内藤陽介 Yosuke NAITO
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 4回使われた封筒
2009-01-18 Sun 17:46
 先月27日以来、パレスチナ自治区ガザに対して大規模攻撃を続けてきたイスラエルが、軍事作戦開始時に設定した目標を達成するとともに、ハマスに「深刻な打撃」を与えたなどとして、現地時間の18日午前2時に攻撃を一方的に停止すると発表しました。というわけで、ガザがらみのネタのなかから、今日はこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 ガザ・戦時再使用(表)  ガザ・戦時再使用(裏)

 これは、第二次大戦中の1944年10月、ガザからヤッファ宛に差し出された公用便です。第二次大戦中、英領地域では物資節約のため、郵便に使われた封筒にラベルを貼って公用便用に再使用することが行われていました。これは、そのパレスチナ(当時はイギリスの委任統治領)での使用例の一つで、押されている郵便印から類推すると、テルアビブからエルサレム地裁宛に差し出されたカバーを、エルサレムからベルシェバ宛に再利用し、さらにベルシェバからガザ宛に再々利用したうえで、ガザからヤッファ宛に再々々利用したものと考えられます。

 第二次大戦において、パレスチナは決して主戦場となっていたわけではありません。それでも、ナチス・ドイツの迫害を逃れて亡命を希望するユダヤ系難民が大量に押し寄せたりして、必ずしも経済的に余裕があったとは言いがたい状況でした。今回ご紹介のカバーは、その一端を示すものといってよいでしょう。

 さて、イスラエル側の停戦宣言に対して、ガザを実効支配しているイスラム原理主義組織ハマスはイスラエル軍が撤退するまで攻撃を続行すると宣言していますし、イスラエル側も当面は軍の地上部隊をガザに駐留させるとしていますから、今回の停戦宣言によって実際に戦闘が終結するかどうかは大いに疑問があります。また、イスラエルによるガザ地区の封鎖は今後も継続されますので、住民の生活は厳しい状況が続くことに変わりはないでしょう。となると、現在のガザ地区でも、今回ご紹介しているような使用済み封筒の再利用ということが行われているのかもしれません。

 いずれにせよ、今後もしばらくガザ地区をめぐっては緊迫した情勢が続くことになると思います。このブログでもガザについては何度か取り上げていますが、そろそろ、それを元にして“切手で読み解くガザとその歴史”といったたぐいの仕事をまとめるべき時期なのかもしれませんね。そういうことなら、さっそく、企画書を作って営業に回らなくっちゃ。

 
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