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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 母の日
2009-05-10 Sun 23:43
 きょうは母の日です。というわけで、新刊の拙著『切手が伝える仏像:意匠と歴史』のなかで“母”の切手といえば、やっぱりこれだろうという定番の1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 法隆寺・摩耶夫人像
 
 これは、1981年に発行されたわが国の通常410円切手で、釈迦の母親である摩耶夫人像が取り上げられています。

 伝説によると、麻耶夫人は白い象が体内に入る夢を見て懐妊し、ルンビニー(現在はネパール領)の庭園で沙羅双樹の枝に触れた時に産気づいて、右わきの下から釈迦を生んだとされています。古代インドのバラモン教では、バラモン(僧)は神の頭から、クシャトリア(貴族)は神の腋から、ヴァイシャ(商工業に携わる平民)は神の股から、シュードラ(奴隷)は神の足首から生まれると考えられていましたので、釈迦の生誕伝説もこれにちなんだものなのでしょう。

 さて、切手に取り上げられた摩耶夫人像は、まさに、釈迦が夫人の脇の下から生まれおちる場面を表現したもので、7世紀の飛鳥時代の作品です。高さ16.6センチの夫人像を中心に、12-13センチの天人像4体が供奉する群像形式となっています。明治維新後の1878年に法隆寺から皇室に献納され、現在は東京国立博物館の法隆寺宝物館に保存されています。

 なお、昨年(2008年)、ネパールが発行した切手には、釈迦誕生の場面を取り上げたデオパタン出土のレリーフが取り上げられていますが、このレリーフに取り上げられている摩耶夫人とくらべると、今回ご紹介の像は、髪型や服装がかなり日本化されています。

 このように、同じ題材を扱っていても、国によって作られる像の姿はずいぶんと違ったものとなることは、各国の仏像切手を並べてみるとはっきりと見えて結果が見えてきます。拙著『切手が伝える仏像:意匠と歴史』は、そうした仏像(切手)の比較もお楽しみいただけるよう、いろいろと工夫しておりますので、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。

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