内藤陽介 Yosuke NAITO
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 世界漫遊記:5つの修道院③
2009-10-27 Tue 08:11
 『キュリオマガジン』2009年11月号が出来上がりました。僕の連載「郵便学者の世界漫遊記」は、前回に続きルーマニア北東部・南ブコヴィナの“5つの修道院”の3回目。今回は、そのなかから、こんなモノをもってきました。(以下、画像はクリックで拡大されます)

 スチェヴィツァ壁画(切手)   スチェヴィツァ壁画(実物)

 左は、スチェヴィツァ修道院の壁画を取り上げた1970年の切手で、右側は、聖堂内部の壁面に描かれているオリジナルのフレスコ画です。アーチ状の入口のすぐ上の部分がトリミングされて切手に取り上げられています。

 スチェヴィツァ修道院は、モルダヴィアの名門貴族モヴィラ家(ペトゥル・ラレシュの母方の家系)のエレミアとシミオンの兄弟およびエレミアの妻エリザベータによって1582年から1584年にかけて建てられました。“イエスの復活”にささげられたため、復活教会というのが正式な名前です。また、モヴィラ家がシュテファン大公に連なる一族であることを誇示するため、大公時代のスタイルを継承しています。ただし、シュテファン大公やペトゥル・ラレシュ時代のものではないため、“五つの修道院”の中では最大の規模を誇り、保存状態が良好であるにもかかわらず、世界遺産には登録されていません。

 1595年、長兄のエレミアがモルダヴィア公となると、彼は教会入口の南北側に2つのポーチを増築。さらに、教会の周囲を塔のある壁で囲んだことで、現在見られる城塞風の外観ができあがりました。
 
 修道院聖堂の北面~東面~南面にかけては、さまざまな壁画が描かれているのですが、通常、「最後の審判」が描かれるはずであった西面には壁画がありません。これは、西面のフレスコ画を担当していた職人が足場から足を踏み外して転落し、亡くなってしまったため、他の職人は誰もその足場に近づこうとせず、壁画が作られなかったからだといわれています。

 なお、今回ご紹介のスチェヴィツァ修道院をはじめ、南ブコヴィナの“5つの修道院”については、新刊の拙著『トランシルヴァニア/モルダヴィア歴史紀行』でもいろいろとご紹介しております。雑誌の連載記事に大幅に加筆した内容となっておりますので、こちらの方もぜひ、ご覧いただけると幸いです。


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