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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 タイから返戻
2008-12-02 Tue 12:41
 タイの反政府市民団体「民主主義のための市民同盟」(PAD)によるバンコクのスワンナプーム国際空港およびドンムアン空港の占拠から、きょうでまる1週間となります。非常事態宣言のもと2空港の占拠は依然として続き、先ほどは空港占拠のデモ隊に爆弾が撃ち込まれ、デモ隊の1人が死亡、22人が負傷するなど、事態は深刻さを増しています。こういう状況では、郵便なんかも届かないんだろうなぁ、と思いながら、こんなモノをもってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 タイから返戻便

 これは、第2次大戦末期の1945年6月、イギリスのイーストレイから日本軍の泰俘虜収容所第4分所宛に差し出されたエアメールの葉書ですが、到着時には戦争はすでに終わり、収容所も解放されていたため、差出人に返送されたものです。

 葉書上には“別掲の理由により配達せず:差出人戻し(UNDELIVERED FOR REASON STATED/ RETURN TO SENDER)”ならびに“以前、日本軍により占領された地域から配達されなかった郵便物として返戻された(RETURNED IN UNDELIVERED MAILS/ FROM TERRITORY FORMERLY OCCUPIED/ BY JAPANESE FORCES)”との事情説明の印も押されていますが、実際に、差出人の手元に戻ってきた日付については、書き込みなどもありませんのでよくわかりません。

 現在、日本郵便のHPには、11月27日付の「おしらせ」として、「タイ、スワンナブーム国際空港が封鎖されEMS、航空及びSAL郵便物の発送が行えないことから、同国あてEMS、航空及びSAL郵便物は、配達に遅延が生じるおそれがあります。予めご了承願います。」とのアナウンスが掲載されています。この記事を書いている時点では、かならずしも、タイ宛の郵便物送達が停止されているわけではないようですが、現実の問題として東京からバンコク宛の航空路は途絶しているわけですから、そろそろ配達不能で差出人に返戻される郵便物が出てくるかもしれません。

 もっとも、タイ国内の混乱は、ほぼバンコクのみで、地方都市の多くは平静を保っているようですので、チャンマイなどを経由してタイ国内に郵便物を運び込むという方法もありそうです。その場合、郵便物に中継印などが押されていると、今回の混乱を物語る資料として興味深いものになるかもしれません。

 なお、第2次大戦中、タイ国内に設けられていた日本軍の収容所とその郵便については、拙著『タイ三都周郵記』でも解説していますので、機会がありましたら、ぜひ、ご一読いただけると幸いです。


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