内藤陽介 Yosuke NAITO
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 大仏1円切手の昭和史
2009-04-29 Wed 17:30
 きょうは“昭和の日”です。というわけで、新刊の拙著『切手が伝える仏像:意匠と歴史』の中から、昭和史がらみのマテリアルということで、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 大仏1円(北ボルネオ)

 これは、第二次大戦中の1944年9月30日、日本軍占領下の“北ボルネオ”で発行された切手で、1939年7月1日に発行の鎌倉大仏の1円切手に“北ボルネオ”の文字が加刷されています。

 第二次大戦中、日本軍はボルネオ島全域を占領しましたが、このうち、英領部分のサラワク、ノース・ボルネオ(英領北ボルネオ)、ブルネイは、一括して“北ボルネオ”とされ、陸軍の管轄下に置かれました。ちなみに、現在はインドネシア領となっている旧蘭領部分は、海軍の管轄下です。

 日本占領下の“北ボルネオ”では、旧英領時代の切手に加刷したモノのほか、1943年4月29日の天長節には独自の正刷切手も発行されています。また、無加刷の昭和切手も持ち込まれて使用されています。正刷切手は2種類のみですが、旧英領時代の加刷切手や無加刷の昭和切手は種類が豊富にあり、1945年になっても使用されていますので、なぜ、1944年9月になって“北ボルネオ加刷”の切手が発行されることになったのか、その理由は必ずしも明らかになっていないようです。

 なお、鎌倉大仏の1円切手は、日本内地や植民地の朝鮮、台湾はもとより、今回ご紹介の“北ボルネオ”以外にも、香港、マラヤ、スマトラ、旧蘭印の海軍地区などで無加刷のものが持ち込まれて使用されています。また、戦後は米軍占領下の沖縄で加刷されて使用されているほか、南朝鮮でも暫定加刷切手の台切手として利用される計画があったものの実現に至らなかったこともあります。

 それらをずらっと並べて、それぞれに解説を加えていけば、そのまま「大仏1円切手の昭和史」という読み物ができあがりそうです。この企画に乗ってくれる奇特な版元さんがおられたら、ぜひ、ご一報くださいませ。

 
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