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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 『郵趣』今月の表紙:海洋汚染撲滅
2009-07-28 Tue 14:35
 (財)日本郵趣協会の機関誌『郵趣』2009年8月号ができあがりました。『郵趣』では、毎月、表紙に“名品”と評判の高い切手を取り上げていて、原則として僕が簡単な解説文をつけていますが、今月は、巻頭特集の「切手が語るエコロジー」にちなんで、こんなモノを取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)

 モナコ・海洋汚染撲滅

 これは、1971年にモナコが発行した“海洋汚染撲滅”の切手で、重油の漂う海で油に被われた海鳥が描かれています。

 「水に流す」の言葉通り、人類は不要なものを川や海に投棄することを歴史的に繰り返してきました。しかし、2度の世界大戦を経て、工業化が急速に進展し、それに伴って石油消費量も急激に拡大すると、自然の浄化能力を超えた廃棄物が川や海に流れ込み、海洋汚染が深刻となりました。今回ご紹介の切手もそうした時代背景の下で発行されたものですが、石油の世紀と呼ばれた20世紀における自然破壊のすさまじさを強烈に印象づける1枚で、環境保護関連の切手の古典といってよいでしょう。

 ところで、1991年の湾岸戦争の際、油まみれの水鳥の映像の写真が繰り返し報道され、世界に衝撃を与えたことがありました。問題の写真は、当初、イラクのサダム・フセイン政権が油井を破壊してわざと重油を垂れ流したため(“環境テロ”という言葉まで用いられた)と説明され、切手の世界では発行から20年ぶりに、この切手が再び注目を集めています。

 しかし、後になって、問題の写真はイラクのフセイン政権とは全く無関係のものであり、アメリカ政府が広告会社を使って、反イラクの国際世論を喚起するための情報戦略を仕掛けていたことが判明。今度は、情報操作の“威力”に多くの人々が慄然としたのは記憶に新しいところです。


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