内藤陽介 Yosuke NAITO
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 IAEA次期事務局長決定
2009-07-03 Fri 21:54
 きのう(2日)、国際原子力機関(IAEA)の次期事務局長を選出する特別理事会が開かれ、日本の天野之弥ウィーン国際機関代表部大使が当選しました。天野氏の当選は日本人・アジア出身者として初めてのことです。というわけで、きょうはこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

 ドナウパーク国際センター

 これは、1979年8月24日にオーストリアが発行した“ドナウパーク国際センター開館“の記念切手です。

 ドナウパークは、ウィーンのフローリッツドルフ区とドナウシュタット区の間、ドナウ川と旧ドナウの間にある長大な中洲に建設された公園施設です。この一帯は、かつては練兵場でしたが、ナチス時代には処刑場として用いられ、第二次大戦後はゴミ捨て場として用いられていた時期もあります。その後、1964年に開催された国際ガーデンショーWIG64の一環として公園施設に生まれ変わり、その公園内にIAEAおよび国連工業開発機関(UNIDO)の本部が入る国際センターが建てられました。今回ご紹介の切手には、その国際センターの全景と、IAEAおよびUNIDOのマークが描かれています。

 IAEAは、原子力の平和利用を促進し、軍事転用されないための保障措置の実施をする国際機関で、2005年には、現職のエルバラダイ事務局長とともに組織としてノーベル平和賞を受賞するなど“核の番人”として知られています。その意味では、“唯一の被爆国“の金看板を掲げて、核兵器の廃絶を強く主張してきた日本人がトップを務めるのがふさわしいといってもよいでしょう。

 ただし、現実問題として、世界の大半の国は、究極的には核兵器を廃絶すべきとしながらも、現実に自国に脅威を与える国が核兵器を保有している場合には、(実際に核武装するか否かはともかく)みずから核武装する権利はあるはずだというのが本音です。したがって、北朝鮮の核の脅威にさらされている日本が対抗措置として核武装の可能性を模索するというのは、国際社会からは十分に理解を得られる行動のはずなのですが、さすがにIAEAのトップが日本人となると、そういうわけにもいかなくなりますな。

 もちろん、日本人のトップを仰ぐことになったIAEAは、これまで以上に北朝鮮に対して厳しい姿勢を取ることになるでしょうから、当然、北朝鮮は強く反発することでしょう。その一方で、核ミサイルの照準を東京にも合わせている中国としては、当面、日本が自ら核武装の絶好の機会を完全に放棄したことに内心ほくそ笑んでいるのではないかと思います。一部報道によると、中国は今回のIAEA事務局長選挙で、途上国の票をまとめて日本人局長の実現を妨害すべく様々な工作を行っていたとされていますが、案外、その実態は、今回の結果を見越して嫌がらせをしていただけだったのかもしれません。

 とまれ、今年12月から就任という新事務局長には、難局を乗り切り、真の国益に資する成果を上げていただくことを期待してやみません。


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この記事のコメント
#1490 これが日中友好の結果です。
中国は、今回の件にかぎらず、日本の安保理常任理事国問題、北制裁問題と、ことごとく反対しますね。日本が国際社会に影響力を持つことは何が何でも阻止する。これが中共政府の本心でしょう。日中友好の実態をよく現していますね。ある一定の世代には中国に対して幻想と言っていいほどの一種異様な思いいれのある人が結構いますが、その人達がいるかぎり、これからも偽りの日中友好が続くんですね。
それからもう一つ、台湾人(あえてそう呼びます)は、これから如何するつもりでしょうか?大陸に擦り寄れば擦り寄るほど自分達の存在証明を失う気がするんですが。
2009-07-04 Sat 18:39 | URL | 一匹狼 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
 一匹狼様

 どんなに関係良好に見えても、“隣国”というのは基本的には仮想敵国のはずなのですが、どうも、日本ではそうした当たり前のことに目をつぶりたがる人が多いのは困ったものです。最低限の警戒心も持たないという人は、自宅にも鍵をかけずに生活しているということなんでしょうかねぇ。

 台湾人に関しては、去年の政権交代から、何となく嫌な空気が漂ってきましたね。経済優先で選択した結果が今日の結果を招いたことに後悔している人も多いようです。

 本来なら、日本と台湾はもっと連携して、大陸の脅威に備えなければいけないはずなのですが…。
2009-07-10 Fri 00:22 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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