブラジル社会で重要な地位を占めるようになると、ブラジルの日系社会は、自分たちの節目の年に日本から皇族を招いて記念式典を開催したいと考えるようになります。その結果、1958年の日系移民50年祭に三笠宮が訪伯されたのを皮切りに、節目の年ごとに日本から皇族が訪伯しています。で、1967年は、実質的な移民60年との位置づけで、皇太子ご夫妻の訪伯が実現したという訳です。

 切手が発行された1960年代には、ブラジルの日系社会でも、以前のような天皇崇拝は薄らいでいたものの、皇太子ご夫妻の沿道に”見に行く”と言って親の世代から“拝みにいく”ものだとたしなめられた若者も少なくなかったと報告されています。また、皇太子の訪伯時には、中東情勢が極端に緊迫し、6月には第3次中途戦争が勃発していますが、ブラジルのメディアは日本の皇太子関連のニュース一色だったそうです。

 切手そのものをみてみると、写真の切り抜きが何となくラフなところや、背景の赤い菊花紋章とそれを太陽になぞらえた光線風のストライプ(やっぱり、“拝みに行く”相手はこうでなくっちゃ)などが、時代を彷彿とさせて、結構、インパクトがあります。今回の『皇室切手 』も、ポップな感じのイメージでカバーを作るのなら、この切手を使ったコラージュも悪くないかなと思っていたのですが、やはり、“皇室”の硬質なイメージを前面に出した方がよいだろうということで、このプランは早々に没になりました。
 
 まぁ、カバーでは没になりましたが、『皇室切手 』の本文では、この切手についてもそれなりのスペースを割いて説明していますから、よろしかったら、お読みいただけると幸いです。
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