内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ジャワのヴィシュヌ神
2009-07-18 Sat 14:34
 きのう(17日)、インドネシアの首都ジャカルタ中心部のアメリカ系高級ホテル、JWマリオットとリッツ・カールトンで、イスラム過激派とみられる2人による自爆テロが相次いで発生し、8人が死亡、約50人が負傷しました。というわけで、きょうはインドネシアのネタの中からこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

 インドネシア・ヴィシュヌ

 これは、1994年にインドネシアが発行した「第6時5ヶ年計画」の切手の1枚で、児童医療の充実をテーマとした一枚ですが、背景にジャワ島チャンディ・バノン出土のヴィシュヌ神像が描かれています。

 ヴィシュヌ神は、ブラフマー、シヴァとともにヒンドゥー教(インドネシアの人口の圧倒的多数はムスリムですが、ヒンドゥー教徒も少なからずいます)の最高神の一つです。

 古代インドのバラモン教では、数ある太陽神の一つとされ、全宇宙(天界)を3歩で歩いたといわれています。その後、クリシュナをはじめ、各地の神々をみずからの化身として取り込むことで、信徒を増やしていきました。

 ちなみにブッダもその化身の一つとされているのですが、悪神アスラ(阿修羅)たちから聖典ヴェーダを遠ざけるため、あえて誤った教義である仏教を使ってアスラ群を惑わし、それによって聖典ヴェーダをアスラ群から守護したとされています。このため、ヒンドゥー教(ヴィシュヌ派)では、仏教はインチキ宗教であり、ブッダはインチキ教祖として散々な評価になっています。まぁ、カースト制を批判する仏教の拡大に対して、力を奪われたカースト制の上位勢力が巻き返しをはかって、バラモン教を中心とするインド全域の宗教を再構成されてつくられたのが、現在のヒンドゥー教の原型ですから、彼らが仏教を目の敵にするのも致し方のないことでしょう。もっとも、仏教の側でも、かなり露骨にヒンドゥー教を敵視してきましたから、お互いさまといえばそれまでですが…。

 ところで、ヒンドゥー教では、正義が失われ、不道徳が世界を覆うようになると、ヴィシュヌの化身が地上に現れ、悪を滅ぼすとされています。今回の自爆テロを行った犯人たちも、自分たちのやっていることは正義のために悪を滅ぼすことだと信じているのでしょうが、結果的に、何の罪もない人々を巻き添えにするというのは客観的にみれば“悪”以外の何物でもないようにしか思えないんですがねぇ。


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