内藤陽介 Yosuke NAITO
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 文藝家協會ニュース
2009-10-06 Tue 13:20
 ご報告が遅くなりましたが、日本文藝家協会の会報『文藝家協會ニュース』第696号ができあがりました。今回は、会員の持ち回りエッセイ「会員通信」の欄に、11月5日付で刊行予定の拙著『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行:ルーマニアの古都を歩く』(オールカラー192頁・本体定価2800円)のプロモーションのエッセイを寄稿しましたので、転載してみます。

 切手100年(ルーマニア)   国境の牛

 オードリー・ヘップバーンの映画『シャレード』は、莫大な額の大金を高価な切手に変えて隠すトリックが鍵だった。映画に登場した切手は架空のものだが、モデルとなった珍品は存在する。

 その中の一つが、1858年、モルダヴィア公国(現ルーマニア)で発行された牛の紋章切手、俗に言う“モルダヴィアの牛”だ。未使用の残存枚数は30-40枚という珍品である。

 昨年(2008年)の夏、僕は展覧会の仕事でルーマニアに行った。そのついでに、ドラキュラ城のモデルとされるブラン城やルーマニア革命発祥の地となったティミショアラ、世界遺産にも指定されている南ブコヴィナの修道院など、主要な観光スポットも回った。しかし、それらよりもずっと強く印象に残っているのが、いたるところで見かけた“モルダヴィアの牛”だ。

 建物の入口やワインのラベル、自動車のナンバープレートなど、町を歩けば切手小僧の憧れだった珍品と同じ顔が町中にあふれている。移動の車中からは、生きている“モルダヴィアの牛”が草を食む姿を何度も目にした。

 “モルダヴィアの牛”を見つけると興奮気味にデジカメのシャッターを押す僕を見て、地元の連中は変な奴だという顔をして笑っていたが、(元)切手小僧にとっては、やはり“モルダヴィアの牛”は特別な存在なのだ。

 そんな僕のルーマニア体験をまとめてみたのが、11月に刊行予定の『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行:ルーマニアの古都を歩く』だ。“モルダヴィアの牛”を追いかけながら、ルーマニアの地に展開されてきた複雑な歴史の輪郭をなぞる歴史紀行という体裁の本になっている。

 本来なら、昨年中に仕上げるつもりだった原稿が遅れ、結果として、世界に衝撃を与えたチャウシェスクの処刑(1989年)から20周年というタイミングにぶつけられたのは、怪我の功名とでもいうべきか。

 とまれ、読者諸賢には、拙著を手に取っていただき、僕と一緒にルーマニアの過去と現在を歩くタイム・トラベルを楽しんでいただければ幸いである。(転載終わり)


 実際の記事には図版は入らないのですが、ここでは、“モルダヴィアの牛”を取り上げたルーマニアの「切手100年」の切手と、ルーマニア=モルドヴァ国境近くの牛の群れを画像として貼っておきます。

 さて、彩流社の“切手紀行シリーズ”の第2弾『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』の刊行予定日(11月5日)まで、いよいよ1ヶ月を切りました。現在、印刷作業も順調に進んでいるようで、実際には10月下旬には実物ができあがってくると思いますので、よろしくお願いいたします。

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