内藤陽介 Yosuke NAITO
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 北海道出身の新総理・新議長
2009-09-16 Wed 17:22
 民主党の鳩山由紀夫代表が衆参両院で過半数の票を獲得し、首相に指名されました。北海道選出の首相は初めてです。ちなみに、横路孝弘・新衆議院議長も北海道選出ですから、きょうは北海道ネタでいきましょう。この1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

 北海道100年

 これは、1968年に発行された“北海道100年”の記念切手です。

 江戸時代以前の“蝦夷地”は、日露雑居の北蝦夷地(樺太)が幕府直轄の天領で、現在の行政区域でいう北海道にあたる東蝦夷地と西蝦夷地は、天領と松前・南部・仙台・会津・津軽・庄内の各藩の領土が入り組んだ構成となっていました。

 戊辰戦争が始まると、1868年4月、新政府は蝦夷地に対する旧江戸幕府の支配権を吸収するため、箱館(現・函館)に旧幕府の箱館奉行所を引き継ぐ機関として箱館裁判所を設置。開拓のための調査が開始されます。同年閏4月、新政府が政体書を発して各地の裁判所を府ないしは県に改変すると、箱館裁判所は箱館府に改組されました。

 その後、1869年になって、蝦夷地は“北海道”と改められ、域内11ヵ国86郡が設置され、開拓使(翌年、北海道開拓使に改称)が設置され、北海道の開発が本格的に開始されます。その後、北海道開拓使は1882年に廃止され、北海道には函館・札幌・根室の3県が置かれます。そして、1886年1月、これら3県が廃止されて北海道庁が設置され、現在の自治体としての北海道の原型が作られました。

 1968年は“明治100年”であると同時に、蝦夷地が北海道と改められてから100年目に当たっていました。

 このため、地元では早くから1968年に“北海道百年”の記念イベントを行うことを計画し、1967年7月末までに、自治省を通じて記念切手の発行申請が行われていました。また、これと時を同じくして、地元収集家の団体である北海道郵趣連合も記念切手発行のために全国規模の署名運動を展開しています。

 その結果、昭和43年度の記念切手発行計画のなかに“北海道100年”の記念切手が含まれることになりましたが、その発行日に関しては、当初、北海道改名の布告が行われた9月2日(この日にあわせて道庁では記念式典が行われた)と北海道大博覧会の開会式に当たる6月14日の2案が候補として挙げられていました。結局、国宝シリーズ第4集の発行日が9月2日に設定されていたこともあり、発行日は6月14日となりました。

 記念切手のデザインは大塚均が担当し、北海道100年記念塔(以下、記念塔)と北海道章を描く原画が作られました。

 このうち、記念塔は、北海道の開拓に尽くした先人の苦労への感謝と、未来を創造する道民の決意を示すために、北海道開道100周年記念事業の一つとして野幌森林公園内に建てられたもので、高さは100メートル(100年にちなんでいる)。8階の展望台からは札幌の市街地が一望できます。ただし、この塔の建設工事が始まったのは切手発行後の1968年9月のことで、完成は1970年9月のことでしたから、切手は井口健の設計図をもとに原画が作られました。

 一方、北海道章は1967年5月に制定されたもので、そのデザインは「開拓史時代の旗章のイメージを七光星として現代的に表現したもので、きびしい風雪に耐え抜いた先人の開拓者精神と、雄々しく伸びる北海道の未来を象徴したもの」と説明されています。

 ところで、今回の記念切手発行に際しては、当初、郵政省は、切手の発行日に初日を迎える“北海道大博覧会”の小型印をもって特印に代える意図があったようです。このため、問題の小型印は、会期直前になって記念事項を“北海道大博覧会”から“北海道百年記念大博覧会”に変更することが発表され、記念切手の初日印押印には風景印で対応するものとされていました。

 ところが、切手の発行直前になって、今回の記念切手に限って特印を使用しないのは好ましくないとされたのか、突如、北海道百年のシンボルマークを描いた特印(デザインは大塚均が担当)が使用されることになります。

 こうしたこともあって、札幌の大通局と豊平局(北海道博覧会場を担当)には印顆が間に合ったものの、札幌中央局には切手発行の初日に印顆の配給が間に合いませんでした。このため、札幌中央局では、郵頼を申し込んだ利用者に、以下のような文面の詫び状をつけて初日カバーを返送しています。

 昭和43年6月14日
 切手収集家各位殿
 札幌中央郵便局

 このたびは開道百年切手の発行に際して初日印押なつのご利用をいただきありがとうございました。
 当局では、初日押印局の指定とともにその準備に万全を期しましたが、さきに五月十六日の十勝沖地震の際、青森鉄道郵便局舎の損傷と函館港岸壁の一部崩壊により最近でも、小包郵便物の遅延が生じ、特に初日押印に使用する特殊日付印(特印)が未着であり、とりあえず琴似、札幌大通の各局から一本ずつ借用し作業をすすめている始末で、押なつ作業に支障をきたしております。実逓便だけは抽出のうえ送付ずみのところでありますが、このような事情で遅延していますのでよろしくご了承ねがいます。

 このため、切手の発行日の6月14日に、記念押印のため、本州から札幌中央局に訪れた収集家・切手商は、同局では開局から30分で切手が完売となったこととあわせて、大いに困惑したといわれています。

 なお、この切手を含む15円時代の記念切手については、拙著『一億総切手狂の時代』で詳しく説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。

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