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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 <JAPEX 09>出品作品より
2009-11-01 Sun 11:51
 <JAPEX>はきょう(1日)までですが、今回、僕は競争出品に「泰俘虜収容所の郵便史』と題する1フレームの作品を出品しています。おかげさまで、国際展出品資格の金銀賞を無事に頂戴することができましたので、ご報告するとともに、作品の中から、こんなモノをもってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)

 泰収容所宛・転送葉書

 これは、1943年8月20日、日本占領下のジャワ島マランからジャワ収容所Dの収容者に宛てて差し出されたものの、名宛人が泰緬鉄道の建設に動員され、タイへ移動していたため、“泰國へ移管”の印が押されて転送された葉書です。葉書の右上には、名宛人がノンプラドックの第一分所に収容されていたことを示す“No1Gr”の書込もあります。

 戦況の悪化により、インド洋岸を経由して海路ビルマ方面に補給することが困難になることが予想されたことから、陸路ビルマにつながる補給路を確保するため、日本軍はいわゆる泰緬鉄道の建設を計画します。

 タイのバンコクとビルマのラングーンを結ぶ鉄道の建設は、20世紀初頭、ビルマを支配していたイギリスの下でいくつかのルートが検討されたものの、地形が険しく、断念されていたという経緯がありますが、日本軍は、イギリスがかつて検討したルートの一つを継承するかたちで、ビルマのタンビュザヤとタイのノンプラドックを結ぶ415キロの鉄道建設を計画し、これに既存の鉄道路線をつなげることで、タイ=ビルマ間の輸送ルートを確保することにしたのです。

 タイ側との正式な建設協定が結ばれたのは1942年9月のことでしたが、すでに7月からは測量も開始され、1943年1月からは実際の建設工事がスタート。完成までには5年の工期が必要との予測もありましたが、日本軍は、およそ6万人のイギリスオランダオーストラリアなど連合軍捕虜を労働者として投入するとともに、20万人を越えるアジア各国の労働者を動員して、突貫作業の末に、同年10月25日、工事を完成させました。今回の葉書の名宛人も、そうした工事に動員された一人でしょう。

 さて、今回の作品は、2007年の<JAPEX>でタイ切手展に出品したもののリニューアルで、企画展示の“軍事郵便”のところに並んでいました。 企画部門への出品ということで、非競争出品という選択肢もあったのですが、いままで、国際切手展のワン・フレーム(1F)クラスは応募資格に制限がなかったのに対して、ルール改正により、今後は、レギュラークラス同様、国内展で金銀賞を取っていないといけなくなったため、資格を取得したくて競争出品に出品したという次第です。間の悪いことに(?)イギリス人ピッカリー氏が僕と同じテーマで6Fの作品を出品していましたので、それと比較されてしまうとかなりつらいところがあるのですが、ともかくも所期の目的を達することができましたので、大満足です。

 なお、かつての泰緬鉄道が現在はどうなっているかという点については、2007年に現地で“泰緬鉄道”ツアーに参加した時のレポートを拙著『タイ三都周郵記』でもまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。

 * 昨日のトークイベントは、無事、盛況のうちに終了いたしました。お集まりいただきました皆様には、あらためてお礼申し上げます。


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