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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ミャンマーの虜囚
2009-05-27 Wed 19:12
 きのう(26日)、ビルマ(ミャンマー)の軍事政権は、きょう(27日)期限を迎える民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんへの6年間にわたる自宅軟禁措置の解除を発表しましたが、その一方で、彼女に対しては、自宅で許可なくアメリカ人男性に面会したとして国家防御法違反の罪に問われている裁判のための拘束は継続。これに対して、アメリカのオバマ大統領が、スー・チーさんを「即時に無条件で」釈放するよう求める声明を発表しました。

 というわけで、ビルマの虜囚ネタとして、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 モーラミャイン→スマトラ   モーラミャイン→スマトラ(裏)

 これは、第二次大戦中、泰緬鉄道の建設工事のため、ビルマのモーラミャイン(モールメン)に置かれていた日本軍の捕虜収容所からスマトラ・メダンの女性抑留施設宛に差し出された捕虜郵便の葉書です。検閲の手間を省くために、あらかじめ、主要な文面が印刷されていますので、その内容を以下に訳してみます。

****(以下、訳文)

 私は現在、ビルマ・モーラミャインの捕虜収容所にいます。捕虜の数は2万人で、オーストラリア人、オランダ人、イギリス人、アメリカ人などがいます。毎日、決められた労働を行う2/3000人の捕虜を収容するいくつかの収容所があります。

 私達は質素な仮小屋に収容されています。天候は良好です。食糧、医薬品、衣服の面では、生活は以前よりも快適です。日本軍の司令官は、捕虜たちを丁重に扱うべく誠実に努力しています。

 将校の給料は日本軍の同階級の将校の給料に基づいています。労働などを行う捕虜には、その階級と仕事に応じて、1日25セント(最低)から45セントまで支払われています。

 酒保もあり、そこでは配給以外の食品やタバコを買うこともできます。日本軍司令官の特別のご配慮により、収容所ではコンサートも行われ、一部の者は月に1度くらい映画を見ています。

****(訳文終わり) 

 モーラミャインの収容所では、今回ご紹介のモノとは別の文面が印刷された葉書も使用されており、そちらについては、以前の記事でもご紹介したことがあります。

 第二次大戦中の泰緬地域の捕虜郵便では、さまざまなタイプの葉書が使われていて(たとえば、こんなのとかこんなのとか)、単純素朴に集めていて楽しめます。ただし、現在残されているマテリアルの大半は、タイ側の収容所発着のモノで、ビルマ側発着のモノとなるとぐんと少なくなります。今回ご紹介のマテリアルは、そのビルマ側のモノで、収容所での検閲印と宛先地のオーストラリアでの検閲印が綺麗に押されているのが嬉しいところです。

 なお、かつての泰緬鉄道が現在はどうなっているかという点については、2007年に現地で“泰緬鉄道”ツアーに参加した時のレポートを拙著『タイ三都周郵記』でもまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。


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